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この夏の北極海北航路の通航量が記録的に増加 [2018年10月05日(Fri)]
日本海難防止協会ロンドン研究室から送られてくるLRO ニュース(日本財団支援)が、世界の海事・海洋関係の重要な動きを伝えてくれることは、本ブログでもたびたびお伝えしてきた。(本ブログ2010年6月14日、…、2018年3月3日、3月19日、3月29日、6月8日、7月24日、8月23日等参照)

LROニュースでは北極海に関するニュースもよく取り上げられるが、10月3日のLROニュースには「この夏の北極海北航路の通航量が記録的に増加」というタイトルで、2018年1月から8月までの北極海北航路の船舶運航実績は対前年比80%と急増しているというニュースが報じられていて目を惹きつけられた。

これには北極海沿岸の石油ガス資源の運送量の増加ばかりでなく、特に夏季における一般貨物船・クルーズ船の運航の増加に加えて、今年から史上初めてコンテナ船の運航が開始されたことも貢献している、とのこと。ヤマルLNG事業では、5隻の新造LNG運搬船を利用して欧州市場との間を34回シャトル輸送して2018年上半期に250万トン以上のLNGを輸送した、という。

9月27日のLROニュースは、「北極海で最も堅固とされていた海氷が史上初めて消滅」というタイトルで、北極の温暖化が進んでも最後まで海が氷結しているとみなされてきたグリーンランド北部海域の氷が風に流されて海岸から沖に流され、崩壊を始めた、と伝えており、船舶運航実績の増加の背景にはこのような自然環境の変化がある。

北極海の温暖化による氷の減少が、北極海を普通の海として利用することの可能性を広げているが、北極海の利用は、その増加が地球環境にどのような影響を与えるかを慎重に見定めながら進める必要があるということもこの際併せて確認しておきたい。
Posted by 寺島紘士 at 23:47
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