• もっと見る

ヨキータの哀愁日記

ジプシーの血たぎる(妄想)
私ヨキータの人生は
流れ流れてどこへ漂着するのでしょう。
チクチクもの哀しくて、だけどサクっと笑える日々を綴ります。


プロフィール

ヨキータさんの画像
<< 2012年05月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
最新記事
リンク集
https://blog.canpan.info/vamos-yoquita/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/vamos-yoquita/index2_0.xml
ル・アーヴルの靴みがき [2012年05月13日(Sun)]
lehavre3.jpg


「心をみがけば、奇跡はおこる。」

さあ、どういう意味だと思いますか?


lehavre.jpg

「ル・アーヴルの靴みがき」

ずっと見たかった映画、やっと見てきました。

ストーリはかなり単純明快。でもしみじみ。

こんなさもしい世の中だからこそ、こういう映画はブラボーだなー。

大好きだ!すっごく大好き。


フィンランドの巨匠アキ・カウリスマキ監督の作品なのですが、

フランスの移民問題をテーマに描いたヒューマンドラマです。


ところは北フランス、ノルマンディー地方の港町ル・アーヴル。

元芸術家のマルセル・マルクスは靴磨きを生業にしているのですが、

日々の稼ぎはほんのわずか。


家で待つのは自慢の女房アルレッティと愛犬ライカ。

マルセルは奥さんと愛犬と超質素につつましく暮らしています。

洋服ダンスにかけられた洋服は一枚か二枚。

貯金はカンカンに入れられた靴磨きの日々の収入のみ。つまり小銭。


パン屋のおかみさんに怒られながら万引きして?持ち帰るフランスパン。

奥さんは淡々と、では夕食を作ります、とニンジンを手に取る。


私はそんな様子を描いたシーンがとても好き。

なんでだか胸がぐぐぐっと。


奥さんはマルセルに、夕食できるまでこれで一杯やってこいと送りだすのです。

で、毎晩呑みに行く行きつけのバーがまたよいのじゃ。

港町のよいどれ男が集って、しょーもない話を肴にカルバドス。

マルセルはカウンターでママさんに「できた奥さんね。」とささやかれる。


ふふふ。きっと365日、同じパターンの暮らしなんだと思うけど。

ちっとも貧相だと思わない。


lehavre2.jpg



ある日、港にアフリカ・ガボンからの不法難民が乗ったコンテナが漂着する。

そこから二人の生活は一変。ドラマが生まれてくるのですよ。

警察の検挙をすり抜けた一人の少年イドリッサは、港でマルクスと出会う。

少年をかくまい、イドリッサの母親がいるロンドンに送り出してやるため、

密航費を工面しようとマルセルは奮闘するのです。


が!なんと妻アルレッティは体調の不調をうったえ入院することに。

医師から不治の病を宣告されるのでしたー。

もう手の施しようがないけど、奇跡が起こるかもという医者に対して

「うちの近くでは起こったことはないわ」と表情も変えずに返す奥さん。


マルセルはお花を手にお見舞いに通いながら、お金集めの画策も。

近所の人が皆、密入国少年を匿っていることを知って、力になってくれます。

パン屋のおかみさんや八百屋のおっさん。飲み屋のマダム。靴磨きの仲間、、、

うまく警察から少年とマルセルを守ってくれるシーンが小気味いい!


最後にや、マルセルと少年をつけ狙っていた警察官まで味方に。

そう、ハッピーエンドもびっくりするぐらいの。

まだまだ続く超ハッピーエンド、ポジティブストーリー。

まあ、いいじゃございませんか。


愛犬のライカは監督自身の犬らしいです。

「愛犬ライカ」の名演にカンヌ映画祭でパルム・ドッグ審査員特別賞が。


まあ、とにかく気持ちがあったかくなる映画です。

大きな劇場でやっていないので難しいかもだが、いつか見てね。


マルセルと奥さんのつつましさと愛情、

私が今一番欲しいものって、それだ〜〜〜。って。

思いました。


そしてこんな街に住みたいなあ。


| 次へ