『サンゴ礁からの警鐘』一読のお奨め [2017年05月13日(Sat)]
5月12日、朝日新聞記者の山本智之さんから、講談社ブルーバックス電子版 『サンゴ礁からの警鐘』(全5回)の掲載が完結した、というお知らせメールをいただいた。
ご存知の方も多いと思うが、山本さんは、実際に現場に足を運び、あるいは海に潜っての取材に基づいて、「海と環境」に関する諸問題を科学記者の目を通してきちんと取り上げて社会に発信しており、その記事はいつも大変参考になる。 昨年初めにも『海洋大異変 日本の魚食文化に迫る危機』(朝日選書)を出版しており、その時も、本ブログ(2016年4月15日)で紹介させていただいた。 さて、今回の山本さんの『サンゴ礁からの警鐘』は、次のような構成になっている。 第1回「海の生物多様性」が危ない http://bluebacks.kodansha.co.jp/serial/3/1/ 第2回 サンゴ−体内に「植物」が同居する不思議な生き物 http://bluebacks.kodansha.co.jp/serial/3/2/ 第3回「幼生」に迫る危機 http://bluebacks.kodansha.co.jp/serial/3/3/ 第4回 大量発生する天敵、蔓延する致死性感染症 http://bluebacks.kodansha.co.jp/serial/3/4/ 第5回 北へ逃げるサンゴ−「絶滅」リスクとの攻防 http://bluebacks.kodansha.co.jp/serial/3/5/ 山本さんは、出だしの第1回で、国内最大で生物多様性の宝庫である石西礁湖に焦点を当て、2016年10-11月にはそのサンゴの9割強が白化し、7割が死滅した状況を写真付きで取り上げ、サンゴの白化は30度を超す高い海水温が引き金になっている、というところから考察を進めて行く。 折から、私も今回のサンゴの大規模白化現象やサンゴ礁生態系の保全ついて関心を持って見ていたので(本ブログ5月4日、5月6日等参照)、早速『サンゴ礁からの警鐘』を第1回から第5回まで、一気に読み進んだ。 今回の『サンゴ礁からの警鐘』も、ポイントをついた記述と海中の状態等を示す写真・図表が一体となってわかり易く良くまとまっており、大変参考になった。 海洋に関心のある皆様にも是非一読をお奨めしたい。 |
Posted by
寺島紘士
at 23:33