年末調整(3) 配偶者控除
[2007年11月11日(Sun)]
年末調整について書いています
前回は、年末調整の手順として
1.11月上旬に扶養控除等申告書と保険料控除兼配偶者特別控除申告書を配布
2.11月中には、これらの申告書と、住宅借入金等特別控除申告書、前職分の源泉徴収票を回収
3.12月上旬には、これらの申告書の内容を確認し、不足する資料があれば、出してもらう
4.最後の給与が確定したら、源泉徴収簿を基にして、年間の所得税額を計算し、年末調整による還付金あるいは徴収税額を求める
5.最後の給与の支払い時又は別途、できるだけ早く、還付金を還付する(徴収の場合には、徴収する)
ということをのべました
今回から、このうち、まず「扶養控除等申告書」について、どのようなことに気をつけていいのかを述べたいと思います。
今日は、特に疑問が多い「収入を103万円以下にしたほうがいいのか」という問題、つまり、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」についてみていくことにします
11月27日にNPO事業サポートセンターで、「年末調整の実務手続き」を開催します。
NPOの会計、総務担当者あるいは理事が、一人で年末調整ができるようになることを目指しています。
申込、詳細はここにでています。
1. 扶養控除等申告書で受ける控除
年末調整でまず行うことは扶養控除等申告書と保険料兼配偶者特別控除申告書を配布することでした。
このうち、扶養控除等申告書を提出するのはなぜでしょうか?
一つには、この「扶養控除等申告書」にもとづいて、毎月の給与の源泉徴収税額が決まりますので、年に最初に給与の支払いをする前にこの申告書を提出してもらうと言うことがあります。
もう一つが、今回の年末調整に関係することで、この「扶養控除等申告書」によって、所得控除の中で、人的控除と言われているものの計算をすることです。
具体的には
@ 配偶者控除
A 扶養控除
B 障害者控除
C 寡婦控除
D 勤労学生控除
などです。
2. 配偶者控除
扶養控除等申告書の一番上にはNPOの名称、住所や職員自身の住所、名前、生年月日などを書きます。
その下に「控除対象配偶者」を書く欄があります。
この欄に記入があるということは、「配偶者が、配偶者控除の対象である」と言うことを示します。
しかし、この「配偶者控除」については、多くの誤解があります。
まず、配偶者控除の要件から確認します
「自己と同一生計配偶者で合計所得金額が38万円以下である者(控除対象配偶者といいます。)について適用されます。
なお、その配偶者が青色事業専従者で事業から給与の支給を受ける場合又は事業専従者に該当する場合には適用されません。」
要件としては
@ 本人と配偶者が同一生計であること
A 配偶者の合計所得金額が38万円以下であること
B その配偶者が事業専従者などではないこと
の3つです
このうち、@とBは、通常満たしていますので、省略します。
配偶者控除は「その配偶者の合計所得金額が38万円以下であること」が要件です。
103万円ではないのか?と思う方がいると思いますが、これは、給与所得者には、給与所得控除(必要経費相当額)が65万円認められているためです。
つまり、給与収入が103万円だと、給与所得控除という必要経費に相当するものが65万円認められるので、所得金額は38万円になるのです。
そこで、多くの主婦がこの配偶者控除を受けるために、年末に仕事を抑えて、103万円以下にしようとしたりします(NPOの職員にもそのような行動をとる人がいるかもしれません)。
しかし、この行動は、一部勘違いがされています。
それは、配偶者控除を受けられない人には「配偶者特別控除」という制度があることです
3.配偶者特別控除
(1)概要
年収を103万円以下に無理やり抑えようと仕事を調整するようなことは、異常なことであり、好ましいこととは思えません。
そこで、この103万円の壁を緩和するものとして、「配偶者特別控除」というものが設けられています。
配偶者控除は、給与でいえば、103万円以下なら38万円の控除が受けられるのに、103万円を超えると、控除が一切受けられないという問題があります。だから仕事を調整する誘惑があるわけです。
この事態を防ぐには、103万円を超えても、控除が0円にならずに控除が受けられるようになればいいわけです。
配偶者特別控除は、103万円を越えても、141万円までは段階的に控除が受けられるための制度です。
(2)具体例
例えば、給与収入が104万円であれば、配偶者控除は0円ですが、その代わり配偶者特別控除が38万円受けられます。
配偶者特別控除は段階的に減っていきます
給与収入が120万円であれば、21万円です
130万円であれば、11万円です
140万円であれば3万円です
141万円を超えれば0円です
つまり、配偶者の給与が増えたからと言って、控除が急激に減ることを緩和しているわけです。
具体的には、以下のようになります
合計所得金額 控除額
400,000円 380,000円
400,000円以上450,000円未満 360,000円
450,000円以上500,000円未満 310,000円
500,000円以上550,000円未満 260,000円
550,000円以上600,000円未満 210,000円
600,000円以上650,000円未満 160,000円
650,000円以上700,000円未満 110,000円
700,000円以上750,000円未満 60,000円
750,000円以上760,000円未満 30,000円
合計所得金額は、給与所得の場合には、収入から65万円を引いた金額です
(3)注意点
ただし、注意点がいくつかあります
@ 配偶者特別控除の対象となる人は、合計所得金額が1000万円以下の人です。
高額の所得者の場合には、配偶者特別控除を受けられませんので、配偶者の給与収入が103万円を超えると、控除額が0円になります。
もっとも、NPOで所得金額が1000万円を超える人はかなり珍しいとは思いますが、働いている人が配偶者の場合にはありえます。
その場合には、やはり、103万円以下にしないと不利になります
A 会社によっては、「扶養手当」などをだしており、「扶養手当」を支給する基準が、配偶者控除の対象になっているか、ということがありえます。
その場合もやはり、103万円以下にしないと不利ということになります
B 103万円を超えると、本人自身に所得税がかかってくる可能性があります。
これは、
給与収入が103万円だと、
給与所得控除が65万円
給与所得が38万円
そして、誰でも
基礎控除が38万円あるため(38万円-38万円=0円)、
103万円以下だと、本人に所得税がかかることはないのです(住民税の場合にはこれが98万円〜100万円)になります
ただし、103万円を超えたとしても、基礎控除以外の控除があれば所得税がかからない可能性もありますし、かかったとしてもわずかな金額です

前回は、年末調整の手順として
1.11月上旬に扶養控除等申告書と保険料控除兼配偶者特別控除申告書を配布
2.11月中には、これらの申告書と、住宅借入金等特別控除申告書、前職分の源泉徴収票を回収
3.12月上旬には、これらの申告書の内容を確認し、不足する資料があれば、出してもらう
4.最後の給与が確定したら、源泉徴収簿を基にして、年間の所得税額を計算し、年末調整による還付金あるいは徴収税額を求める
5.最後の給与の支払い時又は別途、できるだけ早く、還付金を還付する(徴収の場合には、徴収する)
ということをのべました
今回から、このうち、まず「扶養控除等申告書」について、どのようなことに気をつけていいのかを述べたいと思います。
今日は、特に疑問が多い「収入を103万円以下にしたほうがいいのか」という問題、つまり、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」についてみていくことにします
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11月27日にNPO事業サポートセンターで、「年末調整の実務手続き」を開催します。
NPOの会計、総務担当者あるいは理事が、一人で年末調整ができるようになることを目指しています。
申込、詳細はここにでています。
1. 扶養控除等申告書で受ける控除
年末調整でまず行うことは扶養控除等申告書と保険料兼配偶者特別控除申告書を配布することでした。
このうち、扶養控除等申告書を提出するのはなぜでしょうか?
一つには、この「扶養控除等申告書」にもとづいて、毎月の給与の源泉徴収税額が決まりますので、年に最初に給与の支払いをする前にこの申告書を提出してもらうと言うことがあります。
もう一つが、今回の年末調整に関係することで、この「扶養控除等申告書」によって、所得控除の中で、人的控除と言われているものの計算をすることです。
具体的には
@ 配偶者控除
A 扶養控除
B 障害者控除
C 寡婦控除
D 勤労学生控除
などです。
2. 配偶者控除
扶養控除等申告書の一番上にはNPOの名称、住所や職員自身の住所、名前、生年月日などを書きます。
その下に「控除対象配偶者」を書く欄があります。
この欄に記入があるということは、「配偶者が、配偶者控除の対象である」と言うことを示します。
しかし、この「配偶者控除」については、多くの誤解があります。
まず、配偶者控除の要件から確認します
「自己と同一生計配偶者で合計所得金額が38万円以下である者(控除対象配偶者といいます。)について適用されます。
なお、その配偶者が青色事業専従者で事業から給与の支給を受ける場合又は事業専従者に該当する場合には適用されません。」
要件としては
@ 本人と配偶者が同一生計であること
A 配偶者の合計所得金額が38万円以下であること
B その配偶者が事業専従者などではないこと
の3つです
このうち、@とBは、通常満たしていますので、省略します。
配偶者控除は「その配偶者の合計所得金額が38万円以下であること」が要件です。
103万円ではないのか?と思う方がいると思いますが、これは、給与所得者には、給与所得控除(必要経費相当額)が65万円認められているためです。
つまり、給与収入が103万円だと、給与所得控除という必要経費に相当するものが65万円認められるので、所得金額は38万円になるのです。
そこで、多くの主婦がこの配偶者控除を受けるために、年末に仕事を抑えて、103万円以下にしようとしたりします(NPOの職員にもそのような行動をとる人がいるかもしれません)。
しかし、この行動は、一部勘違いがされています。
それは、配偶者控除を受けられない人には「配偶者特別控除」という制度があることです
3.配偶者特別控除
(1)概要
年収を103万円以下に無理やり抑えようと仕事を調整するようなことは、異常なことであり、好ましいこととは思えません。
そこで、この103万円の壁を緩和するものとして、「配偶者特別控除」というものが設けられています。
配偶者控除は、給与でいえば、103万円以下なら38万円の控除が受けられるのに、103万円を超えると、控除が一切受けられないという問題があります。だから仕事を調整する誘惑があるわけです。
この事態を防ぐには、103万円を超えても、控除が0円にならずに控除が受けられるようになればいいわけです。
配偶者特別控除は、103万円を越えても、141万円までは段階的に控除が受けられるための制度です。
(2)具体例
例えば、給与収入が104万円であれば、配偶者控除は0円ですが、その代わり配偶者特別控除が38万円受けられます。
配偶者特別控除は段階的に減っていきます
給与収入が120万円であれば、21万円です
130万円であれば、11万円です
140万円であれば3万円です
141万円を超えれば0円です
つまり、配偶者の給与が増えたからと言って、控除が急激に減ることを緩和しているわけです。
具体的には、以下のようになります
合計所得金額 控除額
400,000円 380,000円
400,000円以上450,000円未満 360,000円
450,000円以上500,000円未満 310,000円
500,000円以上550,000円未満 260,000円
550,000円以上600,000円未満 210,000円
600,000円以上650,000円未満 160,000円
650,000円以上700,000円未満 110,000円
700,000円以上750,000円未満 60,000円
750,000円以上760,000円未満 30,000円
合計所得金額は、給与所得の場合には、収入から65万円を引いた金額です
(3)注意点
ただし、注意点がいくつかあります
@ 配偶者特別控除の対象となる人は、合計所得金額が1000万円以下の人です。
高額の所得者の場合には、配偶者特別控除を受けられませんので、配偶者の給与収入が103万円を超えると、控除額が0円になります。
もっとも、NPOで所得金額が1000万円を超える人はかなり珍しいとは思いますが、働いている人が配偶者の場合にはありえます。
その場合には、やはり、103万円以下にしないと不利になります
A 会社によっては、「扶養手当」などをだしており、「扶養手当」を支給する基準が、配偶者控除の対象になっているか、ということがありえます。
その場合もやはり、103万円以下にしないと不利ということになります
B 103万円を超えると、本人自身に所得税がかかってくる可能性があります。
これは、
給与収入が103万円だと、
給与所得控除が65万円
給与所得が38万円
そして、誰でも
基礎控除が38万円あるため(38万円-38万円=0円)、
103万円以下だと、本人に所得税がかかることはないのです(住民税の場合にはこれが98万円〜100万円)になります
ただし、103万円を超えたとしても、基礎控除以外の控除があれば所得税がかからない可能性もありますし、かかったとしてもわずかな金額です
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コメントありがとうございました
住民税のことはこのブログに追加しました
社会保険料は新たに作りました
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