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「名古屋―クアラルンプール補足議定書」の発効が近い [2017年10月13日(Fri)]
10月12日夜、カナダのモントリオールにある生物多様性条約(CBD)事務局から「名古屋―クアラルンプール補足議定書(注)の発効が近い」というプレスリリースが送られてきた。
(注)Nagoya-Kuala Kumpur Supplementary Protocol on Liability and Redress to the Cartagena Protocol on Biosafety

「Nagoya(名古屋)」という文字に惹かれてプレスリリースを見ると、

10月4日にコンゴ民主共和国が「生物の安全性(Biosafety)に関するカルタヘナ議定書に対する責任と補償に関する名古屋―クアラルンプール補足議定書」の承認文書を寄託したので、あと1か国が同補足議定書を承認(ratify、acceptance, approval or accession)すれば40か国という発効要件を満たす、という。

CBDのC. P. Palmer専務理事よる、カルタヘナ議定書締約国で同補足議定書未承認国の早期承認、及びCBD加盟国でカルタヘナ議定書未承認国の早期承認を促す、談話が載っていた。

調べてみると、遺伝子組み換え生物の安全性の観点から国境移動などについての手続きを定める「生物の安全性に関するカルタヘナ議定書」が2000年に採択されている。

それを補足する「名古屋―クアラルンプール補足議定書」は、2010年に名古屋で開催されたCBD-COP10の際に開催されたカルタヘナ議定書の第5回締約国会議で採択され、輸入国等において生態系などに影響を与えた場合について原状回復や賠償などについてのルールを定めている。補足議定書の名称は、2004年に交渉がクアラルンプールで始まり、2010年に名古屋で採択されたことからきている、とのことである。

名古屋で開催された生物多様性条約CBD-10では、Global Ocean Forum(GOF)、CBD事務局、環境省などはじめ多くの海洋関係者と協力して「オーシャンズ・デー・アット・ナゴヤ」(注)を開催し、共同議長を務めて「名古屋海洋声明」を発表したので、その時のことは強く印象に残っていて懐かしい。
(注)「オーシャンズ・デー・アット・ナゴヤ」については、本ブログ2010.10.22,24,26,27,
及び11.3など参照。

しかし、カルタヘナ議定書の締約国会議での補足議定書の採択とその後の状況までは、フォローできていなかった。

本年に入って、4月26日にキューバ、6月15日に中央アフリカ共和国、そして10月4日にコンゴ民主共和国の3国が「名古屋―クアラルンプール補足議定書」を承認しているので、もう1か国が承認すれば、その90日後に同補足議定書は発効する。その日が来るのも近いかもしれない。

気になるのは、わが国がこの補足議定書を承認しているかどうかであるが、CBDのウェブサイトで見る限り、日本は、2013年3月に署名しているが、承認はまだのようである。

2010年に名古屋で採択され、その名前が入っている補足議定書なので、早期に承認することを期待したい。できれば補足議定書を発効させる40番目の承認国となれないか、などというのはあまり詳しい状況を知らないものの言う戯言だろうか。
Posted by 寺島紘士 at 23:16
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コメント
先生、お久しぶりです。
公海のガバナンスに参加していた経済産業省の谷です。
名古屋クアラルンプール議定書ですご、先の国会で批准を採択し、すでに批准書を送付しています。
40か国目だと良いですね。名古屋の名前が付いてる議定書ですし、
Posted by:谷 経済産業省  at 2017年10月14日(Sat) 09:45

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