• もっと見る
<< 2024年03月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
「島と周辺海域のよりよい保全・管理に向けて」 [2011年09月08日(Thu)]
9月5日(月)−7日(水)の3日間、第3回「島と海に関する国際セミナー」(International Seminar on Islands and Oceans)を開催し、最後にこの3年間の国際セミナーの成果について、声明を採択・発表して無事終了した。

このセミナーは、前回(9月5日)のブログで紹介したとおり、海洋政策研究財団(OPRF)が、オーストラリアの国立海洋資源・安全保障センター(ANCORS)と太平洋島嶼国の太平洋共同体事務局・応用地球科学部(SOPAC)の協力を得て、2009年度から毎年開催してきたものである。

最終回ともなると、この3年間にわたる国際セミナー・シリーズの最後をどのようにまとめて、その成果を国際社会にどうやってアピールするのかがひとつの焦点となる。

オープニング・セッションでは、最初に、海洋政策研究財団を代表して私が、このセミナーの目的、これまでの研究の経過を振り返った後、来年6月にブラジルで開かれる「リオ+20」で策定される持続可能な開発に関する向こう10年間の行動計画に島とその周辺海域の保全・管理についての私たちの政策提言が盛り込まれるように働きかけていこう、と述べて、挨拶を締めくくった。

続いて、協力機関のANCORS所長のチャメニ教授、SOPACのウェブ博士がそれぞれ挨拶をした。

それに続いて、太平洋島嶼国の現状、島の保全・管理の課題と解決策、島の周辺海域の管理の課題と解決策、そして、気候変化・変動への対応の課題と解決策について3日間にわたって議論し、この3年間の検討成果に基づき、今後、国際社会や島嶼国社会が取り組むべき施策について取りまとめを行った。各セッションで、参加者からいろいろな意見が提出され、活発な意見交換が行われた。

参加者は、これまで3年間を通して議論に参加し、発表を行ってきた人たちがほとんどで、互いに相手の言おうとしていることを理解した上で議論を行ったので、会議はスムーズ、かつ、建設的に進行することができた。各セッションの議論を取りまとめるレポート作成も、発言者の中から指名されたメンバーによりスムーズに行われた。

このように最初の2日間、会議は、スムーズに進行した。

しかし、2日目の夜から3日目の午前中にかけて国際セミナーの取りまとめの仕方をめぐってひと波乱あった。
会議の協力者のひとつであるSOPACは、最近組織改編があり、太平洋共同体事務局内の一部局となったので、政策的な提言を前面に出すようなセミナーの声明には、参加者だけの一存ではコミットできない、太平洋共同体内部の手続きが要る、とウェブさんが言い出したのである。確かに太平洋共同体のような公的な組織では、そのような手続きが要ることは理解できる。

ウェブさんは、政策提言を明確に打ち出した声明を発表することには、必ずしも反対ではないので、その場合はSOPACの名前は外してもらってもかまわないとまで言ってくれたが、3年間一緒にやってきた協力的なパートナーを外して声明を出すというような事態は何としても避けなければならない。

そこで、3日目の午前中に3者でいろいろと協議を重ねた結果、この国際セミナー終了後に発出する声明は、SOPACを含む全参加者の合意が得られるような内容にする、そして、それとは別に、OPRFとANCORSは、国際セミナーの成果を踏まえて、採るべき必要な政策を、政策提言に取りまとめて国際社会に発表する、ということで3者の意見を調整することができた。

この合意に基づき、会議の取りまとめが行われ、声明「Summary Statement on the Outcome of the 3 Year International Seminar on Islands and Oceans: “For the Better Conservation and Management of Islands and Their Surrounding Oceans”」が採択され、国際セミナーは成功裏に終了することができた。

このように、最後にいろいろなことが起こり、かなり疲れたが、最終的にいい形で終了することができ、かつ、SOPACを含めた本セミナーの参加者との間で将来に向けていい協力の基盤を築くことができたので、セミナーの成果については満足している。

セミナー終了後、チャメニ教授(ANCORS)、ウェブ博士(SOPAC)と3人で記者会見を行ってセミナーの成果を発表した。10人ほどの記者さんに国際セミナーの成果を熱心に聴いていただいたことを喜ぶとともに、お出でいただいたプレスの皆さんに御礼申し上げたい。(了)
Posted by 寺島紘士 at 23:41
この記事のURL
https://blog.canpan.info/terashima/archive/635
コメントする
コメント
SPCの了解を得るということはメンバー国の米、仏、英、NZ, 豪、5つの政府の合意を得るという事ですから、本当に国際的な合意になります。
SPCは全部で27メンバー。
5メンバーが前記の先進国で残り22メンバーは太平洋諸島の国と地域です。
当初先進国(旧宗主国)はオランダを含む6ヶ国でした。グロティウスが聞いたら嘆くでしょう。

しつこいようですが、貴声明を来年開催される『太平洋島サミット』に向けて提言することを提案させていただきます。今の外務省大洋州課課長は話しがわかる人、と聞いています。
Posted by:国民の声  at 2011年09月09日(Fri) 06:11

プロフィール

寺島紘士さんの画像
Think_now_new.jpg
リンク集
Google

WWW
寺島紘士ブログ
https://blog.canpan.info/terashima/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/terashima/index2_0.xml