人間の可能性を耕す人。[2015年12月09日(Wed)]
mfで開催してきた35回のトークイベント、
『 Talking About Football 』
12/15(火)20時からの次回は、
これまでで一番のチャレンジ!
直接的にサッカーの人ではないので。
でも、サッカーにも多大な影響を与えるだろう人。
どーーーしてもより多くの人たちに知ってほしいのです。
渋谷区長の “ 長谷部健さん ” !
宮下公園のスポーツ公園へのリニューアル、
おそうじボランティア「 green bird 」の設立と全国・海外展開、
渋谷区全体をキャンパスとする「 シブヤ大学 」の設立など、
様々なクリエイティブな施策を
ポップなアプローチで次々と実現してきました。
サッカー関係では、
東京ヴェルディとのタイアップや、
今はオランダ「 VVVフェンロ 」でコーチを務める
藤田俊哉さんのトレセンコーチ招聘など。
今回お願いすることになった一番のきっかけは、
数か月前にたまたま足を踏み入れた
『 渋谷はるのおがわプレーパーク 』の看板に、
こんなことが書かれていたからです。
「 ここは “ 自分の責任で自由に遊ぶ ” 公園です。
子どもたちが “ やってみたい! ” を
最大限カタチにするチャンスのある遊び場です。
子どもたちが自由に遊ぶためには
“ 事故は自分の責任 ” という考えが基本です。
地域のおとなたちと渋谷区が協力して
このプレパークをつくっています。
こわれているところをみつけたり
困ったことがあったら
プレリーダーやスタッフといっしょに
考えたり作ったりしましょう! 」
野球禁止!サッカー禁止!
のような「 規制 」を掲げるのではなく、
逆に「 自由 」を推奨している公園!しかも区として!
この公園を実現させた立役者が長谷部さんなんです。
すっっごく嬉しくなっちゃいました。
だって、子どもが子どもらしくいられる場だから。
想像して、やってみて、交わって、何かを感じて。
頭で覚えるんじゃなく、感覚で身についていく場所。
そしてそれは、
今の日本サッカーに「 決定的に欠けている部分 」を
養ってくれるものでもあると思うのです。
2014年のブラジルW杯グループリーグ
「 日本 vs コロンビア 」の試合。
1対4という完敗なゲームでしたが、
この試合を観てスコア以上の差を感じてしまいました。
日本はそれまでうまくいっていうえに、
勝たないといけない状況でもあって、
とても余裕が持てる感じではなかったと思うんですが、
それを差し引いても、ちょっと果てしない差だなと。
個人としてのスキルや判断力、戦術的理解力、
チームとしての活かし方、戦い方だけじゃなく、
なんかこう、もっと根本のところでの圧倒的な差。
そのとき率直に思ったのは、
「 まったく違う生き物が試合をしてるみたい… 」
たぶん「 野性 」に感じたんだと思います。
でもそれは戦うという部分だけでの野性ではなくて、
身体全体がものすごく研ぎ澄まされていて、
思わず反応していっちゃうような感覚的な部分も含めた野性。
極端にいうと、
日本は「 思考70% 感覚30% 」で戦っていたのに対して、
コロンビアは「 思考20% 感覚80% 」だったみたいな。
思考より感覚の方が先に情報をキャッチしていくし、
それに対しての反応もどうしたって速くなるから、
日本はあらゆるタイミングに
間に合っていなかった気がしました。
日本は頭で動かせる範囲では、
すべてを出し切ってたのかもしれません。
ただ、身体や感覚の範囲ではどうだったんだろうって。
で、それをさらに痛感したのが今年の『 コパ・アメリカ 』!
特に「 チリ vs アルゼンチン 」の
決勝戦の前半は、ほんっとに衝撃的でした。
というか、ショックでした。ちょっと違いすぎるよって。
「 思考5% 感覚95% 」くらい。野生動物同士の戦いみたい。
バルセロナのサッカーとはまた違う次元での、
すさまじく美しいサッカーでした。笑っちゃうくらいに。
日本の選手と南米の選手では当然、
血も違うし、気質も違うし、美徳も違うし、環境も違う。
だから同じになることは絶対にないし、
なってもいけないと思う。日本人ならではの長所があるから。
ただ、思考と感覚のパーセンテージは今のままじゃ…。
そんなことを考えていたときに、
あの看板を発見したんです。
で、気になって調べていたら、
長谷部さんのこんな考えにも出逢い、
これはぜひトークイベントに出てほしいと、
無理を承知でオファーをしたのでした。
「 子ども達は自由な遊びを通して、何かを学び、
生きていく力を育んでいくんだと思います。
子どもにとって、食べること、寝ることと並んで、
自由に自分達で発想をしながら、
工夫しながら遊ぶということは、
本当に大切なことだと思います。 」
そう、遊びながら感覚全開になることで
自然といろいろなことを学んでいって、
「 生きていく力 」は養われていくんだと思います。
そして、その力はきっと、
人間のあらゆる可能性の土台なんだと思います。
「 子ども達のやんちゃな笑顔は財産です 」
と語る長谷部さん自身が、子どものような自然体な人!
よかったら、遊びに来てくださいねー、様々な可能性と出逢いに。
● 長谷部さんのホームページ → こちら
● 長谷部さんが出演した「 TED 」 → こちら
『 僕ひとりで世の中変えようなんて、
世の中ナメちゃいません。
でも、僕みたいな奴が楽しそうに、
こういった活動をしているのを見て、
俺にもできそうじゃんって
思う人が出てきてくれたらって思っています。
理想は、そういった空気の波紋が広がっていくこと。
その波紋になれたらって考えています。 』
渋谷区長 長谷部健