新公益法人会計基準(2)
[2007年08月17日(Fri)]
8月9日に行われたNPO支援東京会議の定例勉強会の講演再現録をしています。
前回は、旧公益法人会計基準ができた背景について解説いただきました
@公益法人については、役所が指導監督していれば間違いは起こらないと考えられていた
A役所にとって指導監督しやすいということで、役所の歳入歳出計算書と近い予算対比の収支計算書がとられることになった
B複式簿記を使って収支計算書を作成するために、資金的なものとそうでないものを分けて、一取引二仕訳というものが考え出された。
Cこの時点では、外国に非営利法人の会計基準がなく、日本独自のものであった
Dその後アメリカで非営利法人の会計基準ができ、今回の新公益法人会計基準は、アメリカの非営利法人会計の考え方を受け入れて改定されている
ということでした
今日の内容は、新公益法人会計基準の最大の特色である「拘束された財産」という考え方について詳しくお話いただきました
とてもわかりやすいです
NPO支援東京会議では、定例勉強会以外に、
認定NPO調査隊
簡易顧問制度
講演、講座への講師や相談員の派遣
なども行っています
また、これらの活動に協力していただける会員も募集しています
会員はここから申込ができます。
会員になると、定例勉強会の参加料が半額になります
会費は年間6000円です
税理士、公認会計士などの専門家以外の方でも会員になれますので、ぜひご参加ください
1.新公益法人会計基準は何がかわったのか?
:江田講師
:脇坂
:新しい公益法人会計基準は何が変わったのでしょうか
:
@収支予算書、収支決算書がなくなり、正味財産増減計算書という損益計算書方式のものが中心となった
A貸借対照表の固定資産が「基本財産、その他の固定資産」という2区分から「基本財産、特定資産、その他の固定資産」という3区分になった
B 正味財産の部を「指定正味財産」と「一般正味財産」に分けた
C 計算書類という名称が財務諸表という名称に変わった
などです
:内閣府からでているNPO法人の手引きでは、旧公益法人会計基準を参考にしている感じですが。
:そのとおりです。
内閣府のNPOの手引きは、旧公益法人会計基準の簡易版です。
NPO法ができたときに、シーズは別にアカウンタビリティ報告書というものを作成し、そこにFASBの117号の考え方を初めて日本の非営利法人に適用しました。
そのFASBの117号に「拘束された財産」という考え方をとっています。
そして、新公益法人会計では、このFASB117号の「拘束された財産」という考え方を入れたのです。
2.非営利法人の会計の最大のテーマは?
:「拘束された財産」という考え方が新公益法人会計では重要なポイントなのですね。
イマイチ意味がわかりにくいのですが、どういうことでしょうか?
:非営利法人の会計をどう考えるのか?ということです。
資本主義は資源の配分を市場メカニズムに委ねています。
プライスメカニズムを使うということですね。
:利益が上がる期待が持てない限りその市場に参入する企業はありませんよね。
:そうです。
利益の上がる可能性のない市場にはプライスメカニズムは使えないのです。
この部分の資源配分をどうするのか?ということは重要なテーマです。
:そのような分野には国や自治体が関るという選択肢はありますね
:それ以外に民間の主体が必要なのです。
この民間のプライスメカニズムが使えない範囲の会計をどうするのか?ということが非営利法人会計の重要なテーマなのです。
:民間の非営利の分野をもう少し具体的に言えばどういうことでしょうか?
:このような分野の特徴は、サービスを提供する相手から直接の見返りを期待することができないことです。
このような事業が継続的に続くには、サービスを提供する相手からではなく、他のところから資金が入ってこなければいけません。
:寄付金や助成金、補助金などの資金提供行為ですね。
:そうです。
それをどう会計上表現するのか。
寄付をした人が制約を加えたお金を会計上どうやって表現するのかが、非営利法人の会計の最大のポイントなのです。
3.拘束された財産とは?
:寄付をした人が制約したお金のことを「拘束された財産」と呼ぶのですね。
まだいまいちピンと来ないのですが。
:拘束された財産とは、自分のお金だけれど制約がついているものです。
例えば、おばあちゃんが孫の教育資金に使ってよということでお金をくれたとします。
これは、名義は息子である私になっているが、実際は孫のものだということになります。
:なるほど、このようなものが拘束された財産というものですね。
この「拘束された財産」を会計上表現するにはどうするのでしょうか
:2つの考え方があります。
一つは、正味財産を指定正味財産と一般正味財産の分けるという方法です。
つまり、孫の教育資金に使うための寄付を、私の正味財産とした上で、正味財産上の区分として使途が拘束されている指定された正味財産とする方法です。
:もう一つの方法は?
:教育資金の例で考えると、この教育資金は名義は私のものになっているが、実際は私のお金ではないだろう、預っているだけだろう、と考えて、預り金という負債にする方法です
:つまり、拘束された財産を
@法人のお金(正味財産)だけれど拘束されている
とする会計処理と、
A負債であるとする
会計処理の2つが考えられるわけですね。
アメリカではどの方法がとられているのですか?
4.拘束された財産を正味財産を分けて表示する
:FASBでは拘束された財産を指定正味財産と一般正味財産に分ける方法をとりました。
しかし、アメリカの有名な会計学者のアンソニーはこれに反対を唱えて、預り金として会計処理すべきであるということを主張しました
:彼が預り金であることを主張するのはなぜでしょうか?
:アンソニーはハーバード大学の教授です。
大学では寄付を集めてくるのが大切になってきます。
拘束された財産を正味財産に計上するということは、利益がたくさんあがってしまいます。
「こんな利益が上がるところになんで寄付をするのか」と言われてしまいます。
だから、拘束された財産については「自分のお金ではないのです」と言いたいわけです
:だから預り金として会計処理するのがいいわけですね。
しかし、日本の新公益法人会計基準では、FASBの考え方を採用したわけですから拘束された財産を正味財産とした上で指定された正味財産とそれ以外に分ける方法を採用したわけですね。
:そうです。
拘束された財産も、正味財産として受け入れる。
正味財産の中で、拘束された財産がいくらあるのか、ということを「指定正味財産」ということで明らかにするということです
前回は、旧公益法人会計基準ができた背景について解説いただきました
@公益法人については、役所が指導監督していれば間違いは起こらないと考えられていた
A役所にとって指導監督しやすいということで、役所の歳入歳出計算書と近い予算対比の収支計算書がとられることになった
B複式簿記を使って収支計算書を作成するために、資金的なものとそうでないものを分けて、一取引二仕訳というものが考え出された。
Cこの時点では、外国に非営利法人の会計基準がなく、日本独自のものであった
Dその後アメリカで非営利法人の会計基準ができ、今回の新公益法人会計基準は、アメリカの非営利法人会計の考え方を受け入れて改定されている
ということでした
今日の内容は、新公益法人会計基準の最大の特色である「拘束された財産」という考え方について詳しくお話いただきました
とてもわかりやすいです
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NPO支援東京会議では、定例勉強会以外に、
認定NPO調査隊
簡易顧問制度
講演、講座への講師や相談員の派遣
なども行っています
また、これらの活動に協力していただける会員も募集しています
会員はここから申込ができます。
会員になると、定例勉強会の参加料が半額になります
会費は年間6000円です
税理士、公認会計士などの専門家以外の方でも会員になれますので、ぜひご参加ください
1.新公益法人会計基準は何がかわったのか?
@収支予算書、収支決算書がなくなり、正味財産増減計算書という損益計算書方式のものが中心となった
A貸借対照表の固定資産が「基本財産、その他の固定資産」という2区分から「基本財産、特定資産、その他の固定資産」という3区分になった
B 正味財産の部を「指定正味財産」と「一般正味財産」に分けた
C 計算書類という名称が財務諸表という名称に変わった
などです
内閣府のNPOの手引きは、旧公益法人会計基準の簡易版です。
NPO法ができたときに、シーズは別にアカウンタビリティ報告書というものを作成し、そこにFASBの117号の考え方を初めて日本の非営利法人に適用しました。
そのFASBの117号に「拘束された財産」という考え方をとっています。
そして、新公益法人会計では、このFASB117号の「拘束された財産」という考え方を入れたのです。
2.非営利法人の会計の最大のテーマは?
イマイチ意味がわかりにくいのですが、どういうことでしょうか?
資本主義は資源の配分を市場メカニズムに委ねています。
プライスメカニズムを使うということですね。
利益の上がる可能性のない市場にはプライスメカニズムは使えないのです。
この部分の資源配分をどうするのか?ということは重要なテーマです。
この民間のプライスメカニズムが使えない範囲の会計をどうするのか?ということが非営利法人会計の重要なテーマなのです。
このような事業が継続的に続くには、サービスを提供する相手からではなく、他のところから資金が入ってこなければいけません。
それをどう会計上表現するのか。
寄付をした人が制約を加えたお金を会計上どうやって表現するのかが、非営利法人の会計の最大のポイントなのです。
3.拘束された財産とは?
まだいまいちピンと来ないのですが。
例えば、おばあちゃんが孫の教育資金に使ってよということでお金をくれたとします。
これは、名義は息子である私になっているが、実際は孫のものだということになります。
この「拘束された財産」を会計上表現するにはどうするのでしょうか
一つは、正味財産を指定正味財産と一般正味財産の分けるという方法です。
つまり、孫の教育資金に使うための寄付を、私の正味財産とした上で、正味財産上の区分として使途が拘束されている指定された正味財産とする方法です。
@法人のお金(正味財産)だけれど拘束されている
とする会計処理と、
A負債であるとする
会計処理の2つが考えられるわけですね。
アメリカではどの方法がとられているのですか?
4.拘束された財産を正味財産を分けて表示する
しかし、アメリカの有名な会計学者のアンソニーはこれに反対を唱えて、預り金として会計処理すべきであるということを主張しました
大学では寄付を集めてくるのが大切になってきます。
拘束された財産を正味財産に計上するということは、利益がたくさんあがってしまいます。
「こんな利益が上がるところになんで寄付をするのか」と言われてしまいます。
だから、拘束された財産については「自分のお金ではないのです」と言いたいわけです
しかし、日本の新公益法人会計基準では、FASBの考え方を採用したわけですから拘束された財産を正味財産とした上で指定された正味財産とそれ以外に分ける方法を採用したわけですね。
拘束された財産も、正味財産として受け入れる。
正味財産の中で、拘束された財産がいくらあるのか、ということを「指定正味財産」ということで明らかにするということです
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