収益事業課税の方向性
[2006年11月13日(月)]
昨日の朝、NHKを見ていたら、日曜討論に本間正明氏がでていました。NPOに関しては、政府の予算削減の話の中で、「NPOなどが政府が今まで行ってきた仕事に入ってくれば政府支出も減る」というような文脈で発言されていました。税制論議の中でも発言はありませんでした。ちょっと期待していましたが、そこまで国民の間での中心の議論ではまだないのでしょう。
土曜日の続きで、本間氏の著作から、本間氏がNPOの税制についてどのように考えていくのかを探っていきます。

どんどん落ちています・・会計基準で一気にアクセスが増えたので、これくらいが実力かも・・
1.NPOの理想的な姿に近づけるためには4つの問題点の解決が必要である
欧州やアメリカでは数十万件もの非営利法人が準則主義で設立され、手厚い税制優遇措置が幅広く適用されている。すなわち、法人の設立に当たって行政の事前関与が排除されると共に、法人税、寄附税制をはじめとする税制優遇措置でもって自由で自律した市民による非営利活動が奨励されている。
そして、NPO法人の活動に不正が生じないか、寄附やボランティアで支援するに値する団体かは徹底した情報公開と民間による評価機関によって市民や企業が容易に判断できる仕組みが整えられている。
こうした理想的な姿に近づける上で、次の4つの問題点を解決する必要があると考えられる。
@ 設立を準則主義(法律の要件を満たしていれば行政庁の判断なく法人となれる)化する
行政の関与を経ずに登記のみで設立できる準則主義に移行することが望ましい。法人の定款が法律要件を満たすことを行政ではなく公証人が認証し法務局に登記すれば足りる制度とすべき
A 公益性の認定に行政を排除する
法人の活動に公益性があるかどうか、税制優遇に値するかどうかの判断を行政に委ねるべきではない。日本では第三者機関を設けても、事務局を行政出身者で固め、予算や人事を通じて行政がコントロールを強める可能性もあることから慎重な検討が必要である。法律で客観的な要件を定めれば、その適用については課税庁が判断すればよいとの意見もあるが、これまでの日本の課税庁の運用を見ると、税徴収の論理が前面に出るのではないかというおそれがある
B 税制の優遇措置を充実させる
税制優遇措置において役所の許認可を得た法人のほうが手厚い税制優遇が講じられる。主務官庁の許認可を得るか得ないかで大きな差が生じている。税制優遇措置は、非営利かつ公益の活動を充実させる上でいずれも重要な制度であり、主務官庁の許認可の有無で差をつけるのではなく、幅広い範囲のNPO法人について認めるべきである
→要注目
C ガバナンスと情報開示のための制度を作る
NPOが自立するためにはその活動を行政が事前に規制するのではなく、会員や市民が事後的にチェックする方法が望ましい。そのためにNPO法人自身がガバナンス(ルール作りをして運営管理する)し、その情報をきちんと公開する仕組みを作ることが重要である
2.NPOの税制についての問題点
さらに、NPOに対する課税のあり方についても、公益法人改革の問題点としていくつかの指摘をされています。
@ 中間法人を非営利法人の基本に考えるのはおかしい
中間法人は解散時に残余財産を構成員に分配することが可能である。中間法人は一見すると非営利法人だが、最後は営利法人になっている。公益法人やNPO法人は解散時に残余財産を分配することが禁止されており、最後まで非営利法人である。営利か非営利か曖昧な中間法人を非営利法人の基本に据えることが適切とは考えられない
→新しい非営利法人制度(NPOは除外されている)では、会費や寄付金も原則は課税対象。中間法人を基本としているから(赤塚氏も同様の指摘をされていました)。
A 非営利法人の課税の原則の確立を
公益法人やNPO法人の非課税は優遇措置ではなく、法人税が所得税の前取りであるから、利益を配当しない非営利法人については税金をかける根拠がない、というのが原則的な考え方である。公益性の有無で税制上の位置づけを異にすることは困難である。ところが、公益法人改革では、公益性のある法人は非課税で公益性のない法人は課税という「公益性の有無」で識別する考え方に立脚している。もちろん、より深い支援措置や優遇措置を講じる対象を選ぶ手段として、一定の要件を設けることは必要であるが、公益性の有無で法人の課税原則を区別するのは疑問が残る
B 公益性を誰が判断するのか
公益性の判断を第三者機関が判定する場合でも、事務局を行政出身者で固めるなどをして行政がコントロールを強める可能性もある。定款で公益性を宣言して税制優遇を受けている法人が、そのとおりに活動しているかを社員、寄附者、市民が事後的にチェックし、不正があった場合に裁判所に訴える仕組みも考えられる。その場合は、優遇措置を受けるより公益性の高い法人についての徹底した情報の開示が必要であろう
C 開かれたプロセスで議論を
NPO法が議員立法で制定された経緯、非営利法人制度がコミュニティビジネスの発展の成否の鍵を握っており、ひいては21世紀の日本社会のあり方にも影響してくることに鑑みれば、政策当局、有識者の限られた意見のみならず、制度利用者の活動実態や意見を把握し、開かれたプロセスで議論を展開していく必要がある。
以上から、私が本間氏がいだいているNPO法人に対する収益事業課税のあり方は、以下のようではないかと思います
@ NPO法人は利益の分配をしないのであるから原則非課税である(この本では述べられていませんが、営利企業と競合する事業については課税とするという考えはもっているのだと思われます)
A 基本的考え方として、公益性の有無で課税、非課税を判断すべきではない
B 一定の要件をそなえている法人に対して税制上の優遇措置をとる必要があるが、それは法人の種類によって分けることではない(介護保険が社会福祉法人は非課税だがNPOは課税であるような状況)
C 優遇措置を受ける法人であるかどうかは、行政や課税庁が判断したり、第三者機関が判断するよりも、優遇措置を受ける法人は情報公開を徹底し、会員、寄附者、市民が事後的にチェックして不正があった場合に裁判所に訴えるような仕組みのほうがいい
D NPOに対する課税については、制度利用者の活動実態の把握や意見も取り入れるべきである
実際の収益事業課税の議論の中でどれくらいこの考え方が反映されるか、期待をして見ていきたいと思います。
土曜日の続きで、本間氏の著作から、本間氏がNPOの税制についてどのように考えていくのかを探っていきます。
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どんどん落ちています・・会計基準で一気にアクセスが増えたので、これくらいが実力かも・・
1.NPOの理想的な姿に近づけるためには4つの問題点の解決が必要である
欧州やアメリカでは数十万件もの非営利法人が準則主義で設立され、手厚い税制優遇措置が幅広く適用されている。すなわち、法人の設立に当たって行政の事前関与が排除されると共に、法人税、寄附税制をはじめとする税制優遇措置でもって自由で自律した市民による非営利活動が奨励されている。
そして、NPO法人の活動に不正が生じないか、寄附やボランティアで支援するに値する団体かは徹底した情報公開と民間による評価機関によって市民や企業が容易に判断できる仕組みが整えられている。
こうした理想的な姿に近づける上で、次の4つの問題点を解決する必要があると考えられる。
@ 設立を準則主義(法律の要件を満たしていれば行政庁の判断なく法人となれる)化する
行政の関与を経ずに登記のみで設立できる準則主義に移行することが望ましい。法人の定款が法律要件を満たすことを行政ではなく公証人が認証し法務局に登記すれば足りる制度とすべき
A 公益性の認定に行政を排除する
法人の活動に公益性があるかどうか、税制優遇に値するかどうかの判断を行政に委ねるべきではない。日本では第三者機関を設けても、事務局を行政出身者で固め、予算や人事を通じて行政がコントロールを強める可能性もあることから慎重な検討が必要である。法律で客観的な要件を定めれば、その適用については課税庁が判断すればよいとの意見もあるが、これまでの日本の課税庁の運用を見ると、税徴収の論理が前面に出るのではないかというおそれがある
B 税制の優遇措置を充実させる
税制優遇措置において役所の許認可を得た法人のほうが手厚い税制優遇が講じられる。主務官庁の許認可を得るか得ないかで大きな差が生じている。税制優遇措置は、非営利かつ公益の活動を充実させる上でいずれも重要な制度であり、主務官庁の許認可の有無で差をつけるのではなく、幅広い範囲のNPO法人について認めるべきである
→要注目
C ガバナンスと情報開示のための制度を作る
NPOが自立するためにはその活動を行政が事前に規制するのではなく、会員や市民が事後的にチェックする方法が望ましい。そのためにNPO法人自身がガバナンス(ルール作りをして運営管理する)し、その情報をきちんと公開する仕組みを作ることが重要である
2.NPOの税制についての問題点
さらに、NPOに対する課税のあり方についても、公益法人改革の問題点としていくつかの指摘をされています。
@ 中間法人を非営利法人の基本に考えるのはおかしい
中間法人は解散時に残余財産を構成員に分配することが可能である。中間法人は一見すると非営利法人だが、最後は営利法人になっている。公益法人やNPO法人は解散時に残余財産を分配することが禁止されており、最後まで非営利法人である。営利か非営利か曖昧な中間法人を非営利法人の基本に据えることが適切とは考えられない
→新しい非営利法人制度(NPOは除外されている)では、会費や寄付金も原則は課税対象。中間法人を基本としているから(赤塚氏も同様の指摘をされていました)。
A 非営利法人の課税の原則の確立を
公益法人やNPO法人の非課税は優遇措置ではなく、法人税が所得税の前取りであるから、利益を配当しない非営利法人については税金をかける根拠がない、というのが原則的な考え方である。公益性の有無で税制上の位置づけを異にすることは困難である。ところが、公益法人改革では、公益性のある法人は非課税で公益性のない法人は課税という「公益性の有無」で識別する考え方に立脚している。もちろん、より深い支援措置や優遇措置を講じる対象を選ぶ手段として、一定の要件を設けることは必要であるが、公益性の有無で法人の課税原則を区別するのは疑問が残る
B 公益性を誰が判断するのか
公益性の判断を第三者機関が判定する場合でも、事務局を行政出身者で固めるなどをして行政がコントロールを強める可能性もある。定款で公益性を宣言して税制優遇を受けている法人が、そのとおりに活動しているかを社員、寄附者、市民が事後的にチェックし、不正があった場合に裁判所に訴える仕組みも考えられる。その場合は、優遇措置を受けるより公益性の高い法人についての徹底した情報の開示が必要であろう
C 開かれたプロセスで議論を
NPO法が議員立法で制定された経緯、非営利法人制度がコミュニティビジネスの発展の成否の鍵を握っており、ひいては21世紀の日本社会のあり方にも影響してくることに鑑みれば、政策当局、有識者の限られた意見のみならず、制度利用者の活動実態や意見を把握し、開かれたプロセスで議論を展開していく必要がある。
以上から、私が本間氏がいだいているNPO法人に対する収益事業課税のあり方は、以下のようではないかと思います
@ NPO法人は利益の分配をしないのであるから原則非課税である(この本では述べられていませんが、営利企業と競合する事業については課税とするという考えはもっているのだと思われます)
A 基本的考え方として、公益性の有無で課税、非課税を判断すべきではない
B 一定の要件をそなえている法人に対して税制上の優遇措置をとる必要があるが、それは法人の種類によって分けることではない(介護保険が社会福祉法人は非課税だがNPOは課税であるような状況)
C 優遇措置を受ける法人であるかどうかは、行政や課税庁が判断したり、第三者機関が判断するよりも、優遇措置を受ける法人は情報公開を徹底し、会員、寄附者、市民が事後的にチェックして不正があった場合に裁判所に訴えるような仕組みのほうがいい
D NPOに対する課税については、制度利用者の活動実態の把握や意見も取り入れるべきである
実際の収益事業課税の議論の中でどれくらいこの考え方が反映されるか、期待をして見ていきたいと思います。








