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10月中旬の海洋政策関係会議等 [2018年10月19日(Fri)]
10月中旬になると気温も下がって、秋が深まってきた。通勤途中に通る小学校の庭の柿の木の実が赤く色づいてきた。
181019KakiIMG_1421.JPG

10月中旬は、オーシャン・ニューズレターの編集委員会、日本工学アカデミー「海洋研究の戦略的推進」プログラム会合、「佐々木生治氏の海洋立国推進功労者表彰を祝う会」、海保クラブ中央総会等の会議等が金曜日に集中して重なり、それらの一部は欠席せざるを得なかったのが残念。他方、それ以外の日は特に会議等がなかったので、懸案となっている海洋ガバナンスに関するこれまでの取組のまとめに取り組んだ。

10月中旬の私が直接関係した海洋政策関係の会議、意見交換等は次の通り。

10月12日(金)
〇「第32回ニューズレター編集委員会(エディトリアルボード)」(笹川平和財団海洋政策研究所)出席
議事:
1. Ocean Newsletterの発行状況及び今後の編集方針について
2. その他

○「第216回ニューズレター編集会議」出席

〇日本工学アカデミー(EAJ)政策提言プロジェクト「海洋研究の戦略的推進」プログラム第4回会合(ニューズレター編集委員会と重なり、残念ながら欠席)


10月19日(金)
〇長年にわたるマラッカ・シンガポール海峡の航行安全の確保に関する技術指導で第11回海洋立国推進功労者表彰を受賞した(公財)マラッカ海峡協議会技術アドバイザーの「佐々木生治氏の海洋立国推進功労者表彰を祝う会」出席

〇平成30年度海保クラブ中央総会及び懇親会(都合により残念ながら欠席)
Posted by 寺島紘士 at 23:55
プラスチック除去とマイクロプラスチック探知に関する産業界のリーダーシップ [2018年10月18日(Thu)]
産業界の立場から海洋問題に積極的に取り組んでいるWorld Ocean Council (WOC:世界海洋評議会)が、香港で11月14-16日に第6回「持続可能な海洋サミット(Sustainable Ocean Summit: SOS)」を開催することは、3月4日及び8月6日の本ブログでも紹介した。(WOCについては本ブログ2017年8月29日等も参照)

そのSOS 2018開催が2か月後の迫っていることから、このところWOCから会議への参加勧誘を兼ねてSOS 2018で開催するセッションに関するニュースが次々と送られてくる。

昨日は、「SOS 2018 Session Spotlight – Industry Leadership on Plastics Removal and MicroPlastic Detection」という件名のメールがWOCから送られてきた。

タイトルの「プラスチック」という文字に目が引き寄せられて覗いてみると、そこには11月15日に開催される下記のセッションが紹介されていた。

「海洋と島嶼地域からのプラスチック・廃物の除去及びマイクロプラスチック探知:海事産業の経験、イノべーション及び実際的解決策」(英文名:Plastics/Waste Removal from Ocean and Island Areas and MicroPlastic Detection: Maritime Industry Experience, Innovation and Practical Solutions)

このセッションの紹介文の概要は、次の通り。

“プラスチックその他の海洋ごみは深刻な海洋汚染の問題となった。

幸にも、すでに率先して海洋をきれいにする実際的な解決策の実践に取り組んでいるリーダーシップ・カンパニーが増加しているとともに、イノベーターが産業主導の努力を加速する新しい可能性を探っている。

船舶は、岸近くの海洋ごみを清掃するよう設計され、いくつかの沿岸では長年活発に活動してきている。これらのオペレーションは、増大するプラスチックの波を取り去るために評価され、複写され、改良される必要がある。また、プラスチックその他のゴミがまず水に到達するのを防ぐために島嶼や群島地域から固形廃物を収集する産業イニシアチブも行われている。新しい清掃装置、改装船舶及び目的建造船舶(purpose-built vessels)が海事産業イノベーターの手により出現している。

最も広がりやすい、そして実証して取り除くことが難しい、状況のプラスチック汚染はマイクロプラスチックである。マイクロプラスチックの分布とおびただしさに関するデータは非常限られている。マイクロプラスチックに関する拡散しているデータを収集する最も費用対効果のよい方法のひとつが海を往復する商売目的の船舶(9万隻の商船及び3-4百万隻の漁船)にセンサーを付けることである。
WOC”SMART Ocean-SMART Industries”プログラムは、会社が水質の状態に関するデータを収集することのできる器械パッケージをホストするように働いている。

このセッションでは、海をきれいにするために既に進められている実際的解決策を開発し実施した海事産業の経験、また、リーダーシップ・カンパニーがこの拡大する問題の解決策の一部であり続けることを可能にするキー・イノベーションを持ち寄り、プラスチック・海洋ごみの清掃への船舶の使用や、島嶼及び沿岸地域からの除去を促進することによる海洋からのプラスチックその他の廃物の除去への海洋産業の支援について議論する。”

このようにこのセッションでは、いま世界の注目を集めている海洋プラスチック問題に対して産業界として前向きに取り組もうとしており、その議論の行方が注目される。

なお、WOCからは、今日もまた「「SOS2018 Session Spotlight – SMART Ocean – SMART Industries and the Arctic」という件名の、北極海の安全と責任ある北極開発を支えるデータの収集のための産業-科学間のコラボレーションの前進を図るセッションを紹介するメールが送られてきた。このセッションも中々面白そうである。

SOS2018に関心のある方は、下記のウェブサイトでそのプログラムを覗いてみてださい。
https://sustainableoceansummit.org/program-2018/
Posted by 寺島紘士 at 21:30
「総合海洋政策本部参与会議(第43回)」開催 [2018年10月16日(Tue)]
総合海洋政策本部の参与会議が開催されたことを聞いたので、総合海洋政策本部のホームページで、10月9日(火)に開催された第43回参与会議の議事次第と資料を覘いてみた。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/sanyo/dai43/43index.html

それによると、7月の第42回参与会議の審議に引き続いて、今回は、@第3期海洋基本計画に基づく工程表について、APT、スタディグループの設置について、の2つ事項をメインにして審議したようである。

公表されている資料で見てみると、

工程表については、
「PDCAサイクルを活用した工程管理について」において、参与会議、総合海洋政策推進事務局及び関係府省の3者が海洋基本計画の下でどのように相互に連携協働して取り組むかを示した「平成30年度における海洋施策(373項目)にかかる工程管理」、「平成30年度における施策群を単位とした「工程表」の作成」、「通年ベースでの工程管理の年間(年度)スケジュール」の表が示されるとともに、「工程表の作成に当たっての編集方針について(案)」が示され、第3期海洋基本計画第3部の「共通の目標・目的を持った施策のまとまり(施策群)を単位として工程表を策定する」という記述を受けて43項目の施策群を設定するとしている。
しかし、「施策群、目標及び指標」「第3期海洋基本計画に基づく工程表」は「完成後に公表」としていてその具体的内容はまだ公表されていない。

PT、スタディグループの設置については、
それぞれの目的(趣旨)、検討内容又は主要テーマ、構成員、スケジュール等が記載された「MDAの取組を活用した国境離島の状況把握等に関するPT(案)」、「北極政策プロジェクトチーム(PT)の進め方(案)」「海洋プラスチックごみ対策プロジェクトチーム(PT)の進め方(案)」「シーレーン沿岸国との海洋産業協力の深化に関する研究会の進め方(案)」「海洋科学技術に関する研究会の進め方(案)」が資料として公表されているので、これに添って活動が始まっているものと思われる。

これらについての詳細は、どうぞ総合海洋政策本部のホームページをご覧ください。なお、第43回参与会議には、参考資料として、「平成31年度海洋関連予算概算要求の概要」も添付されているので、関心のある方はそちらもご覧ください。

さて、7月から新たな任期がスタートした参与会議が、田中明彦座長のリードの下で、このように第3期海洋基本計画の着実な実施に向けて積極的に取り組んでいることを慶びたい。

田中座長、高島座長代理、参与の皆さん、第3期海洋基本計画の推進をどうぞよろしくお願いします。
Posted by 寺島紘士 at 23:33
秋の深まりと桂の葉 [2018年10月14日(Sun)]
今年の夏の酷暑のイメージがしばらく脳裏に残っていたが、ここ2日ほどは東京でも最高気温が20度に届かない日が続いて、秋の深まりを感じている。

秋が深まってくると、晩秋の東京の街を彩る黄葉がいつ見られるのか気になってくる。約60年前に大学進学で上京して東京の街を彩る明るい銀杏の黄葉に魅せられ、それ以来毎年、秋が深まる中で銀杏が黄葉するのを楽しみにしてきた。

実は、笹川平和財団ビルのある桜田通りの街路樹が銀杏なので、毎年その銀杏の黄葉の季節を楽しみにしていて、昨年はそのうちの一本の大きな銀杏(と思い込んでいた)の樹の黄葉の推移を10月末からのほぼTカ月にわたって楽しみ、それを2017年11月30日の本ブログで紹介した。

その大きな樹に着目したのは、その樹の葉が近辺の銀杏の葉より少し早く色づいて目立ったためで、落葉も他より早かったが、それはその樹の樹齢が高いためではないかと思っていた。

ところが、今年になってある時、昼食で外に出た帰り道にその樹の下を通って、上を見上げると樹の幹に「かつら」と名札がついているのを発見した。この樹は銀杏ではなくて桂だったのである。

しかし、その黄葉もなかなか美しく、銀杏の黄葉とのコンビネーションもなかなかものだった。

そこで、今年は、笹川平和財団ビルの10階の食堂の窓から眼下の桂の樹に注目して、若葉のころからの樹の葉の移り変わりを眺めて楽しんできた。

その主な推移は次の通り。(中央が桂、手前が銀杏)

<3月29日>
180329KatsuraIMG_0943.JPG

<4月19日>
180419KatsuraIMG_1029.JPG

<9月6日>
180906KatsuraIMG_1358.JPG

<10月12日>
181012KatsuraIMG_1419.JPG

最近の様子を見ると、もう少し経てば桂の樹の頂上が黄色くなり始めるのではないかと思われる。その日が来るのを期待しながら毎昼食堂の窓から眺めているこのごろである。
Posted by 寺島紘士 at 16:31
「違法・無規制・無報告(IUU)漁業に関する日EU共同セミナー」に出席 [2018年10月13日(Sat)]
10月10日(火)、駐日欧州連合代表部で「違法・無規制・無報告(IUU)漁業に関する日EU共同セミナー」が開催され、参加した。

昨年11月2日(木)には、駐日欧州連合代表部とザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)主催の日EUハイレベルセミナー「IUU漁業政策と水産業の振興」が開催された(本ブログ2017年11月3日参照)が、今回は、駐日欧州連合代表部と水産庁の共催である。

このセミナーは、国連食糧農業機関(FAO)の自主ガイドラインも踏まえ、IUU漁業を撲滅するためのEUと日本の取組みについて意見交換を行い、ベストプラクティスを共有するために開催された。

セミナーは、パトリシア・フロア次期駐日欧州連合大使及び江島潔参議院議員・自民党水産部会長の挨拶で始まった。

午前の部は、まず次のように日欧双方がそれぞれの水産政策・IUU漁業政策について講演を行った。

基調講演 水産庁企画課長 藤田仁司「日本の水産政策の改革について」
講演 水産庁国際課漁業交渉官 福田工「日本周辺におけるIUU漁業について」
講演 欧州委員会海事漁業局IUU漁業政策課長 ロベルト・チェザーリ「EUのIUU漁業政策−成功と課題」
講演 欧州漁業管理機関シニアオフィサー ペトラ・スパニオル「EUのIUU対策漁獲証明スキーム」((以上敬称略)

講演の後、日欧間、そして講演者とフロアとの間で質疑応答が行われ、活発なやりとりが行われた。

昼食後の、午後の部は、先ずパネルディスカッション「漁獲証明制度について」が行われた。
181010日EU共同セミナー.png

その顔ぶれは次の通り。
ファシリテーター:日刊みなと新聞記者 太田毅人
パネリスト:欧州委員会海事漁業局IUU漁業政策課長 ロベルト・チェザーリ/水産庁審議官 太田慎吾(Japan’s Efforts to Improve Trade Control)/欧州漁業管理機関シニアオフィサー ペトラ・スパニオル/スペイン農林水産省IUU対策本部長 マルタ・ロペス・ゴメス(EUのIUU規制の適用における加盟国家としての恩恵と課題)/東京大学助教 石原広恵(Promoting Traceability Through Certification Schemes)
(以上敬称略。カッコ内はプレゼンテーションのタイトル)

まずパネリストの方々がそれぞれの専門に応じて、全ての海域における全ての旗国の漁船、加工・未加工を問わず全ての水産物、そしてEU向け及びEUからの水産物のすべての取引を対象に漁獲証明書制度を用いて取り組んでいるEUの漁業政策、主として地域漁業管理機関を通じてトレーサビリティを高めてIUU漁業の取締りに取り組む日本の取組み、そして漁業だけでなく水産加工段階まで視野に入れた証明制度などについて発表し、そのあとディスカッションが行われた。

各パネリストが様々な角度からIUU漁業対策のトレーサビリティ、漁獲証明制度などについて発言し議論するのを聞いていて、EUが9年前から取り組んできた漁獲証明制度の意義やそれを実施していく上での課題や、日本が、目下水産政策の改革に取り組んでいる最中の現段階ではIUU漁業対策についてさらに踏みこんだ政策をはっきりと打ち出しにくい状況などがだんだんはっきりしてきた。

席上、チェザーリ氏が、より多くの国がIUU漁業について同じような対策をとること、そして、世界の水産物輸入国のトップ3であるEU、米国、日本が協力して取り組むことが重要であり、日本が漁獲証明制度を高めていくことを期待すると述べていたが、これがまさにEU側の今回の日EU共同セミナー開催の動機・期待であり、それに日本側が前向きに応じたことはそれなりにいい進展であると思った。

パネルディスカッション終了後、コーヒーブレイクをはさんで、今回の共同セミナー開催に協力したザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)の海洋政策ディレクターのマルタ・マレーロ氏が「IUU漁業規則:世界中から得た教訓」というタイトルで講演した。
同氏は、IUU漁業は、社会的・環境上・経済的・保安上の深刻な問題であるとして、これに関して欧州連合IUU漁業規則と米国の水産物輸入監視プログラムを取り上げて世界で学んだベストプラクティスと教訓を説明し、最後に、ガバナンス、透明性及び国際協力の強化の方策を具体的に述べて推奨した。

最後に長谷成人水産庁長官が閉会挨拶を述べてT日をフルに使った日EU共同セミナーは閉会となった。

目下水産業の改革に取り組んでいる日本に対して、EUの漁獲証明制度などの取組みがいい知見と刺激をもたらすことを期待したい。
Posted by 寺島紘士 at 00:47
10月上旬の海洋政策関係会議等 [2018年10月10日(Wed)]
10月上旬は、水産庁・駐日欧州連合代表部共催「IUU漁業に関する日EU共同セミナー」をはじめ様々なセミナー・フォーラム、研究会・勉強会・懇談会があり、また、日本海洋政策学会の大会実行委員会が開催されて第10回年次大会(12月7日(金)開催)の発表者が固まり、プログラムが確定するなど、充実した旬間となった。

10月上旬の私が直接関係した海洋政策関係の会議、意見交換等は次の通り。

10月2日(火)
〇笹川平和財団「日米同盟の在り方研究」プロジェクト 公開フォーラム「北朝鮮の非核化プロセスと米国の経験」参加
<パネリスト>
ロバート・アイホーン氏(Senior Fellow, Center for 21st Century Security and Intelligence, Arms Control and Proliferation Initiative, Brookings)
神保謙氏(慶応義塾大学総合政策学部教授)
稲田朋美氏(元防衛大臣、衆議院議員)
<モデレーター>
小原凡司氏(笹川平和財団上席研究員)

〇「2018年度第1回北極の未来に関する研究会」出席
議事次第
1. 今年度の研究会の進め方について
2. メンバーからの情報共有(官学民の8メンバーが報告)
3. その他

10月3日(水)
〇日本海洋政策学会「第10回年次大会第2回実行委員会」出席
・第10回年次大会の口頭及びポスター発表の審査
・第10回年次大会プログラムの確定 等

〇平和政策研究所「第6回ICUS懇談会」出席
発題「生物多様性の保全と持続可能な水産資源利用」
八木信行氏(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)

10月9日(火)
〇「黒潮会秋季例会」出席
○日本海洋政策学会「第3期海洋基本計画に関する勉強会」出席

10月10日(水)
○水産庁・駐日欧州連合代表部共催「違法・無報告・無規制(IUU)漁業に関する日EU共同セミナー(EU-JAPAN Joint Seminar on Illegal, Unregulated and Unreported (IUU) Fishing」参加
Posted by 寺島紘士 at 23:27
第2次竹富町海洋基本計画に思う [2018年10月08日(Mon)]
沖縄県竹富町が第11回海洋立国推進功労者表彰を受賞したことは、9月4日の本ブログで紹介した。竹富町に対する表彰状には、「貴町は地方公共団体として初となる竹富町海洋基本計画の策定を通じ海洋立国日本の推進に著しい功績をおさめられました」と記されている。

16の島々からなる竹富町が、海洋基本法の制定にいち早く対応して、2011年3月にわが国自治体として最初に海洋基本計画を制定し、海洋の諸問題に積極的に取り組んできたことは、本ブログでもたびたび取り上げてきた。(本ブログ2016年6月14日、2013年1月4日、2011年2月15日、2010年8月27日等参照)

それが認められて海洋立国推進功労者として内閣総理大臣表彰を受賞したことは、大変嬉しいことである。

竹富町は、2011年3月にわが国自治体として最初に海洋基本計画を制定し、竹富町海洋基本計画に基づき海洋環境保全、離島苦の克服等に取り組んで成果を着実にあげてきたが、さらに、新石垣空港の開港等に伴う観光客の増加、西表島の世界自然遺産登録への動向、日本最大のサンゴ礁である石西礁湖の環境変化、周辺海域で高まる緊張などの情勢変化に対応して、この6月に第2次竹富町海洋基本計画を策定した。

それを見てみると、5月に策定された国の第3期海洋基本計画をも踏まえて、理念、5つの主要テーマと21の施策項目を定める施策体系、実現手法、評価と進捗管理、そして、21の施策項目について、それぞれ対象とする地域、現状と課題、実施項目、達成目標等を定めている。なかなか立派な海洋基本計画なので、もうすでにご存じの方も多いと思うが、あらためてここで取り上げてみたい。

第2次竹富町海洋基本計画は、「美ら海とともに生きる町・新たな発展と海洋立国への貢献」を理念に掲げ、その下で主要テーマとして次の5つを掲げている。

1.亜熱帯海域と島々の大自然及び豊かな生物多様性を育む貴重な生態系を保全する。
2.島々の離島苦を克服し、災害に強い安全・安心な生活環境を実現する。
3.海洋および島々の資源と特性を活かした産業振興を推進する。
4.町民が守り、育む伝統文化や景観を次世代に継承する。
5.国境離島地域の保全と振興を推進する。

これら5つの主要テーマに即して、現在竹富町が抱える課題解決を図る21の活動が施策項目として定められており、それらは次のとおり。

主要テーマ1:@サンゴ礁及び島々の自然環境保全・適正利用の推進、Aサンゴ礁及び島々の自然環境保全のための自主財源創出、C海岸漂着等ごみ対策制度の制定と利活用の推進、B、D(略)
主要テーマ2:E生物多様性に配慮した防風林整備の推進、F安全で多様な離島交通網(空・海・陸路)の構築と整備の推進、G島々の光通信等情報通信インフラの整備と活用の推進、H島々の医療・福祉環境の充実、I島々の教育環境の充実、J、K(略)
主要テーマ3:L沿岸域の海底資源の有効活用の推進、M海洋深層水及び地下水の有効活用の推進、N増養殖を主体とする漁業の振興と担い手の育成、O,P(略)
主要テーマ4:Q海洋と島々の自然及び歴史・文化研究体制の構築と推進、R海洋と島々の歴史・文化遺産の保全と活用
主要テーマ5:S有人国境離島地域の振興、㉑無人国境離島の自然環境保護と適正利活用

これらの施策項目ごとに、それぞれ対象とする地域、現状と課題、実施項目、第2次計画期間における具体的目標、及び第2次計画期間後の将来において目指す目標等を示している。各施策の実施項目には、具体的に何を実施するかが、2−7項目づつ明示されており、第2次計画がかなりきちんと議論されて作成されたことが窺われる。
詳しくは、どうぞ下記の竹富町のホームページでご覧ください。
https://www.town.taketomi.lg.jp/topics/1534306354/ 

施策項目の2番目に掲げられている、「Aサンゴ礁及び島々の自然環境保全のための自主財源創出」の4つの実施項目のうちの一つに「サンゴ礁海域の地方交付税算定対象導入にかかわる活動の継続」があるのを見て、竹富町の人たちの粘り強い取り組みに敬服した。これは、最初の竹富町海洋基本計画でサンゴ礁海域を竹富町の町域に編入して地方交付税算定対象にすることを掲げて取り組んできたがまだ実現していない問題への再挑戦である。

私は、本ブログでもたびたび取り上げて提案してきた(2017年5月6日等)ように、これは、海洋基本法の基本的施策の一つである「沿岸域の総合的管理」(海洋基本法第25条)に照らして、前向きに検討して実現を図るべきではないかと考えている。海洋政策に関係する皆さんのご理解とその実現に向けた協働をお願いしたい。

最後に、第2次竹富町海洋基本計画の策定に取り組んだ委員会の委員の方々を見てみると、土屋誠さん(委員長、琉球大学名誉教授)、上妻毅さん(副委員長、(一社)ニューパブリックワークス代表理事)、古川恵太さん(海洋政策研究所研究調査部長)など、存じ上げている方々の名前がならんでおり、この海洋基本計画が質の高いものであることが頷ける。委員の皆様、竹富町の皆様、ご苦労様でした。引き続き、計画の着実な実施に向けてご健闘をお祈りします。
Posted by 寺島紘士 at 22:18
第4次安倍改造内閣の海洋政策担当副大臣・大臣政務官 [2018年10月06日(Sat)]
10月2日に発足した第4次安倍改造内閣で、海洋政策担当副大臣及び大臣政務官が誰になるのか注目していたところ、10月4日に閣議決定され、菅官房長官から発表された。

しかし、首相官邸ホームページに掲載された名簿を見ても、内閣府副大臣及び大臣政務官は複数いて誰が海洋政策担当なのかわからない。

一瞬どうしようかと迷ったが、海洋政策ホームページが内閣府ホームページの中にあることを思い出して内閣府ホームページで内閣府副大臣と大臣政務官の所掌事務を探してみた。

すると、なんと菅官房長官のほかに内閣府特命担当大臣が9人もいて、それらの大臣と副大臣及び大臣政務官の担当分野が掲載されている表を見つけた。
http://www.cao.go.jp/minister/doc/20181004tanmu.pdf

それによると、左藤章副大臣と安藤裕大臣政務官が、総合海洋政策推進及び総合海洋政策本部の担当である。

左藤章副大臣は、大阪2区選出で、防衛副大臣、内閣府副大臣、防衛大臣政務官、党国会対策副委員長などを歴任されている。

その党の役職の中には、宇宙・海洋開発特別委員会副委員長、領土に関する特命委員会副委員長などもあるので、海洋にも知見をお持ちの方とお見受けする。

安藤裕大臣政務官は、京都6区の選出で、復興大臣政務官を兼ねている。

左藤章副大臣、安藤裕大臣政務官、様々な分野を担当しておられてお忙しいことと思いますが、昨今の内外の状況に鑑みれば、総合海洋政策推進はわが国にとって大変重要な政策課題ですのでどうぞよろしくお願いします。
Posted by 寺島紘士 at 19:48
この夏の北極海北航路の通航量が記録的に増加 [2018年10月05日(Fri)]
日本海難防止協会ロンドン研究室から送られてくるLRO ニュース(日本財団支援)が、世界の海事・海洋関係の重要な動きを伝えてくれることは、本ブログでもたびたびお伝えしてきた。(本ブログ2010年6月14日、…、2018年3月3日、3月19日、3月29日、6月8日、7月24日、8月23日等参照)

LROニュースでは北極海に関するニュースもよく取り上げられるが、10月3日のLROニュースには「この夏の北極海北航路の通航量が記録的に増加」というタイトルで、2018年1月から8月までの北極海北航路の船舶運航実績は対前年比80%と急増しているというニュースが報じられていて目を惹きつけられた。

これには北極海沿岸の石油ガス資源の運送量の増加ばかりでなく、特に夏季における一般貨物船・クルーズ船の運航の増加に加えて、今年から史上初めてコンテナ船の運航が開始されたことも貢献している、とのこと。ヤマルLNG事業では、5隻の新造LNG運搬船を利用して欧州市場との間を34回シャトル輸送して2018年上半期に250万トン以上のLNGを輸送した、という。

9月27日のLROニュースは、「北極海で最も堅固とされていた海氷が史上初めて消滅」というタイトルで、北極の温暖化が進んでも最後まで海が氷結しているとみなされてきたグリーンランド北部海域の氷が風に流されて海岸から沖に流され、崩壊を始めた、と伝えており、船舶運航実績の増加の背景にはこのような自然環境の変化がある。

北極海の温暖化による氷の減少が、北極海を普通の海として利用することの可能性を広げているが、北極海の利用は、その増加が地球環境にどのような影響を与えるかを慎重に見定めながら進める必要があるということもこの際併せて確認しておきたい。
Posted by 寺島紘士 at 23:47
G7ハリファックス環境・海洋・エネルギー大臣会合の結果概要 [2018年10月04日(Thu)]
先日、本ブログで、カナダのハリファックスで開催された「G7環境・エネルギー・海洋大臣会合」(9月19―21日、)における「G7環境・海洋・エネルギー大臣共同会合」の概要についてG7議長国カナダのニュース・レリースに基づいて紹介した。(本ブログ9月23日参照)

そして、最後に「今回の会議には、日本からも官民の関係者が参加しているので、いずれ実際に参加した方々からもっと具体的な報告があると思われる」と記した。
しかし、その時にはこの会議に、当海洋政策研究所から塩入同研究員が参加している以外に、日本から具体的に誰が参加しているかは承知していなかった。

ところが、一昨日の「2018年度第1回北極の未来に関する研究会」で総合海洋政策推進事務局の重田雅史局長に会ったとき、重田さんが、G7閣僚会議に行ってきたので忙しかったと言うのを聞いて驚き、かつ喜んだ。というのは、この共同会合が掲げる『健康な海洋と強靭な沿岸コミュニティ』という大きなテーマにわが国ではどこが中心になって取り組んでいるのだろうと思っていたからである。

今回のG7大臣会合に中川環境大臣とともに内閣府総合海洋政策推進事務局の重田局長が出席したことは、海洋のガバナンスに対する政府の取組がようやく本格的になってきたことを示すものであり、海洋基本法を制定して海洋の総合的管理と持続可能な開発利用の取組みを推進してきた私としては大変うれしい。

さらに調べてみると、内閣府ホームページの「海洋政策」に、「G7ハリファックス環境・海洋・エネルギー大臣会合の結果概要」という見出しで、9月20日に開催された「海洋に関する環境・海洋・エネルギー大臣による共同会合」の概要が掲載されているのをみつけた。

議題1 プラスチック及び海洋ごみ/議題2 持続可能な海洋及び漁業/議題3 強靭な沿岸域及びコミュニティの3つの議題について、会議の概要と中川大臣、重田局長等の発言等が簡潔に記載されており、さらにこの共同会合の議長総括概要の日本語仮訳が添付されている。

さらに、この結果概要には、19日午後のラウンドテーブルに重田局長が出席して、第3期海洋基本計画に示すわが国の海洋状況把握(MDA)に関する取組については発言したこと、本会合のサイドイベント「オーシャン・パートナーシップ・サミット」に海洋研究開発機構の白山義久特任理事、及び海洋政策研究所の塩入同研究員が出席して、議論等に貢献したことも記載されている。

重田さん、G7大臣会合への積極的参加と日本の取組みの発信どうもありがとうございました。

今回この共同会合で取り上げられた3つ議題は、いずれも、目下、世界各国が連携協働して取り組んでいる重要な海洋政策の課題であり、この「G7ハリファックス環境・海洋・エネルギー大臣会合の結果概要」は、大変参考になる。関心のある方はどうぞ下記の内閣府ホームページの「海洋政策」で結果概要を覗いてみてください。
http://www8.cao.go.jp/ocean/
Posted by 寺島紘士 at 23:50
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