1.切手でもらったときの処理 資料代など少額なお金のやり取りを切手でもらった場合に、何も計上しないことはおかしいことになります。
かといって、切手は現金ではありませんので、現金出納帳に記帳をするわけにも行きません(小切手や郵便小為替のように、すぐに現金化できるものは簿記では現金と考えますが、切手は、郵便局に言っても現金化できませんので、現金ではありません)
それではどうすればいいでしょうか?
切手は、簿記では「貯蔵品」として経理されます。 会計ソフトや振替伝票を使っていれば
(借方)(貯蔵品)(貸方)(○○収入)のように計上します。
切手用の出納帳を使っていただいても構いません
2.切手を使ったときの処理 切手を使ったときの処理は、その時点で、「通信費」などになります 仕訳としては
(借方)(通信費)(貸方)貯蔵品 ということになります。
理論上はそういうことですが、しかし、この処理は、「
切手を使ったたびに計上する」ということですから、相当大変な感じがします。 実際、多くの団体は、郵便局から切手を買ったときに、使っていなくても(通信費)とすると思います。
これは、本来は正しくありませんが、重要性の原則から、
重要性の低いものは簡便的な処理が認められるという考えの下、実務でも定着しています。
切手でもらう量が大量であればともかく、多くの団体は、それほどのことはないと思います。
ということは、この切手の処理も簡便的な処理をしても問題ないのではないかと思います。
それでは、簡便的な処理とはどのような処理でしょうか?
3.簡便的な処理(1) 切手でもらったときには、「貯蔵品」で計上し、使ったときには何も計上しません。
そうすると、「貯蔵品」勘定に残高がたまっていきます。
月末あるいは期末に、切手の残高を数えて、切手がない分は、「使った」と考えて、通信費勘定に振替えます。 例えば、貯蔵品勘定の累計が5万円になっているが、実際に切手を数えたら1万円だったとします。
そうすると、4万円を使ったということですので
(借方)(通信費)4万円(貸方)(貯蔵品)4万円 という仕訳をきります。
4.簡便的な処理(2) 上の処理はかなり合理性のある会計処理ですが、考えてみれば、郵便局で購入した切手は、購入したときに(通信費)として、「貯蔵品」には計上していないのに、切手でもらった分は使っていない分だけ「貯蔵品」という資産に計上するのはバランスを欠いている感じもします。
もし、切手でもらった分だけは、他の切手とは明確に分けて管理をするのであれば、上の方法がいいと思います
しかし、
もらった切手分は、他の切手といっしょにしてしまうのであれば、他の切手と同じように処理をするのが適正かもしれません その場合には、
切手でもらった分を他の切手といっしょにした時点で
(借方)(通信費)(貸方(貯蔵品) とする処理も許容されるのではないかと思います