イワン・イリッチの死
[2009年07月25日(Sat)]
ハワイのプルメリアの花です。香りが強いけど、それも南国っぽくて好き。
今日は、月に一度の血液検査の日でした!
いつものように大学病院の待合室で、ジッと順番を待ちます。
今日もまた、ハデハデな私。ちょい、浮いてるな・・・と思いつつ。
ハワイや身延山や七面山のおかげ?で最近は体調もそう悪くないから、
今日の検査結果も大丈夫だと思います。たぶん。
最近読んだ、トルストイの「イワン・イリッチの死」という短編、おもしろかった。
トルストイは、「死」をテーマにしたものをたくさん書いているらしい。
物語はストーリーを追う、というよりも、どんどん「死」の核心に近づいていく感じ。
人の死にざま、死んでいくさま。恐怖、苦痛。憎悪。
逃れられないと思えるそんな感情を、ある一瞬が逆転させる。死ぬ間際の静けさ。達観。
リアルだったのだ。なんだか。
誰にでも訪れるこの瞬間、自分はその時どうだろう?って思いますよね。思わない?そうか。
「死んでいく人」イワンは、何度も自分の不幸を呪って泣くのだけど。
まさに、私も、同じ種類の涙を流した一人でありまして。レベルは違えどね。
そこの部分、ちょっといろんな事思い出しちゃって。
胸がこみ上げてきてしまった。
表情のない医師が、ふらっと病室にやってきて。
「早ければ、あと5年で肝不全」とか、「移植は余命1年のタイミングです。」 とか。
そんなこと突然、心の準備もなく言われたら、そりゃ私だって動揺します。
平気なふりをしていても、夜になって真っ暗になると、闇の世界が襲ってくるのですよ。
しかも、共演者がいたりする。隣の部屋で死んでゆく人。
自分の病気を受けとめられずに、不幸を呪って毎夜泣き叫ぶ人たち。その声が院内に響く。
マジで頭がおかしくなりそーでした。
そして、私もそっちの世界へ移動したんだ!って絶望しちゃうわけです。
ホントによく泣いた。イワン・イリッチも同じように嘆いてた。
神を呪い、どうして私が?とその不条理を嘆き、神などいなかったんだ!、と。
ま、こうしてのうのうと、しかも何気に楽しく、あれから生きながらえている私ですから。
ん?アレは、何だったんだあ??って思えたり(笑)。
よくよく考えると、アレで、アタシは腹がすわりましたね。
ま、いいか。て感じで生きることを覚えてしまった、と言うか。
あ、いい意味でですよ。もち。
三途の川を見て、人生観が変わったというのとは違うんだけど〜。
「死」の側に、いっときでも寄れたんで。
より、生きてることがリアルになったというか。
あー、あかんね。
もう、何も要らない!生きてるだけで十分だものーっとか。
確かにそう思えたはずなのにいいい。
またまた要らないものに囲まれはじめてます・・・。ダメだ!だめだめ。
と、そんな反省をしていたら、診察の順番が来て。
先生、「おっ。前回より顔色いいじゃないですか!」 と、私を見るなり。
「先生、これ、日焼けです。ハワイ行ったんで。」 先生もハワイが大好きだという。
「わたし、ハワイではとっても元気だったから、ハワイで暮らした方がいいのかなって。」
「そーゆうのあるかもですねえ。」 あるかいな、って先生、目が言ってるし(笑)。
薬を減らしたい、と言ったけど、即却下。
「ヨキータさんは、この薬しかないんだから。飲んでもらわないと…。」
薬・・・。薬漬け。まさに。
イワン・イリッチ。
ハワイ漬け、のがイイに決まってるよね〜。
痛たたたた…
[2009年07月22日(Wed)]
この連休。山登りをしてきました〜。
かなりの山登りレベル?です。
また詳細のアレコレは、後日書きますが。
面白い経験がたくさんできて、すっごく良かったです。
だが! だが、だが、だが〜〜!!
この史上まれに見る?筋肉痛・・・。(涙)。
仕事先でも、フラメンコでも、失笑の的でございました。
地下鉄の階段も降りれず。便座にも座れず。
歩く姿は、二足歩行のロボットよりも不自然で。
おまけに疲労は取れずで。
書きたいことたくさんあるのにな〜。
毎晩、パソコンを前にして寝てしまうのであります。
今日のところは、写真を一枚。携帯で撮った、七面山のご来光です。
富士山がこんなにくっきり美しく。
それはそれは、荘厳な一瞬でしたよ。
またそのうち、元気盛り返したら、ハワイや七面山、書きますぞ!
で、お知らせを一つ!
イタリアやお江戸日本橋亭で、見事なアカペラを聴かせてくれた友人たちが
この土曜日、「やなか音楽ホール」でコンサートをします。
暑い夏を吹っ飛ばすような?爽やかな歌声を聴かせてくれると思います。
当日、私は受付をお手伝いしまーす。
是非是非、遊びに来てね。
↓
Trois Etoiles 3人のソプラノ「季・涼・空」を歌う
日時: 2009年7月25日(土) 14:30開場 15:00開演
場所: やなか音楽ホール
JR山手線・京浜東北線、地下鉄千代田線「西日暮里駅」下車 徒歩4分
入場料: 2,000円(全席自由)
出演: ソプラノ 朝日美佳 坂本まりか 和田静乃 ピアノ 野入葉子
プログラム: ほたるこい 赤とんぼ 見上げてごらん夜の星を
月の光 オペラ「ルサルカ」より 月に寄せる歌 ほか
副題にもあるように、今回は前半は「季節」をテーマに。
後半は「星と月」をテーマにプログラミングしました。
アカペラ三重唱、アカペラ二重唱、もちろんソロもありで、盛りだくさん、です。
真夏のあつーーーい時期かと思われますが、さわやかさと涼しさをお届けする、
都内の避暑地になるようなコンサートにしたいと思っております♪
お問い合わせは、こちらまで
それでも恋するバルセロナ
[2009年07月15日(Wed)]
ハワイの珍道中、書こうと思ってんのに〜〜。
今日は久々に映画見ちゃったから、そっち書きたくなってます。
忙しくて寝不足気味、映画はやめとこかなーっと思ってたけど…。やっぱ行っちゃった!
仕事終えてぶっ飛ばし気味で行ったっス。だって今日は映画千円だっもーん。
ウディ・アレンが、バルセロナを舞台に撮った話題の最新作。
見ようかどうしようか迷ったけど、バルセロナ行きたいし。
「全くタイプの違う二人の女性が恋したのは同じ男。さらに彼には美しくも激しい妻がいた。」
ペネロペ・クルスに、スカーレット・ヨハンソン!べっぴんやー。今をときめく美のシンボル。
「真面目な性格のヴィッキーと自由奔放なクリスティーナはひと夏を過ごすため、バルセロナにやってきた。そこでふたりは魅力的な画家アントニオに会う。クリスティーナはひと目で彼に恋するが、実はヴィッキーも…。」
凡人にはわかりずらい?複雑極まるナントカ関係はともかく。
バルセロナの休日!過ごしたいッスうううう。
昼からワイン飲んで、野外のテーブルで美味しい食事を楽しんで。
ガウディのサグラダファミリア教会や、グエル公園をぶらぶら散歩だよ。いーな、いーな。
そんで色恋沙汰がぷんぷんで。
こりゃ、日本のおばちゃんたちで映画館いっぱいになりますわよね(笑)。
あ、スパニッシュギターの音色も素敵だった!
ウディ・アレンの映画はテンポがいいし、あっさりと、あっという間に終わっちゃった。
なかなか面白かったです。
ペネロペがスペイン語でまくしたてると、すっごい迫力。ラテン女の本領発揮!
で、すっごい魅力的。可愛いんだもん。やっぱラテンはよい。
行きた〜い。バルセロナ。ぶらっと、きままに。
さても一つ。(そう、頑張って見たぞ。)
第81回アカデミー賞で作品賞を始め、主要5部門にノミネート。
これまた見たかった作品。 「愛を読む人」。
「第二次世界大戦後のドイツ。15歳のマイケルは、偶然出逢った21歳年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)と激しい恋におちる。授業もそこそこにかけつけるのは、ハンナのベットと情事のための浴槽、そして彼女の体。ハンナは市電の車掌として切符を売っているが、それ以外は家族も含めて謎のミステリアスな女性。やがて、ハンナは愛撫の前にマイケルに本の朗読をせがむようになる。」
まあ、詳しくは書きませんが。胸がくーっとなる内容でしたね。
こりゃ、わかんない人にはわかんない、で、終わっちゃうのかもな。
「その辺に転がってそうな」ありふれた情事ストーリーにとどまらず。
この物語の苦悩は、ホロコーストの悲劇が絡んで、深層の闇深くはいっていく・・・。
重たーい。こりゃ辛いでしょう。女性ならたまんないかもね。
私は泣きはしなかったけれど。
隣に座っていた、わりかしクールそうなお姉さまが、「ぐ…。」と胸をつまらせて涙を流してました。
何度か見るたびに、印象が変わりそうな作品です。
36歳から70歳までを演じ切ったケイト・ウィンスレット。
さすがはアカデミー賞最優秀主演女優賞受賞!
うまいなあ。
「タイタニック」の彼女がこんな役者になるなんてね。