寝る子は育つ〜二つの新聞記事から [2012年09月19日(Wed)]
昔から寝る子は育つと言われてきましたが、9月17日に二つの新聞記事が目をひきました。
一つ目は日本海新聞。東北大学のチームの研究によると、睡眠時間の長い子どもほど、記憶や感情に関わる脳の部位「海馬」の体積が大きいことがわかったそうです。 具体的には2008年からの4年間で健康な5〜18歳の290人の平日の睡眠時間とそれぞれの海馬の体積を調べました。その結果、睡眠が10時間以上の子どもは6時間の子どもより、海馬の体積が1割程度大きい事が判明したということです。 もう一つの記事は読売新聞の医療ルネサンスというコラムです。この日は精神科を取り上げていたのですが、そのなかで、埼玉県のある男子中学生の例が取り上げられていました。 この中学生は昨年9月、朝方にひどい倦怠感や吐き気、めまいを感じるようになり、学校を休みがちになりました。耳鼻科で起立性調節障害と診断され血圧を上げる薬が出ました。さらに精神科医院でうつ病と診断され、抗うつ薬が処方されたのですが2カ月服薬しても改善が見られないので、独協医大大越谷病院にに行きました。 診察にあたった井原裕教授は症状が表れた9月という時期に着目しました。そこでこの中学生に夏休み中の生活習慣を聞くと、テレビゲームなどで夜更かしが続き、毎日のように朝寝坊をしていたことがわかったのです。「君はうつ病ではなく、夏休みが終わっても宵っ張り生活を続けているせいで、体調が悪いのだよ。早寝早起きをしっかり続けよう」と指導した結果、朝の不調はうそのように消えて元気に通学できるようになったという症例です。 このように、自分でうつ病だと思って受診する人の多くに睡眠を中心とした生活習慣の乱れが見られ、これを改善するだけで劇的によくなる人がいるから、精神科の診療の前に患者さんに就寝時刻や起床時刻、食事の回数や運動量など生活習慣を聞きとることが大切だというコラムでした。 このなかで井原教授は@朝6時起床なら23時には就寝A週50時間以上の就寝B平日と休日の起床時刻の時間差を2時間以内にとどめ、休日に過度の朝寝坊をしないということを指導している(会社に勤めている大人向け)と言われています。 この二つの記事を読んで、睡眠がいかに大切かということがわかりました。特に成長期の子どもにとって、海馬の成長に加え、この時期の睡眠の習慣が一生の生活習慣を決定することを考えると、大変重要な意味をもっていると思います。もし、お子さんの夜更かしが続いているようであれば、親子でしっかり話し合って、時間の使い方について見なおしてみてはどうでしょうか。 |
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おやこ劇場でまってるよ
at 08:21