2019年10月18日(Fri)
事業活動に関する基準J(役員報酬等E)
認定NPO法人制度について、解説をしています。
認定NPO法人の8つ要件の4つ目の要件(4号基準)である「事業活動に関する基準」を見ています。 4号基準のうち、「役員等に対し報酬又は給与の支給に関して特別の利益を与えないこと」という要件をさらに深掘りしています。 第4表付表1に記載する「3 給与を得た職員の総数及び総額」について、内閣府のQ&Aから見ています。 |
1.給与を得た職員の総数及び総額 第4表付表1には「給与を得た職員の総数及び総額」を記載することになっています。 役員に対する報酬を記載するだけでなく、職員に対する給与も支給するのは、役員にはなっていないが、その法人に対する影響力が高い人もあり得ますので、職員の給与という形をとっているが、実質的な利益分配のようなことが行われていないかをチェックする必要があるからと思われます。 この別表四付表一の「給与を得た職員の総数及び総額」について、具体的にどこまでの範囲の給与を記載するのか、Q&Aが2つありますので、それをご紹介します。 2.非常勤職員やアルバイトの給与も記載するのか 非常勤職員やアルバイトの給与も記載するのかを書かれているのかがQ&A3-8-5です。 https://www.npo-homepage.go.jp/qa/ninteiseido/nintei-hantei-jigyou#Q3-8-5 3-8-5 手引き140頁の「役員等に対する報酬等の状況(第4表付表1)」について、非常勤職員やアルバイトの給与についても、「3.給与を得た職員の総数及び総額」に含めるのですか。 【第45条1項4号】 A:認定申請書の第4表付表1の「3.給与を得た職員の総数及び総額」については、非常勤職員やアルバイトの給与も職員の給与に当たるため、非常勤職員やアルバイトに対する給与も記載する必要があります。 3.延べ人数のカウントの仕方 第4表付表1には、「給与を得た職員の総数」を記載しますが、このカウント方法について、迷うところです。 このカウント方法について書かれているのが、Q&Aの3-8-6です。 https://www.npo-homepage.go.jp/qa/ninteiseido/nintei-hantei-jigyou#Q3-8-6 3-8-6 手引き140頁の「役員等に対する報酬等の状況(第4表付表1)」の「給与を得た職員の総数及び総額」で延べ人数を記載することになっていますが、これは事業年度ごとの延べ人数を記載すればよいですか。 【第45条1項4号】 A:実績判定期間及び申請書の提出日を含む事業年度開始の日から申請書の提出の日までの期間に渡って給与を得た職員の総数を記載してください。 4.集計期間 第4表付表1の「給与を得た職員の総数及び総額」については、もう一つ大きな問題があります。 それは、「集計期間をどう考えるのか」ということです。 これについて、内閣府の第4表付表1の説明では、「実績判定期間及び申請書の提出日を含む事業年度開始の日から申請書の提出の日までの期間で、職員の総数及び給与総額を集計した期間を記載してください」とあります。 https://www.npo-homepage.go.jp/qa/source/ninteiseido/nintei-hantei-jigyou/q3-8-6/show/(参考)役員等に対する報酬の状況(第4表付表1).pdf 実際の運用でも、申請書の提出日までの給与総額の記載が求められます。 しかし、これは、実務上、とってもやりにくいうえに意味がありません。 認定申請書を提出しようとする日は、日々変動します。 例えば、10月20日に提出しようとしていたが、資料に不備があって、10月末に提出が延びることがあります。 給与の支払いが10月25日だとすると、「申請書の提出の日までの期間で、職員の総数及び給与総額」が変わってきて、記載のし直しになります。 こういう問題があるので、次の給与の支給日の前までに申請書を提出しようとしますが、そういう無理をすると、他にミスが起こったりします。 この申請書の意味は、職員への給与の支給を通して特別の利益の供与がないのかを判断するためのものです。 意味がないことで、申請書の書き方を難しくするようなことはやめてほしいと思います。 |