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NPO会計道

「会計で日本のNPOの発展に貢献したい!」という思いで始めたブログです。NPOの会計や税務はどのようになっているのか、どうあるべきかを考えていき、NPO会計の道を究めることを目指しています。
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NPO法人と法人税の申告 [2008年04月21日(月)]
 NPO法人の中には自力で法人税の申告書を作成するところも多いと思います。

 そこで、NPO法人がどのようにして法人税の申告書を作成したらいいのかを述べたいと思います。

 これから述べる内容は私の個人的なやり方ですので、参考程度としてください

 なお、これから述べる例は、NPO法上のその他事業を行っていないという前提としますが、行っている場合には本来事業とその他事業を合算して、内部取引(その他事業から本来事業への繰入など)を相殺していただければ同じことになります。

 具体的な手順としては

1. 法人全体の損益計算書を作成する

2. 収益事業の損益計算書を作成する

3. 収益事業の損益計算書の当期利益から、法人税の所得金額および法人税額を
計算する

4. それ以外に法人税の申告に必要な書類を作成する


という手順になります

今回は1回目で、法人全体の損益計算書を作成する手順について述べたいと思います
 
1. 法人全体の損益計算書を作成する

 
 まず最初に行うのは、法人全体の損益計算書を作成することです
 
 NPO法人の場合には収支計算書、貸借対照表、財産目録を作成することになっていますが、このうち、法人税の申告をするときに元になるのは収支計算書です。
 
 しかし、法人税の計算のもとになるのは「損益計算書」です。
 
 従って、まずは、法人全体の収支計算書を損益計算書に組み替えなければいけません。
 
  NPO法人→収支計算書を作成
 
  法人税の計算→損益計算書を元にする
 
        ↓
 
  所轄庁提出用の収支計算書を法人税を計算する元になる損益計算書に組み替える必要がある
 

 この組み換えですが、収支計算書の「資金の範囲」をどうしているかによって、違ってきます

 代表的な例をいくつか見ていくことにします


(1) 現金主義の収支計算書を作成している場合

 現金主義の収支計算書を作成し、所轄庁へ提出している場合には、これを損益計算書に組み替えるのは結構大変です

 現金主義の収支計算書とは、

  収入=現預金収入

  支出=現預金支出

  当期収支差額=当期の現預金の増減額


 としている方法です(専門的にいうと、資金の範囲を「現預金」としている方法です)
 
 しかし、損益計算書は

  収益―費用=当期利益

 
 を求めます。
 
 収入=収益、支出=費用になることは、かなり珍しいケースです

 例えば、損益計算書では、すでに物は提供しているがお金は入金されていないようなものでも収益に計上します(売掛金又は未収金として計上)

 逆に、物は納品されているのだがお金は支払ってないようなものでも今期の費用に計上します(未払金として計上)

 現金主義の収支計算書→損益計算書へ

  収入→収益へ(未収金の計上など)

  支出→費用へ(未払金の計上など)




(2) 資金の範囲を「現預金+短期金銭債権債務」としている場合

 NPO法人で多いのは、資金の範囲を「現預金+短期金銭債権債務」としている場合です。

 この方法では、未収金も収入に計上していますし、未払金も支出に計上しています

 この辺は損益計算書と同じです

 ただし、固定資産の支出などは、支出額全額を「固定資産支出額」として支出の部に計上しています

 また、借入金などを「借入金収入」「借入金支出」などとして収入や支出に計上しています

 この辺は、損益計算書とは扱いが違います

 損益計算書は、固定資産を購入した場合には、減価償却分だけが「費用」に計上されます。

 また、お金を借りても得をしたわけではないし、返済しても損をしたわけではないので、「収益」「費用」には計上されません(利息分だけが費用に計上されます)。

 従って、「固定資産支出」の変わりに「減価償却費」を計上し、借入金の収入、支出は利息分を除いて、収益、費用には計上しないように調整をする必要があります


 資金の範囲を「現預金+短期金銭債権債務」としている収支計算書→損益計算書

  収入→収益へ(借入金収入などは収益としない)

  支出→費用へ(固定資産支出などは費用とせず減価償却費分だけを費用に)




(3) 収支計算書=損益計算書としている場合

 NPO法人として作成する書類は収支計算書ですが、その実態を損益計算書としている場合もよくあります

 収入=収益、支出=費用としている場合です(専門的にいうと、資金の範囲を「正味財産」としている方法です)

 つまり、収支計算書の収入には、未収である収入(収益)も入るし、支出には未払いである支出(費用)や減価償却費も計上されるという方法です

 この方法であれば、組み換え計算は必要ありません。

 私は法人税の申告が必要であるNPO法人はすべてこの方法で収支計算書を作っています。

 法人税の申告が必要なNPOは事業型のところが多いし、わざわざ他の方法で収支計算書を作成する意味もないからです。

 この方法で収支計算書を作成し、所轄庁からクレームがついたこともありませ。

 シーズの松原氏も収支計算書を損益計算書とすることは問題ないとおっしゃっている(ここを参照)し、やNPO法成立に貢献した熊代元議員などは、NPO法で言う収支計算書は損益計算書のことだとおっしゃっています

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コメント
脇坂誠也 様

ご回答ありがとうございます。

次からは何でも質問箱にてご質問させていただきます。

ありがとうございました。
Posted by:takashi  at 2008年09月25日(木) 12:03
takashiさん

こんにちは

おっしゃることでいいです

次期繰越収支差額が貸借対照表の正味財産と一致することになります

個別の質問はシーズの何でも質問箱にお聞きいただければと思います

Posted by:脇坂誠也  at 2008年09月25日(木) 09:04
はじめまして。NPOの収支計算書について1点質問させてください。

「(3)収支計算書=損益計算書としている場合」ですが、この場合、当期収支差額は当期正味財産増加額(減少額)と一致するのでしょうか?
Posted by:takashi  at 2008年09月24日(水) 00:35
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