以前の屈足わかふじ園のブログでもお伝えしていますが、3月5日の新得町議会で
「新得町手話に関する基本条例」が可決され、4月1日から試行されます。
条例制定のきっかけとなったのが、昨年
新得町で37年ぶりに開催された
第54回全道ろうあ者大会です。
大会の際に、
北海道ろうあ連盟の
蠣崎理事長から、聴覚障害者の支援を中心に行っている
厚生協会がある
新得町で、ぜひ
手話言語条例を制定してほしいとの話しを
浜田町長にされたのが始まりです。
さらに、全国初となる
手話言語条例が
鳥取県で昨年10月に可決され、北海道の
石狩市でも4月から施行されるなど全国的に大きな動きのある時期で、
厚生協会わかふじ寮が発足して
60年の節目の年でもあったのも、きっかけの一つです。
これらの動きの背景にあるのが、2006年に国連で制定された
「障害者権利条約」です。
この中で
「言語とは、音声言語及び手話その他の携帯の非音声言語をいう」とあり、
手話は言語と認定されました。
続いて、2011年の
「障害者基本法改正」の中で
、「全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。」という条文があり、
「言語」に手話を含むことがはっきり明記されました。
これらの流れが、
鳥取県や
石狩市、今回の
新得町の動きにつながっています。
今後は、国がどのような形でいつ
手話言語法をつくっていくのかが注目されるところです。
新得町でも今回の条例の策定に当たり、広く当事者や関係者の声を反映しようという事で、
社会福祉法人厚生協会から3名、当事者である
十勝聴力障害者協会から3名、その他
町内の手話サークルや
障害者関係の事業所等の福祉関係者、
教育委員会、
商工会など各方面のメンバーが集まり、昨年11月8日に
「新得町手話に関する基本条例の制定に係る研究会」がスタートしました。
会長には新得町自立支援協議会の会長で
屈足わかふじ園の施設長でもある
桑原隆俊が就任し、計5回の研究会を開催して議論を重ね、
新得町らしい条例案の検討を行ってきました。
研究会では、手話を使う町民が暮らしやすい町を実現するため以下の点を中心に検討を行いました。
@条例を新設する理由と意義
A町の責務・町民の責務・ろう者を支援している福祉事業者の責務
B手話を使い安心して暮らすことのできる環境整備 この3点を柱として
「新得町手話に関する基本条例」案をまとめ、2月14日に
浜田町長に報告し、3月5日の町議会で提案され可決されました。
全国の町村では全国初となる手話条例の制定です。報告書には、条例を作った後の具体的な施策の提言も含まれており、今後は
手話を使う町民が暮らしやすい町を実現するためどう具体的に施策を進めていくかが重要になります。
また、町民への普及活動等が始まり、職場や団体、町内会等で手話教室を開く予定がありましたら、講師の派遣を行いますので、遠慮なくお問い合わせください。
研究会は、今後も継続して開催し、施策の提案や変更・評価を行っていく予定です。
■まず
浜田町長から、平成26年度の調整執行方針の説明がありました。この中でも
手話条例の制定について説明がありました。
■続いて議案の審議に入りいよいよ
「手話に関する基本条例」が提案されました。
提案説明は、
渡辺保健福祉課長です。何と全部手話を使い提案説明をしました。
練習の成果もあり100点満点の手話での説明でした
■傍聴席の様子です。条例の制定にあたった研究会のメンバーを始め、
北海道ろうあ連盟の副理事長さんや、旭川や帯広の聴覚障害者団体の方からも傍聴に駆けつけました
■いよいよ採決。満場一致で無事採択されました
■終了後、新聞の取材を受ける
十勝聴力障害者協会の
川口会長■NHKの取材を受ける、
北海道ろうあ連盟の
佐藤副理事長