先週の土曜日に鳥取県高等学校PTA指導者研究大会というところで、リクルート社の角田浩子さんのお話を聞く機会がありました。
角田さんは、とっても可愛らしく、ちょっと天然。しかし仕事はバリバリの今でいう美魔女系のすてきな方でした。1981年にリクルート社に入社して、キャリア教育誌の編集一筋30年を経て、今は「キャリアガイダンス」という高校進路指導の現場教師用の専門誌の編集長をしておられます。
皆さんもご存じのとおり、大卒の就職は超氷河期が続いています。卒業生の6割ほどしか一般企業に就職できないというのが現実です。にもかかわらず、就職3年以内にやめてしまう若者もあとをたたず、学校を終えたあと、就職して働き続けるためには何が決め手になるのか親としてはぜひとも知っておきたいところです。そこで、おやこ劇場の皆さんにはちょっと早いですが、私がなるほどと思った部分をちょっとだけ伝えますね。
一般に就職に強いのは有名大卒と運動部卒と言われていますね。有名大卒の子をとる理由は地頭が良い、もしくは要領が良い。加えてきちんと学び続ける力がある。少なくとも受験を途中で投げ出さず全うしたということを証明しているとみられるからです。運動部卒の子は、体力があり、ストレスに強い、そして集団に強い…つまり他人を嫌わない、他人から嫌われないようにしようと努力してきた。これは、働き始めてからやめそうにないという素質につながります。
働き始めてからやめそうにない人材とは、誰とでもコミュニケーションできる。少しくらいのことではへこたれない。自ら目標を定めることができる。必要な時に必要なことを学ぶ習慣がある。主体性があるなどの能力をもつ人だそうです。経済産業省の発表している「社会人基礎力」にはこれに加えて、実行力、計画力、想像力、発信力、ストレスコントロール力、傾聴力、規律性などがあげられています。こんなにたくさんの力が必要なのかとびっくりしてしまいますが、こういう力は、やはり学校だけでなく家庭で培うものであって、そのためには親子で話すということがとても重要だというお話でした。
ところが、親が高校生と仕事の話をするときに、高校生が聞きたいと思う内容に反して、親は仕事の愚痴や人間関係の苦労、疲れた〜とか働きたくないというようなネガティブな話をしがちだそうです。
子どもが成長すると、親はついつい油断して、友達相手のように愚痴や泣きごとを言ってしまいがちですが、子どもにとって親は未来の象徴なんですね。親、もしくは近くにいる大人が、楽しく生き生きと仕事の話をし、誇りをもって生きていると、子どもは未来に希望をもち、さらには今をがんばれるものなんだと思います。これは、多くの人が指摘しています。
たくさん、子どもと話すこと。仕事じゃなくても、家事でも趣味でも、毎日元気に楽しくっていうお母さんやお父さんの姿が、子どもには一番のお手本なのかもしれません。