• もっと見る

ヨキータの哀愁日記

ジプシーの血たぎる(妄想)
私ヨキータの人生は
流れ流れてどこへ漂着するのでしょう。
チクチクもの哀しくて、だけどサクっと笑える日々を綴ります。


プロフィール

ヨキータさんの画像
<< 2012年06月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
最新記事
リンク集
https://blog.canpan.info/vamos-yoquita/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/vamos-yoquita/index2_0.xml
親と子 運命愛 [2012年06月09日(Sat)]
ichikawa2.jpg


昨年、歌舞伎の素晴らしさを知ったアタシ。

でも、私のお小遣いからはなかなか歌舞伎の観劇代はでません。


だから、今回は一大決心ですよ。是非見たい!と魂が叫んだ!!!

「四代目猿之助襲名披露公演」


ご存じのように、今回はいろんな話題が満載で、チケット入手さえ難しく、

歌舞伎オタクの友人に頼んだのですが。

なんと!奇跡の一番前。ひゃーーーー。

その席だと、役者の汗が吹き飛んでくるよ、と言われてました。


わくわく〜〜〜〜。

盛り上がる、もりあがる。


実はこの一カ月、めっちゃ元気だったのに、今週半ばにとうとうダウン。

発熱しちゃったので、会社もフラメンコも休んでしまって。

なんとか、土曜日だけは〜〜〜〜、と神さまにお願いしておりました。


そして!無事、本日!

新橋演舞場に参上つかまつり候。


歌舞伎界の大名跡を継いだ亀次郎あらため、四代目市川猿之助さんと、

新・猿翁さんの長男であり、俳優の香川照之さんは九代目市川中車を襲名。

40代半ばにして、歌舞伎俳優としてデビューです。

ニュースやワイドショーでやってましたよね。


香川さんの長男くんも五代目市川團子を名乗って初舞台を踏みました。

ものおじしない團子くん、さすがは大物たちの血をひくだけあります。


昨年だったかな、、、会ったことあるんですよ。この親子さん。

香川照之親子さんと同じ列(レストラン)に偶然並んだことあるのですが。


まあ、この子の元気なこと。わんぱく!走り回ってママに怒られてたけど。

やはり大物の器だったんだ。


IMG_6725.jpg

いよいよ開演。緊張してきます。


IMG_6731.jpg


舞台を覆っていたのは、なんと!あの福山雅治すわんが監修した祝幕でした。

そういえば、「龍馬伝」で福山雅治と新・猿之助さん、香川氏は共演していた。


新・猿之助が福山演じる龍馬を暗殺したし、

新・市川中車が龍馬の友人、岩崎弥太郎を演じてました!!!


そういう縁で贈られたものみたいです。

福山くん、歌だけでなくこんな才能もありんすか。すごい迫力でした。


IMG_6729.jpg

ichikawa.jpg


4人分の襲名披露の口上では、なぜか私まで緊張してしまいまして。

なんせ、一番前。

目の前にズラーーーーーっとスゴイ役者がいるんですから。

目が合うかと思いまして。ドキドキでっせ。(妄想)


市川亀治郎改め、新猿之助さんの「口上」、かっこよかったな。


「歌舞伎のために命を捨てる覚悟でございます。」

命を投げ打った、役者としてのプライドと執念が伝わってきました。


香川照之改め中車さんは「親子とも懸命に生涯かけて精進していく。」

初日からもう数回は口上やってると思いますが。

なんか涙が見えた気がします。そのたびに泣いてるのかな、、、。


昼の部を見たのだけど、演目は「義経千本桜・川連法眼館」。

昨年見に行った、海老蔵さまの「義経千本桜」もめっちゃ良かったですが。


新・猿之助のキツネさんもすごくよかった!

海老蔵さんのオーラってやっぱりすごいカリスマ的なんだけど。

新・猿之助さんはまた違う色気がある!そしてとことん巧い。


すごいなー、って感動したポイントはたくさんあるんだけど。

これも一番前で見てたからなのだけど、猿之助さん、汗が飛んでこないのよん。

初舞台の中車さん(香川照之)はもう汗がポッタポタなのに。


キツネ役でしかも中腰で走り回ってんのに、猿之助さんは汗がにじむ程度。

そんでもって、まばたき、ホントにしない。

私も一緒に目を見開いていたもんだから(勝負した)、

乾燥しちゃってコンタクトレンズが飛びだしそうに(笑)。


亀次郎さんにとっては、市川猿之助を継ぐ、というプレッシャー。

そして、香川さんにとっては、40年にわたる父と子の確執の末の初舞台。

まさしく、遺恨の舞台でした。


午後の部のスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」はみていないのですが。

なんと、父と子の遺恨の話なんです。


いやはや、、、、面白すぎます。前ふりだけで。

なんという因縁でしょうね。


そして。レベルは違えど!私もこの舞台にひと勝負かけてますんで(笑)。

私はこの歌舞伎を是非、母親に見せたいと思ったんです。

親と子。

あまりに縁が深い、強いがゆえに、その強さにやられてしまう。

そんな人も多いでしょう。

私もその一人だったけど、ま、いろいろ昇華したものもあって。

すっごく気持ちは楽になってます。


ただ、母親のほうはといいますと。そうでもなさそうで。

血の怖さといいますか、今もなお、しんどい人生おくってるので。


たまにはこんなすごい、魂のこもったものでも見てさ。

一緒に刺激もらおうよ、と思ってねー。


で、誘ったら、めずらしく東京に来ると答えました。

それは、、、あくまでもミーハーだからか? 

・・・かもだけど、まあ、いいや。

なんか、この舞台で感じとってくれたら嬉しいな、と思ったのだけど。


まあ、一番前のお席で、、、よく寝てましたわいな。

何度起こしたか、、、おい!猿之助が見てっど!


哀しきかな、、、。

しかも、友人が3階のお席から差し入れしてくれた紅白餅入りのタイ焼きには

母ちゃん、ものすごく早い反応。確かに美味しかったけどさあ。

めでタイ焼き、だなんて洒落てるし。


でもさー。

猿之助より、タイ焼きかよ、、、。

taiyaki.jpg

歌舞伎よりタイ焼きに感動する母ちゃんとケンカになりそうでした(笑)。

トホホ、であります。ま、「らしい」けどね。


しかしなー。つくづく思うけど。

本物の舞台見たら、うちらのフラメンコなんて、ホントへぼいわー。

魂こもってっか? こもってねーなー。


こんなすごいもの見せられたら、、、キツイわー。

しかも、明日は発表会のための音合わせの日なんですよお。

やっと平熱にもどったけど、実はまだヘロヘロなのよん。

ギターやカンテの前で一徹先生に怒鳴られるう。


そうそう、先ほどもチラッと書きましたが。

新・猿之助さん、口上で素敵なことを言ってましたよ。


ヤマトタケル原作者の哲学者梅原猛氏に言われた言葉だそうです。




「私が尊敬する梅原猛先生から、お言葉を頂戴いたしました。

フリードリヒ・ニーチェという大哲学者があって、運命愛という言葉がある。

外側から降りかかった運命をさぞ自分がこしたかのよう愛する、これが運命愛で、

君はその運命愛に従ってこれから生きなくてはいかん。

(中略)

私はこの歌舞伎のために命を棄てる覚悟でございます。」


運命愛。

すごい言葉です。