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NPO会計道

「会計で日本のNPOの発展に貢献したい!」という思いで始めたブログです。NPOの会計や税務はどのようになっているのか、どうあるべきかを考えていき、NPO会計の道を究めることを目指しています。
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早明戦の課税問題 [2006年12月03日(日)]
 今日、ラグビーの早明戦がありましたね。
 早明戦といえば、20年位前に1回だけ見に行ったことがあります。朝の8時くらいから並んだのですが、大雪で、死ぬほど寒くて懲りた記憶があります。
 しかも、試合は、終了間際の10分くらい、リードしていた早稲田のゴール前で、明治の怒涛の攻撃があったのですが、反対サイドに座っていたのでまったく見えずに、笛の音でしか何が起こっているのかわからない状況で、「ラグビーは家で見るもんだ」と思った記憶があります。こういうのをインドア派というのでしょうか。

 しばらく前に、この早明戦の入場料などについて、課税問題が生じた記事が新聞にでていました。NPOにも関係しそうなので、どのようなことが問題になったのか、考えてみました。記事の詳細はここをクリックください。

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1.概要

 今回の記事は、「関東ラグビーフットボール協会」という任意団体が、早明戦などで得た利益を申告していなかったという件です。
 つまり、入場料収入などを収益事業として申告していなかったということです
 世間的には「とんでもない話だ」という感じですが、規模は小さいですが、スポーツ関係のNPOにも似たような問題もあり、微妙なところもあります。

 関東ラグビーフットボール協会は任意団体(税法上は人格のない社団等)ですから、NPO法人と課税上の扱いはほぼ同じです。収益事業から生じた所得についてのみ法人税が課税されます。収益事業に該当しなければ申告する義務もありません。

2.なぜこの協会は申告をしていなかったのか?

 スポーツ大会の入場料は、収益事業で掲げられる33の事業のうち「興行業」に該当します。「興行業」はスポーツ大会やコンサートなどの音楽会、演劇なども該当します。この「興行業」については、下記のような法人税法の通達があります。


 
法人税法基本通達15−1−53

 次に掲げる興行(これに準ずるものを含む。)に該当することにつき所轄税務署長の確認を受けたものは、令第5条第1項第26号《興行業》の興行業に該当しないものとする。(昭56年直法2−16「七」により追加、平2年直法2−1「十一」により改正)

(1)  催物に係る純益の金額の全額が教育(社会教育を含む。)、社会福祉等のために支出されるもので、かつ、当該催物に参加し又は関係するものが何らの報酬も受けないいわゆる慈善興行

(2)  学生、生徒、児童その他催物に参加することを業としない者を参加者又は出演者等とする興行(その興行収入の相当部分を企業の広告宣伝のための支出に依存するものについては、これにより剰余金の生じないものに限るものとし、その他の興行については、その興行のために直接要する会場費、人件費その他の経費の額を賄う程度の低廉な入場料によるものに限る。)




(1) は、いわゆるチャリティーコンサートのようなものです。

今回の早明戦は、(2)により興行業に該当しないかどうかが問われているということであると思われます。
(2)は、いわゆるアマチュアスポーツ大会やアマチュア音楽会などです。これらの大会は、基本的には、税務署長の確認を得ることにより、興行業に該当しない、つまり、収益事業に該当せず、法人税を課税しないことになっています。

これをこのまま適用すれば、早明戦はアマチュアスポーツ大会ですので、課税されないことになります。この協会もこの通達を適用し、税務署の確認を取っていて入場料を申告していなかったということのようです。
おそらく、スポーツ系のNPOなどがおこなう大会などはこの通達を適用して収益事業に該当しないということで申告をしていないところが多いのではないかと思います。


3.なぜ今回課税されたのか?

 問題は、(2)の括弧書の中です。
 「その興行収入の相当部分を企業の広告宣伝のための支出に依存するものについては、これにより剰余金の生じないものに限るものとし、その他の興行については、その興行のために直接要する会場費、人件費その他の経費の額を賄う程度の低廉な入場料によるものに限る」とあります。

早明戦が収入の相当部分を企業の広告宣伝に依存しているかどうかはわかりません(箱根駅伝は完全に依存しているでしょうね)。
仮に依存していないとしても、「その他の興行については・・」に述べられているように、「入場料が会場費や人件費その他の経費などを賄う程度の低廉なものに限る」とあります。ここが今回は問題だったのでしょう。

入場料は2,500円〜5,000円(プロ野球並み!)で、もっとも観客動員力のある大学(早稲田?)への分配金は2,000万円とありますから、「会場費等を賄う程度に低廉」とはさすがにいえないということであると思われます。  

 規模は違うにしても、似たような活動をしているNPOにとっては注意が必要ですね。興行業が収益事業にならないこの通達の適用を受けるには、税務署長の確認を取る必要があります。もし確認を取らずに申告をしていない場合には、確認を取る必要があります。


参考:法人税基本通達逐条解説 谷口勝司著 税務研究会出版
   「アマチュアスポーツ大会、アマチュア演劇、アマチュア音楽会などについては、その性質上、収益を目的として開催されるものではないと思われるし、仮に入場料を徴し行うとしてもこれにより結果として剰余金が生ずるようなものは、ごくまれであろうと考えられるので、強いて収益事業課税の対象にする必要はないと考えられる。
 ただ、冠大会などにおいては、企業の広告宣伝のための支出(協賛金)に依存して大会運営が図られるのが特徴で、中にはこれにより相当の収益を上げているものがあるようである。このような冠大会の主たる目的は、企業の協賛金によって剰余金を得、これを選手強化費などの公益的な支出に充てようというものであろうと思われるが、たとえアマチュアスポーツ大会とはいえ、現に企業の広告宣伝といういわばコマーシャルベースの上にその大会運営が成り立ち、しかもスポンサーである企業の広告宣伝の媒体として利用されるという点に着目すれば、このようなものについてまで無条件で法人税を非課税にするいわれはない。」


 



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