埼玉県NPO基金
[2008年10月08日(水)]
月曜日に、埼玉県でNPO会計の講座をしました
そこで、埼玉県NPO基金の「団体希望寄附金制度」について知りました
この制度、びっくりというか、画期的な制度です
どう画期的なのかというと、ふるさと納税の仕組みをそのまま使って、実質的にNPOに寄付をした人に、「税額控除」が適用されるのです
以下詳細です
1.埼玉県NPO基金とは
埼玉県NPO基金は、平成16年4月に創設された基金で、県民や企業などから
@一般寄付(特に希望なし)
A分野希望寄付(保健医療福祉や環境など17分野から活動分野を希望)
B団体希望寄付(基金登録団体の中から具体的な団体名を希望)
の3つの方法によって寄付をもらい、NPO活動支援のための事業を実施するということです
2.団体希望寄附金制度とは
埼玉県NPO基金への寄付の際に、あらかじめ登録された団体(基金登録団体)の中から特に応援したい団体を希望することができる制度です
団体希望のあった寄附金は、助成運営委員会の審査を経て、「NPO活動推進助成事業」によって、その団体が実施する事業に助成します
寄附金の一部はNPO活動推進全般のために使われるということなので、全額が希望した団体に助成されるわけではないそうです
つまり、この制度は、寄付者は「埼玉県NPO基金」へ寄付をし、埼玉県NPO基金が審査を経て、寄付者が希望した団体へ助成(一部は活動資金に充てられる)するという形をとります
この制度がすごいのは、寄付者は「埼玉県」に寄付をしたのと同じ税制上の扱いを受け、さらに、この埼玉県に対する寄付が、税額控除されるということです
どのような内容でしょうか
3.寄付者のメリット
(1)寄付者が法人の場合
寄附金額の全額を損金算入(経費扱い)することができます
<解説>
これは、認定NPO法人にも認められていない、とっても大きな特典です
(2)寄付者が個人の場合
@所得税:
寄付金額か所得の合計の40%のどちらか低い方の金額から5千円を差引いた金額が控除されます
<解説>
これは、認定NPO法人などが受けられる寄附金控除と同じものです
A個人住民税
次の(1)と(2)の合計額が税額から控除されます
(1)(寄付金額−5千円)×10%
(2)(寄付金額−5千円)×(90%−所得税の税率)
なお、(2)の額については、個人住民税所得割額の1割が限度となります
また、寄付金額は、他の寄付金額とあわせて所得の合計額の30%が上限となります
<解説>
このうち(1)については、今度の税制改正で新しく創設された住民税の寄附金控除制度で、認定NPO法人になって各地方自治体が認めた法人については適用される制度です。
従って、この基金を使わなくても、認定NPO法人になればこの控除を受けることができる可能性があります
問題は(2)です
この算式の意味を考えてみます
この埼玉NPO基金に団体を指定して寄付を10万5千円をしたとします。
この寄付をした方の所得税の税率が10%とします
そうすると、所得税の寄附金控除は(10万5千円−5千円)=10万円。
所得税の寄附金控除は「所得控除」ですので、実際に所得税が還付されるのは、10万円×10%=1万円です
一方、個人住民税の(1)については、(10万5千円−5千円)×10%=1万円
これは税額控除ですから、このまま1万円が住民税から控除されます
問題は(2)です
(10万5千円−5千円)×(90%−10%(所得税の税率))=8万円
ということになります。この8万円が税額から控除されます
つまり
所得税で1万円の控除
個人住民税の(1)で1万円の控除
個人住民税の(2)で8万円の控除
合計 10万円の控除
ということになります
10万5千円を埼玉県NPO基金に寄付をして、10万円税金が安くなるという制度なのです
つまり、個人で実質的に負担しているのは5千円だけです
これはすごい制度です
国や埼玉県に税金を支払う代りに、埼玉県NPO基金を通して、各NPO法人へ支払われるともいえる制度です
これはふるさと納税の制度をそのまま埼玉県NPO基金に持ってきたという形のようです
もちろん、「個人住民税所得税割額の1割が限度」ですので、いくらでもOKという形にはなりませんが、それにしてもすごい制度です
埼玉県がNPOを支援しようとする並々ならぬ意欲を感じます
4.基金登録団体になるには
この基金を受けられる登録団体になるための要件は以下の通りです
@主たる事務所の所在地が埼玉県内であること
ANPO活動を行う区域が主として埼玉県内であること
BNPO法に規定する書類(事業報告書、収支計算書等)をすべて所轄庁に提出していること
C無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の処分団体でないこと
上の要件を満たしている法人が、「団体登録申請書」を提出し、審査を経て基金登録団体になります
登録団体数は、20年9月現在で、ざっと数えた感じでは170団体前後ではないかと思います
要件は、そうとうゆるい感じで、これだけの優遇措置を与えるのにこんな要件がゆるくてだいじょうぶなのかと逆に心配になってきました
5.まとめ
以下、埼玉NPO基金の団体希望寄附金制度をまとめます
@寄付者は埼玉県に主たる事務所があり、埼玉県を主に活動拠点にしている登録団体を指定して埼玉NPO基金へ寄付をする
Aそうすると、寄付者は、寄付をした金額から5千円を控除した残りの金額が税金から控除される(ただし、個人住民税所得割額の1割が限度など、限度額あり)。
B寄付をした金額は、助成運営委員会の審査を経て、一部はNPO活動推進全般に充てられた上で、指定した団体に基金からの助成金と言う形で支払われる
NPOへの寄付に税額控除が適用されるのはまだ相当先だと思っていましたが、ふるさと納税の仕組みを生かして作られたこの埼玉県の試みは、日本の寄付税制に大きな可能性を与えるのではないかと思います

そこで、埼玉県NPO基金の「団体希望寄附金制度」について知りました
この制度、びっくりというか、画期的な制度です
どう画期的なのかというと、ふるさと納税の仕組みをそのまま使って、実質的にNPOに寄付をした人に、「税額控除」が適用されるのです
以下詳細です
1.埼玉県NPO基金とは
埼玉県NPO基金は、平成16年4月に創設された基金で、県民や企業などから
@一般寄付(特に希望なし)
A分野希望寄付(保健医療福祉や環境など17分野から活動分野を希望)
B団体希望寄付(基金登録団体の中から具体的な団体名を希望)
の3つの方法によって寄付をもらい、NPO活動支援のための事業を実施するということです
2.団体希望寄附金制度とは
埼玉県NPO基金への寄付の際に、あらかじめ登録された団体(基金登録団体)の中から特に応援したい団体を希望することができる制度です
団体希望のあった寄附金は、助成運営委員会の審査を経て、「NPO活動推進助成事業」によって、その団体が実施する事業に助成します
寄附金の一部はNPO活動推進全般のために使われるということなので、全額が希望した団体に助成されるわけではないそうです
つまり、この制度は、寄付者は「埼玉県NPO基金」へ寄付をし、埼玉県NPO基金が審査を経て、寄付者が希望した団体へ助成(一部は活動資金に充てられる)するという形をとります
この制度がすごいのは、寄付者は「埼玉県」に寄付をしたのと同じ税制上の扱いを受け、さらに、この埼玉県に対する寄付が、税額控除されるということです
どのような内容でしょうか
3.寄付者のメリット
(1)寄付者が法人の場合
寄附金額の全額を損金算入(経費扱い)することができます
<解説>
これは、認定NPO法人にも認められていない、とっても大きな特典です
(2)寄付者が個人の場合
@所得税:
寄付金額か所得の合計の40%のどちらか低い方の金額から5千円を差引いた金額が控除されます
<解説>
これは、認定NPO法人などが受けられる寄附金控除と同じものです
A個人住民税
次の(1)と(2)の合計額が税額から控除されます
(1)(寄付金額−5千円)×10%
(2)(寄付金額−5千円)×(90%−所得税の税率)
なお、(2)の額については、個人住民税所得割額の1割が限度となります
また、寄付金額は、他の寄付金額とあわせて所得の合計額の30%が上限となります
<解説>
このうち(1)については、今度の税制改正で新しく創設された住民税の寄附金控除制度で、認定NPO法人になって各地方自治体が認めた法人については適用される制度です。
従って、この基金を使わなくても、認定NPO法人になればこの控除を受けることができる可能性があります
問題は(2)です
この算式の意味を考えてみます
この埼玉NPO基金に団体を指定して寄付を10万5千円をしたとします。
この寄付をした方の所得税の税率が10%とします
そうすると、所得税の寄附金控除は(10万5千円−5千円)=10万円。
所得税の寄附金控除は「所得控除」ですので、実際に所得税が還付されるのは、10万円×10%=1万円です
一方、個人住民税の(1)については、(10万5千円−5千円)×10%=1万円
これは税額控除ですから、このまま1万円が住民税から控除されます
問題は(2)です
(10万5千円−5千円)×(90%−10%(所得税の税率))=8万円
ということになります。この8万円が税額から控除されます
つまり
所得税で1万円の控除
個人住民税の(1)で1万円の控除
個人住民税の(2)で8万円の控除
合計 10万円の控除
ということになります
10万5千円を埼玉県NPO基金に寄付をして、10万円税金が安くなるという制度なのです
つまり、個人で実質的に負担しているのは5千円だけです
これはすごい制度です
国や埼玉県に税金を支払う代りに、埼玉県NPO基金を通して、各NPO法人へ支払われるともいえる制度です
これはふるさと納税の制度をそのまま埼玉県NPO基金に持ってきたという形のようです
もちろん、「個人住民税所得税割額の1割が限度」ですので、いくらでもOKという形にはなりませんが、それにしてもすごい制度です
埼玉県がNPOを支援しようとする並々ならぬ意欲を感じます
4.基金登録団体になるには
この基金を受けられる登録団体になるための要件は以下の通りです
@主たる事務所の所在地が埼玉県内であること
ANPO活動を行う区域が主として埼玉県内であること
BNPO法に規定する書類(事業報告書、収支計算書等)をすべて所轄庁に提出していること
C無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の処分団体でないこと
上の要件を満たしている法人が、「団体登録申請書」を提出し、審査を経て基金登録団体になります
登録団体数は、20年9月現在で、ざっと数えた感じでは170団体前後ではないかと思います
要件は、そうとうゆるい感じで、これだけの優遇措置を与えるのにこんな要件がゆるくてだいじょうぶなのかと逆に心配になってきました
5.まとめ
以下、埼玉NPO基金の団体希望寄附金制度をまとめます
@寄付者は埼玉県に主たる事務所があり、埼玉県を主に活動拠点にしている登録団体を指定して埼玉NPO基金へ寄付をする
Aそうすると、寄付者は、寄付をした金額から5千円を控除した残りの金額が税金から控除される(ただし、個人住民税所得割額の1割が限度など、限度額あり)。
B寄付をした金額は、助成運営委員会の審査を経て、一部はNPO活動推進全般に充てられた上で、指定した団体に基金からの助成金と言う形で支払われる
NPOへの寄付に税額控除が適用されるのはまだ相当先だと思っていましたが、ふるさと納税の仕組みを生かして作られたこの埼玉県の試みは、日本の寄付税制に大きな可能性を与えるのではないかと思います








