NPOの決算(4)前受金
[2007年05月02日(水)]
NPOの方の決算処理に少しでも役に立てればと思い、NPO法人が決算でどのようなことをしたらいいのかをシリーズで述べています。
1回目は未収金、2回目は未払金、3回目は前払金でした。
今回は、4回目で、「前受金」について触れていきたいと思います。
前受金とは何なのか、前受金を計上しないとどのような不都合があるのか、どのような会計処理をすればいいのか、会費や助成金の前受け処理はどうしたらいいのか、などを取り上げます。

1.前受金とは
前受金とは、お金はもらっているのだけれど、まだ商品の発送やサービスの提供を行っていないものをいいます。
NPO法人で多そうなのが、セミナーなどの講習会の受講料です。
講習会の受講料を当日に徴収するのではなく、申込時に銀行などに振り込んでもらうことがありますよね。
例えば、3月決算ですと、4月10日のセミナーの受講料のうち、3月31日までの受講料については、まだセミナーというサービスを提供していないけれどお金はもらった分ですので、今期の収入とせずに、「前受金」として、貸借対照表の負債に計上します。
2.前受金を計上しないと何が不都合か?
前受金を計上しないと、何が不都合でしょうか?
入金時に収支計算書に「収入」と計上してしまうと、まだ行っていないセミナーの収入が収支計算書に計上されてしまいます。
しかも、講師料などの支出は4月になってから計上されるとすると、セミナー収入は今期に計上され、セミナー支出は来期に計上されるのでおかしいことになります。
そこで、セミナーの受講料を収支計算書に計上する代わりに貸借対照表の「負債」に計上するわけです
3.会計処理
(1)今期の処理
今期の会計処理としては2通り考えられます
@ 現金出納帳や預金出納帳の勘定科目に「セミナー収入」とするかわりに「前受金」とする方法
A 現金出納帳や預金出納帳には「セミナー収入」と計上しておくが、決算時に、そのうち前受分を決算仕訳で前受金に振替える方法
振替伝票などで (借方)(セミナー収入)×××円 (貸方)(前受金)×××円とします。
(2)翌期の処理
セミナー受講料は翌期の収入に計上しなければいけません。
たまに「前受金」がずっと貸借対照表に残っている決算書を見ますが、これは、翌期に収入に振替える仕訳をしていないからです。
翌期にはいってすぐ(4月1日付)でもいいですし、決算時でもいいのですが、以下の仕訳を振替伝票などでします
(借方)(前受金)×××円 (貸方)(セミナー収入)×××円
この辺が簿記の知識がない場合には少し難しいところかもしれません。
4.前受会費について
NPOで多いのは会費の前受けではないでしょうか?
4月以降の会費を3月以前に受取ってしまうような場合です。
会費は現金主義で、受取ったときの収入としてしまっても構わないですが、正確に今期分の会費と、来期分の会費を分けるのであれば、来期分の会費を「前受会費」として、今期の会費収入には計上せずに、貸借対照表の負債に計上します。
もちろん、来期には、この「前受会費」を「会費収入」に振替える必要があります。やり方は、セミナー収入と同じになります。
なお、勘定科目ですが、「前受会費」として、はっきりと会費の前受分だと明示してもいいし、「前受金」としても構いません。
財産目録に、会費の前受けであることを明示すれば問題はありません。
5.助成金、補助金の前受けについて
10月から1年分の助成金や補助金を受取ったときに、これをどう経理するのか、迷うところです。
助成金や補助金の収入に対する支出はまだ3月までにはすべて計上されていないからです。
このような場合には、来期の助成金、補助金部分については「前受金」とすると、実態を反映するでしょう。
具体的には、事業費の補填であれば、全体の事業費に占める当期の実行済み分の割合で按分することになります。
全体の事業費が不明であれば、月数で按分する方法も認められます。
100万円の助成金をもらった場合に、3月までの分100万円×6月/12月=50万円を今期の助成金収入とし、50万円を前受金として来期の収入にする方法です。
なお、全額を「助成金収入」とし、見込みの経費を「未払金」とする経理方法は、実態を反映していませんので、認められません。

1回目は未収金、2回目は未払金、3回目は前払金でした。
今回は、4回目で、「前受金」について触れていきたいと思います。
前受金とは何なのか、前受金を計上しないとどのような不都合があるのか、どのような会計処理をすればいいのか、会費や助成金の前受け処理はどうしたらいいのか、などを取り上げます。
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1.前受金とは
前受金とは、お金はもらっているのだけれど、まだ商品の発送やサービスの提供を行っていないものをいいます。
NPO法人で多そうなのが、セミナーなどの講習会の受講料です。
講習会の受講料を当日に徴収するのではなく、申込時に銀行などに振り込んでもらうことがありますよね。
例えば、3月決算ですと、4月10日のセミナーの受講料のうち、3月31日までの受講料については、まだセミナーというサービスを提供していないけれどお金はもらった分ですので、今期の収入とせずに、「前受金」として、貸借対照表の負債に計上します。
2.前受金を計上しないと何が不都合か?
前受金を計上しないと、何が不都合でしょうか?
入金時に収支計算書に「収入」と計上してしまうと、まだ行っていないセミナーの収入が収支計算書に計上されてしまいます。
しかも、講師料などの支出は4月になってから計上されるとすると、セミナー収入は今期に計上され、セミナー支出は来期に計上されるのでおかしいことになります。
そこで、セミナーの受講料を収支計算書に計上する代わりに貸借対照表の「負債」に計上するわけです
3.会計処理
(1)今期の処理
今期の会計処理としては2通り考えられます
@ 現金出納帳や預金出納帳の勘定科目に「セミナー収入」とするかわりに「前受金」とする方法
A 現金出納帳や預金出納帳には「セミナー収入」と計上しておくが、決算時に、そのうち前受分を決算仕訳で前受金に振替える方法
振替伝票などで (借方)(セミナー収入)×××円 (貸方)(前受金)×××円とします。
(2)翌期の処理
セミナー受講料は翌期の収入に計上しなければいけません。
たまに「前受金」がずっと貸借対照表に残っている決算書を見ますが、これは、翌期に収入に振替える仕訳をしていないからです。
翌期にはいってすぐ(4月1日付)でもいいですし、決算時でもいいのですが、以下の仕訳を振替伝票などでします
(借方)(前受金)×××円 (貸方)(セミナー収入)×××円
この辺が簿記の知識がない場合には少し難しいところかもしれません。
4.前受会費について
NPOで多いのは会費の前受けではないでしょうか?
4月以降の会費を3月以前に受取ってしまうような場合です。
会費は現金主義で、受取ったときの収入としてしまっても構わないですが、正確に今期分の会費と、来期分の会費を分けるのであれば、来期分の会費を「前受会費」として、今期の会費収入には計上せずに、貸借対照表の負債に計上します。
もちろん、来期には、この「前受会費」を「会費収入」に振替える必要があります。やり方は、セミナー収入と同じになります。
なお、勘定科目ですが、「前受会費」として、はっきりと会費の前受分だと明示してもいいし、「前受金」としても構いません。
財産目録に、会費の前受けであることを明示すれば問題はありません。
5.助成金、補助金の前受けについて
10月から1年分の助成金や補助金を受取ったときに、これをどう経理するのか、迷うところです。
助成金や補助金の収入に対する支出はまだ3月までにはすべて計上されていないからです。
このような場合には、来期の助成金、補助金部分については「前受金」とすると、実態を反映するでしょう。
具体的には、事業費の補填であれば、全体の事業費に占める当期の実行済み分の割合で按分することになります。
全体の事業費が不明であれば、月数で按分する方法も認められます。
100万円の助成金をもらった場合に、3月までの分100万円×6月/12月=50万円を今期の助成金収入とし、50万円を前受金として来期の収入にする方法です。
なお、全額を「助成金収入」とし、見込みの経費を「未払金」とする経理方法は、実態を反映していませんので、認められません。








