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NPO会計道

「会計で日本のNPOの発展に貢献したい!」という思いで始めたブログです。NPOの会計や税務はどのようになっているのか、どうあるべきかを考えていき、NPO会計の道を究めることを目指しています。
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金融機関の格付け [2008年08月29日(金)]
NPO法人が銀行から融資を受けるのは非常に難しいといわれています

NPOバンクといわれるNPO向けに融資を行うところや、労働金庫などNPO向けの融資に力を入れているところがありますが、それ以外の通常の金融機関からNPOが融資を受けることはなかなか難しいです

営利企業(あるいは個人事業)であれば、開業当初は、国民生活金融公庫(以下「公庫」とします)か地元の自治体の融資を受けることが大部分だと思います

以前に公庫の人の話を聞いたときに、公庫の融資では、株式会社であるかNPO法人であるか、という組織体による違いは考えないということでした

今日は、NPOとは直接の関係は少ないかもしれませんが、金融機関がどのような基準で融資先を判断しているのか、ということを「格付け」ということを基にしてみていくことにします





1. 銀行の貸し出しの仕組み
 
 銀行は、近年、貸付先についてその信用度合いに応じて「企業格付け」というものを行い、その格付けに応じて「債務者区分」を行っています
 
 企業格付けとは、「リスクなし」「リスク些細」「リスクはあるが平均的水準」「警戒先」「延滞先」「事故先」などの分類です
 
 債務者区分とは「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」などの分類です
 
 そして、この債務者区分を中心(担保なども関係します)にして銀行は、貸倒による損失の見込み額である「貸倒引当金」の設定する率が決まってきます
 
 債務者区分が低いところにお金を貸すと、貸倒引当金をたくさん設定しなければならず、その結果、銀行の収益は悪化します。
 
 だから、銀行は債務者区分の低くなるところへの融資は控えます

 これが貸し渋りの原因にもなっています。
 
 NPOの場合にはこの「債務者区分」が低くなる場合が多いので、銀行からの融資が難しいのではないかと思われます。
 
 それでは、債務者区分の基となる「企業格付け」はどのようにして行われるのでしょうか?


2. 企業格付け 

 企業格付けとは、金融機関がつける企業の内申書のようなものです。

 具体的には、各金融機関が取引先企業の今後3〜5年間における信用力をスコアリングして10〜15項目に分類することで、各金融機関が独自のスコアリングシート(得点表)を使用して行います

 この企業格付けを基にして融資の実行の有無や金利水準、担保水準などが決まります

 この企業格付けがどのように行われているのかは、金融機関により様々であり、正確に知ることは難しいですが、一例として、TKCの「企業格付け自己診断システム」を基にしてどのように格付けがされるのかを見ていくことにします



3. 格付けの流れ

 格付けの流れとして

@ まず、財務諸表(NPO法人の場合には収支計算書と貸借対照表)からスコアリングシートを使って定量分析を行い、格付けが行われます

A その後に、チェックリストを基にして、経営者の能力や企業力(業績、製品開発力等)、個人資産の余力などの定性的な要因を加味して、最終的な格付けが行われます


 それでは、定量分析はどのようにして行われるのでしょうか


4. 定量分析

 定量分析の財務評価の項目としては以下のようなものが考えられます

(1) 安全性項目

@ 自己資本比率(純資産/総資産)

 自己資本比率は総資産のうち純資産(正味財産)の占める割合です

 NPOの場合にも、まずは正味財産がある程度はないと、融資を受けることは難しいです
 正味財産がマイナスの場合には「債務超過」といいますが、この場合に融資を受けることは難しいでしょう

A ギヤリング比率(有利子負債/純資産)

 有利子負債/純資産(正味財産)で計算されます。

 有利子負債とは、利息を支払っている負債です

(2) 収益性項目

@ 売上高経常利益率(経常利益/売上高)

 営利企業ですと、売上高のうちに経常利益の占める割合になります

 NPOの場合にはこの部分をどのように金融機関が評価するのかは不明です(この辺の判断基準がないからNPOには融資しないのかもしれません)

 考えられるのは経常収入のうち経常収支差額の占める割合ということになるでしょうが、そもそも利益を目的としないNPOに収益性を考慮するということに無理がありますので、どうでしょうか?

 かといって、組織が継続するには利益が必要ですので、全く考慮されないとも思えません

A 総資本経常利益率(経常利益/総資本)

 
貸借対照表の総資産のうちに経常利益の占める割合です

B 当期利益の推移

(3) 成長性分析

@ 経常利益増加率

A 自己資本額(正味財産のこと)

B 売上高


(4) 返済能力

@ 償却前営業利益(キャッシュフロー額。営業利益+減価償却費)

 減価償却などの償却費を計上する前の営業利益です。

 減価償却費はお金がでていかない経費なので、これを引く前の営業利益とすることで、キャッシュフロー(現金収支)上いくら営業活動で残ったのかを概算で出しています

A 債務償還年数(有利子負債/キャッシュフロー額)

 有利子負債をキャッシュフロー(返済原資)で割り、今ある有利子負債が完済となるまで何年かかるかを測ります

B インタレストカバレッジレシオ((営業利益+受取利息・配当金)/支払利息割引料)

 事業により得た利益が融資における支払利息等、金融費用の何倍であるかを測定するもので、金利の支払能力を示します

 これらの項目をスコアリングシートにより点数化し、それに応じて、定量分析の格付けが決まってきます。

 これに定性分析の要因を加味して、最終的な格付けが決まり、その格付けに応じて債務者区分が決まり、貸倒引当金の設定率も決まるという仕組みです

 しかし、書いていくうちに、これをNPO法人に当てはめるのは相当無理があり、この基準があるために金融機関がNPOに融資するのが進まないのではないか、という気がしてきました。

 
  
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