いずみちゃん [2012年01月29日(Sun)]
大学時代、学生寮に住んでいた私は、今も忘れられない光景がいくつかある。そのひとつが、ろうかでアイロンをかけていたいずみちゃんの後ろ姿だ。
ろうかに、共同のアイロンとアイロン台があって、いずみちゃんは、いつもゆっくり丁寧に服にアイロンをかけていた。というのも、いずみちゃんは、服が大好きで、それも絵本に出てくるような乙女チックな服が大好きで、みんなからは少し浮いていたのだが、彼女にはとても似合っていた。 私にはとてもまねできないのが、服をはじめとするいずみちゃんのモノへの愛情だった。へやに置くものも一つ一つほこりをふきとり、置く場所を吟味して素敵にディスプレイしていた。たくさんのモノを持つのではなくて、本当に好きなものを大事に丁寧に扱っていたいずみちゃんに私は憧れを抱いていた。 バタバタと忙しく、とにかく早くしよう、多くしよう、便利にしようと生活をごちゃごちゃさせてしまいがちな毎日を、いずみちゃんの後ろ姿を思い出して反省している。 同じく寮の友達のオッポちゃんの声がよみがえる。「忙しいっていう字は心を亡くすって書くんだよ。」 |
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おやこ劇場でまってるよ
at 21:52