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2008年02月14日(Thu)

印紙とNPO
 NPOにはいろいろな税金が関係してきますが、小規模なところであれば法人税や消費税は関係してきませんし、職員を雇っていなければ源泉所得税も出てきません。

 しかし、そんなNPOでも印紙税については関係してくる可能性があります

 今回は、NPO法人の印紙税について書きたいと思います。

 特にNPOでよく出てくる、領収書と契約書の印紙について述べていきます



1. 印紙税の仕組み 

 印紙税は、経済取引に関連して作成される文章のうち、印紙税法の課税物件表に掲げられた特定の文章を課税対象としています。

 課税物件表では、第1号から第20号までに課税される文章が掲げられており、これに該当する文章が課税されます

 逆に言えば、これ以外の文章は、当事者間ではいくら重要な文章であっても課税されることはありません

 印紙税が課税される第1号から第20号までの文章は以下のとおりです

1. 不動産等の譲渡契約書、土地の賃借権設定等の契約書、消費貸借契約書、運送契約書

2. 請負契約書

3. 約束手形、為替手形

4. 株券、出資証券、社債券、投資信託等の受益証券

5. 合併契約書、分割契約書、分割計画書

6. 定款

7. 継続的取引の基本契約書

8. 預貯金証書

9. 貨物引換証、倉庫証券、船荷証券

10. 保険証券

11. 信用状

12. 信託契約書

13. 債務保証契約書

14. 金銭、有価証券の寄託契約書

15. 債権譲渡契約書、債務引受契約書

16. 配当金領収証、配当金振込通知書

17. 金銭又は有価証券の受取書

18. 預貯金通帳、信託通帳、銀行・無尽会社の掛金通帳、生命保険会社の保険料
通帳、生命共済の掛金通帳

19. 1、2、14、17の文書により証されるべき事項を付け込んで証明する目的で作成する通帳

20. 判取帳


 このうち、NPOに関係しそうなもののうち、判断に迷うものとして

 2号文書:請負契約書

 と

 17号文書:金銭又は有価証券の受取書(いわゆる領収書)

 について詳しく述べて行きたい
と思います

 順番として、まずなじみもあり扱いも簡単な17号文書(領収書)、次に行政などとの契約書に多い2号文書をみていきます


2. 領収書について(17号文書) 

 領収書をもらうと印紙が貼られていることがありますね。

 しかし、NPO法人は、領収書に貼る印紙税は非課税になります。
 
 17号文書で非課税となるものに

1. 記載された受取金額が3万円未満の受取書(領収書)

 以外に

2. 営業に関しない受取書

があります。

 そして、営業に関する受取書であるかどうかは、個々の営業活動で判断するのではなく、領収書の発行者が「会社以外の法人で、法令の規定又は定款の定めにより利益又は剰余金の配当又は分配をすることができることとなっているかどうか」で判断することとなっています

 NPO法人は、会社以外の法人であり、定款で利益又は剰余金を分配することとなっていることはありえません。

 従って、NPO法人は、印紙税法上は営業者に該当せず、仮にNPO法上のその他の事業に関して作成される領収書であっても、法人税が課税される収益事業に関して作成される領収書であっても、すべて非課税ということになります。

参考 NPO法人が作成する受取書

 


3.2号文書(請負契約書)

(1)概要

 NPOが発行する領収書については非課税となりますが、契約書についてはそうではありません。

 NPOの場合には、行政などと契約書を結ぶ例がありますが、これが2号文書(請負契約書)に該当すれば、印紙税が課税される(契約書に印紙を貼る必要がある)ということになります。

 しかし、契約が「請負契約」ではなく、「委任契約」であれば、1号から20号のいずれにも該当しないので、印紙税は課税されません

 問題は、その契約が「請負契約であるか」「委任契約であるか」ということになります。

 行政機関の契約書は普通すべてタイトルは委託契約書であり、文章も「・・を委託する」という表現が多いです。しかし行政からは第2号文書(請負契約)に該当するので、印紙を貼るようにという指導があります

 本来は、契約書の内容に関らず、実態が「請負契約」であれば印紙を貼る必要があるし、「委任契約」であれば印紙を貼る必要がないのです。

 では、請負契約と委任契約はどう違うのでしょうか?

(2)請負契約と委任契約

 請負契約は、当事者の一方がある仕事の完成を約し、相手方がその仕事の成果に対して報酬を支払うこと、つまり、仕事の完成に重きをおいた契約です

 それに対して、委任契約は、当事者の一方が法律行為又はその他の事業の処理を委託し、相手方がこれを承諾することによって成立します。すなわち、一定の目的に従って事務を処理すること自体が目的となり、必ずしも仕事の完成を約していません

 具体例として、加藤哲夫さんのブログにわかりやすい説明がありました

「医療は、一般的には委任契約だそうです。つまり、ガンの治療でも、風邪の治療でも、治療という行為を行うという契約なので、病気が治るということ(成果)を約束していないのですね。直らなくても訴えられないのです。

 それに対して美容整形は、請負契約だそうです。つまり、鼻を高くする手術をするという契約は、手術をするという行為契約ではなく、鼻を高くするという成果に対する責任のある請負契約だというのです

(3)年度末に報告書を求められるようなものは

 行政との契約では、多くは報告書の提出などを求められると思います。これは成果物と考えて、「請負契約」と考えられるでしょうか?

 シーズのなんでも質問箱で、赤塚さんは以下のように述べられています

 「報告書は(たとえば調査の委託を受けたような場合を除けば)成果物ではありません。

もともと委任契約というのは発注者が事業の主体であって、受託者が事業を代行するわけですから、発注者が事業遂行の結果や収支について報告を求めるのは当然のことです
。」


 まだまだ、払う必要のない印紙税を払っているNPOも多いと思いますので、おかしいと思ったときは、考えかたを理解した上で、行政と交渉してみてください。

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コメント
ご指摘、ありがとうございます。

修正しました。

Posted by: 脇坂 誠也  at 2017年04月21日(Fri) 17:50

表現の中に、請負契約と委託契約とありますが、正しくは請負契約と委任契約ではないでしょうか。
民法上でいずれも定義していますが、委託契約については定義していません。
Posted by:  at 2017年04月21日(Fri) 17:33