Y先生のこと [2012年11月29日(Thu)]
わたしが小学校の3年生と4年生のときの担任のY先生。ちょうど母と同じくらいの年齢のお母さん先生でした。
ある日の放課後、友達といっしょに先生のところにかけっていって「先生、たいへんです。1年生の教室の前のろうかに、誰かがゲボした(もどした)あとが放ってあります。」と伝えました。先生は書きものの最中で、ゆっくりと顔をあげて、「その子はいなかったの?」と聞かれました。「はい。たぶん保健室に行ったんだと思います。」と答えると、「そうですか。じゃあ大丈夫ですね。」と言われました。困ってしまった私たちは「先生、それでろうかはどうしたらいいんですか?」とたずねました。先生はちょっと首をかしげて「それはね、きっと心ある人がきれいにしてくれると思うんですよ。」と言われ、私たちの目をじっとご覧になりました。それでわたしと友達はまたかけっていって、二人で汚物をかたづけて、雑巾で廊下をふきました。 このときの先生の対応がいつまでも忘れられません。もし、先生が「あなたたちが片づけたら。」とおっしゃっていたら、私たちは不満に思ったかもしれません。私は先生にほめられたくて片づけに行ったのではありませんでした。「心ある人」という響きがステキだったので、自分が「心ある人」になりたかったのです。だから、学校からの帰り道、私たちはとってもいい気分でした。 子育てに悩んでいる方に、このときの先生の言葉はきっと良いヒントになると思って、ちょっと紹介してみました。 |
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おやこ劇場でまってるよ
at 17:40
アトリエトトロさまのコメントに支えられて、書き続けていられると思います。
子どもに美しい言葉で話すことは、とても大切なことなんだなと思いました。あとは、間ですかね。子どもに考えさせる時間を与える間が、言葉と同じくらい大切だと思います。忙しいときでも、子どもと対するときに、ゆっくりと応対をされていたことが心に残っています。今だと清潔のこととか安全のこととか、批判されかねない先生の対応ですが、私たちの心にきちんと向き合ってくださったことと、信じてくださったことがこんなにも心に残った理由なのではないでしょうか。