法人税の会計処理
[2007年09月25日(火)]
先日、知り合いの方から法人税などの税金を未払い計上すべきであるか、という質問を受けました
そこで、今回は、法人税などの税金について、未払い計上すべきかどうかについて述べたいと思います
NPO会計マニュアルを作成しています。
簿記の知識も、経理の経験もない人がNPOの会計担当者となった場合に、使えるようなものです
ここからダウンロードできますので、ぜひお使いください
1. NPOが支払う税金
NPOが支払う税金については様々あります
@ 法人税
A 法人都道府県民税
B 法人市区町村民税
C 法人事業税
D 消費税
E 印紙税
F 固定資産税
G 事業所税
などなど・・・
このうち、今回のテーマになるのは、@からCです。
@からCの税金は、収益事業を行っていなければ発生しません。
しかし、収益事業を行っていれば、最低でも法人都道府県民税と法人市区町村民税の均等割は発生します。
今回は、収益事業を行っているNPO法人の法人税、法人都道府県民税、法人市区町村民税、法人事業税の処理方法です。
なお、東京23区については、法人都道府県民税と法人市区町村民税は一括して「法人都民税」として課税されます。
説明の便宜上、23区に事業所があるNPO法人を前提に、法人税、法人都民税、法人事業税について述べていきます。
2. 企業会計の場合
法人税、法人都民税、法人事業税はいずれもその年の所得に対する税金です。
例えば、NPO法人の所得(収益事業に係る所得)が100万円、法人税、法人都民税、法人事業税(以下「法人税等」とします)を合わせて35万円だとします。
この35万円は、3月決算であれば、決算終了後、5月頃に納付することになります。
もし、支払ったときに支出に計上すると、今期の所得100万円に対する税金が来期の決算書に表示されることになります。これでいいのか?ということです
企業会計では、この法人税等は未払計上します。
35万円は今期の損益計算書に計上するとともに、貸借対照表に「未払法人税等」として計上します。
企業会計が未払計上を求めるのは、企業会計の大原則に「費用収益対応の原則」があるからです。
今期の収益に対応する費用は今期に計上する、つまり、今期の利益に対して支払われた税金であるのだから今期に計上するということです。
それに対して、NPOの場合にはどうでしょうか?
3. NPOの場合
NPO法人には「費用収益対応の原則」という考えは基本的にはありません。
NPO法人で未払計上するのは、その方が活動の実態を表すからです。
例えば、講演会を今期中に行ったが、会場費の支払いが来期になってしまった場合に、未払計上しないと、今期に行った講演会の支出が今期の決算書に計上されないことになってしまいます。
一方、税金はどうでしょうか?税金を未払計上しないと実態をあらわしていないと言えるでしょうか?
税金は、他の未払金とは少し意味合いが違います
4. どちらでもいい
未払計上すべきかどうか・・。
NPOには会計基準はありませんので、「どちらでもいい」というのが実際のところです。
決算書を見る人が見て、どちらのほうがしっくりいくのか、わかりやすいのか、ということで考えればいいのかと思います。
一般的には、
@ 法人都民税均等割の7万円だけであるような場合には、未払計上する意味はあまり多くないような感じがします。
A 一方で、法人税などがかなり多額に出るような団体は、事業型のNPOということが多いと思いますので、企業会計の損益計算書の当期利益に相当する金額をしっかりと把握しておかなければいけないと思いますので、未払計上するのがいいのではないでしょうか。
「今期にどれくらい利益が出たのか」をしっかり把握する必要があるのであれば未払計上は必要です。
5. 未払計上する場合の問題点
未払計上をして悪いことはないのですが、一つ問題があります。
法人税の申告をする際の税務調整が少し複雑になります。
特に「法人事業税」が生じる場合に複雑になります。
「法人税」と「法人都民税」は法人税上損金(経費)になりませんが、「法人事業税」だけは損金(経費)になります。
未払計上をしなければ、「法人税」と「法人都民税」だけを税務申告上加算し、「法人事業税」は加算しなければいいだけなのですが、未払計上すると、もう少し複雑になります。
具体的には、法人事業税は、未払計上した今期の損金(経費)にはならずに、支払いをする翌期の損金(経費)になるので、翌期に税務申告上、減算をしなければいけません。
言葉を聞いただけで普通の方ではわからないと思いますが、法人事業税は、未払計上すると税務申告が難しくなるということは押さえておいたほうがいいかもしれません。
もちろん、税理士さんに依頼されているのであれば全く問題ありません。
そこで、今回は、法人税などの税金について、未払い計上すべきかどうかについて述べたいと思います
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NPO会計マニュアルを作成しています。
簿記の知識も、経理の経験もない人がNPOの会計担当者となった場合に、使えるようなものです
ここからダウンロードできますので、ぜひお使いください
1. NPOが支払う税金
NPOが支払う税金については様々あります
@ 法人税
A 法人都道府県民税
B 法人市区町村民税
C 法人事業税
D 消費税
E 印紙税
F 固定資産税
G 事業所税
などなど・・・
このうち、今回のテーマになるのは、@からCです。
@からCの税金は、収益事業を行っていなければ発生しません。
しかし、収益事業を行っていれば、最低でも法人都道府県民税と法人市区町村民税の均等割は発生します。
今回は、収益事業を行っているNPO法人の法人税、法人都道府県民税、法人市区町村民税、法人事業税の処理方法です。
なお、東京23区については、法人都道府県民税と法人市区町村民税は一括して「法人都民税」として課税されます。
説明の便宜上、23区に事業所があるNPO法人を前提に、法人税、法人都民税、法人事業税について述べていきます。
2. 企業会計の場合
法人税、法人都民税、法人事業税はいずれもその年の所得に対する税金です。
例えば、NPO法人の所得(収益事業に係る所得)が100万円、法人税、法人都民税、法人事業税(以下「法人税等」とします)を合わせて35万円だとします。
この35万円は、3月決算であれば、決算終了後、5月頃に納付することになります。
もし、支払ったときに支出に計上すると、今期の所得100万円に対する税金が来期の決算書に表示されることになります。これでいいのか?ということです
企業会計では、この法人税等は未払計上します。
35万円は今期の損益計算書に計上するとともに、貸借対照表に「未払法人税等」として計上します。
企業会計が未払計上を求めるのは、企業会計の大原則に「費用収益対応の原則」があるからです。
今期の収益に対応する費用は今期に計上する、つまり、今期の利益に対して支払われた税金であるのだから今期に計上するということです。
それに対して、NPOの場合にはどうでしょうか?
3. NPOの場合
NPO法人には「費用収益対応の原則」という考えは基本的にはありません。
NPO法人で未払計上するのは、その方が活動の実態を表すからです。
例えば、講演会を今期中に行ったが、会場費の支払いが来期になってしまった場合に、未払計上しないと、今期に行った講演会の支出が今期の決算書に計上されないことになってしまいます。
一方、税金はどうでしょうか?税金を未払計上しないと実態をあらわしていないと言えるでしょうか?
税金は、他の未払金とは少し意味合いが違います
4. どちらでもいい
未払計上すべきかどうか・・。
NPOには会計基準はありませんので、「どちらでもいい」というのが実際のところです。
決算書を見る人が見て、どちらのほうがしっくりいくのか、わかりやすいのか、ということで考えればいいのかと思います。
一般的には、
@ 法人都民税均等割の7万円だけであるような場合には、未払計上する意味はあまり多くないような感じがします。
A 一方で、法人税などがかなり多額に出るような団体は、事業型のNPOということが多いと思いますので、企業会計の損益計算書の当期利益に相当する金額をしっかりと把握しておかなければいけないと思いますので、未払計上するのがいいのではないでしょうか。
「今期にどれくらい利益が出たのか」をしっかり把握する必要があるのであれば未払計上は必要です。
5. 未払計上する場合の問題点
未払計上をして悪いことはないのですが、一つ問題があります。
法人税の申告をする際の税務調整が少し複雑になります。
特に「法人事業税」が生じる場合に複雑になります。
「法人税」と「法人都民税」は法人税上損金(経費)になりませんが、「法人事業税」だけは損金(経費)になります。
未払計上をしなければ、「法人税」と「法人都民税」だけを税務申告上加算し、「法人事業税」は加算しなければいいだけなのですが、未払計上すると、もう少し複雑になります。
具体的には、法人事業税は、未払計上した今期の損金(経費)にはならずに、支払いをする翌期の損金(経費)になるので、翌期に税務申告上、減算をしなければいけません。
言葉を聞いただけで普通の方ではわからないと思いますが、法人事業税は、未払計上すると税務申告が難しくなるということは押さえておいたほうがいいかもしれません。
もちろん、税理士さんに依頼されているのであれば全く問題ありません。









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