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〜1月の学習支援教室〜 [2019年01月28日(Mon)]
1月の学習支援の様子をお届けします。

中学3年生がいない、ある教室では、いつもおだやかな居場所のような雰囲気が流れています。
教室に行くと2人の生徒が、今日も先生の到着を待っていました。
「学習支援教室は楽しみなんです。」そう言ってきてくれる子ども達もいます。

今日は、いつも以上に集中して勉強に取り組んでいました。そんな合間に「お菓子」がでてくると子どもたちの表情に笑顔が生まれてきました。
「今日は、何のお菓子?」「みんなで分けようよ」子どもたちの声が聞こえてきます。

「お菓子」は子どもたちの存在を「肯定」する大切な役割になっていると感じています。自分のお菓子がちゃんとあるという「安心感」や「応援してくれている人がいる」というメッセージが子どもたちのやる気になっていると感じています。

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冬休みがおわり、学校がはじまりました。学校でも、家でもない「安心できる 場所」の役割を学習支援の教室が担ってくれればと感じています。

「待ってたよ」そんな想いと一緒に、今日もお菓子は、そこに来る子どもたちの「笑顔」の時間をより多くしてくれていました。

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学習支援をする意味と意義 [2019年01月11日(Fri)]
あけましておめでとうございます!
2019年が皆様にとりましても素晴らしい年になりますことを祈念致します。
今年初めのブログとなります!!

前回、初のブログでいささかまとまりのない内容になってしまったので今回は学習支援する目的から学習支援する意味と意義などとより核心的なテーマについて書いてみることにする。

子ども達と関わってよく聞かれることがある。
「ねぇ、この連立方程式さ、社会にでて何の役に立つの?」
「もうすぐ即時通訳できる機械ができて将来はスマホでも即時通訳できるよ。英語なんて意味なくね?」
「サインコサインの三角比って測量の仕事以外使わないんでしょ?やる意味ないじゃん」
「もうすぐ書類にサインすることもなくなるって言うよ。漢字書かなくていいじゃんか。」
「歴史?グーグルで調べればすぐ出てくるしー。化学記号?Yahoo検索すれば一発だよー。覚えること無駄じゃない?」

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さぁ、皆さんはこれらの質問にどう答えますか?これらの質問に今の子ども達、これから未来の子ども達が納得かつ満足できる答えられますか?もし、これだ!という答えをお持ちの方はぜひ教えて頂きたい!!
なぜなら大人が満足できても子ども達が満足できる回答などないと思うからだ。

皆さんも感じたことはないだろうか?二次関数を教育以外の仕事で利用したことはあるだろうか?雑談で使う以外で歴史の年号が仕事で必要だろうか?全く英語が喋れない我々は喋れないことで生活に不自由しているだろうか?・・・そう考えると学校の勉強は社会でほとんど使わないことになることに気づいてしまう子ども達がいても不思議なことではない。
スマホを始めとする通信機器、そしてAIやロボットが席巻する未来予想図は今回置いておくとして、子ども達に学習支援をする意味と意義について自分なりに話していることがある。

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自分はキャリア教育を10数年前から実施していて、体系化してからは既に10年の月日を数える。キャリア教育は以前に文部科学省の勉強会に参加した時に聞いて驚いたが、このキャリアという言葉はラテン語で「轍(わだち)」を意味する言葉だそうだ。人生において学びも仕事も遊びも全てがこの轍であってつまり一人ひとりのキャリアとなる。しかし、今は学校と社会が分断されていて繋がりがない。キャリア教育はその学校と社会をつなぐことが目的だ、と言われて自分が考えるキャリア教育を作っていった。
自分たちが行っているキャリア教育は一般的なキャリア教育とは一味も二味も違う。詳細は企業秘密だが(^^;)、学校と社会がつながることを最後のクロージングで子ども達の心に深く残していく。ここが、今回お伝えする学習支援する意義と意味に繋がるところだ。

今年メジャーに行った大谷翔平選手はアメリカでも大活躍した。怪我が心配されたがフィギアスケートの羽生結弦選手はその怪我を乗り越えてオリンピック2連覇を達成した。卓球の伊藤美誠選手や張本智和選手は共に10代で今年大活躍した選手だ。スポーツで例えれば皆に共通していることがある。彼らや彼女たちにはもちろん天性の能力がある。しかし、能力だけで世界で活躍することはできない。当然できないことやわからないことにぶつかり挫折を繰り返す。悩んで悔やんで苦しむ。でも、そこから「できないことをできるようにする」ために練習を繰り返す。技術だけではない。勝てるためにはその戦略も含めて「わからないことをわかるようにする」ことを考えたり相談しながら身につけていく。

この「できないことをできるようにする」こと、そして「わからないことをわかるようにする」ことこそが、スポーツにも学習にも共通する言語なのだ。「できないことをできるようにする」「わからないことをわかるようにする」この繰り返しこそが、夢を現実にする一番の近道だし、社会に出て挫折しても乗り越えられる原動力になる源泉だ。できない問題をできるようにするためには先生や講師から教えてもらったりヒントをもらってできるようになる。わからない問題をそのままにしないで、繰り返し学習したり解き方を教わってわかるようにする。できるようになることで自己肯定感が向上し、次への挑戦意欲も湧いてくる。わかることが増えることで学力が向上しそれはやがて知識へ、そして知力となっていく。学習支援はまさに子ども達が将来の夢を一歩でも近づかせるために、そして社会に出て挫折しても乗り越えられるその力をつけるための支援なのだ。その積み重ねこそが大谷選手や羽生選手を生み出したと言っても過言ではない。子ども達にとって大谷選手や羽生選手は夢のまた夢かもしれない。でもどんな大きな夢でもそれに向かい、近づくことができる、その手伝いができる最大の方法が学習支援だと言うことをお伝えしたい。 

栃木県若年者支援機構 代表理事 中野謙作