NPOと消費税
[2008年02月26日(火)]
2月も下旬になり、3月決算のNPO法人にとっては、決算が気になるころだと思います。
今回から連載で、NPO法人の消費税について書いていきたいと思います
順序としては
1. 消費税が課税される取引と課税されない取引は?
2. 消費税の非課税取引にはどのようなものがあるか?
3. 消費税が課税される場合にはどのような手続きをすればいいのか?
4. 消費税の計算方法は?
といったような順序で見て行きたいと思います
今回は、一回目で、消費税が課税される取引と課税されない取引はどのような基本的な考え方に則っているのかをみていくことにします
1. 消費税の課税対象となる取引は
まず、消費税の課税対象となるのはどのような取引であるのか、原則をみていきたいと思います
* 課税対象:消費税がかかる取引
消費税の課税対象となる取引には、大きく、国内取引と輸入取引がありますが、ここでは国内取引に限定して説明していきます
国内取引において消費税が課税対象となる取引は、次のすべての要件を満たしているものです
@ 国内において行うものであること
A 事業者が事業として行うものであること
B 対価を得て行うものであること
C 資産の譲渡、資産の貸付けおよびサービスの提供であること
このうち、NPOで問題になりそうなものとして
@ 国内において行うものであること
A 対価を得て行うものであること
の2つについてさらに詳しく見ていくことにします
2. 国内において行うものであること
消費税の対象となるのは「国内において行う」取引、つまり「国内取引」です。
国外取引は消費税の対象となりません
NPOで多いのは、NGO関係の取引でしょう。
よく問題になるのが、外務省やJICAとの取引で、現地調査などを依頼されたようなものです。
現地で完結する業務であれば、「国外取引」として、消費税は課税されない(これを「不課税」といいます)でいいで。
しかし、レポートの作成などは国内で行われるような場合には、全体が一体として国内取引とされて課税されます
(消費税法施行令第6条第2項第7号)
<参考> 消費税基本通達5-7-15
3. 対価を得て行うものであること
(1)対価とは
消費税の対象となるのは「対価を得て行うもの」です。
「対価性があるかどうか」が消費税の対象となるかどうかの最大のポイントです
では「対価」とは何でしょうか?
国語辞書(大辞泉)によると、「他人に財産・労力などを提供した報酬として受け取る財産上の利益」とでています
ちょっと専門的に言えば、「給付と反対給付が合理的に対応している関係」を対価関係にあると考えます
普通の合理的な経済取引においてその代価として受け取ったものを対価と考えます。
(2)補助金、助成金
補助金、助成金は、NPOが行った事業に対する報酬として受取るものではありません。
仮に対象事業が限定されている補助金であったとしても、その金額と、NPOの事業は合理的に対応しているとはいえないでしょう。
従って、補助金、助成金は、対価性がありませんので、消費税は課税されません(これを「不課税」といいます)。
一方で、これに近いものに、行政からの委託事業があります。
これは、行政から委託された事業をNPOが遂行したことによる報酬として受取るものですから、対価性があり、消費税が課税されます。
取引の相手先が行政であるかどうかは関係がありません
補助金、助成金→不課税
委託事業→課税
(3)寄付金
寄付金は、基本的に、何かをしてもらったことに対する報酬ではありませんから、消費税は不課税です
しかし、現実に、寄付なのか、対価なのか、微妙なものもあります
以前、ペット葬祭業を営む宗教法人の件で裁判になったことがあります。
この裁判自体は、法人税の収益事業になるかどうかについて争われましたが、論点の一つが、ペット葬祭の金額に対価性があるかどうか?ということでした
結局対価性があるということになったのですが、その理由として
「パンフレットやホームページに、3種類の葬儀内容と動物の重さの組み合わせに応じた料金表などを定めている上、ペット葬祭を実施する民間業者が多数存在しており、その料金システムは原告のものと極めて類似していることからすると、依頼者の支払う金員が任意のものであるとは到底解されず、両者の間に対価関係を是認するのが相当である。」
つまり、寄付であるか、対価であるかどうかは、「依頼者の支払う金員が任意のものであるか、決められたものであるかどうか」が重要な判断要素になってきます
支払われる金額に支払う側の任意性(自由である)があるもの→寄付→不課税
任意性がないもの(パンフレット、契約などで決められたもの)→対価→課税
(4)会費
消費税を考えていくうえで会費は一番悩むことの一つです
会費に対価性があるか?ということが判断要素なのは、今までと同じことです
スポーツクラブの会費に対価性があるのは明らかです
一方で、会員になっても総会での議決権があるだけで他に特典はないようなものに対価性がないのはあきらかです。
この中間のものがNPOの場合にはたくさんあります
例えば、割引などの特典がついている会費に対価性があるか?など微妙な問題があります。
会費については、いろいろな問題があるので、以前にかなり詳しくこのブログでも書いているので下記のをご覧ください
会費と消費税
今回取り上げたのは消費税が課税される課税取引か、課税されない不課税取引かという話でしたが、これと似たものに「非課税取引」があります。
次回は「非課税取引」について取り上げたいと思います

今回から連載で、NPO法人の消費税について書いていきたいと思います
順序としては
1. 消費税が課税される取引と課税されない取引は?
2. 消費税の非課税取引にはどのようなものがあるか?
3. 消費税が課税される場合にはどのような手続きをすればいいのか?
4. 消費税の計算方法は?
といったような順序で見て行きたいと思います
今回は、一回目で、消費税が課税される取引と課税されない取引はどのような基本的な考え方に則っているのかをみていくことにします
1. 消費税の課税対象となる取引は
まず、消費税の課税対象となるのはどのような取引であるのか、原則をみていきたいと思います
* 課税対象:消費税がかかる取引
消費税の課税対象となる取引には、大きく、国内取引と輸入取引がありますが、ここでは国内取引に限定して説明していきます
国内取引において消費税が課税対象となる取引は、次のすべての要件を満たしているものです
@ 国内において行うものであること
A 事業者が事業として行うものであること
B 対価を得て行うものであること
C 資産の譲渡、資産の貸付けおよびサービスの提供であること
このうち、NPOで問題になりそうなものとして
@ 国内において行うものであること
A 対価を得て行うものであること
の2つについてさらに詳しく見ていくことにします
2. 国内において行うものであること
消費税の対象となるのは「国内において行う」取引、つまり「国内取引」です。
国外取引は消費税の対象となりません
NPOで多いのは、NGO関係の取引でしょう。
よく問題になるのが、外務省やJICAとの取引で、現地調査などを依頼されたようなものです。
現地で完結する業務であれば、「国外取引」として、消費税は課税されない(これを「不課税」といいます)でいいで。
しかし、レポートの作成などは国内で行われるような場合には、全体が一体として国内取引とされて課税されます
(消費税法施行令第6条第2項第7号)
<参考> 消費税基本通達5-7-15
3. 対価を得て行うものであること
(1)対価とは
消費税の対象となるのは「対価を得て行うもの」です。
「対価性があるかどうか」が消費税の対象となるかどうかの最大のポイントです
では「対価」とは何でしょうか?
国語辞書(大辞泉)によると、「他人に財産・労力などを提供した報酬として受け取る財産上の利益」とでています
ちょっと専門的に言えば、「給付と反対給付が合理的に対応している関係」を対価関係にあると考えます
普通の合理的な経済取引においてその代価として受け取ったものを対価と考えます。
(2)補助金、助成金
補助金、助成金は、NPOが行った事業に対する報酬として受取るものではありません。
仮に対象事業が限定されている補助金であったとしても、その金額と、NPOの事業は合理的に対応しているとはいえないでしょう。
従って、補助金、助成金は、対価性がありませんので、消費税は課税されません(これを「不課税」といいます)。
一方で、これに近いものに、行政からの委託事業があります。
これは、行政から委託された事業をNPOが遂行したことによる報酬として受取るものですから、対価性があり、消費税が課税されます。
取引の相手先が行政であるかどうかは関係がありません
補助金、助成金→不課税
委託事業→課税
(3)寄付金
寄付金は、基本的に、何かをしてもらったことに対する報酬ではありませんから、消費税は不課税です
しかし、現実に、寄付なのか、対価なのか、微妙なものもあります
以前、ペット葬祭業を営む宗教法人の件で裁判になったことがあります。
この裁判自体は、法人税の収益事業になるかどうかについて争われましたが、論点の一つが、ペット葬祭の金額に対価性があるかどうか?ということでした
結局対価性があるということになったのですが、その理由として
「パンフレットやホームページに、3種類の葬儀内容と動物の重さの組み合わせに応じた料金表などを定めている上、ペット葬祭を実施する民間業者が多数存在しており、その料金システムは原告のものと極めて類似していることからすると、依頼者の支払う金員が任意のものであるとは到底解されず、両者の間に対価関係を是認するのが相当である。」
つまり、寄付であるか、対価であるかどうかは、「依頼者の支払う金員が任意のものであるか、決められたものであるかどうか」が重要な判断要素になってきます
支払われる金額に支払う側の任意性(自由である)があるもの→寄付→不課税
任意性がないもの(パンフレット、契約などで決められたもの)→対価→課税
(4)会費
消費税を考えていくうえで会費は一番悩むことの一つです
会費に対価性があるか?ということが判断要素なのは、今までと同じことです
スポーツクラブの会費に対価性があるのは明らかです
一方で、会員になっても総会での議決権があるだけで他に特典はないようなものに対価性がないのはあきらかです。
この中間のものがNPOの場合にはたくさんあります
例えば、割引などの特典がついている会費に対価性があるか?など微妙な問題があります。
会費については、いろいろな問題があるので、以前にかなり詳しくこのブログでも書いているので下記のをご覧ください
会費と消費税
今回取り上げたのは消費税が課税される課税取引か、課税されない不課税取引かという話でしたが、これと似たものに「非課税取引」があります。
次回は「非課税取引」について取り上げたいと思います








