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NPO会計道

「会計で日本のNPOの発展に貢献したい!」という思いで始めたブログです。NPOの会計や税務はどのようになっているのか、どうあるべきかを考えていき、NPO会計の道を究めることを目指しています。
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パブリックサポートテスト詳細(2) [2008年06月17日(火)]
認定NPO法人制度の改正の内容についてみています

まず最初にパブリックサポートテストの標準型についてみています

算式としては

寄付金等収入金額÷経常収入金額≧1/5

で難しいことはないのですが、分子、分母にいずれについても調整が必要であり、その調整がこのパブリックサポートテストを難しくしている原因の一つになっています

前回は、パブリックサポートテストの分母の調整方法をみていました

今回は、分子の「寄付金等収入金額」の計算方法を見ていくことにします




A分子の寄付金等収入金額とは 

 分子の寄付金等収入金額は、大きければ、多くの人から支持を受けているということで有利になります

 この分子の「寄付金等収入金額」には注意すべき点がいくつかあります

 分子の寄付金等収入金額は、受入寄付金総額(通常の寄付金)にプラスするものとマイナスするものがあります


(イ) プラスするもの   

 受入寄付金等ににプラスするものに、社員から受け入れた会費の合計額のうち、共益的な活動等に係る部分の金額を控除した金額があります

 つまり、寄付金だけではなく、正会員の会費も分子にプラスできるわけです

 会費収入が多いNPOにとっては朗報です

 ただし、注意点として、

 (a)プラスできるのは、会費収入のうち共益的活動に係る部分の金額を除外した金額です。

 共益的活動とは、会員等に対するサービスの提供や会員相互の親睦会などの活動です

 (b)プラスできるのは、受入寄付金等の金額が限度です。

 (c)ここでいう会費は社員からの会費です。

  社員とは、NPO法人の構成員として、社員総会の議決権を持つ者のことです
 
 (d)次の3つの要件をすべて満たしていなければいけません
    
   ・社員の会費の額が合理的と認められる基準により定められていること
   
   ・社員の表決権が平等であること
   
   ・役員とその親族等を除いた社員の数が20人以上であること

  例えば、寄付金が500万円、社員からの会費が400万円、この団体の活動の中で、共益的な活動が10%あったとすると、分子に算入できる会費は400万円×90%=360万円<500万円 ∴360万円ということになります

  寄付金500万円+会費360万円=860万円が分子の金額ということになります

  <まとめ>

   *受入寄付金等の金額を限度にして会費も分子に算入できる(共益的な部分を除く)


(ロ) 分子からマイナスするもの  

分子からマイナスするものは以下の3つです

(a) 受け入れた寄付金のうち、一者当たり基準限度超過額に相当する金額

(b) 実績判定期間における同一の者から受け入れた寄付金の額の合計額が1000円に満たないもの

(c) 寄附者の氏名又は名称が明らかでない寄付金


(b)は少額寄付、(c)は匿名寄付と言われるもので、いずれも分子の「寄付金等収入金額」から除かれます

 この少額寄付や匿名寄付を分子から除かなくてもいいのが後述する小規模法人の特例です

 難しいのは(a)の「一者あたりの基準限度超過額が分子から除かれる」というところです

 どういうことかというと、パブリックサポートテストは、ひろく一般から支持されている団体を公益性が高いと考えて税制上の優遇措置を与えようという制度でした

 そして、広く一般から支持されているかどうかを基本的に「多くの人から寄付を集めている」という観点から考えます。

 そうすると、寄付金総額だけから判断すると、特定の人から多額の寄付を受けている団体もこのパブリックサポートテストをクリアしてしまい、趣旨からはずれたことになってしまいます

 そこで、一者あたりの分子に算入できる寄付金の金額に限度額を設けて、その限度額を超える金額は分子に算入できないようにしています

 そうでないと、一人から1000万円の寄付を受けているだけで他に収入がないNPO法人が、パブリックサポートテストをクリアするという事態が生じてしまうからです

 そして、この「一者あたりの基準限度超過額」の計算について、今回2つの改正が行われました

 <改正点>
 受入寄付金総額から控除する一者当りの基準限度超過額

@ 同一の者から寄付金の合計額のうち、受入寄付金総額の

100分の5を超える部分の額(改正前)→100分の10を超える部分の額(改正後)


* 特定公益増進法人又は認定NPO法人からの寄付金については、受入寄付金総額の100分の50を超える部分の額

 例えば、受入寄付金総額が1000万円で、そのうち、ある特定の人から200万円の寄付を受けていたとします。その場合には、従来であれば、1000万円×5%=50万円(これが基準限度額)までしか分子に算入できず、150万円(これが基準限度超過額)は分子から除かれる(しかも分母からは原則として除かれない)という扱いでした。

 この改正により1000万円×10%=100万円までは分子に算入され、分子から除かれるのは100万円ということになりました。

 従って、特定の人から多額の寄付を受取っている団体には朗報となります

A社員からの寄付金について、その親族等からの寄付金を同一の者からの寄付金とみなす規定は適用しない

  基準限度超過額を計算する際に、従来は役員や社員については親族合算といって、親族からの寄付金は合算していました。

 例えば、Aさんが100万円、Aさんの奥さんが100万円の寄付をし、AさんがそのNPO法人の社員(正会員)であったとすると、二人の寄付金は合算して、200万円と考えて基準限度超過額が計算されました
 
 受入寄付金総額が1000万円であれば、1000万円×10%=100万(改正後)が基準限度額ですので、200万円―100万円=100万円は基準限度超過額として分子から除かれることになります

 しかし、改正後は、社員からの寄付金は親族合算されないことになりました

 従って、Aさんの100万円、Aさんの奥さんの100万円は別々に基準限度額が計算されますので、いずれも基準限度額の範囲に収まり、基準限度超過額は生じない、0円ということになります。つまり、100万円(Aさん)+100万円(奥さん)=200万円が全額分子に算入されることになりました

 ただし、今回の改正で、親族合算をする必要がなくなったのは、あくまでも「社員からの寄付金」についてだけです。

 「役員からの寄付金」については、親族合算の規定は残っています。
 もともとこの改正(親族合算について社員が除外された)の背景は、パブリックサポートテストの要件緩和というよりは、寄附者個人個人に親族関係がないかどうかを証明するのが大変であるということがありました。
 
 社員に比べて役員は数も少なく、NPOに与える影響も大きいので、役員についてだけは残ったということのようです


 <まとめ>

  匿名寄付、少額寄付、特定の人からの多額の寄付は分子から除く

  特定の人からの多額の寄付として分子から除かれる金額

    (改正前)受入寄付金総額の5%を超える部分(役員と社員については親族合算)

    (改正後)受入寄付金総額の10%を超える部分(役員については親族合算)


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