2008年03月06日(Thu)
NPOと消費税(2) 非課税
NPO法人の消費税について書いています
1回目は、消費税が課税されるのは @ 国内において行われること A 事業として行われること B 対価を得て行われること C 資産の譲渡、資産の貸付、サービスの提供であること の4つの条件を満たしているものであることを述べました そして、そのうち、 @の国内において行われることと Bの対価を得て行われること の2つについて、より詳しく見てきました 今日からは、上の4つの条件を満たしていないが消費税が課税されない「非課税取引」について述べていきます 今日は、非課税取引とはどのようなものなのかを述べていきます |
1. 非課税取引とは
(1)非課税取引がある理由 消費税の非課税取引とは、 @ 国内において行われ A 事業として行われ B 対価を得て行われ C 資産の譲渡、資産の貸付、サービスの提供である にもかかわらず、消費税が課税されない取引のことです 消費税法の中で、非課税取引は具体的に列挙されています なぜ非課税取引があるかというと、大きく分けると @ 消費税の性格から見て課税の対象としてなじまないもの A 社会政策上課税すべきでないもの の2つに分かれます 具体例を挙げてみます。 土地の譲渡(売買)は非課税取引です。 NPO法人が国内で、土地を他の法人あるいは個人に売ったり買ったりした場合に、これが上の4つの要件を満たしているのは明らかです。 しかし、土地の売買が「消費か」と言われると、どうでしょうか??? 建物の売買は、確かに、車を買ったのと近いので「消費」と言えるでしょうが、「土地」を買うのを「消費」と言われると、ちょっと違うような気がします。 車や建物のように価値が減っていくものではありませんので、「消費」とはいえない感じがします。 このようなものが「消費税の性格から見て課税の対象としてなじまないもの」です。 一方で、「住宅の貸付」も非課税取引になります。 個人(家族)で、家を賃借している方も多いと思いますが、契約書を見ていただくと、消費税がかかっていないことがわかります。 一方で、NPO法人が事務所として借りた場合には消費税は課税されます。 「住宅の賃貸借」が上の4つの要件を満たしていることは明らかです。 しかし、住宅に消費税を課税するのは「社会政策上好ましくない」ということで非課税にしています (2)非課税取引の具体例 消費税法上、非課税取引は、15個ありますが、それを「消費税の性格から見て課税の対象としてなじまないもの」と「社会政策上課税すべきでないもの」に分けると、以下のようになります <消費税の性格から見て課税の対象としてなじまないもの> @ 土地(土地の上に存する権利を含む)の譲渡および貸付け (注)土地の貸付期間が1ヶ月に満たない場合や駐車場など施設の利用に伴って土地が使用される場合は課税対象 A 有価証券の譲渡、支払手段の譲渡 B 利子、保証料、保険料、共済掛金等を対価とする役務の提供 C 郵便切手類、印紙、証紙の譲渡 D 商品券、ビール券、図書券、プリベイドカード等の譲渡 E 住民票、戸籍抄本等の行政手数料等を対価とする役務の提供 F 国際郵便為替、外国為替等に係る役務の提供 <社会政策上課税すべきでないもの> @ 社会保険医療等として行われる資産の譲渡等 A 社会福祉法に基づく社会福祉事業等、介護保険法に基づく居宅サービス及び施設サービス等 B 医師、助産師等によるお産費用等を対価とする資産の譲渡等 C 埋葬料、火葬料を対価とする役務の提供 D 一定の身体障害者用物品の譲渡、貸付け等 E 一定の学校の授業料、入学金、入学検定料、施設設備等を対価とする役務の提供 F 教科用図書の譲渡 G 住宅の貸付 このうち、NPOにとって重要なのは 「社会福祉法に基づく社会福祉事業等、介護保険法に基づく居宅サービス及び施設サービス等」 でしょう。 次回から、まず @「介護保険法による非課税」 A「社会福祉法による社会福祉事業の非課税」 B「それ以外でNPOの非課税になるもの」 という順で見ていくことにします |