• もっと見る
<< 2024年03月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
道田 豊教授がIOC-UNESCO議長に [2023年07月03日(Mon)]
6月末に嬉しいニュースが飛び込んできた。

パリで開かれていたユネスコ政府間海洋学委員会(IOC-UNESCO)の第32回総会で、次期役員の議長に道田 豊 東京大学大気海洋研究所教授が選出されたのである。

IOCは、名前の冒頭に「ユネスコ」とついているが、機能的には独立して科学の面から海洋に取り組んでいる国連機関である。海洋観測・調査・地域協力の推進、全球海洋観測システム(GOOS)構築の推進、国際海洋データ・情報交換システムの運用、津波早期警戒システムの構築、教育・研修・能力開発・技術移転の推進等に取り組んでいる。さらに、「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年(2021-2030)」の実施計画を策定し、同計画の実施を主導している。

IOCは海洋ガバナンスの様々な取り組みにも海洋科学の分野から積極的に参画・推進している国連機関である。海洋の保全・持続可能な開発に向けて各国がそのEEZ等の広大な海域の管理に用いていて、我が国もその導入が強く求められている「海洋空間計画(MSP)」も元をたどればIOCが各国に提案したものである。

「海洋空間計画(MSP)」について考える [2010年12月11日(Sat)]
https://blog.canpan.info/terashima/archive/443 等参照

このようにIOCの活動は海洋政策とも深く関係しているので、本海洋政策ブログでもIOCはあちこちに登場している。関心のある方はIOCで検索して覗いてみてください。

なお、その最近の例は次のとおり。
COP27 エジプトで開催中 [2022年11月12日(Sat)]
https://blog.canpan.info/terashima/archive/2067
国連海洋会議(UN Ocean Conference)が近づく [2022年05月24日(Tue)]
https://blog.canpan.info/terashima/archive/2049

IOCには世界150カ国が加盟しており、そのIOCの議長にこのたび道田さんが選出されたことは快挙である。任期は2年。日本人が議長となるのは、1960年のIOC発足以来初めてであり、道田さんに心からお祝い申し上げたい。

道田さんは東大の大気海洋研究所教授として積極的に活動されてきているが、IOCの活動においても、2011年〜2015年にはIOC副議長を務めるなどこれまでもIOCの活動に深く関わってきている。これからはその国連機関IOCのトップとして、これまで積み重ねてきた知見を活かして海洋科学の益々の発展、そして海洋科学の分野からの海洋ガバナンスの取り組みへの貢献に益々のご尽力をいただくことになる。道田さんどうぞよろしくお願いします。
Posted by 寺島紘士 at 15:05
今日は「世界海の日」 [2023年06月08日(Thu)]
今日6月8日は「世界海の日」である。
1992年のリオ地球サミットにおいて私たちが直面している海洋に関する課題について世界的な認識を高めるために「世界海の日」を設けることが決定され、さらに2008年には「世界海の日」は毎年6月8日とすることが国連総会で決定された。このように、「世界海の日」は国際的に共有されている重要な記念日である。「世界海の日」については本ブログでも毎年取り上げてきてきた。最近3か年については下記をご覧ください。

「IOI設立50周年」と「世界海の日」の記念企画 [2022年06月20日(Mon)]
https://blog.canpan.info/terashima/archive/2051
今年の「国連世界海の日」のイベント [2021年05月28日(Fri)]
https://blog.canpan.info/terashima/archive/2005
6月8日は「世界海の日」 [2020年06月02日(Tue)]
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1944

しかし、今年は私もこのところ第一線の活動から退いているので特に「世界海の日」について積極的に取り上げることもなく今日を迎えたところ、日付が6月8日に替わった直後の夜中の1時過ぎに「Tomorrow is UN World Oceans Day! 明日(8日)は国連世界海の日!」というメールがUN DOALOS 国連海洋/海洋法課から届いたのである。

そこには
PLANET OCEAN:
TIDES ARE CHANGING.
TIME TO PUT THE OCEAN FIRST!

TOMORROW THURSDAY 8 JUNE 2023
10am-1:30pm EDT

WATCH THE LIVE-STREAM AT
UNWORLDOCEANSDAY.ORG
REGISTER FOR VIRTUAL ATTENDANCE

とあり、バーチュアル参加を促している。
これをみて現役時代を思い出してかなり心を動かされて参加を考えた。しかし、最終的には開催時間がEDT(北米東部夏時間)の午前10時〜午後1時半(即ち日本時間の8日午後23時〜9日午前2時半)とこちらの深夜に行われるのを見て年齢を考慮して参加を断念した。

さて、残りの時間が少なくなってしまっていて恐縮だが、読者の皆さんの中で「世界海の日」に関心がある方は下の国連DOALOSの世界海の日に関する一般向けページどうぞ覗いて見てください。
https://unworldoceansday.org/un-world-oceans-day-2023/
Posted by 寺島紘士 at 19:52
COP27 エジプトで開催中 [2022年11月12日(Sat)]
COP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)が11月6日からエジプトのシナイ半島のリゾート都市シャルム エル-シェイク(SHARM EL-SHEIKH)で始まってる。会期は11月18日まで。

昨年のCOP26で、各国は世界の平均気温の上昇を1.5度までに抑える努力をするとした。しかし、各国が現在掲げている削減目標では今世紀末までには2.5度上昇してしまう見通しなのでさらなる対策の強化が求められている。目下ロシアのウクライナ侵攻によりロシアと欧米等との対立が深まっている状況の中でCOP27で対策の強化が打ち出せるのか世界の目が注がれている。

私もかつては「パリ協定」を採択したCOP21に参加して「パリ協定」の前文に「海洋を含む生態系の完全性(integrity)の確保の重要性」を明記することに取り組んだりしたので、各国が頑張ってCOP27 で対策の強化が打ち出されることを切に願っている。

COP21と海洋については下の海洋政策ブログも参照。
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1187
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1185 
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1184 等

さて、COP27には関心があってもこれに参加することはなかなか容易ではない。そのような方々に一つ良いニュースがあるので共有したい。
海洋の科学的な分野で重要な役割を担っている国際機関IOC/UNESCO(ユネスコ政府間海洋学委員会)は今度のCOP27に関心のある人のために次のようなウェブサイトを設けている。

関心のある方は、まず次のウェブサイトを覗いてみて、
https://ioc.unesco.org/news/join-unescos-ioc-climate-cop27-sharm-el-sheikh

さらに関心があったら末尾にあるつぎのサイトをクリックしてCOP27 Virtual OCEAN PAVILIONを覗いてみることをお奨めしたい。
https://cop27oceanpavilion.vfairs.com/
Posted by 寺島紘士 at 01:46
国連海洋会議(UN Ocean Conference)が近づく [2022年05月24日(Tue)]
いつも海洋関係の会議・イベント等の案内メールを送ってくれるIOC-UNESCO(ユネスコ政府間海洋学委員会)から“リスボンの国連海洋会議(UN Ocean Conference)のためのインフォメーション・セッションは明日です!”と勧誘のメールが来たのは5月10日だった。

リスボン国連海洋会議は、2017年に開催された最初の国連海洋会議の取組を受け継いで2020年6月にケニアとポルトガルの共催で開催される予定だったが折からのコロナ禍のために延び延びになっていて、ようやくこの6月27日〜7月1日にポルトガルのリスボンで開催される重要会議である。

振り返ってみると、2015年に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標14「海洋・海洋資源の保全、持続可能な利用(SDG14)」の実施推進を目指して世界の海の関係者がニューヨークの国連本部に集まって国連海洋会議(UN Ocean Conference)が開催されたのは2017年6月だった。

この会議には海洋問題に取り組む各国政府、国連システム及びその他の国際組織、NGO、アカデミア、科学コミュニティ、民間セクター から4,000人以上が参加した。海洋政策研究所も国連経済社会理事会公認のNGOとしてこの会議に参加し、これが私の海洋政策研究所長としての最後の国際会議参加となったので思い出深い。

この会議では、「我らの海、我らの未来:行動の要請」宣言、会議中に開催された7つの「パートナーシップ対話」の共同議長サマリー、SDG14を支持する1400以上の様々な関係者からのボランタリー・コミットメント(VCs)提出が行われ、この会議がきっかけとなって海洋に関するSDG14 の実施が大きく動き出したことは記憶に新しい。(本ブログの以下のページ等参照)

「国連海洋会議」開催中 [2017年06月08日(Thu)]
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1422

国連海洋会議など6月上旬の海洋政策関係会議等 [2017年06月10日(Sat)]
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1423

国連海洋会議、盛会裡に閉会 [2017年06月11日(Sun)]
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1424

国連海洋会議への海洋政策研究所の参画 [2017年06月14日(Wed)]
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1426

海の世界の人のネットワーク [2017年06月18日(Sun)
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1429

このような2017年の国連海洋会議を引き継いで開催されるリスボン国連海洋会議は、世界が連携協力・協働して取り組む海洋の持続可能な開発目標SDG14の実施を推進するうえで大変重要な会議である。

私は既に第一線の活動から退いているのでこのリスボン国連海洋会議への直接参加は考えていないがリスボン国連海洋会議には大いに関心があったので、IOC-UNESCOからのお知らせに誘われて、5月11日の日本時間18:30〜20:00にZoomで開催されたそのインフォメーション・セッション:On the road to Lisbon: UN Ocean Conference(ポルトガル、ケニアのユネスコ代表部共催、IOC-UNESCO支援)にZoomで参加してみた。

このインフォメーション・セッションは、ポルトガルとケニアの代表の開会挨拶で始まり、続いて国連経済社会局次長とポルトガル・ケニアの会議責任者がThe 2022 UN Ocean Conferenceのプログラムとその意義について語った。

その後、IOC-UNESCOのVladimir Ryabinin専務理事、Julian Barbiere同海洋政策・地域調整部長、Fanny Douvereユネスコ文化部先任プロジェクトオフィサーが国連海洋会議におけるユネスコの役割と活動について語った。

1時間半の短い時間だったが、Julian Barbiere氏の司会のもとでセッションはスムーズに進行した。特に後半のセッションは、Vladimir Ryabinin氏を始め顔なじみ皆さんがポイントをついて国連海洋会議におけるユネスコの役割と活動について語り、なかなか良かった。

さて、このポルトガルのリスボンで開催される国連海洋会議(UN Ocean Conference)の開催が1か月後に迫ってきている。この会議に日本からどなたが参加するかはわからないが、現地に行って参加するかどうかにかかわらず多くの皆さんにこの重要会議に関心をもって持っていただきたいと思う。

リスボン国連海洋会議に関心のある方は国連のオフィシャルサイト等でそのプログラム等を覗いてみることをお薦めしたい。
https://www.un.org/en/conferences/ocean2022
Posted by 寺島紘士 at 17:59
COP26、今日から英国のグラスゴーで開催 [2021年10月31日(Sun)]
今日から11月12日まで英国のグラスゴーで国連気候変動枠組条約の第26回締約国会議(COP26)が開催される。もともとCOP26は、2020年11月に開催される予定だったが、世界的な新型コロナウイルス感染拡大のため、1年遅れでの開催である。

2015年のCOP21 で採択されたパリ協定は、世界の平均気温の上昇を2度未満、可能な限り1.5度に抑えるという目標を設定しているが、現在提出されている各国の目標では世界の平均気温を3度も上げてしまうと予測されている。パリ協定の目標を達成するためにはすべての国がより一層の削減努力をすることが求められており、今回のCOP26の成り行きに世界が注目している。。

パリ協定は、京都議定書に替わる、2020年以降の温室効果ガス(GHG)排出量削減などのための新たな国際枠組みで、2015年にパリで開催されたCOP21で採択され、その翌年に発効した。

私は、気候と海洋の密接な関係を踏まえて世界の海洋関係者とともにパリのCOP21に参加してパリ協定の締結と海洋関係の行動計画の検討に参画した。またマラケシュで開催されたCOP22にも参加して海洋に関する取り組みについて議論した。

その時のことは本ブログでも取り上げたので、関心のある方は覗いてみてください。

気候変動枠組条約COP21と海洋(1) 2015.12.19
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1185
気候変動枠組条約COP21と海洋(2) 2015.12.23
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1187
COP22「オーシャンズ行動イベント」成功裏に開催 2016.11.16
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1329 等

今や現役を引退したので遠くからその成り行きを眺めているが、今回のCOP26は、前2回のCOPで交渉継続となっている同協定のルールブックの最終決定ほかの重要事項を審議・決定する重要な会議なのでその動向を注視していきたい。

<お知らせ>
小生のパソコンが壊れてしまい、新しいブログ掲載のお知らせメールの発信がうまくできていません。なるべく早く復旧したいと思っていますが、それまではお知らせがいかなくても時々ブログを覗いていただけると幸いです。
Posted by 寺島紘士 at 00:46
今年の「国連世界海の日」のイベント [2021年05月28日(Fri)]
コロナ禍の中で内外から海洋に関する会議やイベントのオンライン開催の案内が多くなっている。

さて、今年も6月8日が近づいてきた。
6月8日は国際社会が祝う「World Oceans Day 世界海の日」である。「世界海の日」については本ブログでもたびたび取り上げてきている。
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1944 等参照

先日、いつも海洋関係の有益な情報を知らせてくれるIOC-UNESCO(ユネスコ政府間海洋学委員会)から「Invitation: United Nations World Oceans Day | 8 June 2021 10:00 AM - 5:00 PM EDT」というメールが届いた。

それによると、今年の「世界海の日」(6月8日(火))には、 DOALOS(国連海洋法課)主催、Oceanic Global共催で「The Ocean: Life and Livelihood」というテーマのバーチャルなイベントが、Ocean Discoveries、Humanity’s Relationship with The Ocean、Climate Change & Blue Economy、Sustainable Ocean Livelihoods、A Concert for Our Ocean等に焦点を当てて7時間にわたって(10:00AM~5:00PM EST)に開催される。各界から多くの人々が登場する「世界海の日」を祝うのにふさわしいイベントのようだ。

ただ米国東部標準時との時差の関係でそれは日本時間の深夜に開催となるのでその全部をフォローするのはちょっときつそうである。興味のある方はどうぞ下の「国連世界海の日」のホームページで登場人物やScheduleを覗いてみて、関心のある部分に参加してはいかがでしょうか。
https://unworldoceansday.org/un-world-oceans-day-2021/
Posted by 寺島紘士 at 00:42
『パリ協定』から5年 [2020年12月16日(Wed)]
12月12日、地球温暖化対策の国際枠組み『パリ協定』の採択5周年を記念する首脳級のオンライン会合「気候野心サミット(Climate Ambition Summit 2020)」が、国連と英国、フランスの主催で開催された。

国連のグテーレス事務総長は、会合の冒頭で、これまでの取組みのままでは我々は壊滅的な気温上昇に直面することになると危機感を示し、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量の実質ゼロ(カーボンニュートラル)の実現を、2030年までに温室効果ガス排出量を1990年レベルより45%削減することを呼びかけ、取り組みの加速と連帯を世界に呼びかけた。

このオンライン会合には、日本の菅総理大臣や中国の習近平国家主席など70を超す国や地域の首脳がビデオ参加し、それぞれの気候変動対策に取り組む決意や目標を表明した。

菅総理は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする日本の方針を説明し「グリーン社会の実現に努力していく」と訴えた。

御承知の通り、2015年12月に採択された『パリ協定』は、世界の気温上昇を産業革命前と比べて2℃未満、できれば1.5℃以内に抑えることを目指すと取り決めている。
しかし、その取組は、残念ながらはかばかしくは進んでいない。そこで、2021年11月に開催される国連気候変動枠組条約の第26回締約国会議(COP26)に向け、温暖化対策への意識を高めようとして、この「気候野心サミット」オンライン会合が開催されたのである。

今回の「気候野心サミット」がきっかけとなって、世界が連携協力、協働して取り組む気候変動対策が目標に向かって進展することを望みたい。

わが国は、『パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略』を2019年6月11日に閣議決定して、2050年までに80%の温室効果ガスの削減(排出量実質ゼロ)に取り組んでいるが、それにはエネルギー、産業、運輸、地域・くらし等の様々な分野で共通の目標に向かって取り組みを進めていく必要がある。温暖化対策は、私たち一人一人の問題でもあるのである。

実は、この気候変動対策の国際枠組みを定めた画期的な『パリ協定』が採択された2015年12月のCOP21(パリで開催)には、私も笹川平和財団海洋政策研究所長(当時)としてこの会議に参加し、先進国、開発途上国、特に小島嶼開発途上国(SIDS)が真剣かつ前向きに議論して、ついに協定締結を達成するのを目の当たりにしたので、今思い出しても感慨深い。

COP21では、私たちは、海洋に関心の深い各国政府、海洋関係の国際機関・団体、世界の研究機関、NGOなどと協働して、「Oceans Day at UNFCCC-COP21 Paris」を開催し、向こう 5年間の行動アジェンダとして、『パリ協定』への「海洋」の組み入れ、緩和策、適応策、財政支援、能力開発、海洋観測・研究、アウトリーチと教育など9つの大項目を立てて今後の海洋の行動戦略の概略を取りまとめた。
DSCN3597.JPG

そしてCOP21の交渉が行われているブルーゾーンでサイドイベント「The Importance of Addressing Oceans and Coasts in an Ambitious Agreement at the UNFCCC COP 21」(GOF等主催)を開催して「Oceans Day」における海洋と気候についての議論と今後5年間における必要な行動とロードマップについて分担して発表した。(私は「能力開発」について発表)

これらの成果を基にして、『パリ協定』の前文に「海洋を含む生態系の完全性(integrity)の確保の重要性」を特記することに成功し、海洋が生態系の重要な一部であることが明記されたことは、私の一生の思い出である。

COP21と海洋について関心のある方は、以下を参照されたい。
気候変動枠組条約COP21と海洋(2)
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1187
気候変動枠組条約COP21と海洋(1) 
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1185 等
Posted by 寺島紘士 at 18:36
6月初めに「バーチャル海洋対話」開催 [2020年05月05日(Tue)]
COVID-19の世界的な感染拡大で海洋関係の重要会議も延期・中止が続いている。そのなかで、先日注目すべき情報に出会った。

いつも海洋に関する最近の動向を伝えてくるOcean UniteのThe Navigatorを見ていたら、
COVID-19の感染拡大で延期となった国連海洋会議が当初開催予定だった6月第1週に「Virtual Ocean Dialogues(バーチャル海洋対話)」が開催されるという。

「バーチャル海洋対話」を呼びかけているのは、The World Economic ForumとFriends of Ocean Actionである。

ウェブサイト(本文最後参照)を見ると、国連事務総長海洋特命全権公使でFriends of Ocean Action共同議長のピーター・トムソン氏が「バーチャル海洋対話」は、海洋が直面している問題を国連の「持続可能な開発目標(SDG)14」の実施を通じて解決するために開催するとして、グローバル及びローカルのリーダー、大臣、経営者、科学者、地方社会関係者、若手活動家等に参加を呼び掛けている。

「対話」では、enabling a resilient ocean/ how to stem the tide of marine pollution/ sustainable food from the ocean/ ocean data and science/ marine protection and conservation of biodiversity/ sustainably and equitably managing the high seas/ ocean risk等のトピックスが取り上げられる。

さらに「バーチャル海洋対話」は、SDG達成のプロセスを加速する民衆起源のイノベーションのデジタルプラットフォーム「Uplink」を立ち上げようとしている。これによりベストの解決策やアイデアを政策決定者や有力者のネットワークとリンクアップして、アイデアを行動につなげることを目的としているという。

COVID-19のために延期・中止となっている海洋の重要会議に替わってITを使ってそれを補うWeb会議や対話はあちこちで企画・開催されているが、この「バーチャル海洋対話」は、単なる国連海洋会議の代替ではないなかなか積極的な企画である。

日本からも関心のある方々や組織・団体が積極的に参加して、SDG14の実施について議論すると面白いのではないかと思ったので、皆さんに「バーチャル海洋対話」についてお知らせしたい。

Friends of Ocean Actionおよび「バーチャル海洋対話」のプログラム、参加登録等については、下記のFriends of Ocean Actionのウェブサイトでご覧ください。

https://www.weforum.org/friends-of-ocean-action/news-release-virtual-ocean-dialogues
Posted by 寺島紘士 at 00:43
「日仏海洋協力対話」の効果に期待 [2018年12月27日(Thu)]
12月13日(木)及び14日(金)の両日、笹川平和財団国際会議場で開催された笹川平和財団海洋政策研究所(OPRI)とフランスの戦略研究財団(FRS)主催の「日本・フランス間の海洋協力強化に向けた二国間対話 The seminar on “Enhancing a Maritime Cooperative Relationship between France and Japan”-The Dialogue between Japan and France-」はなかなか有意義な会議だった。

日仏交流160周年を謳ったこの会議は、つぎのようなプログラムで行われた。

<12月13日(木)>
オープニングセッション
基調講演
セッション1:科学技術協力〜将来への道筋〜
セッション2:ブルーエコノミー〜産業協力に向けた好機〜
セッション3:海洋領域およびガバナンスのための環境政策
<12月14日(金)>
セッション4:インド太平洋における安全保障戦略及び協力

20世紀末から海洋ガバナンスの構築に取り組み、その参考にするためにフランスの取組みについても関心を持って研究・交流してきた私であるが、今回の会議は、日仏間の海洋に関する協力が新しい段階にステップアップしようとしていることが感じられるいい会議だったと思う。

そう思ったポイントをいくつか挙げると次のとおり。

○「対話」の冒頭には、両国で総合的な海洋政策を担当する日本の総合海洋政策推進事務局(2007年設立)の重田雅史局長及びフランスの海洋事務総局(1995年設立)のPatrick Augier, Deputy Secretary General for the Sea次長*が、それぞれの海洋政策の取組みについて基調講演を行った。両国の海洋政策をそれを担当する政府の事務責任者から直接聞いて両国の海洋政策を対比しながら海洋政策の具体的実行を考える滅多にない良い機会だった。
* 急遽欠席となったVincent Bouvier海洋事務総局長の代理として発表

○日仏間では以前から海洋関係の様々な分野で交流が続いてきているが、今回の「対話」では、科学技術、産業、環境、安全保障など幅広い分野の両国の海洋に関する学官産民の人たちが一堂に集まって海洋の諸問題について総合的な視点に立って具体的な協力の強化について話合うことができた点で画期的であった。

○科学技術協力を扱ったセッション1でも、深海調査技術や海洋・宇宙の連携などの先端的科学技術だけでなく日本の沿岸域の調査・観察についての話がでるなど、健全な海洋環境の保全と人間による持続可能な開発・利用に関して幅広い視点から両国の協力について議論された。

○フランスは、太平洋、インド洋等に浮かぶ島々も領域としており、太平洋。インド洋における日仏海洋協力についてもいい議論が行われた。

○会議の合間のコーヒーブレイクや終了後のレセプションなどにおいて、参加者間で具体的な協力プロジェクトの立ち上げについて前向きな議論が行われているのを私の周りだけでも2,3件耳にしており、今回の「対話」が日仏間の海洋協力の強化の新たな出発点になることが期待される。
Posted by 寺島紘士 at 17:56
国際交流に活発に取り組む富山に注目 [2018年11月23日(Fri)]
先日、美しい富山湾クラブの活動でお馴染みの高桑幸一さんがひょっこり現れた。

美しい富山湾クラブの活動については、本ブログでもときどき取り上げて紹介しているので、関心のある方はそちらもご覧ください。。
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1637 2018.4.8
https://blog.canpan.info/terashima/archive/1550 2017.11.22 等参照

美しい富山湾クラブは、@富山湾の環境を保全するとともにより魅力的にする活動、A富山湾の魅力を発信する活動、B富山湾に関わる後継者を育成する活動などに加えて、2019年には富山で「世界で最も美しい湾クラブ」総会を開催するので、同クラブ理事・事務局長である高桑さんはその準備の中心となって忙しい日々を送っている。

今回の高桑さんの上京は、それとも関係するが、直接的には中国青島市スポーツ局及び青島ヨット協会が開催を計画している極東杯国際ヨットレースに関するもののようであった。

2016・2017年には青島〜木浦間、2018年には青島〜ウラジオストック間で国際ヨットレースが行われてきたが、青島側から、2019年以降は日本チームの参加及び日本への寄港を加えた極東杯国際ヨットレースの打診があったという。

高桑さんが理事長を務める富山県セーリング連盟としては、日本海沿岸諸国との民間交流の振興、地域活性化やスポーツ振興に寄与できると期待し、レースの富山寄港を検討しているが、それを富山だけの判断で進めるのではなく、関係方面への指導・協力依頼や連絡調整をしながら進めている、とのこと。社会のニーズと交流のポイントを踏まえたその判断はさすが高桑さんである。

青島、木浦、ウラジオストックはいずれも「世界で最も美しい湾クラブ」のメンバーとのこと。このような湾を結ぶ国際ヨットレースの開催が実現すれば、これは単なるヨットレースの問題にとどまらず、近隣諸国間の民間交流の促進、地域活性化、さらにはアジア地域の安定・発展、地域の海の協働管理にも貢献することが期待できる、と思った。

この極東杯国際ヨットレース(コース:中国青島〜韓国〇〇〜日本富山〜ロシアウラジオストック〜中国)は2019年8〜9月、そして「世界で最も美しい湾クラブ」総会は2019年10月の開催が検討されているとのこと。

このように国際交流に活発に取り組もうとしている富山の動きに注目したい。
Posted by 寺島紘士 at 17:44
| 次へ
プロフィール

寺島紘士さんの画像
Think_now_new.jpg
リンク集
Google

WWW
寺島紘士ブログ
https://blog.canpan.info/terashima/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/terashima/index2_0.xml