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WEBINAR ON “COVID-19 AND INTERNATIONAL SHIPPING” 本日午後開催 [2020年06月03日(Wed)]
急なお知らせをお伝えしたい。

本日(6月3日)シンガポール時間の午後4時から「Webinar on “Covid-19 and International Shipping”」が開催され、国際海事機関名誉事務局長の関水康司さんが招待を受けてスピーカーとして登場するという。(昨夜入った「IMLI (国際海事法研究所)Alert」による情報。)

そこでこの「Webinar on “Covid-19 and International Shipping”」について調べたところ主催は「シンガポール国立大学・同国際法センター」で、Web会議の概略は次のとおり。

この会議は、国際海運およびグローバル・サプライチェーンに対するCOVID-19 のインパクトを議論する。

具体的には、国際海事機関(IMO)がCOVID-19にどのように対応すべきかを考察し、IMO、WHO、ILOのそれぞれの役割を議論し、COVID-19のパンデミックの中で各国政府、主要港湾国、旗国、国際海事ハブがどのようにグローバル・サプライチェーンを維持するために国際海運を運営していくかを議論する。

そして最後に、海事コミュニティの対応とInternational Chamber of Shipping (ICS)のような産業協会の役割を検討する。

このWeb会議は、トミー・コー大使がモデレータを務め、スピーカーは、関水さんをはじめ、Quar Ley Hoon(MPA長官)、Simon Benett (ICS事務次長)、Robert Beckman(CIL 海洋法・政策プログラム長)の各氏が登場する。

中々興味深い会議である。関心のある方は、下のウェブサイトをご覧ください。
https://cil.nus.edu.sg/event/e-conference-series-on-covid-19-transportation-shipping/
Posted by 寺島紘士 at 12:40
横浜川崎国際港湾の熊執行役員がIMLIで講義 [2020年03月01日(Sun)]
このところ『海洋ガバナンス』の出版原稿の整理等に追われていて、ブログの執筆が滞っている。読者の皆さんには大変申し訳ないが、しばらく辛抱いただければ幸いです。

そんな中で、先日27日にIMOの国際海事法研究所(IMLI)から送られてきたIMLI e-Newsを開くと「横浜川崎国際港湾の執行役員がIMLIで講義」という見出しが目に飛び込んできた。

横浜川崎国際港湾株式会社の熊桜執行役員が、2月6日にマルタのIMLIで2019−2020クラスの受講生に「IMOによる船舶排出規制に対応するための港湾の環境対策」について講義をした、と報じている。

IMLIで日本人が講義をするというのは兼原教授以来だろうか、しかも写真を見ると、働き盛りとお見受けする若々しい女性が講義する姿が写っている。
私が海事の世界に深く関わっていた数十年前とは、状況が大きく変わっているのを感じた。

そして、今の時代を担う方々が男女を問わず国際的な場に出てきて活躍しているのを目の当たりにして嬉しく思った。

横浜川崎国際港湾株式会社も、私が現役の頃にはなかった会社なので、調べてみると、平成28年に設立され、国家プロジェクトである国際コンテナ戦略港湾政策の推進役として、コンテナターミナルを一体的に運営している、という。

同社のホームページを開くと、なんと、「お知らせ」の最新欄に「熊執行役員、国際海事法研究所(IMLI)で講義」と載っている。

本件に関心のある方は、どうぞIMLI e-Newsとともに、次の横浜川崎国際港湾株式会社のホームページも覗いてみてください。
http://ykip.co.jp/

なお、IMLIについては、本ブログ2017年5月29日、2018年3月15日及び17日、2019年3月31日も覗いてみてください。
Posted by 寺島紘士 at 14:44
スイス海洋航海局長、IMLIで講義 [2019年03月31日(Sun)]
先日IMOの国際海事法研究所(IMLI)から送られてきたIMLI e-Newsを開くと「スイス海洋航海局長がIMLIで講義した」という見出しが目に飛び込んできた。

IMLI理事(Governor)でスイス海洋航海局長(Head of the Swiss Maritime Navigation Office )のDr. Reto Durlerが3月8日に’海洋航行の安全に対する不法な行為の防止に関するプロトコール’The New SUA Protocols: Developments, Contents and Scope’についてIMLI Class of 2018- 2019で講義したという。

これを見て「内陸国のスイスに海洋航海局?」「と疑問に思う人もいるかもしれないと思ったので、取り上げてみた。

ご承知の通り、国連海洋法条約は、陸に囲まれていて海岸をもたない内陸国にも海洋に対する出入りの権利および通過の自由を認め,海洋資源に関しても内陸国が排他的経済水域の生物資源の余剰分の開発に参加する権利を規定し,また深海底制度においても特別な考慮を払っている。

実際、世界に48ある内陸国で海運に関わっている国は結構ある。国際海事機関(IMO)の加盟国を見て見ると、スイスは、国際海事機関に1955年に加盟しており(日本は1958年加盟)、国際海運に早くからかかわってきたものと思われる。

ちなみにアジアでは内陸国モンゴルもモンゴル籍の船舶があり、IMOにも1996年に加盟している。

これらの背景には人間社会が古くから海洋をヒト・モノ・そして文化の流通のルートとして利用してきたことがあるのだと思う。

かつてSUA条約についてすこし関わったことがあるので、スイスの海洋航海局長がIMLIで講義したという海洋航行の安全に対する不法な行為の防止に関する新しいプロトコールについて私も聞いてみたいと思った。
Posted by 寺島紘士 at 19:20
3月6日はIMO条約採択70周年 [2018年03月08日(Thu)]
IMO(国際海事機関)は、海運の安全・セキュリティや船舶からの汚染防止に取り組む国連の専門機関である。運輸省在籍の時に何度もその会議に出席し、その後も、IMOが設立したWMU(世界海事大学)の理事を務めたりしたので、私にとっては海洋に関する国際機関の中でもなじみの深い機関である。

そのIMOが、この3月6日でIMO条約採択70周年となることから、加盟国、政府間機関、国際非政府機関の代表、IMOの事務局の参加の下にそれを祝うイベントを行ない、その席に英国女王エリザベス2世が出席して70周年の記念額の除幕を行った、というニュースが入ってきた。女王陛下の出席とはすごい。
.
調べてみると、1983年にロンドンにあるIMO本部のビルを英国政府が建てたときには、エリザベス2世が、それを公式にオープンするなど、英国王室とIMOとは、以前から関係が深いということがわかった。

さらに、これがきっかけで、若いころに聞いたIMO条約発効への日本の貢献の話を思い出した。

IMO条約(注)は、ジュネーブで開催された国際連合海事会議で1948年3月6日に採択され、その10年後の1958年3月に21番目の国が加盟して発効している。その21番目の国とは、なんと日本なのである。

(注)設立時の名称は「政府間海事協議機関(Intergovernmental Maritime Consultative Organization: IMCO)」で、1982年5月にIMOに改称

世界有数の海運国・造船国の日本は、IMO条約を採択した国際連合海事会議には、戦後の対日平和条約の締結がなされていなかったため、参加できなかったが、1958年3月に同条約の受託書を寄託して条約の発効要件を満たし、IMO(当時はIMCO)の設立に貢献したのである。

以来、日本は、有力加盟国として、IMOの活動に積極的に参画して、海事の安全・セキュリティ、航海の効率、船舶からの汚染の予防・管理、それらの規則の公正で効果的な実施に貢献して今日に至っている。

現在IMOには、173の国・地域が加盟し、3地域が準加盟している。

IMOについてさらに詳しくは、下記を参照。
http://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk1_000035.html
Posted by 寺島紘士 at 23:16
パナマ運河庁長官来訪 [2017年03月26日(Sun)]
3月22日、来日中のパナマ運河庁のJorge L. Quijano長官(Administrator/CEO)が、駐日パナマ共和国大使館のリッテル・ディアス特命全権大使とともに来訪した。パナマ運河庁のOscar E. Bazan V.副長官(Executive Vice President)、Ms. Silvia de Marucci Executive Managerも一緒だった。

キハーノ長官の訪日については、最初にパナマ共和国駐在の遠藤善久大使からお話があり、その後、駐日パナマ大使館から22日午後に当研究所訪問との連絡を受けていた。こちらも折角の長官訪問なので、日本海洋政策学会の奥脇直也会長、(一財)運輸総合研究所の春成誠理事長にも声をかけて長官の来訪をお待ちしていた。

パナマ運河は、パナマ地峡を横断して大西洋と太平洋を結ぶ交通の要衝であるが、近年、船舶の大型化が進んで運河を通過できない船が増えていたため、2007年からさらに大型の閘門を建設する工事が行われ、2016年6月完成した。新しい閘門は長さ366メートル、幅49メートル、喫水15.2メートルまでの大型船が通航できる。これまで実質的に通行できなかったLNG船やより大型のコンテナ船などが通行可能となり、世界物流に与える効果が期待されている。
170322CanaldePanamaIMG_0395 (2).jpg

会談では、拡張されたパナマ運河の状況や最新の利用実績、市場や経済の状況、今後の協力分野等様々なところに話が及んだ。こちらからも、海洋政策研究所の活動について説明し、情報・意見交換をした。

キハーノ長官の豊富な知識・経験に基づく積極的な発言につられて話が弾み、会談は1時間を超えた。最後にパナマ運河の拡張の今後の世界経済や海運物流への貢献に対する期待を表明してお別れした。
Posted by 寺島紘士 at 14:54
第86回海洋フォーラムと関水さんの抱負 [2011年12月20日(Tue)]
12月7日(水)にIMO次期事務局長の関水康司さんを講師にお迎えして第86回海洋フォーラムを開催した。(開催経緯については本ブログ11月30日参照

開催案内がショート・ノーティスだったにもかかわらず120人ほど参加者があり、皆さんの関心の高さを実感した。

関水さんは、1958年に日本が加盟したことによりIMO条約(発足当時はIMCO条約)が発効してIMOが設立された歴史を振り返り、さらに海運が世界経済の発展とともに成長を続けて現在に至っているということから話を始めた。

そして、ソマリアの海賊問題、温室効果ガス(GHG)の船舶からの排出基準、旗国による船舶検査に対する監査、世界海事大学の財政状況などついて語った後、次の6点を取り上げて今後の抱負を述べた。以下、その概要次のとおり。(文責寺島)

@ 船舶の安全:2012年は、タイタニック号が沈んでから100年になる。これを契機に海上人命安全条約(SOLAS条約)が作られた。このSOLAS条約をレビューし、将来の船舶の安全制度のあるべき姿の検討のスタートの年にしたい。

A 持続可能な海運等:2012年にはブラジルのリオで「リオ・プラス・20」が開かれる。持続的な成長は海運にとても重要。「持続可能な開発」の枠組みの中で海運・造船・輸送システムのあり方を考えていきたい。


B 海賊:ソマリア沖の海賊はインド洋まで広がってきている。これについては海上、ソマリアの陸上双方での取り組みが必要である。IMOとしても必要な議論の場を提供するとともに、安保理にも提言していきたい。

C 技術協力:キャパシティ・ビルディング等により途上国とともに海運を盛り立てていく。押し付ける協力ではなく途上国のニーズをくみ取ったオーダーメイドの協力を行っていきたい。


D 海上における法執行:海上における法執行を総合的に担う海上保安庁(又はコースト・ガードCG)のような組織を作っていく。途上国にもCGをつくって地域でCGの能力をつくっていきたい。
E 財政問題:事務局、委員会等の合理化を念頭においてIMOの組織のレビューと改革を加盟国と相談してやっていきたい。

最後に関水さんは、未来志向で新しい国際機関を目指したいと力強く述べて抱負を締めくくった。

講演をお願いした時関水さんは、短時間であればやりましょうということで引き受けてくれたが、当日、関水さんは、長年のIMOでの活動実績に基づいてしっかりと内容のある前向きな抱負を1時間にわたって熱心に話してくれて、その期待以上の講演内容に参加者も驚いたのではないか。講演の後、参加者との質疑も熱心に行われたので、途中で席を立つ人もほとんどいなかった。

関水さんの今後益々のご活躍及びIMOの発展を期待したい。(了)
Posted by 寺島紘士 at 23:55
IMO次期事務局長関水さんの講演会開催 [2011年11月30日(Wed)]
急なことであるが、海洋フォーラム特別企画として、12月7日(水)午後5時半から海洋船舶ビル10階ホールで国際海事機関(IMO)の次期事務局長の関水さんを迎えて、海洋フォーラム特別版として講演会を開催することとなったのでお知らせする。

本講演会開催は、先般、私が、ロンドンの国際海事機関(IMO)で開催された世界海事大学の執行役員会出席の際、関水さんを表敬訪問し、12月に予定されている帰国の際に日本の皆さんにIMO事務局長就任の抱負を語っていただきたいとお願いし、関水さんが短い時間でよければやりましょうと引き受けていただいたことで企画がスタートした。(本ブログ11月17日参照

今回のご帰国は、総理をはじめ政府要人との面会などが目的で、ご多忙な日程の調整が必要であったが、国交省のご配慮で日程の調整ができ、開催にこぎつけた。関係の皆さんのご協力に感謝したい。

世界経済のグローバル化の進展の一翼を担って発展している海事関係活動の課題について、関水さんが、長年の豊富な知識経験を踏まえてこれからIMOのかじ取りをどう行っていくのか、それを関水さんから直接聞くいい機会である。多くの方々に聞いていただきたいと思う。皆さんのご参加をお待ちしている。(了)
Posted by 寺島紘士 at 23:22
関水さん来訪 [2011年07月21日(Thu)]
7月5日のブログで、先月の国際海事機関(IMO)第106回理事会で関水康司氏が次期IMO事務局長に当選したことをお伝えしたが、その関水さんが来日し、本日(7月21日) 午後、当財団にもご挨拶にお見えになった。事務局長当選でますますお忙しくなったと思うが、落ち着いていて、お元気そうであった。

関水さんとはもう長いお付き合いになるが、今回お会いしてみて、もともとあった素質が事務局長選挙という大舞台で開花したということだろうか、人間がまた一回り大きくなったような印象を受けた。

その印象は、夕方、霞が関で開かれた当選のお祝い会での関水さん挨拶を聞いていてさらに強まった。

関水さんは、あいさつの中でIMOの設立経緯について触れ、IMOの前身の政府間海事協議機構(IMCO)の設置に関する条約の発効には100万t以上の船舶を有する7ヶ国の調印が必要要件となっていたが、1958年に日本が調印することでこの要件が満たされて政府間海事協議機構が設立されたこと、以来日本は、海運国、造船国としてIMOの活動に多大の貢献してきたことを述べ、自分の当選は、そのような我が国の貢献の上に実現したものであり、誇りに思うと述べた。そして、日本人初のIMO事務局長として、世界のため、国際海運の発展のために全力を尽くしたいと述べた。

聞いていて、国際機関を切り盛りしていくために必要な能力のひとつは、聞く人の心に響くメッセージ性の強いスピーチ能力だということを強く感じた。

関水さんの事務局長就任は、来年1月からであるが、ご活躍を今から期待している。

同時に、私たちも、関水さんのIMO事務局長就任を機に、国際海運の航行の安全、海洋汚染の防止、海賊・テロ行為などへの対処、密輸・密航の防止等々の問題に関する施策を積極的にIMO の場で提案して、IMOの発展、関水さんの活躍を後押ししていきたいと思う。(了)
Posted by 寺島紘士 at 23:18
関水康司さん、IMO次期事務局長に当選 [2011年07月05日(Tue)]
6月28日(火)、海外からいいニュースが飛び込んできた。

同日、ロンドンにある国際海事機関(IMO)本部で開催中の第106回理事会においてIMOの次期事務局長の選挙が行われ、関水康司氏が当選した。

IMOは、1958年に設立された国連の専門機関で、船舶の安全、船舶からの海洋汚染防止等の海事問題を扱っている。経済のグロ-バル化の進展を物流面から支える海上交通の健全な発達を司る重要な国際機関である。現在169カ国が加盟、香港等3つの地域が準加盟している。

関水さんは、1977年に大阪大学大学院工学研究科を修了して運輸省(現国土交通省)に入り、1989年にIMOに派遣され、以後ずっとIMOで勤務してきた。2000年にIMO海洋環境部長、2004年からIMO海上安全部長を務めている。

関水さんは、以前から、次期事務局長の呼び声が高かったが、選挙戦が始まると多数の立候補者(最終的に6人?)が名乗り出て混戦となった。海事分野では、専門知識・経験とも豊富で国際的な知名度も高いが、事務局長選挙ともなると各国とも外交的駆け引きをするのでちょっと心配をした。

しかし、ふたを開けてみると、国土交通省をはじめ我が国関係者が一丸となって応援したのが功を奏して、第1回投票ですでにかなりの票を集め、第2回の投票で過半数を超えて当選した、という。

日本人がIMOの事務局長になるのは初めてである。さらに言えば、日本人が大きな国際機関の事務局長になるのは、WHO(世界保健機関)、UNESCO(ユネスコ)に続いて3人目だそうである。

まずは、関水さんに、心からおめでとうと申し上げたい。

関水さんは、今年11月の第27回IMO総会の承認を経て、正式に新事務局長に任命され、来年1月から4年間事務局長を務める予定である。

世界有数の海運・造船国である我が国としては、関水さんのIMO事務局長就任を機に、一層国際海運の健全な発展に向けたIMOの活動に貢献をして、関水さんを盛り立てていきたいものである。(了)
Posted by 寺島紘士 at 00:51
平成22年版海事レポート [2010年08月25日(Wed)]
国土交通省が7月16日に「平成22年版海事レポート」を発表した。

同レポートは、「海事行政における重要課題」として、第T部で次の8つの重要課題を取り上げている。

第1章 安定的な国際海上輸送の確保
第2章 海運における環境問題への取り組み
第3章 海賊対策の積極的推進
第4章 内航海運・フェリー・国内旅客船の振興
第5章 離島航路の構造改革の推進
第6章 海事産業を担う人材の確保・育成
第7章 国際的課題への対応
第8章 その他の主要政策課題への取り組み

冒頭の「安定的な国際海上輸送の確保」は、わが国の輸出入貨物の99.7%を輸送し、わが国経済・国民生活を支えるライフラインとして極めて重要な役割を担うわが国外航海運において日本籍船、日本人船員が極端に減少したため、海洋基本法制定の議論していた時にも取り上げられ、同法制定の推進力ともなった問題である。そして、それに対する施策を政府が講じることが海洋基本計画(平成20年3月閣議決定)の「海上輸送の確保」の項に具体的に記述された。

同レポートは、平成20 年5月に「海上運送法及び船員法の一部を改正する法律」を制定してトン数標準税制を導入し、日本籍船・日本人船員の確保に努めている状況、そして国際競争条件の不均衡を十分に是正するためにはさらなる是正措置が必要であることを分かりやすく述べている。

わが国商船隊の船腹量は2535隻、1億5032万重量トンであるのに対して、日本籍船は107隻、964万重量トン、外航日本人船員は2384人で高齢化が進んでいるという。

また、「第8章 その他の主要政策課題への取り組み」では、「海上安全対策の充実」と並んで「海洋基本計画への対応」を取り上げ、海事行政が、海洋基本計画の「政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策」のうちの「海洋環境の保全」「海上輸送の確保」「海洋の安全の確保」「海事産業の振興及び国際競争力の強化」及び「海洋に関する国民の理解の増進と人材育成」など海洋政策の非常に幅広い分野を担当しており、海洋立国実現に向けた諸施策が集中的かつ総合的に推進されていく中で、海事産業全体の更なる振興及びその国際競争力の更なる強化等に向け、今後とも努めていくと述べている。

このほか「第5章 離島航路の構造改革の推進」なども、海洋基本計画の「離島の保全等」と密接に関係していることを考えれば、「海洋基本計画への対応」を重要課題のひとつに取り上げた今回の海事レポートの視点はなかなか鋭い。

平成22年版海事レポートの一読を皆様にもお勧めしたい。(了)
Posted by 寺島紘士 at 00:39
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