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TEAMユース 最新記事

【社会事業家紹介】金井光一氏(特定非営利活動法人チャレンジド・コミュニティ理事長/有限会社コパン 代表取締役)  [2009年04月06日(Mon)]
とちぎユースサポータズネットワーク インタビュー事業

〈ゲスト〉
NPO法人チャレンジド・コミュニティ理事長、有限会社コパン代表取締役 金井光一
日時:08年11月24日
場所:NPO法人チャレンジド・コミュニティ事務所
インタビュアー:岩井

【団体の概要】

『チャレンジド・コミュニティ』:障がいや難病などのハンディキャップを持つ人々と彼らを支援する人々が、本当に安心して暮らせる生活拠点づくり。
NPO法人チャレンジド・コミュニティの『チャレンジド』とは「神から挑戦を受けるように運命づけられた人」、『コミュニティ』は、「我々が安心して生活できる地域社会」のこと。したがって、『チャレンジド・コミュニティ』とは、障がいや難病などのハンディキャップを持つ人々と彼らを支援する人々が、本当に安心して暮らせる生活拠点という意味にもなる。@自立、A参加、B協働、をテーマにしている。
「NPO法人チャレンジド・コミュニティ」と「有限会社コパン」との協働について整理すると、NPO法人での事業は採算が取れないので、あわせて事業会社を設立。事業会社の利益をNPO法人の活動資金にもしている。 

『NPO法人チャレンジド・コミュニティの事業』 

1. 障がい者等の就労支援事業
@ 相談業務
A 「チャみせ」の運営(小売り・織物教室)
B 「楽食市」の運営(小売り)

2. 子どもの発達支援事業
@ 相談業務
A 講師の派遣
B 絵画造詣ワークショップの開催

3. 障がい者等の自立支援事業
@ 関連団体の設立・運営支援
A 高次脳機能障がい、就労リハの研修会

4. 障がい問題等の講演事業
@ 講演活動

5. 障がい問題等の権利擁護事業
@ 各種イベントに参加しての活動アピール

6. 非営利活動等に関する啓蒙、研修事業

7. 施設の管理、運営事業


『有限会社コパンの事業』

1. 焼きたて屋コパン
@ パン・焼き菓子の製造
A パン・焼き菓子の小売り
B パン・焼き菓子の卸売り
C チャレンジドの実習生受入れ

2. とちぎ美術学院
@ 美大受験生の予備校
A カルチャースクール
B アートコパン
(障がい児の絵画造形教室)
C 講師派遣

【事業化した背景(社会的環境)】

チャレンジドは、難病や障がい(知的、身体、精神)、発達障がい、ニート・引きこもりなどが対象となる。
チャレンジドを取り巻く、教育、医療、社会保障、就労を過去と比較すると、教育は全員入で養護学校か普通学校かが選べるようになり、医療は新薬や新たな技術が日々生まれ、社会保障はGDPの23%を使われるなど充実しつつある。しかしながら就労だけは、前に進んでい
ない。政府のチャレンジドの就労政策も、障害者雇用促進法(57人以上の従業員がある企業は従業員数の1.8%が義務付け)、障害者自立支援法(障がい者の一般雇用、ハローワークのコーディネーター)

【NPOの収益と会員】

会員収入、相談業務収入、「チャみせ」「楽市」の運営、講師派遣、仕入れ・販売等。
会員110名。当事者10%、当事者の親、特別支援学校の先生、医師、看護師、行政職員、県内がほとんど。今後は、目指すべき社会像を実現する。

【コパンの経営】
                              
パン屋 社員6名、パート10名
美術学院 社員2名、非常勤清掃3名

【運営状況】
パン屋 400万円/月(4500万円/年)
美術学校 120万円/月(2000万円/年)  
NPOの収入 200〜250万円


【現在、一番やりたいこと・力をいれていること】

チャレンジド、難病、障がい、ニート・引きこもりに関すること。チャレンジドを支えている健常者もチャレンジド(経済的に支える人)と考えている。事故で下半身不随などの就労支援、不自由になった人の家族は支える生活になるから。
就労は、どれだけ進んでいきているか。進んでいない。企業にいて人事もやったが、進んでいない。
公的な支援、障害支援センター、ハローワーク等の機関はあるが、機能しているとは言い切れないのが現状。
 
【障がい者の雇用 (2008年11月現在)】

@障がい者雇用促進法(従業員の1.8%は障がい者雇用義務付け、08年11月23日の新聞では全国平均1.59%、到達できないと罰金)
A障害者自立支援法、一般雇用を促す。ハローワーク 雇用能力開発機構の中に障がい者支援の部署ができた。

企業のCSRの一環として社会的弱者を救う。障がい者雇用をする。子会社を作り100%障がい者雇用で、作業。大きな企業での取り組み。最近、小さい企業で社員教育、地域の受け皿として、取り組み始めている。
障害者雇用促進法56人未満対象外。

【NPOに関する金井さんの構想】

NPO法人が企業の株主になる。単位株主になり、株主総会は出席し、我々は・・と経営陣に問いかける。我々がお手伝いするので、障害者雇用をしないかと企業へ声を掛けている。株と聞くと、楽しくて儲けるイメージだが、そのつもりもないが、正攻法的に企業に発言力を持つ手法。

【これからの目標やビジョン】

NPOとコパン、合わせて収益1億円が目標。

【イオン、ヨーカードー、プライベートブランド】

パン屋の業種を選んだのは、すきまというより、生活必需品、価格決定権が生産側にある業種だから。大手のパン屋はあるが、特色をだせば、付加価値がつきやすい。下請けすると、普通価格決定権は発注側。

【金井x岩井インタビューの様子】

岩井:金井さんの構想はいつから?

金井:サラリーマンをずっとやっていたが、いつかは自分でという意識はあった。45歳を過ぎてから、徐々に必要性を感じた。年をとると、経験、人脈、判断力がつく。

岩井:どういう組織形態でやるのが、事業として成り立つか?

金井:事業=長く続ける=価値。継続するには、一つの組織ではうまくいかない。提案する新たなビジネスモデル。事業会社(株式会社)とNPOを両方たてる。NPOが事業会社の株主になる。会社は株主のいうことを聞かなければならない。NPOの下に株式会社があって、NPOが新しい政策で事業の展開、就労支援をしてくれ、事業会社は反映しなければならない。そこでコパンにパン債権を出資している。
 普段、企業の余剰資金でNPOを作る。仕事を1時間いくらでと決められて働かなければならない。そこを逆転する。事業が軌道にのるかという点もあったので、事業会社を先に走らせてからNPOを作った。

岩井:今後のことで考えていることは?

金井:大きなことは考えてない。後継者をどうするかは考える。現在3年目。10年続けると社会から信頼される組織になる。5,6年は自分で責任を取る役割を考えている。 1対1、n対nにしたい。ネットワークが生まれて、事業がどんどん生まれる。それができれば成功かな。真似されてもいい。むしろ、真似され、広がり、障がい者雇用が促される。
障がい者の就労に関して、もっと書いてもらいたい。障がい者にとっての就労は、@賃金を獲得する、A居場所を確保する、二つの意味がある。障害者年金があり、できる範囲で仕事をして、どこかの組織に属し、名刺を持つことの安心感。一人は不安定。仲間として参加している気持ち、意義。

 障がい者の雇用促進には、ワークシェアをしないと仕事として、利益の確保、生産性があげられない。事業の多角化。製造、販売、サービス部門もあります。ちゃみせ(鹿沼に直売)、車椅子バスケ協会に仕事を依頼(パンはもてないが、運転できる。)外注し、人件費・交通費を払い、運送してもらう。パンを焼く(プロ等の団体)、ラベル・袋詰め(知的障がい)、販売(精神)。健常者は1人で、袋詰め、販売、掃除、製造、全部やるが、障がい者はシェアすればできる。1種類の仕事だとできないから、多角化し、全体で20万として、4つにわければ一人5万円になるが、しょうがない。

経済合理性、一定の能力のあるにはそれなりの額、出来ない人にはそれなりの額(プラス障害者年金)。もちろん反対な人もいるし、いやな人は参加しないが。みんなが社員。賃金だけでなく、1日2時間でも、家で何もしていない、コパンのパート、NPOの正会員として、毎日ここに来られる。安心感があるんじゃないかな。
本人のできる特徴を生かして、『それしかできない』が、チャレンジドの適材適所。そのために多角化と分業をしている。

ドイツの「ベーデル」という町が、それを町全体でやっている。町自体が、ホテル、病院、銀行、スーパー、薬局、全部半分障がい者が働いている、ベートル通貨。面白いだけでは仕事にならないところが難しい。障がい者問題、障がい者経済学、知的障がい者の就職率は高い。生産性は低いが、ルーティンワークができる。多角化するためには、いくつかの業種を知っている経験者が必要。できればいいな。

面白いのは、同じパンでもNPOで理解があって受け入れてくれるところと、事業会社で受入れてくれるところがある。NPOっていうと、福祉のパン屋と思われることもある。お情け頂戴と思われる。味より、福祉のイメージ。そういうイメージができあがっている。仕方ないが。
NPO、行政の受けが良いのが利点のひとつ。事業会社は、一般企業と競争しておいしければ市場参加可能。絶対的においしいもの。パン製造の経験者を高いけど社員として働いてもらっている。NPOに理解のある、CSR積極的な企業はNPOを受入れてもらう。

岩井:いま抱えている問題等はありますか?

金井:現実問題として、もう少しして黒字になって成功したうわさがたつと、「色眼鏡で打算的な営業をしている。」とか「手段選んでない。」とか言われるだろう。これから新しい資本関係でやって、一人でも多くの障がい者や実習生を受入れて行きたい。みんなに分かってもらおうとは思わない。分かってくれる人だけでいい。

岩井:目標1億円は大きいですね。すごいですね。

金井:全然すごくない。業界標準、パンの小売業、美術学院、経営指標と比較すると平均にもいっていない。生産性は低い。本来、この人数であれば、もっと売上は上げられる。
パン屋の経常利益、売上は毎年+20%、店売りから外売りへ。原材料の高騰で、40%仕入れがあがる。小麦粉、チーズ、乳製品、等。売上20%あがっても・・・。人件費を抑えている。とにかく売上を伸ばそう。年間通して今年も、赤字か黒字かというところ。大量生産でコストを下げる。コパン 6000万くらいは。高く、自信を持って売れる。

岩井:最後にチャレンジしようとしている人たちにメッセージを・・・。

金井:5年、10年続けることを徹底的に考える。考えて、考えて。5年は絶対、続けることを考えなければ、サラリーマンをやっていたほうがいいよ。

リンク
『チャレンジド・コミュニティ』
http://www3.plala.or.jp/npocc/index.html

『焼きたて屋 コパン』 栃ナビ情報
http://www.tochinavi.net/spot/home/?id=4537

*「障がい」と表記したのは「害」という文字が、障がい者が「害をなす者」というイメージを持ってしまうからです。ただし、「障害者雇用促進法」、「障害者年金」などの規定用語については混乱を招かぬようそのまま使用しています。
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