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NPO会計道

「会計で日本のNPOの発展に貢献したい!」という思いで始めたブログです。NPOの会計や税務はどのようになっているのか、どうあるべきかを考えていき、NPO会計の道を究めることを目指しています。
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NPO法人と法人税の申告(4) 別表一の記載方法 [2008年05月07日(水)]
NPO法人が法人税の申告をする場合のやり方をみています

順序として

1. 法人全体の損益計算書を作成する

2. 収益事業の損益計算書を作成する

3. 収益事業の損益計算書の当期利益から、法人税の所得金額を計算する

4.収益事業の所得金額から法人税額を計算する

5. それ以外に法人税の申告に必要な書類を作成する


ということでした

今回は、「4.収益事業の所得金額から法人税額を計算する」というところを見ていきたいと思います

具体的には、法人税の別表一の記載方法を中心に見ていきたいと思います
1. 別表一の概要

 法人税の別表一とは「各事業年度の所得に係る申告書」と言われているものです。

 所得金額から法人税額を計算するまでの過程が書かれている申告書です

 NPO法人の場合には、前回計算した「収益事業の所得金額」から最終的にこの申告で納付する法人税額を計算する申告書ということになります

 別表一には、「青色申告」と言われているものと「白色申告」と言われているものがあります。

 この区分けを間違えないようにしなければいけません。

 まず最初に青色申告と白色申告の違いを見ていきます



2. 青色申告と白色申告の違い 

法人税の申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります

青色申告には様々な特典があります

NPO法人の場合には特に大きいのは以下の2つでしょう

@ 収益事業の所得金額が赤字になった場合に次の年(事業年度)に繰越すことができる

A 減価償却資産(パソコン等)を取得した場合に、取得価額が30万円未満のものについては損金(経費)に計上できる
(白色申告の場合には10万円未満のものしか認められません)

当然、青色申告にしておいたほうがいいのですが、ただし、青色申告をする場合には次の要件が必要です


@ 法定の帳簿書類を備え付け、取引を記録保存すること。帳簿書類は「複式簿記」の原則に従って作成する。

A 青色申告承認申請書を所轄の税務署長に提出すること。


 つまり、複式簿記で記帳をしていることと、申請書を提出していることが条件なのです。

 特に、「青色申告承認申請書」については、提出期限が「青色申告によって申告書を提出しようとする事業年度開始の日の前日まで」ということになっています
 
 ただし、今期から収益事業を開始する場合には、「収益事業を開始した日以後3月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日まで」

 ということになります

 例えば、3月決算(20年3月31日)で、前期(19年)の10月1日設立で、すぐに収益事業を開始したという例で考えてみます

前期分については、収益事業を開始した日から3月を経過した日(1月1日)とその事業年度終了の日(3月31日)のいずれか早い日(1月1日)の前日までですから、19年12月31日までに青色申告承認申請書を出さなければ適用がないということになります

また、今期分については、原則に戻って「その事業年度開始の日の前日まで」ですので、20年3月31日までに青色申告の承認申請を出していなければいけないということになります

もし、前期から収益事業を行っていて、現在(20年5月の段階)でまだ青色申告承認申請書を出していないとした場合には、前期分、今期分のいずれについても「白色申告」ということになります

今期末(21年3月31日)までに青色申告承認申請書を提出すれば、来期(21年4月1日〜22年3月31日)から青色申告ということになります

青色申告承認申請書


3. 法人税額の計算方法

NPO法人の場合の法人税額の計算方法は以下のとおりです

収益事業の所得金額×税率=法人税額

法人税額―中間申告分の法人税額=確定法人税額


 つまり、収益事業の所得金額に税率を乗じて、そこから中間申告で納めている法人税がある場合にはそれを差し引いて今回の申告(確定申告)で納付する法人税額を計算します

 この過程を記載するのが別表一の1から15です

 「1 所得金額又は欠損金額」に収益事業の所得金額(前回計算した別表四の一番下の金額)を記載
します(収益事業の所得金額が赤字であれば、マイナスで記載します)

 「2 法人税額」に、税率を乗じて計算した法人税額を記載します

 3から12までは、法人税の計算で必要な特別控除や留保金課税などを記載するところですが、NPO法人ではそれほど多く出てくるところではないので、省略します

(ただし、「12 控除税額」は利子や配当から源泉徴収がされている場合に記載すると有利ですが、ここでは計算が複雑であり、影響もそれほど大きくない場合がほとんどなので説明を省略します)

そして、「13.差引所得に対する法人税額」に「2 法人税額」と同額を記載します

 「14 中間申告分の法人税額」で、年の途中で納付した法人税額を記載します(通常、送付される法人税の申告書に印刷されています)

 当然、今期に始めて申告をする場合や前期が赤字である場合には中間申告分の法人税額はありませんので、この欄は記載する必要はありません

 そして、「15 差引確定法人税額」に、13から14を引いた金額を記載します(中間申告分がない場合には13の金額をそのまま記載します)





この中で、問題は「収益事業の所得金額×税率=法人税額」というところです

この部分についてはもう少し詳しく記載する必要があります


4・法人税の税率計算

 NPO法人の場合には法人税の税率は以下のとおりです

  収益事業の所得金額が年800万円まで→22%

  800万円を超える部分→30%


 つまり、収益事業の所得金額が100万円であれば、800万円以下ですから、100万円×22%=22万円ということになります

 NPO法人で800万円を超えるというのはかなり珍しいケースではないかと思います

 ただし、設立1年目や、収益事業を開始した事業年度など、その事業年度が1年に満たない場合には、月数で按分しなければいけません
 
 10月1日設立で3月決算の場合には、その事業年度は6月ですので800万円×6/12=400万円までが22%で、400万円を超える部分については30%ということになります

 この計算を記載するのが「30〜32」及び「34〜35」です

 30は「(1)の金額又は800万円× /12相当額のうち少ない金額」とあります。
 
(1) の金額とは収益事業の所得金額です

収益事業の所得金額と、800万円× /12(空白部分は今期の収益事業の月数が入ります)の少ない金額、つまり、22%の税率が適用される金額を記載するということになります

 そして、30の金額に22%を乗じて計算した金額を記載するのが「34 (30)の22%相当額」ということになります





5. 欠損金について

別表一でこれ以外に重要なのは、青色申告をしている場合には「26 欠損金又は災害損失金の当期控除額」と「27  翌期へ繰越す欠損金又は災害損失金」です

26は、今期の収益事業の所得金額を計算する際に控除した前期以前の欠損金を記載するところです

従って、今期が1期目である場合などは関係ありません

一方、27 は、今期の所得金額が赤字であった場合又は前期以前の所得金額が赤字であった場合で、翌期以降に控除できる繰越欠損金がある場合にその金額を記載するところです


別表一については、書き方がどうしてもわからなければ税務署にいけば教えてくれます



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