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第1回「海洋・宇宙連携委員会」に出席 [2012年05月20日(Sun)]
5月15日(火)、平成24年度第1回海洋・宇宙連携委員会(委員長:山形俊男海洋研究開発機構アプリケーションラボ所長)が開催され、出席した。

海洋と宇宙は、ともに国家の領域の外にある空間という共通点がある。そして、2007年に海洋について、2008年には宇宙について、基本法が制定され、さらにそれぞれ1年遅れて基本計画が閣議決定されるなど、同じようなプロセスをたどってそれに対する取り組みが進んできている。

その中で、(独)宇宙航空研究開発機構が、有識者による「海洋・宇宙連携委員会」を2009年に設置して、海洋と宇宙の連携推進にいち早く取り組んできたのはまさに卓見である。同委員会は、2010年3月に「海洋と宇宙連携による海洋ガバナンスの実現」という提言書を取りまとめた。(本ブログ2011年1月27日等参照)

この「海洋と宇宙の連携」は、海洋基本法フォローアップ研究会(代表世話人高木義明衆議院議員)が2010年6月に取りまとめた「「新たな海洋立国の実現」に向けた提言」にも取り上げられている。

2010年度には、海洋と宇宙の連携による海洋ガバナンスの実現に向けた具体的な検討を行うために「環境・水産」「海運・海洋セイフティ」「海洋エネルギー・海底資源」および「海洋セキュリティ」の4分野について分科会を設置して、各分野の海洋と宇宙の連携における衛星利用について具体的な要求を取りまとめた。

そして、海洋基本計画の見直しが具体化するにつれて政府・関係府省庁の海洋と宇宙の連携への関心が高まってきたのを受けて、本年3月の海洋・宇宙連携委員会で、海洋の政策課題に対する適切な海洋・宇宙連携のあり方とその実現に向けた10年程度の活動計画を作成することが合意された。

今回の委員会では、@海洋・宇宙連携の10年計画について検討、審議を行うため「海洋・宇宙連携委員会」を継続し、分科会を再開すること、及び、海洋・宇宙連携の10年計画で取り扱うべき、宇宙との連携が有効な海洋の政策課題について、次期海洋基本計画との整合性を十分意識して検討を行うことを合意し、A海洋・宇宙連携10年計画の目的、計画の骨子案、作成スケジュールなどについて検討し、B海洋における政策課題への宇宙からの貢献の可能性について審議した。

Bでは、私が3月28日の海洋フォーラムでの講演に使用した現行海洋基本計画のレビューも参考資料として配布されたので、私からもこの資料の見方について説明をしておいた。

広大な海洋の開発、利用、保全、管理には、通信、測位、地球観測など様々な面で宇宙との連携が必要になってきている。

したがって、そのための施策を、次期海洋基本計画や、短期・中期・長期の海洋・宇宙連携計画に盛り込むことが、大変重要であり、今後の海洋・宇宙連携委員会での検討成果が期待される。
Posted by 寺島紘士 at 01:22
第3回「海洋基本法戦略研究会」開催 [2012年04月29日(Sun)]
4月25日(水)、第3回「海洋基本法戦略研究会」(代表世話人:高木義明衆議院議員)が開催された。(第2回「海洋基本法戦略研究会」については、本ブログ4月1日参照

会議は、都合により欠席となった前原座長に替わって小野寺共同座長が議事を進行した。
冒頭に高木代表世話人が挨拶し、その後、早速「海洋基本計画の見直しに関する意見発表」の審議に入った。

今回は、まず、次の3人の方々が意見発表を行った。
柿谷達雄(社)日本建設業連合会海洋開発委員長
元山登雄(社)日本経済団体連合会海洋開発推進委員会委員長、本研究会メンバー
湯原哲夫 海洋技術フォーラム代表、本研究会メンバー

最初に、柿谷さんが、「海洋基本計画の見直しに向けた要望・提案」と題して意見発表を行った。

柿谷さんは、先ず、全国的に総合建設業を営む企業等で構成する日建連について紹介した上で、
・沿岸域など陸に近い海洋にも重点を置いた取組み
・従来技術で対応できる当面の課題にも重点を置いた取組み
を要望した。
そのうえで、次の4点を提案した。

1 東日本大震災を契機とした海洋関連の諸課題への取り組み
2 海洋管理のための遠隔海域における拠点離島の整備
3 再生可能な海洋エネルギー利用の推進
4 沿岸域における重点プロジェクトの推進

続いて、元山さんが、「海洋基本計画見直しに関する要望(私見)」と題して意見発表を行った。

元山さんは、第2次海洋基本計画においては、「新たな海洋産業の創生」を大きな柱として日本経済の活性化につなげて欲しい、と述べ、そのために次の4点を要望した。

1 (総合海洋政策本部の)推進機能を強化する
2 海洋由来の鉱物・エネルギー資源の事業化を促進する
3 電力を確保するためにも海洋由来の再生可能エネルギーの事業化を推進する
4 調査・研究開発を産業化につなげる。

最後に、湯原さんが、「次期海洋基本計画へ向けた提言」と題して意見発表を行った。

湯原さんは、冒頭に、現行の海洋基本計画のレビュー結果では、基本的施策の中でも特に@EEZ等における海洋資源の積極的な開発、及びわが国の主権的権利を侵害する行為の防止、A海洋産業に関する、先端的な研究開発と高度技術、人材育成・確保等の経営基盤の強化と新たな事業の開拓、の評価が低いと述べ、

この5年間、資源の危機、エネルギーの危機、環境の危機、安全の危機が顕在化し、この危機の回避と克服における海洋開発の役割が一層増大した、また、海洋資源開発や海洋エネルギー開発でわが国の立ち後れが目立つようになってきている、と指摘した。

そして、@総合海洋政策本部の集中的かつ総合的な推進機能の発揮、A海洋産業政策の戦略的展開を提言した。

3人の発表に続いて、海洋基本計画の見直しに関する議論が活発に行われた。
議論は、海洋基本法の推進体制の強化、参与会議の人事構成・発足時期等、海洋開発と漁業補償問題、EEZ等の海域の管理権・国と都道府県等の間の権限配分、離島振興法の延長や国境離島の問題、二重堤、堤防施設と風力・波力発電との組み合わせ等々、多岐にわたった。

特に、漁業補償については様々な角度から活発に議論されたが、共通認識が十分に形成されたといえる状況には必ずしもならなかったので、小野寺共同座長は水産庁に本件を持ち帰って検討するよう要請した。

最後に、研究会は、次回を5月31日(木)に開催し、引き続き海洋関係者から意見を聞くことを確認して閉会した。なお、次々回の研究会は6月27日(水)開催予定である。

Posted by 寺島紘士 at 00:44
「日本文化チャンネル桜」に出演 [2012年04月27日(Fri)]
2月25日(水)、日本文化チャンネル桜の番組に出演して、わが国の海洋政策について述べる機会を得た。
Image821Channelsakura120425.JPG
具体的には、「防人の道 今日の自衛隊」という番組の中の「 [寺島紘士]海洋基本法制定から5年〜日本の海洋政策の今」という20分強の特集に出演してキャスターの濱口さんと加藤さんを相手に、海洋の総合的管理と持続可能な開発に関する世界の情勢とわが国の取り組みについて日ごろ考えていることをいろいろと述べさせていただいた。

私がこの番組に出演したのは今回が2回目である。初回が何時だったか記憶がだいぶ薄れていたが、それは2006年9月1日だったことを番組の中で濱口さんが思い出させてくれた。思えば、それはちょうど、わが国の海洋に関する取組の遅れを憂慮する超党派の政治家、有識者等が集まって海洋基本法研究会(代表世話人:武見敬三参議院議員(当時)、事務局:海洋政策研究財団)で海洋基本法制定に向けて真剣な議論をしていたころだった。

その努力が実って2007年に海洋基本法が制定され、海洋問題に総合的に取り組む仕組みと体制が整備された。わが国でも沿岸200カイリの新海洋秩序に対応する海洋の取り組みがようやくスタートしたのである。

それから5年が経った。その間にわが国の海洋に対する取組はどう変わったのか、今の状況はどうか、現在何が問題か、今後の課題は何か。
その辺のことを明らかにするのが今回の番組を企画した濱口さんの意図だったと思う。

果たしてそれにうまく答えられたかどうかはわからない。しかし、海洋に関心のある皆さんには是非この番組の録画を見ていただいて一緒に考えていただきたいと思う。

その動画は、次のサイトで無料で見られるとのことなのでお知らせする。

チャンネル桜 YouTube 公式サイト「SakuraSoTV]
http://jp.youtube.com/user/SakuraSoTV

チャンネル桜公式ニコニコチャンネル
http://ch.nicovideo.jp/channel/ch132
Posted by 寺島紘士 at 21:57
第90回海洋フォーラムで海洋基本計画見直しについて講演U [2012年04月01日(Sun)]
3月28日(水)、海洋政策研究財団が毎月開催している「海洋フォーラム」で講演した。

四方を海に囲まれた海洋国日本の発展のためには、海洋に関する情報の共有や意見の交換、また、必要なことをわが国の海洋政策に反映させる力の結集が必要である。そのため、海洋政策研究財団では、「海洋白書」やオピニオン誌「Ship & Ocean Newsletter」の刊行、「海洋フォーラム」の開催など、海洋情報の発信にも力を入れている。

この「海洋フォーラム」の開催は私が発案して、海洋に関する時事テーマを取り上げて毎月開催している。2002年10月の第1回以来、毎回、自らそのテーマ選定に関わり、司会をし、そして時には講師を務めている。第90回となる今回は、久しぶりに「海洋基本法制定から5年−海洋政策の強力な推進に向けて」というタイトルで講演した。

今年は、海洋基本法制定5年目に当たり、同法に基づいて、総合海洋政策本部について総合的な検討が行われ、また、海洋基本計画の見直しが行われる、わが国の海洋政策にとって大きな節目の年である。

2008年3月に策定したわが国初の海洋基本計画は、準備に十分時間がかけられなかったので、その「海洋に関する施策に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策」は、内容が十分に具体的でないものが多いだけでなく、海洋基本法が本来想定している施策で取り上げられていないものもかなりある。

したがって、次期の海洋基本計画には、それら不十分な点を補って、新しい海洋秩序や国際的政策枠組みに対応し、また、わが国のニーズを踏まえて、わが国の海洋に対する取組を強力に推進するに足る充実した海洋施策を総合的に盛り込む必要がある。

そのためには、まず、海洋関係各分野から次期海洋基本計画にはこのような施策を組み込んでほしいという具体的要望が積極的に出されることが望まれる。

そこで、今回の海洋フォーラムでは、この海洋基本計画の見直しの問題を取り上げて、今後の海洋基本計画見直しの方向等やそれにインプットすべき海洋施策の内容について話して、海洋に関心を有する皆さんに基本計画見直しへの積極的参画を呼び掛けることとしたのである。

講演では、まず、海洋基本計画見直しに求められる視点として、@国際的な法秩序及び政策への対応、及びA国内のニーズへの対応の二つがあることの説明からはじめた。

国際的対応では、国連海洋法条約の下での領海、排他的経済水域(EEZ)、大陸棚等の海域の管理、特に国際法上の特別の法制度であるEEZ等の管理制度の整備の必要性を中国等の対応を例に挙げながら強調した。

また、国内のニーズについても、海洋環境の保全、沿岸域における開発・利用と海洋環境との調和、利用の競合等の調整、海洋生物資源の保存・利用、エネルギー・鉱物資源の開発、海洋の安全保障など様々な海洋の問題に対する効果的な取り組みが求められていることを説明した。

その上で、海洋基本計画制定以降の海洋に関する施策の具体的な進展状況を説明して、それらを海洋基本法の成果として評価したのち、それでもなお、現行海洋基本計画の内容及び実施状況は海洋基本法制定の趣旨から見るとまだまだ満足すべきものではないとして、次のような厳しい一般評価を示した。

<現行海洋基本計画の一般的評価>
・海洋基本法施行後速やかに策定したため、実施する施策が抽象的にしか書かれていない。
・施策の目標、達成年次、ロードマップ等が明確に示されている施策が少ない。
・海洋基本法が本来想定している施策で取り上げられていないものがかなり見られる。

さらに、12の基本的施策について個別項目ごとに不十分なところを指摘した。それらについては海洋政策研究財団のホームページに掲載する配布資料「現行海洋基本計画のレビュー」をご覧いただきたい。

続いて、私が取り組みを強化すべきと考えている海洋政策のうちから次の5つを選んで紹介した。(詳細は、海洋政策研究財団のホームページ参照)

<取り組みを強化すべき海洋政策に関するいくつかの提言>
1. EEZ・大陸棚の総合的な管理に関する法制の整備
2. 海域管理に重要な役割を担う国境離島市町村等の支援強化
3. 海域の市町村区域への編入等沿岸域の総合的管理の推進
4. 海洋における再生可能エネルギーの開発・利用の推進
5. 海洋教育の推進と海洋立国を支える人材の育成

最後に、海洋基本法フォローアップ研究会(代表世話人:高木義明衆議院議員)が、海洋基本法の推進に戦略的に取り組むために「海洋基本法戦略研究会」に発展的に改組され、これから7月まで海洋基本計画の見直しについて集中的に検討していくことになったことを紹介した。

海洋基本法戦略研究会は、4月及び5月の会合で海洋関係各分野の学会、団体等から海洋基本計画に盛り込むべき施策についてヒアリングを計画している。そこで、この海洋基本法戦略研究会の検討に海洋関係者がその必要とする海洋施策を積極的にインプットするよう呼びかけて、講演を締めくくった。

話に熱が入って講演は1時間を超えてしまったが、講演後も参加者から各々の関心事項について質問・コメントがよせられたので、私も自分の考えをさらに述べた。例えば、話が「海洋国家」とは何かに及んだときには、私は、わが国が目指す「海洋立国」とは、これまで言われてきた「島嶼国家」+「通商国家」に、国連海洋法条約が我が国に与えた「海域国家」という新たな要素を加えて、これらを活かしてわが国の発展を図ることである、という持論を述べた。

おかげさまで120人を超える参加者の皆さんが熱心に聴いてくれてやりがいのある海洋フォーラムとなった。参加者の皆さんに感謝申し上げたい。
Posted by 寺島紘士 at 19:10
第2回「海洋基本法戦略研究会」開催 [2012年04月01日(Sun)]
3月29日(木)、第2回「海洋基本法戦略研究会」(代表世話人:高木義明衆議院議員、座長:前原誠司衆議院議員)が開催された。(第1回「海洋基本法戦略研究会」については、本ブログ3月14日参照

海洋基本法研究会は、2012年度が海洋基本法が施行されてから5年目となり、@総合海洋政策本部の総合的な検討、及びA海洋基本計画の見直しの年であることから、これらの検討事項について、7月の中間取りまとめを目途に、研究会を毎月開催して検討することとしている。海洋政策研究財団が、事務局を務めているので、また、しばらく忙しくなる。

会議は、冒頭に高木代表世話人が挨拶し、その後、前原座長のリードで早速「海洋基本計画に関する意見発表と報告」の審議に入った。

今回は、まず、次の3人の有識者メンバーが意見発表を行った。
山形 俊男 東京大学大学院理学系研究科教授・研究科長
白山 義久(独)海洋研究開発機構研究担当理事
来生 新  放送大学副学長

最初に、山形さんが、「宇宙と海洋の連携の重要性」と題して意見発表を行った。

山形さんは、陸、海、空/宇宙のインフラが互いを支え、効果的に機能することにより、わが国のみならず地球規模での持続可能な社会づくりに貢献する総合システムになるとして、海洋基本計画と宇宙基本計画の連携を説いた。そして、海洋と宇宙の連携による海洋変動予測を通じて、宇宙は海洋における様々な課題の解決や産業振興に大きく貢献できることを具体的に説明し、海面高度観測が海洋変動予測の基盤であり、次世代海面高度計衛星が革新的な海洋管理を可能にすることを力説した。

続いて、白山さんが、「海洋資源の開発と環境保全との調和」と題して意見発表を行った。

白山さんは、冒頭にこ50年前と現在のKey West(フロリダ)における釣り船の釣果の比較を通じて人間活動が魚類に与えた負の影響の大きさを示し、また、海洋酸性化が殻をもつ生物に与える影響の深刻さを指摘した。続いて、熱水鉱床やマンガン団塊の開発が環境に与える影響を取り上げ、科学的知見に基づいて海洋開発に関する環境影響評価を実施することの重要性を強調した。
そして、わが国が、他国の追随を許さない精緻な環境影響評価を実施することによって、海底鉱物資源の開発競争に勝ち抜くことができることを強調し、そのために研究調査インフラの整備と人材育成が重要であることを指摘した。

最後に、来生さんが、「第2期基本計画の策定と鳥瞰的視点導入の具体的方法論」と題して意見発表を行った。

来生さんは、現在の海の管理には、陸域の地方公共団体が担う鳥瞰的視点が欠落していて、海域は管理者が不在あるいは不明の空き空間が主である、そこでは市場による調整も全体を統括する計画的管理も行われていない、と指摘した。その上で、アメリカと同様に一般海域管理法や排他的経済水域・大陸棚の新たな管理主体の創設の必要性を指摘しつつ、当面は、個別管理主体主導型の総合的管理を総合海洋政策本部の存在と機能の下で行う戦略を提案した。

そのあと3人の発表に対してまとめて質疑が行われ、続いて、次の4省庁から海洋政策に関する最近の動きについて報告が行われた。

水産庁「水産基本計画(平成24年3月23日閣議決定)について」
文部科学省「第4期科学技術基本計画(平成23年8月19日閣議決定)等について」
国土交通省「国土交通省海洋政策懇談会報告書(平成24年3月23日発表)について」
資源エネルギー庁「海洋エネルギー鉱物資源開発の最近の動向について」

最後に、討論が行われ、総合海洋政策本部事務局の調整状況、漁業の担い手の問題、参与会議の活動再開、水産の振興、海洋活動の公海への拡大、海洋教育の重視などが取り上げられた。

その中で、しばらく活動停止していた参与会議ついては、人選は既に終わっておりメンバーの任命手続が進められている、4月中のキックオフ・ミーティングを目指している、との説明が本部事務局からなされた。

最後に、研究会は、次回を4月25日(水)に開催すること、その時には海洋関係者・団体から意見を聞くことすることを確認して閉会した。
Posted by 寺島紘士 at 00:59
第90回海洋フォーラムで海洋基本計画見直しについて講演 [2012年03月27日(Tue)]
来る3月28日(水)に開催する第90回海洋フォーラムで、「海洋基本法制定から5年−海洋政策の強力な推進に向けて−」というテーマで久しぶりに講演をすることになった。

今年は、海洋基本法制定5年目にとなり、同法に基づいて、海洋基本法推進の司令塔である総合海洋政策本部について総合的な検討が行われるほか、5年ごとに行われる海洋基本計画の見直しの検討が行われる。わが国の海洋政策にとって大きな節目の年である。

2008年3月に策定したわが国初の海洋基本計画は、準備に十分時間がかけられなかったので、「海洋に関する施策に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策」はその内容が十分に具体的なものが少ないだけでなく、海洋基本法が本来想定している施策で取り上げられていないものも多い。

したがって、これから見直しを経て策定される次期の海洋基本計画に対する関係者の期待が大きい。

しかし、そのためには、海洋関係各界の皆さんが次期海洋基本計画にこのような施策を入れてほしいという具体的要望を積極的に出していく必要がある。

そこで、今回の海洋フォーラムでこの海洋基本計画の見直しの問題を取り上げて、それにインプットすべき海洋施策の内容や今後の海洋基本計画見直しの方向等についてお話しして、海洋に関心を有する皆さんに基本計画見直しへの積極的参画を呼びかけることとした。

第90回海洋フォーラムの日時、場所等は次のとおり。

日 時:平成24年3月28日(水)17:00〜18:30(受け付け開始16:30)
場 所:東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル 1階バウルーム
    www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
    注)通常とは異なる開催場所ですので、ご注意ください。
テーマ:「海洋基本法制定から5年−海洋政策の強力な推進に向けて−」
講 師:寺島 紘士(海洋政策研究財団 常務理事)

お申し込みは、海洋政策研究財団の次のホームページをご利用ください。
http://www.sof.or.jp/jp/forum/index.php

海洋に関心のある皆さんのご参加をお待ちしています。
Posted by 寺島紘士 at 00:19
第5回「国交省海洋政策懇談会」出席 [2012年03月21日(Wed)]
3月21日(水)、第5回「国交省海洋政策懇談会」に出席した。(この懇談会については、本ブログ2月1日2月9日3月5日等も参照されたい。)

昨年12月に第1回が開催されてから、2月に2回、3月も今回を入れて2回と矢継ぎ早に開かれて、国土交通省の海洋政策について、5年〜10年先を念頭においた中長期的な方向性について意見交換を行った。2008年3月に策定された海洋基本計画の見直しが始まるのを前にしたいいタイミングでの懇談会開催であり、12人の委員が各自の意見を発表し、積極的に議論に参加した。

今回が最終とりまとめの会合で、これまでの議論の結果を踏まえて報告書が取りまとめられることになった。短期間で結構忙しく議論したが、なかなかいい内容がまとまったと思う。その内容については、近いうちに報告書が記者発表されるので、それまでお待ちいただきたい。
Posted by 寺島紘士 at 22:54
第2回「海洋基本法戦略研究会」、3月29日(木)に開催 [2012年03月14日(Wed)]
第2回「海洋基本法戦略研究会」が、3月29日(木)に開催されることになったので、お知らせしたい。

また、併せて、これまでの「海洋基本法フォローアップ研究会」が、「海洋基本法戦略研究会」(代表世話人:高木義明衆議院議員、座長:前原誠司衆議院議員)に発展的に改組され、その第1回会合が2月21日(火)に開催されたので、それについても以下に報告したい。(なお、改組については2月17日の本ブログも参照されたい。)

第1回海洋基本法戦略研究会の概要は、次のとおり。

会議の冒頭に、高木代表世話人から、海洋基本計画及び総合海洋政策本部の見直しの時期を迎えて、研究会の任務を海洋基本法の施策実施の「フォローアップ」から、海洋基本法推進のための「戦略」研究に拡げ、名称も「海洋基本法戦略研究会」に改めることといたしたので、引き続き関係の皆さんのご協力をお願いしたいと挨拶があった。

続いて、来賓として出席した日本財団の笹川会長が「海洋基本法戦略研究会」の海洋基本法の強力推進に果たす役割に期待する旨のご挨拶があった。

そのあと、議題の審議に入ったが、第1回「海洋基本法戦略研究会」のメインの議題は、「海洋基本法フォローアップ研究会の発展的改組について」と「今後の海洋基本法の戦略的推進に関する活動方針について」であった。その審議の概要は、次のとおり。

まず、前原座長が、代表世話人挨拶にもあったように、「研究会」の任務を海洋基本法推進のための「戦略」研究に拡げて名称を「海洋基本法戦略研究会」に改め、新メンバーが若干加わったことを報告するとともに、引き続き、我が国が必要としている海洋政策について議論して海洋基本法の積極的推進にご尽力いただきたい、と要請した。

そして、メンバーには2006年に海洋基本法制定に取組んだ当時の「海洋基本法研究会」代表世話人を務めた武見敬三前参議院議員が顧問として復帰したことを紹介し、続いて武見顧問が挨拶し、海洋基本法の積極的推進の必要性を強調した。

「海洋基本法戦略研究会」の今後の活動については、次のような活動方針を採択した。

<活動方針の概要>
海洋基本法施行以来、海洋基本計画に基づき、海洋に関する施策が推進されてはきたが、海洋基本法制定の趣旨に照らしてこれまでの実施状況を見ると未だ十分とは言えない。

2012年度は、海洋基本法が施行されてから5年目となり、@総合海洋政策本部の総合的な検討、及びA海洋基本計画の見直しが行われる年である。
海洋基本法制定に尽力した超党派の国会議員と海洋関係各界の有識者が集う海洋基本法戦略研究会は、海洋基本法制定の趣旨に立ち返ってこれらの問題に取り組み、海洋基本法をさらに強力に推進していくこととする。

○当面の検討事項
@海洋基本計画の見直し
A総合海洋政策本部の見直し等海洋基本法推進体制の整備

○当面の活動スケジュール
上記の検討事項について、7月の中間取りまとめを目途に、研究会を毎月開催して検討する。

以上に紹介したとおり、これから7月まで毎月、研究会を開催して「海洋基本計画」の見直し等の議論を集中的に行っていくことになった。私も、事務局を預かる身として、また忙しくなるが、次期の海洋基本計画を新たな海洋立国を実現するのにふさわしい充実したものとするために、海洋関係各界の皆さんのご協力を得てともに頑張っていきたいと思う。皆様どうぞよろしくお願いします。
Posted by 寺島紘士 at 00:48
海洋と宇宙の政策推進体制の比較 [2012年02月20日(Mon)]
海洋基本法は、海洋に関する施策を集中的かつ総合的に推進するため、内閣に、内閣総理大臣を本部長とし、官房長官と海洋政策担当大臣を副本部長する総合海洋政策本部を設置した。

2006年に海洋基本法制定の議論をしているとき、総合的な海洋政策を推進する体制のあり方についてもかなり議論した。このときは、総理の政治的リーダーシップを期待して、内閣に海洋に関する施策を集中的かつ総合的に推進する総合海洋政策本部を設置した。

しかし、内閣に設置する本部は、その時々のニーズに応えて暫定的に内閣に設置するものであるから、しばらくはそれでやった上で、いずれきちんとした海洋政策推進体制をつくるという理解の下での措置であった。

したがって、海洋基本法は、その附則で、「本部については、法律施行後5年を目途として総合的な検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする」と定めている。

そして、今年で海洋基本法施行からちょうど5年目を迎える。私たちは、海洋基本計画の見直しとともに、海洋基本法の推進体制についても総合的な検討を行い、この問題に適切に対処する必要がある。

そんな折、2月14日(火)に内閣府設置法等の一部を改正する法律案が閣議決定され、即日国会に提出された。

提出理由を見ると、宇宙の開発及び利用に関する施策を一体的に推進するため、宇宙の開発及び利用の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な政策に関する総合調整等の事務を内閣府の所掌事務とするほか、宇宙政策委員会の設置、宇宙開発委員会の廃止等の所要の措置を講ずるとともに、内閣府の所掌事務をより円滑に遂行する体制を整備するため、他省の副大臣及び大臣政務官を内閣府の副大臣及び大臣政務官に兼職することができるようにする必要がある、とある。

なお、宇宙基本法により内閣に設置された、宇宙基本計画を作成しその実施を推進するほか、宇宙開発利用に関する施策で重要なものの企画に関する調査審議、その施策の実施の推進及び総合調整に関することを所掌事務とする宇宙開発戦略本部は、そのままのようである。

そして、今回の改正で内閣府に設置する宇宙政策委員会は、@宇宙開発利用に係る政策に関する重要事項、関係行政機関の宇宙開発利用に関する経費の見積もりの方針に関する重要事項等の調査審議等、A内閣総理大臣または関係各大臣に対する意見、勧告等を行う、という。

この宇宙関係の今回の改正は、もう少し内容を検討してみないとよくわからない点もあるが、この「宇宙の開発及び利用に関する施策を一体的に推進するための措置」は、海洋政策の推進体制を考える上で参考になることがありそうなので、もう少し調べてみたい、と思った。
Posted by 寺島紘士 at 23:43
海洋基本法フォローアップ研究会世話人会合開催 [2012年02月17日(Fri)]
2月15日(水)、海洋基本法フォローアップ研究会世話人会合を開催した。

今年は、海洋基本法が施行されてから5年目となり、同法の規定に基づいて、@総合海洋政策本部の総合的な検討(法律施行後5年を目途として)、及びA海洋基本計画の見直し(おおむね5年ごとに)が行われる年である。

海洋基本法は、わが国が国際的協調の下に、海洋の平和的かつ積極的な開発及び利用と海洋環境の保全との調和を図る新たな海洋立国を実現することが重要であることにかんがみ、海洋に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として2007年4月に制定された。

海洋基本法は2007年7月に施行され、2008年3月にはわが国初の海洋基本計画が策定された。これに基づき、これまで海洋に関する施策が推進されてきたが、海洋基本法制定の趣旨に照らしてその実施状況を見ると、まだまだ不十分という意見が強い。

そこで、海洋基本法制定に尽力した超党派の国会議員と海洋関係各界の有識者が集う海洋基本法フォローアップ研究会は、今回、海洋基本法を強力に推進する方策を検討するために、先ず世話人会合を開催したのである。

前原座長が開会を宣し、冒頭に高木代表世話人がおおむね次のように挨拶した。

海洋基本法制定から5年目を迎え、基本計画の見直しの時期に入る。これまでに何ができて何ができていないのか、について真剣に見直す必要がある。海洋権益の動向、大津波、メタンハイドレートの掘削など、海洋における大きな課題が目の前にある。スピード感を持って取り組んでいく必要がある。

続いて次の3つの議題について討議した。
1. 海洋基本計画の見直しについて
2. 海洋基本法推進体制の整備について
3. 海洋基本法フォローアップ研究会の発展的改組について

1.海洋基本計画の見直しについては、最初に、私から海洋基本法に照らして十分でない点を12の基本的施策ごとに概略説明した。

実施状況に対する私の△や×の多い評価について、世話人の皆さんも現状はそのとおりだと共感しながら聞いていただいた。

前原座長の質問に対して、国際的な法制度であるEEZ・大陸棚の開発、利用、保全等を管理する法制度が必要であり、海洋政策研究財団では、学識経験者による研究委員会を設置して研究し、昨年、「排他的経済水域及び大陸棚の総合的管理に関する法制の整備についての提言」を取りまとめた、と答えると、我々にそれをレクチャーしてほしい、という積極的な反応が返ってきて、嬉しかった。

このほか、3・11の津波により流された瓦礫の動向、福島原発からの放射能を含んだ汚染水の排出の影響や国際的反応、メタンハイドレートや熱水鉱床の商業化前倒しの内容、沿岸域や離島の市町村の保護・強化などについても議論された。

2.海洋基本法推進体制の整備については、本部の「企画」と「総合調整機能」の強化が取り上げられ、参与会議や事務局の強化などが議論された。

3.海洋基本法フォローアップ研究会の発展的改組については、名前を「海洋基本法戦略研究会」に改めるとともにメンバーを増強して、海洋基本計画の見直しや海洋基本法推進体制の整備について積極的に取り組んでいくことが確認された。

研究会の検討スケジュールについては、7月の中間とりまとめを目途にこれから毎月研究会を開催することが決まった。

早速2月21日に第1回の海洋基本法戦略研究会が開催されることとなった。これからしばらくは忙しい日々が続きそうである。
Posted by 寺島紘士 at 00:05
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