『海洋の環』がさらに拡がる⁈ [2018年05月13日(Sun)]
一昨日届いた「海上保安新聞」5月10日号に眼を通すと、編集長コラムの「海流」欄がエリザベス・マン・ボルゲーゼ教授著『海洋の環』の日本語版出版を取り上げているのを見つけた。
「海洋の母」と称されたボルゲーゼ女史の、国連海洋法条約やリオ地球サミットの行動計画策定への貢献、海洋を「人類の共同財産」ととらえる考え方、共同財産の海を守るためには様々なレベルの国際的連携・協力が必要と強調していることなどを簡潔に紹介し、最後に、地球レベルの海洋の環境悪化が問題となっている今、女史の考え方から学ぶことが多いだろうと結んでいる。 21世紀に入って、海洋環境の保全と持続可能な開発利用はますます重要な政策課題になってきているなかで、海上保安庁は、海上において治安の確保・領海警備・海難救助・海上環境・災害対策・海洋調査・海上交通の安全・国際関係に取り組んでおり、その役割はますます重要になってきている。 海上保安新聞は、海上保安庁やそれに関連する分野でそのような業務に日夜従事して働いている人々を読者としている新聞である。 したがって、そのような海に深く関わっている方々に『海洋の環』の出版が紹介されたことの意義は大きい。 コラムで取り上げた編集長の識見に敬意を表するとともに、日常海洋を見て働いている方々が一人でも多く『海洋の環』を手に取ってみることを期待したい。 なお、エリザベス・マン・ボルゲーゼ教授の海洋のガバナンスの指南書『The Oceanic Circle』の日本語版『海洋の環』の出版(2月)については、本ブログ2018年1月17日、31日等、新聞等におけるその紹介については4月12日参照。 『海洋の環−人類の共同財産「海洋」のガバナンス−』 エリザベス・マン・ボルゲーゼ 著 (公財)笹川平和財団 海洋政策研究所 訳 成山堂書店 |
Posted by
寺島紘士
at 23:54