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高校生がつくったサバ缶が宇宙へ [2020年10月11日(Sun)]
先日、かつて海洋政策研究財団で「沿岸域の総合的管理」を推進するためのモデルプロジェクト「海を活かしたまちづくり」に一緒に取り組んだ大塚万紗子さんから「こんな素敵なニュースが!」とメールをいただいた。

それには「福井の高校生が開発 サバ缶が宇宙へ 野口聡一さんに提供見通し」というNHKのニュースWEB(9月29日)と、科学技術振興機構(JST)のScience Windowの「鯖街道から宇宙へ!〜高校生がつくったサバ缶がJAXA認証の宇宙食に〜」という記事(2019年12月12日)などが添付されていた。

それらをまとめると概略次のとおり。

福井県県立若狭高校海洋科学科の生徒たちの「宇宙日本食サバ缶プロジェクト」が開発したサバの缶詰(「鯖醤油味付け缶詰」)が、日本人宇宙飛行士の野口聡一さんが10月31日に打ち上げられるアメリカの民間の宇宙船で国際宇宙ステーションに行って滞在している間に、別の輸送船で宇宙ステーションに届けられ、野口さんらの宇宙飛行士に提供されることになった、という。

「小浜の優れた水産加工技術を世界に伝えたい」という生徒たちの思いがこもったこの「宇宙日本食サバ缶プロジェクト」は、14年前に若狭高校海洋科学科の前身の小浜水産高校で始まった。

サバで有名な福井県の小浜市にあるこの高校にはサバ缶製造の実習工場が併設されていて年間1万個ほどのサバ缶が製造されている。2006年に同校は高度な食品衛生管理技術を学ぶ授業の一環として衛生管理の世界基準であるHACCP(ハサップ)を取得。それを指導した小坂康之先生が、ある日、授業でHACCPはもともと米国航空宇宙局(NASA)が宇宙食など食の安全のために開発した衛生基準であるとつたえると、生徒たちから「それなら自分たちのサバ缶も宇宙に飛ばせたい」と提案があり、宇宙食への挑戦が始まった。

さらに、2013年に小浜水産高校と「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」指定校の若狭高校が統合し、丁度そのころ同校でJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙食についての講演が行われたのがきっかけとなってサバ缶を宇宙食にするプロジェクトがSSH事業の課題研究として本格的にスタートした。

宇宙食に認証されるには、HACCPで求められる製造工程の基準のみならず、栄養分、保存条件、味など、さらにサバ缶のように汁を含む食品については粘度についても、JAXAが定める宇宙日本食認証基準をクリアしなければならない。生徒たちはそれらの課題を一つ一つ解決していって、ついに2018年11月に若狭高校のサバ缶はJAXAから宇宙日本食に認証された。

しかし、これだけではまだ足りない。実際に宇宙に持って行ってもらうためには宇宙船に搭乗する宇宙飛行士が試食してこれを持っていくのを希望することがもっとも重要という。今回の宇宙食採用は、その難関をもクリアした結果である。

これについて若狭高校海洋科学科の小坂教諭は「生徒や卒業生の思いが宇宙に届けられることはうれしい以外のことばでは表現できません。実際に野口さんたちが食べる瞬間が楽しみです」と話していた、という。

14年間の長きにわたって先輩から後輩へと引き継いでこの高い望みを掲げたプロジェクトに取り組み、ついにこのような素晴らしい成果を達成した歴代の生徒の皆さんの熱意と努力、そしてその間ずっと生徒たちの活動を見守り、導いてきた小坂先生の指導力に敬意を表したい。
 
実は、このところご無沙汰していたが、私も大塚さんも小坂さんとは「海を活かしたまちづくり」の取り組みを通じて深く結ばれた仲なので、これは大塚さんの言うとおり「素敵なニュース」である。

わたしは、海洋政策研究財団で海洋基本法の制定に取り組み、制定後は、海洋基本法が掲げる基本的施策の推進に取り組んだ。2010年からは、沿岸域の諸問題に積極的に取り組む意欲のある地方公共団体と協力して「沿岸域総合管理(ICM)」のモデルサイトを立ち上げ、地域の実情に応じたICMの取り組みを支援して過疎化・高齢化等に苦しむ地方沿岸域が元気の出るような取り組みを開始し、それをモデルにして国の総合的な沿岸域管理制度を樹立することを目指した。

まず、全国から「海を活かしたまちづくり」に意欲的な地方自治体を発掘してモデルサイトを立ち上げるために意欲のある自治体に関する情報の収集に取り組んだ。そのとき、水産関係の方から福井県小浜市の推薦があり、まずこの人に相談してみてはどうかと紹介されたのが小浜水産高校教諭の小坂康之さんだった。

そこで小浜水産高校に小坂さんを訪ねてモデルサイトの立ち上げについて相談するとともに、小浜水産高校(後に若狭高校に統合)の海洋・水産教育について話を聞き、校内を見せてもらった。そのとき見聞した、小坂さんが取り組んでいる海洋・水産に関する前向き、かつ実践的・専門的な水産教育は私のそれまでの常識を覆す優れたものだったので強く印象に残っている。そして、小坂さんの助言を受けて福井県立大学の富永教授、小浜市産業部の河野次長等に会い、小浜市で「海を活かしたまちづくり」の取り組みを立ち上げることができた。

このように小坂さんは10年前からの知己なのでこのたび久しぶりに素敵なニュースに接してその活躍を慶ぶとともに今後益々のご活躍を心からお祈りしている。
Posted by 寺島紘士 at 00:26
神戸大学海事科学部出張と新幹線での忘れ物(1) [2019年02月23日(Sat)]
1週間ほど前の15日(金)に神戸大学の深江キャンパスで神戸大学海事科学部/大学院海事科学研究科外部評価委員会が開催され、神戸に出張した。

神戸大学海事科学部とは神戸商船大学時代からお付き合いがあり、5年前にもその外部評価に関わったことがある。(本ブログ2017年10月29日等参照)

外部評価委員会では、先ず海事科学部/大学院海事科学研究科の外部評価実施委員から最近の組織改革の変遷と計画、教育活動、研究活動、国際交流社会連携、高大連携活動に関する自己点検の概要について説明を受けた。海事科学部/大学院海事科学研究科が、総合大学の一部となった長所を活かして海事教育・研究の発展に取り組んでいる熱意が伝わってきた。

その後、私を含む5人の外部評価委員が、それらの優れていると思われる点や改善を要すると思われる点についてそれぞれコメント・感想を述べ、意見交換をした。そして、この日の外部評価委員会での審議等を踏まえて3月に評価シートを提出することとして委員会は閉会となった。(続く)
Posted by 寺島紘士 at 21:20
海の世界の人づくり [2017年05月29日(Mon)]
海の世界で各国が、海洋秩序や国際的な政策・行動計画を共有し、その下で海洋の保全と持続可能な開発利用に取り組んでいくためには、それに必要な人材を確保し、技術を保有することが各国レベルで必要である。

このため、「国連海洋法条約」や「パリ協定」、そして「持続可能な開発のための2030アジェンダ」などの持続可能な開発のための行動計画は、常に人材の育成や技術の移転についてその中に定めている。

しかし、これら人材の育成等を、実際に効果的に実施するのはなかなか容易ではない。

そのような状況の中で、日本財団がこれまで実施してきた海洋関係の奨学プログラムは、様々な分野で実績を積み重ねてきており、世界で注目されている。

そのひとつが、先般本ブログ(5月14日、15日)でも取り上げた世界海事大学における海事行政に関する人材育成プログラムである。アジア・太平洋を中心に世界の国々の海事行政担当者を対象に海事に関する様々な専門的知識の修得と各国海事関係者の人的交流及び国際協力の推進を目的として奨学金を給付してきた。

このプログラムは、笹川平和財団海洋政策研究所が実務を担当しており、今年で31年目を迎え、その奨学生は、総計69カ国581名に上り、今やそのネットワークは、世界の海洋・海事に関わる事業の大きな力となっている。

さらに、日本財団の海洋関係奨学プログラムは、2000年代に入って大きく発展してきている。

それらは、

・国際海事大学連合の活動・ネットワーク推進ブログラム(国際海事大学連合(IAMU)、2000)
・海事海洋法関係者に対する人材育成(国際海事法研究所(IMLI)、2003年)
・海底地形図制作技術者の 養成(大洋水深総図(GEBCO)指導委員会、2004年)
・海洋管理・観測等の専門家育成プログラム(国際海洋観測機構(POGO)、2004年)
・世界の海洋秩序の発展に向けた人材育成プログラム(国連海事・海洋法課(DOALOS)、2005)
・国際海洋紛争問題解決のための専門家育成プログラム(国際海洋法裁判所(ITLOS)、2007年)
(カッコ内は、実施団体、設立年度)

など10プログラムであり、WMUを含めたその奨学生の総数は、139カ国、2000名近くに上る。

これらの人材は、世界・各国の海事・海洋の取組みに大きな力となっている。

そして、海洋政策研究所では、日本財団とともに、これらの人材をさらに海洋ガバナンスの取組み推進に有効に活用するために、目下「海の世界の人づくり・ネットワーク・プロジェクト」の立ち上げに取り組んでいる。

それらについては、今後、その進展を適宜紹介していきたいと考えているのでご期待下さい。
Posted by 寺島紘士 at 23:36
東京海洋大学に「海洋資源環境学部」誕生 [2017年04月23日(Sun)]
2017年度から東京海洋大学に「海洋資源環境学部」が誕生した。皆さんにもお知らせしたい。

4月21日(金)、東京海洋大学の品川キャンパスで「東京海洋大学海洋資源環境学部開設記念式典」が開催され、私もお招きを受けたので、喜んで出席した。

記念式典は、開会の辞に続いて竹内俊郎学長の式辞があり、その後来賓祝辞となって、私も、文部科学省高等教育局の浅野敦行専門教育課長、海洋研究開発機構の平朝彦理事長とともに、お祝いの辞を述べた。

東京商船大学(1875年東京商船学校としてスタート)と東京水産大学(1888年水産伝習所としてスタート)という、我が国の生活や経済の発展を支える重要産業である海運や船舶、水産や食品等に関する研究と人材の育成等に熱心に取り組んでき2つの大学が統合して「東京海洋大学」となったのは2003年10月。

以来、東京海洋大学は、従来の「商船」「水産」という枠を拡げて、広く「海洋」全体を対象とする海洋系の総合大学への道を模索してきた。その大きな成果が、今回の新学部「海洋資源環境学部」の開設である。

そこで、私は、大意次のような祝辞を述べて新学部の門出を祝い、期待を表明した。

‘20世紀後半からの世界人口の爆発的増加、「海洋の管理」に向けた国連海洋法条約の発効や海洋・海洋資源の持続可能な開発・利用に向けた国際的行動目標・計画の採択などにより、海洋は21世紀に入ってさらに重要な意味を持つようになっている。このたびの「海洋資源環境学部」の開設は極めて時宜に適している。

私も昨年まで海洋大の経営協議会の一員として長らくその成長を見守り、応援してきたので、この日を迎えて大変うれしい。新学部の開設を心よりお祝い申し上げ、東京海洋大学が、『新たな海洋立国の実現』を目指すわが国の、そして世界の海洋に関する取組に益々重要な役割を担っていくことを祈念申し上げます。’

このたび誕生した「海洋資源環境学部」のミッションは次のとおり。

「海に囲まれたわが国では、海の資源を上手に利用しながら新しい産業分野を作り上げていくことが重要です。一方で、海洋の利用は海の環境を保全しながら進めて行く必要があります。本学部は2つの学科から構成され、本学のこれまでの強み・特色を生かしつつ、新たな海洋利用についての教育・研究に取り組み、海洋環境の保全と資源・エネルギーの利用についての専門知識を持って、わが国の海洋利用をリードしていく人材の育成を目指します。」

2つの学科とは、「海洋環境科学科」と「海洋資源エネルギー学科」である。

今内外で重要課題である海洋の資源の開発利用、海洋環境の保護・海洋生態系の保全、海洋の総合的管理などを担う人材の育成を目指している。新「海洋資源環境部」で学んだ卒業生が、やがてわが国の『新たな海洋立国の実現』の一翼を担う日が来るのをこころから期待している。
Posted by 寺島紘士 at 22:31
「地理総合」が高校の必修科目に [2017年03月23日(Thu)]
先日、来訪した日本水路協会の加藤茂常務理事から嬉しい知らせを受けた。昨年12月21日の次期学習指導要領の方向性についての中央教育審議会の答申で、高校で新科目「地理総合」の必履修が明示されたという。

これにより、現在は約半数の高校生しか「地理」を学んでいないが、2022年度からは、全ての高校生が防災教育、持続可能な地域づくり、多様性を持った世界の国々、地理空間情報リテラシーなどを「地理総合」で学ぶことになった。

以前、高校地理教育の今後に危機感を抱いた地理学関係の教員・学者・研究者が集まる(公社)日本地理学会高等学校地理教育検討タスクフォース主催「第3回高校地理教育の在り方に関する勉強会」に招かれて、「地理教育と海洋」について講演し、海洋・沿岸域の総合管理には、地理教育が重要な役割を担っていることを、近年の海洋ガバナンスに関する内外の取組みを例に挙げながら紹介したことがある。

その際、高校・地理歴史科の在り方として、地理と歴史の両方を生徒全員に学ばせるべきで、「地理基礎」と「歴史基礎」という科目を共に必履修科目で設置すべきという日本学術会議の提言に私も支持を表明した。(本ブログ2015年2月22日「地理教育と海洋」参照。)

今回の中教審答申は、名前は「地理基礎」ではなくて「地理総合」となっているが、内容は、地理学会や日本学術会議の提言を採り入れたものであり、もろ手を挙げて賛成である。

加藤さんは、わざわざ公益財団法人日本地理学会 戸所隆会長、高等学校地理教育検討タスクフォース 荒井良雄委員長から私宛の「地理教育振興に関するご協力の御礼」状を直接届けて、地理教育に関する中教審の答申の内容についてわかりやすく説明してくれた。

今回の中教審答申には、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)の実現、社会科における「海洋国家」の視点の導入など、学校教育における海洋教育の推進に関する重要な事項がいくつか盛り込まれていることは本ブログ2月18日で紹介したが、そればかりでなく、地理教育においても海洋に関しても重要な事項が盛り込まれていることを皆様にもお知らせしておきたい。
Posted by 寺島紘士 at 10:10
文部科学省、学習指導要領案に対するパブリックコメント募集中 [2017年02月18日(Sat)]
2月14日、文部科学省は、昨年12月21日の中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」等を受け、学校教育法施行規則の一部改正並びに幼稚園教育要領、小学校学習指導要領、中学校学習指導要領の改正を予定しているとして、それらに関し、広く国民の皆様からご意見をいただくため、パブリックコメント(意見募集)を行うと発表した。

海洋基本法第28条は、国民が海洋について理解と関心を深めることができるよう、学校教育及び社会教育における海洋に関する教育の推進のために必要な措置を講ずる、と定めている。

海洋政策研究財団(当時。現笹川平和財団海洋政策研究所)は、これを受けて、同法施行直後の2007年8月に教育と海洋双方の専門家による「初等教育における海洋教育の普及推進に関する研究委員会」(委員長:佐藤学東京大学大学院教育学研究科教授、当時)を設置して、学校教育における海洋教育とは何か、小学校における海洋に関する教育の普及推進には何が必要かについて具体的な研究を開始し、2008年2月には海洋政策担当大臣及び文部科学大臣に「海洋教育の普及推進に関する提言」を提出した。

それ以来、海洋政策研究所では、日本財団、東京大学海洋アライアンスとともに、学習指導要領において海洋教育をきちんと位置付けることを含めて、学校教育における海洋教育の推進普及に取り組んできた。(これまでの折々の取組みついては、本ブログ「海洋教育研究」の項https://blog.canpan.info/terashima/category_15 参照)

その甲斐あってか、今回の教育指導要領の改訂案には、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)の実現、社会科における「海洋国家」の視点の導入など、学校教育における海洋教育の推進に関係深い事項がいくつか盛り込まれている。

<例> 中学校学習指導要領(案)第2章 各教科 第2節 社会科 第2 各分野の目標及び内容 3 内容の扱い(3)ア 
「「(イ)領域の範囲や変化とその特色」については,我が国の海洋国家としての特色を取り上げるとともに,竹島や北方領土が我が国の固有の領土であることなど,我が国の領域をめぐる問題も取り上げるようにすること。その際,尖閣諸島については我が国の固有の領土であり,領土問題は存在しないことも扱うこと。」

中央教育審議会における学習指導要領改訂に関する審議の過程では、中教審初等中等教育分化会教育課程部会の下の教育課程企画特別部会が、2016年8月に審議のまとめを発表してパブリックコメントを募集したところ、海洋教育について多くの意見が提出され、これを受けて教科横断的な視点に基づく資質・能力の育成というテーマのもとでの海洋教育の重要性が共通認識として採択されたという。

このようにパブコメも時に力を発揮することがあるので、今回のパブリックコメントにおいても、海洋教育に関心のある方々には小中学校等の学習指導要領(案)をご覧いただき、要すればご意見をどんどん提出していただきたいと思う。

パブリックコメント募集は、下記の電子政府の総合窓口(e-Gov)で2月14日から3月15日まで行われているのでよろしくお願いします。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/02/1382218.htm
Posted by 寺島紘士 at 15:21
海洋教育パイオニアスクールプログラム2016年度採択事業決定 [2016年07月06日(Wed)]
前回のブログ(7月5日)で2016年度「海洋教育パイオニアスクールプログラム」事業として67件が採択されたことだけをお知らせしたが、その内訳について、もう少し詳しく紹介しておきたい。

2016年度の採択事業は、64校の67件である。67件の部門別内訳は、単元開発研究部門(上限100万円)21件、一般部門(上限50万円)46件となっている。

また、小中高校別でみると、小学校33件、中学校8件、高校(普通)8件、高校(水産)6件、高校(工業)2件、小中一貫校3件、中高一貫校(6件)、特別支援学校1件となっている。これらの学校は、北は北海道から南は沖縄までの28都道府県に広がっている。

これらの採択事業から、今後どのような実施報告が上がってくるか今から楽しみである。

Posted by 寺島紘士 at 23:55
海洋教育パイオニアスクールプログラムの今後の予定 [2016年07月05日(Tue)]
海をテーマにした学びを支援する学校向け助成制度「海洋教育パイオニアスクールプログラム」の開始、その2016年度の募集で72件の申請があったことについては、4月16日及び5月11日付本ブログで紹介した。

そして、審査の結果、67件が採択されたことを、報告したい。まずまずの滑り出しである。

このプログラムは、2016年度はまだ試行で、2017年度及び2018年度に本格実施することとしている。

プログラムの内容は次のとおり。
@ 授業・学習活動・教育研修費用の助成
A 専門家によるアドバイス
B 学校間の情報共有・意見交換をサポート

今年度の試行は、準備が間に合わず、募集が2016年度に入ってからになってしまったが、2017年度のパイオニアスクールプログラムの募集は、学校がこのプログラムを使いやすくするため、2016年秋のうちに行うべく、次のようなスケジュールを計画している。多くの学校からの応募を期待しているのでどうぞよろしくお願いします。

募集要項発表:2016年9月下旬
申請受付期間:2016年10月〜11月
対象校決定:2017年1月中旬

海洋教育パイオニアスクールプログラムに関心のある方は、下記の事務局まで気軽のご相談ください。

〒105−8524 東京都港区虎ノ門1−15−16 笹川平和財団ビル6F
笹川平和財団海洋政策研究所
海洋教育パイオニアスクールプログラム事務局
Tel: 03-5157-5279, Fax: 03-5157-5230
E-mail: ocean-education21@spf.or.jp
Website: http://www.spf.org/pioneerschool

Posted by 寺島紘士 at 23:20
海洋教育パイオニアスクールに72件の申請 [2016年05月11日(Wed)]
4月16日の本ブログでお知らせした「海洋教育パイオニアスクールプログラム」募集が5月9日に終了した。ふたを開けてみると、28都道府県の小中学校、高校、中等教育学校、特別支援学校、計65校から、単元開発研究部門と一般部門あわせて72件の申請があった。

海洋教育の実践に取り組む全国の学校を支援して、授業や教育研究に関する活動費用の助成などを行うのは初めての試みであるが、準備等の都合で募集が新年度に入ってからになってしまったので、どのくらい応募があるか実は心配だった。しかし、全国28都道府県からほぼ想定した規模の応募があった。しかも、対象としたすべての種類の学校から応募があり、まずまずのスタートとなった。

この事業は、助成金による支援に加えて、海洋教育の単元開発や授業実践に関するアドバイス・専門家の派遣等のサポート、海洋教育フォーラム等の開催、ウェブサイトの運営や教材の提供など、学校が必要とするサポートの実施を計画している。来年度からは150校以上を対象に本格実施することを目指して頑張っていくので、どうぞご期待ください。

海洋教育パイオニアスクールプログラムに関心のある方は、下記の運営事務局まで気軽にご相談ください。

笹川平和財団海洋政策研究所
海洋教育パイオニアスクールプログラム事務局:酒井、藤川、上里
Tel: 03-5157-5279, Fax: 03-5157-5230
E-mail: ocean-education21@spf.or.jp
Website: http://www.spf.org/pioneerschool
Posted by 寺島紘士 at 23:36
学校向け助成制度「海洋教育パイオニアスクールプログラム」募集開始 [2016年04月16日(Sat)]
このたび海洋政策研究所では、海と人との共生を目指し、海に親しみ、海を知り、海を守り、海を利用する、海洋教育の普及充実を図るため、日本財団・東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターと共に、学校における海洋教育の取組を支援するため「海洋教育パイオニアスクールプログラム」を立ち上げて、2016年度の募集を4月18日から開始する。

「海洋教育パイオニアスクールプログラム」は、海と共に生きる意識と資質・能力、そして態度を有する人材の育成のために全国の学校で行われる「海を題材として行われる学習全般」に対して必要な支援を行うことで、海洋教育の可能性を学校の現場レベルから開拓し、全国への普及につなげることを目指している。

具体的には、海洋教育を実践する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校等に対する支援(助成および教育学・海洋学の専門家による支援)を通じ、海洋教育の推進、カリキュラムの開発と海洋教育の担い手の育成を行うことで、学校での海洋教育の面的な広がりと質的な向上を図ることを目的としている。

私たちは、海洋から多大な恩恵を受けるとともに、海洋環境に少なからぬ影響を与えており、海洋と人類の共生は、国民が総力を挙げて取り組むべき重要課題である。

そのためには、海と共に生きる意識と資質・能力、そして態度を有する人材の育成がきわめて重要であり、海洋基本法は、国民が海洋についての理解と関心を深めることが出来るよう、「学校教育及び社会教育における海洋に関する教育の推進」を基本的施策に掲げている。

海洋政策研究所(旧海洋政策研究財団)では、海洋基本法が施行された2007年から、海洋教育に関心深い教育専門家と海洋専門家の協力と日本財団の支援を受けて、海洋教育の普及に取り組んできた。

これまでに、海洋教育の定義、海洋教育の普及推進に向けた5つの提言(具体的な教育の内容・方法の明確化/学習環境の整備/外部支援体制の強化/海洋教育の担い手となる人材育成/海洋教育に関する研究推進)の作成・提出から始めて、それらの提言の具体化・実現に向けて様々な取組み(小学校、中学校、高校の海洋教育に関するカリキュラムと単元計画を包含する「21世紀の海洋教育に関するグランドデザイン」の作成、文部科学大臣、海洋政策担当大臣提出・発表等々)を進めてきた。(本ブログ「海洋教育研究」の項参照)

しかし、残念ながら、現在の学校教育においては海洋に関する教育はまだ十分に行われているとはとても言えない。各地に海洋教育に熱心に取組んでいる教師の方々が少数いるが、全体としてみると、学校教育の現場における海洋をテーマとした学習の実践例もまだまだ少なく、またその共有も十分に進んでいると言えない。

そこで、このような状況を打開し、学校における海洋教育の取組を推進する一助として「海洋教育パイオニアスクールプログラム」をこのたび立ち上げたものである。

現在海洋教育を実施している学校にも、これから海洋教育を実施したいと考えている学校にも、このプログラムを利用して海洋教育を実施していただき、学校での海洋教育の面的な広がりと質的な向上を図るとともに、我が国の教育が目指す21世紀型能力の育成に寄与することが出来れば幸いである。

海の学びは、アクティブ・ラーニングの題材としても相性が良く、これからの学びに役立つ可能性を秘めているので、多くの学校でこのプログラムを活用していただきたいと願っている。

4月18日(月)から5月9日(月)まで、全国の国・公・私立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校等を対象とし、@一般部門とA単元開発研究部門の2つの部門で募集しているので多くの学校から奮って応募していただきたい。

募集要項、申請方法等の詳細は、以下のページでご覧ください。
https://www.spf.org/pioneerschool/index.html
Posted by 寺島紘士 at 21:54
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