企業会計とNPO会計(2)
[2006年10月11日(Wed)]
昨日、NPOがなぜ損益計算書ではなく収支計算書なのか、その理由は「予算管理をしたかったからだ」と書きました。今日は、そもそも「予算管理」とは何か?予算管理をするのにはなぜ損益計算書では不都合なのかを書きます。
まず前提。収支計算書と損益計算書が具体的にどこが違うのか。ざっくり言えば、借入金と固定資産の購入時の扱いが大きく違ってきます。収支計算書ではお金を借りたときに「借入金収入」、返済したときに「借入金支出」として収入の部、支出の部に計上しますが、損益計算書では、お金を借りたり返したりしたからといって得したわけでも損したわけでもないので、収益、費用には計上しません(支払利息は費用に計上)。また、固定資産を購入したときには収支計算書では「固定資産支出」として支出の部に計上しますが、損益計算書では、購入時には資産に計上し、使用する期間にわたって毎期減価償却費として費用に計上していきます。
つまり、お金を借りたとき、返したときに収入(収益)、支出(費用)に計上するか、固定資産を購入したときに支出(費用)に計上するかどうかが収支計算書と損益計算書の大きな違い。これが予算管理とどう関係してくるのか?
国家の予算、決算をまず考えてみます。
国家予算は国会の決議で決まります。この際の予算は、収支計算書形式でしょうか、損益計算書形式でしょうか。もちろん、収支計算書形式です。もし損益計算書形式で国家予算を組んだら、国債の新規借入や返済は予算に計上されないことになってしまいます(国債発行30兆円以下の約束が損益計算書形式では予算に計上されないことになってしまいます)。道路建設の費用が予算に計上されないことになってしまいます。当然、国家予算は収支計算書方式です。そして、決算は、国会で決議された予算どおりに執行したかどうかを確認するためのものです。予算に計上されていない支出を計上することは基本的には許されないはずです。
これをNPOに置き換えてみると、国会はNPOでは総会にあたり、行政庁は理事あるいは理事会にあたります。NPOでは総会で決議された収支予算書に基づいて日ごろの業務を行い、決算では、予算と比べてどうだったのかを比較検討するわけです。総会で収支予算を組み、理事に業務を委託し、理事は、予算の範囲内で業務を行ったことを、総会で予算対比の収支計算書で表示することで責任が解除されるというモデルケースがあるわけです。予算どおりに行ったのかどうかがはっきりとわかるため、つまり、予算管理のためには、借入金の収入や支出、固定資産の購入が表示されない損益計算書方式では困るわけです。
収支計算書が採用される積極的な理由は予算対比の収支計算書を総会に提示することで理事が、前期の総会で決議されたとおりの責任を果たしたのかどうかを明らかにすることであるわけです。このことを前提に旧公益法人会計基準は収支予算書と収支計算書を計算書類の中心に位置づけました。NPOもこの旧公益法人会計基準を基本的には引き継いでいるように思えます。
この考え方にはそれなりの納得感があるように思えます。ところが、NPO会計の親元であるはずの公益法人会計基準が、この収支予算書及び収支計算書を計算書類の中心からはずして、損益計算書形式の計算書類を中心にするように変更したのです。
次回は、なぜ公益法人会計基準が損益計算書形式の計算書類を中心にするように変更したのか、それでもNPOは収支計算書を中心に置くべきなのかを考えていきます。
まず前提。収支計算書と損益計算書が具体的にどこが違うのか。ざっくり言えば、借入金と固定資産の購入時の扱いが大きく違ってきます。収支計算書ではお金を借りたときに「借入金収入」、返済したときに「借入金支出」として収入の部、支出の部に計上しますが、損益計算書では、お金を借りたり返したりしたからといって得したわけでも損したわけでもないので、収益、費用には計上しません(支払利息は費用に計上)。また、固定資産を購入したときには収支計算書では「固定資産支出」として支出の部に計上しますが、損益計算書では、購入時には資産に計上し、使用する期間にわたって毎期減価償却費として費用に計上していきます。
つまり、お金を借りたとき、返したときに収入(収益)、支出(費用)に計上するか、固定資産を購入したときに支出(費用)に計上するかどうかが収支計算書と損益計算書の大きな違い。これが予算管理とどう関係してくるのか?
国家の予算、決算をまず考えてみます。
国家予算は国会の決議で決まります。この際の予算は、収支計算書形式でしょうか、損益計算書形式でしょうか。もちろん、収支計算書形式です。もし損益計算書形式で国家予算を組んだら、国債の新規借入や返済は予算に計上されないことになってしまいます(国債発行30兆円以下の約束が損益計算書形式では予算に計上されないことになってしまいます)。道路建設の費用が予算に計上されないことになってしまいます。当然、国家予算は収支計算書方式です。そして、決算は、国会で決議された予算どおりに執行したかどうかを確認するためのものです。予算に計上されていない支出を計上することは基本的には許されないはずです。
これをNPOに置き換えてみると、国会はNPOでは総会にあたり、行政庁は理事あるいは理事会にあたります。NPOでは総会で決議された収支予算書に基づいて日ごろの業務を行い、決算では、予算と比べてどうだったのかを比較検討するわけです。総会で収支予算を組み、理事に業務を委託し、理事は、予算の範囲内で業務を行ったことを、総会で予算対比の収支計算書で表示することで責任が解除されるというモデルケースがあるわけです。予算どおりに行ったのかどうかがはっきりとわかるため、つまり、予算管理のためには、借入金の収入や支出、固定資産の購入が表示されない損益計算書方式では困るわけです。
収支計算書が採用される積極的な理由は予算対比の収支計算書を総会に提示することで理事が、前期の総会で決議されたとおりの責任を果たしたのかどうかを明らかにすることであるわけです。このことを前提に旧公益法人会計基準は収支予算書と収支計算書を計算書類の中心に位置づけました。NPOもこの旧公益法人会計基準を基本的には引き継いでいるように思えます。
この考え方にはそれなりの納得感があるように思えます。ところが、NPO会計の親元であるはずの公益法人会計基準が、この収支予算書及び収支計算書を計算書類の中心からはずして、損益計算書形式の計算書類を中心にするように変更したのです。
次回は、なぜ公益法人会計基準が損益計算書形式の計算書類を中心にするように変更したのか、それでもNPOは収支計算書を中心に置くべきなのかを考えていきます。
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