NPOの会計の問題点(3)
[2007年11月30日(金)]
NPOの会計基準を作ろうという動きが出ています。
その関連で、今のNPOの会計で何が問題になっているのか、いくつか私見を述べたいと思います。
NPOの会計の問題点として
@収支計算書の定義がないこと
A貸借対照表の定義がないこと
B内閣府の手引きが実質的なスタンダードになっていること
を挙げています。
このうち@とAについてはすでに述べました(こことここを参照)
今日は、「内閣府の手引きが実質的なスタンダードになっていること」について述べたいと思います。
そのことによりどのようなことが問題であり、会計基準ではどのようなことが検討されそうかを述べたいと思います
12月6日(木)にNPO支援東京会議では、「NPO法人の会計書類とその問題点」の定例勉強会を行います。
NPOの会計基準についても取り上げ、みなさんのご意見も聞きたいと思っています。
誰でも参加をできますので、ぜひご参加下さい
詳細と申込はここを参照下さい
1. 内閣府の手引きとは
NPO法人には会計基準がありません。
つまり、「収支計算書」「貸借対照表」「財産目録」を作成することはNPO法で決まっていますが、それぞれの計算書類が何を意味するのかは法律のどこにも書かれていません。
しかし、「何もない」のは作成する側にとっては不便なものです。
そこで、内閣府が「特定非営利活動法人の設立及び管理・運営の手引き」の中で、計算書類の雛形を表示しています。
これを「内閣府の手引き」と言います。
この手引きに出ている雛形は、法律的な位置づけとしては、あくまでも内閣府が作っている一つの例示にすぎないわけですが、これが実質的なスタンダードとなって、多くのNPOがこの手引きどおりの計算書類を作成しています。
(法律的には、この手引きどおりに作成しなくてもいいです。ここを参照ください)
2. 手引きの問題点
この手引きに法律的な裏づけがないとしても、これを多くの人が良いものだと受け入れて、積極的に利用しているのであれば、実務上はあまり問題がありません。
しかし、この手引きによる計算書類に問題があるわけです。
特に問題になるのが収支計算書です。
この手引きの収支計算書は「旧公益法人会計基準の簡易版」です。
「旧公益法人会計基準の簡易版」だとどのような問題があるのでしょうか?
@ 簿記の知識がある人、経理の経験がある人でも作成するのが難しい
(その結果変な貸借対照表ができることは前回述べました。「一取引二仕訳」「資金の範囲」など簿記では全く出てこない知識が必要です)
A 決算書を読む人もなじみがない方法で、読みにくい
B 法人税の申告をするのに、また損益計算書方式に組み替えなければいけない
とにかくややこしいのです。
私のように会計の専門家であっても、最初に聞いたときにさっぱりわかりませんでした。
これだけ難しい会計のやり方をわざわざNPOがとる積極的な理由があればそれでもいいのですが、「手引きがそうなっているから仕方がなくこのやり方をしている」というNPOが大部分です。
そのために必要のない苦労をしている(その結果できてくる決算書が正確でない)というのが現状です。
3. 内閣府も問題にしている
内閣府もこの件については問題を認識しているようです。
というのも、そもそも、この方式の親玉?である公益法人会計基準が、このやり方を放棄したわけです(企業会計方式に切り替えました)。
親玉が放棄したやり方を、いまだにNPOだけが続けているというのはどう考えてもおかしいです。
これは何とかしなければいけないと言う問題意識はあるのではないかと思います
4. 会計基準では
おそらく、NPOの会計基準ができた場合に、この旧公益法人会計方式を採用することはないと思われます。
損益計算書方式(名称がどうなるかはわかりませんが)が基本になると思われます。
(公益法人会計基準では「正味財産増減計算書」という損益計算書方式の計算書類が中心となりました)
議論になりそうなのは、現金主義の収支計算書などを認め、NPOに選択ができるような形にするかどうか、といったことになりそうです。
NPOの実態を考えると選択性というのが現実的なように思いますが、会計基準を選択性にするということに世間の理解が得られるのか・・・。その辺が議論になりそうです
今までのブログで、下記のようなものが参考になりますので、ご覧ください。
新公益法人会計基準(1)
新公益法人会計基準(2)
新公益法人会計基準(3)

その関連で、今のNPOの会計で何が問題になっているのか、いくつか私見を述べたいと思います。
NPOの会計の問題点として
@収支計算書の定義がないこと
A貸借対照表の定義がないこと
B内閣府の手引きが実質的なスタンダードになっていること
を挙げています。
このうち@とAについてはすでに述べました(こことここを参照)
今日は、「内閣府の手引きが実質的なスタンダードになっていること」について述べたいと思います。
そのことによりどのようなことが問題であり、会計基準ではどのようなことが検討されそうかを述べたいと思います
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12月6日(木)にNPO支援東京会議では、「NPO法人の会計書類とその問題点」の定例勉強会を行います。
NPOの会計基準についても取り上げ、みなさんのご意見も聞きたいと思っています。
誰でも参加をできますので、ぜひご参加下さい
詳細と申込はここを参照下さい
1. 内閣府の手引きとは
NPO法人には会計基準がありません。
つまり、「収支計算書」「貸借対照表」「財産目録」を作成することはNPO法で決まっていますが、それぞれの計算書類が何を意味するのかは法律のどこにも書かれていません。
しかし、「何もない」のは作成する側にとっては不便なものです。
そこで、内閣府が「特定非営利活動法人の設立及び管理・運営の手引き」の中で、計算書類の雛形を表示しています。
これを「内閣府の手引き」と言います。
この手引きに出ている雛形は、法律的な位置づけとしては、あくまでも内閣府が作っている一つの例示にすぎないわけですが、これが実質的なスタンダードとなって、多くのNPOがこの手引きどおりの計算書類を作成しています。
(法律的には、この手引きどおりに作成しなくてもいいです。ここを参照ください)
2. 手引きの問題点
この手引きに法律的な裏づけがないとしても、これを多くの人が良いものだと受け入れて、積極的に利用しているのであれば、実務上はあまり問題がありません。
しかし、この手引きによる計算書類に問題があるわけです。
特に問題になるのが収支計算書です。
この手引きの収支計算書は「旧公益法人会計基準の簡易版」です。
「旧公益法人会計基準の簡易版」だとどのような問題があるのでしょうか?
@ 簿記の知識がある人、経理の経験がある人でも作成するのが難しい
(その結果変な貸借対照表ができることは前回述べました。「一取引二仕訳」「資金の範囲」など簿記では全く出てこない知識が必要です)
A 決算書を読む人もなじみがない方法で、読みにくい
B 法人税の申告をするのに、また損益計算書方式に組み替えなければいけない
とにかくややこしいのです。
私のように会計の専門家であっても、最初に聞いたときにさっぱりわかりませんでした。
これだけ難しい会計のやり方をわざわざNPOがとる積極的な理由があればそれでもいいのですが、「手引きがそうなっているから仕方がなくこのやり方をしている」というNPOが大部分です。
そのために必要のない苦労をしている(その結果できてくる決算書が正確でない)というのが現状です。
3. 内閣府も問題にしている
内閣府もこの件については問題を認識しているようです。
というのも、そもそも、この方式の親玉?である公益法人会計基準が、このやり方を放棄したわけです(企業会計方式に切り替えました)。
親玉が放棄したやり方を、いまだにNPOだけが続けているというのはどう考えてもおかしいです。
これは何とかしなければいけないと言う問題意識はあるのではないかと思います
4. 会計基準では
おそらく、NPOの会計基準ができた場合に、この旧公益法人会計方式を採用することはないと思われます。
損益計算書方式(名称がどうなるかはわかりませんが)が基本になると思われます。
(公益法人会計基準では「正味財産増減計算書」という損益計算書方式の計算書類が中心となりました)
議論になりそうなのは、現金主義の収支計算書などを認め、NPOに選択ができるような形にするかどうか、といったことになりそうです。
NPOの実態を考えると選択性というのが現実的なように思いますが、会計基準を選択性にするということに世間の理解が得られるのか・・・。その辺が議論になりそうです
今までのブログで、下記のようなものが参考になりますので、ご覧ください。
新公益法人会計基準(1)
新公益法人会計基準(2)
新公益法人会計基準(3)








