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八重原のお盆 [2018年08月14日(Tue)]
八重原はまだ不安定な天気が続いている。

迎え盆の昨日(13日)も、お墓にお盆様を迎えに行って家に帰ってくるまでは幸い雨は降らなかったが、暗くなるころから雨が降り出し、一時はかなり強く降った。

そして、今日(14日)も、変化に富んだ一日だった。

朝から陽が射し、午前中は雲もあったが、昼近くなると青空が広がり、北側の浅間連山の上に入道雲が高く立ち上がってきた。
180814入道雲IMG_1274.JPG

日中は陽射しが強く気温が上がって外はきついので、暑い陽射しを避けて家の中で過ごした。

暑さが収まった午後4時頃から前栽に出て収穫が遅れていて懸案だったジャガイモ掘りを孫たちとした。今年は、素人の栽培としてはまあまあの収穫だろうか。

そのあと過熟気味のミニトマトの実を摘み、また、一本だけ稔るのが遅いブルーベリーの木の実がようやく熟してきたので紫色になった実を少し収穫した。

それらの作業をしているうちにだんだん雲行きが怪しくなり、遠くで雷鳴がしてきて、やがて雨粒が感じられるようになった。上空を眺めると今にも振り出しそうな雨雲が広がっている。

そこで、急いで作業を切り上げ、採掘したジャガイモについている土を外水道で洗い流して家に入った。
180812potatoesIMG_1265.JPG

     <水洗いしたポテト(一部)>

そして、ひと汗流そうと入浴しているうちに、早や雨が降り出した。すぐに雨足が強くなり、雷鳴がとどろいて強い夕立となった。急いで、家中の開けていた窓を閉めて回ったが、強い雨はかなり続き、峠を過ぎてからも止むまで時間がかかった。

今日、8月14日は、この辺りでは毎年、あちこちでお盆の花火大会が行われるが、この様子では今年は開催されるだろうかとちょっと心配した。

しかし幸いにも、雨は午後7時ごろまでに収まり、7時半を過ぎると夜空に響く花火の音が聞こえてきたので、白樺池のほとりで出て、暗い夜空を背景に遠く近くで打ち上げられて鮮やかに夜空を彩る花火を家族と見物した。毎年見ているお盆の花火を今年も見ることができて幸せだった。
Posted by 寺島紘士 at 23:54
8月中旬の八重原 [2018年08月12日(Sun)]
今年の夏の八重原は、天気が不安定である。

12日(日)は、朝、陽が射し、すぐに雲が出てきて陽射しが遮られ、午後になると、はじめはいまにも雨が降りそうな黒雲が空を覆ったが、雨は降らずに、また青空が出てきて入道雲が立ち上った。
暗くなって、今日は結局雨もなくて良かったと思って、家中の窓を開けて涼しい外気を室内に取り入れてしばらくのんびりしていると、なんと、雨音を立ててすごい土砂降りがやってきたので慌てて家中の窓を閉めて回った。しかしそれもあまり続かないで収まったようである。

前回、7月中旬に来た時には、前栽の野菜もまだ勢いがあったが、今度来てみると、あまりいい状態ではない。ジャガイモの葉が枯れてすっかり姿を消してしまっているのは自然な推移だが、夏に強いはずのミニトマトも日照りが続いたせいか枯葉が目立ち生気がない。雨不足の影響なのか実も小さいのが多く、中には枯れた葉の近くで小さいまま乾いている実もある。
180811TomatoesIMG_1256.JPG

それでもたくさん実をつけてはいるので良さそうな実を選んで摘んでいる。それなりの味がして食べるのが楽しみである。

また、前回来た時には、鳥、蝶などを家の周りの空や目の前の庭や林で沢山見かけて、鳴き声も楽しんだが、今回は、あまり見かけず、替わって蝉が大活躍している。

ジージー、ミーンミン、ツクツク、… …、朝から夜まで家の周りでセミの鳴き声が響き渡っている。そして、茶色や透明の羽のセミが目の前の林の中を飛び回っている。

セミは、その人生の大半を地中で過ごし、地上に出てきてわずかひと夏をすごして人生を終える、と聞いているが、そう思うと、セミの真剣さが伝わってくるような一心不乱な鳴き方である。
Posted by 寺島紘士 at 23:22
豪雨の中を八重原へ [2018年08月11日(Sat)]
10日(金)の夜に東京を発って八重原にやってきた。

夜8時前に東京を発って八重原に向かった。車の数は多かったがそこそこのスピードで流れていてあまり渋滞もなかった。お盆前の金曜日にしてはスムーズな道中にホッとしながら運転していくうちに前方の夜空に時々稲光がするようになった。

そして、上信越道に入ってしばらく行くと、雨が強く降りだした。さらに行くと、突然雷鳴がとどろき、滝のような雨が車のフロントガラスを打ち、前方が見えなくなった。周囲の車もみんなハザードランプをつけて減速した。

それからは、雷鳴がとどろき、稲妻が走り、時々閃光が垂直に夜空をくっきりと切り裂く豪雨の中を、必死になって車を走らせた。こんな経験は初めてである。

緊張した運転を強いられ続けた末にようやく碓氷トンネルまでたどり着き、この時ばかりは、外の悪天候から遮断されたトンネルの中の平穏な空間を走るありがたさを噛みしめた。

碓氷トンネンルを越えて信州に入れば豪雨も一段落するのでは…という期待もむなしく、トンネルを抜けて信州に入っても雷鳴は遠のいたが豪雨は続き、高速道路を降りて千曲川を渡り、八重原の台地に登ってきてもすごい降りである。これでは、わが家についても家に入るまでにずぶ濡れになってしまう、荷物の積み下ろしなどとんでもない、どうしよう、と思いながら我が家のある白水平に登ってきた。

すると、なんと、わが家に着くころになって、雨が急に弱まり、しばらくの間ほとんど小止みに近い状態となった。傘もささずに荷物を降ろして家に入れ、水道を開栓することができて本当に助かった。

家に入って荷物の整理をして、ほっとしながら窓を開けて外気を入れるかどうか迷っているうちにまた雨音がしだして、しばらくするとまた土砂降りの豪雨が襲ってきた。つかの間の雨の切れ目に八重原のわが家に到着したこの幸運に感謝である。神様、仏様、どうもありがとうございました。

一夜明けて11日は、朝は太陽がちょっと顔を出したがすぐ曇ってきて、北側の浅間連山も午前中は厚い雲の中にスッポリ隠れていたが、午後には青空がひろがり、入道雲が立ち上がる夏空となった。
180811AsamarenzanIMG_1262.JPG

Posted by 寺島紘士 at 23:45
「深海デブリデータベース」に注目 [2018年08月09日(Thu)]
海洋政策研究所では、海洋情報の発信の一環としてOcean Newsletterを、2000年7月20日以来、毎月5日と20日の2回発行してきている。
https://www.spf.org/opri-j/projects/information/newsletter/ 参照

これは、海洋の重要性を広く認識していただくため、Ocean Newsletterで様々な海洋に関する取組みを取り上げ発信し、海洋に関する総合的な議論を促進するためである。
(本ブログ2009.8.31、2013.7.22、2015.7.18等も参照ください。)

さて、今回は、8月5日発行のOcean Newsletter No.432に掲載された「海底に沈むごみの映像や画像で人類が及ぼす深海の姿を見る」というオピニオンを取り上げてみたい。
https://www.spf.org/opri-j/projects/information/newsletter/latest/index.html

このオピニオンは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)国際海洋環境情報センター(GODAC)の研究情報公開グループの齋藤秀亮グループリーダーに執筆いただいたものである。

海洋研究開発機構(JAMSTEC)国際海洋環境情報センター(GODAC)は、2017年4月から、現在、世界的に海洋ゴミが問題視されていることを背景とした深海に堆積するごみの実態把握や教育現場等での海洋環境問題へのリテラシー向上を目的として、「深海デブリデータベース」をインターネットに公開している。
http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/dsdebris/j/

このデータベースには、JAMSTECの潜水調査船や無人探査機での潜航調査によって、1982年から30年以上、北西太平洋を中心に撮影された深海映像や画像に映っているデブリ(ごみ)の情報がアーカイブされている 。

深海データベースの分類情報を覗いてみると、全部で2314のデータをデブリの内容別に分類すると、プラスチック737(ペットボトル23、ポリ袋626、その他のプラスチック103)、ガラス49、ゴム58、金属369、自然由来269、布・紙・材木43、その他の人工物(ロープ47、漁具56、土嚢袋11)、不明なゴミ133とある。

齋藤さんは、深海ゴミのデータベースで、ユーザーは、ごみの種類や映像・画像の撮影日、撮影深度などの情報が一覧でき、また、地図から、深海の映像・画像を見ることができる他、海底の底質やごみとともに観察された深海生物の分類情報も得られる等、データベースの説明から論を始めている。そして、海に沈んだゴミの数々を紹介し、水深約6280m付近の亀裂の底で半分以上堆積物に埋もれて見つかったマネキンの頭部にも言及している。

その上で、データベース上で判別できる人工物のゴミのうち数の多いプラスチックに焦点を当てて「海洋プラスチック汚染の問題」を取り上げている。
毎年少なくとも800万トンのプラスチックが海に流出し、2050年までにプラスチックの重量が魚の量を上回るという予測などを紹介しながら、プラスチック問題の深刻な状況を述べ、最後に次のように結んでいる。

「データベースによる情報の蓄積やその解析によるプラスチックごみの正確な分布、そして、プラスチックの偶発的な摂取・絡み付きによるダメージや、食物網を通じたマイクロプラスチックの高次栄養段階の動物への移動などが海洋生態系に与える影響の評価をきちんと示し、海の持続的利活用を考えなければならない。」

私たちは、海の中、特に深海で起こっていることは普段目にすることができない。海洋研究開発機構(JAMSTEC)の国際海洋環境情報センター(GODAC)が、深海デブリデータベースを公開したことは、大変重要であり、感謝したい。

斉藤さんのオピニオン寄稿に感謝し、深海デブリデータベースが、海洋プラスチック汚染の問題をはじめとする海洋の問題の理解及び対処や海洋の教育・理解増進に活用されていくことを期待したい。
Posted by 寺島紘士 at 23:53
立秋に想う [2018年08月07日(Tue)]
今日は旧暦では、立秋、秋の気配が感じられる日である。昨日までの猛暑の中で立秋と聞いても全然ピンと来なかったが、なんと、今日の東京の日中の気温は22度ぐらいと低く、地下鉄の中では、エアコンが効きすぎて寒かった。予報では、8日から9日にかけて強い台風13号が関東地方に接近し、上陸の恐れもあると報じているが、気温は、明日も20度台の半ばであまり上がらないようである。

今年の夏は、猛暑で新記録が出るほど暑いのに、暦の上で「立秋」となると、急に気温が下がって「秋の気配が感じられる」ようになるのは、何か奇妙な感じがする。まるで天気の神様が、旧暦の24節季に気を使って、急いで気温を下げたのではないかと思いたくなる。

そう言えば今年は、7月7日の小暑(暑気に入り梅雨のあけるころ)のとき、7月23日の大暑(夏の暑さが最も極まるころ)のときも、その日の天気と24節季の暦がよく合致しているように感じた。

24節季で立秋の次は、8月23日の処暑(暑さがおさまるころ)である。目前の台風13号の進路も気になるが、この夏の暑さがどうなっていくのか、処暑の8月23日には果たして暑さはおさまるのか、24節季の処暑に対する天気の神様の気配りが気になってきた。
Posted by 寺島紘士 at 23:17
笹川平和財団、国連経済社会理事会のNGO協議資格(特別)取得 [2018年08月06日(Mon)]
この夏の猛暑に閉口しているときにグッド・ニュースが国連から届いた。

海洋政策研究所は、前身のシップ・アンド・オーシャン財団(通称:海洋政策研究財団)時代の2008年に、国連経済社会理事会(ECOSOC)のNGO協議資格を取得(本ブログ2008年6月30日参照)して、以後それに基づき国連の海洋・海洋法非公式協議プロセス(UNICPOLOS)、リオ+20(2012年)、SIDS 2014(2014年)、「国連 国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)準備委員会」(2016−2017年)、国連海洋会議(2017年)などの国連の海洋関係の会議で活動してきている。

地球表面の7割をカバーする海洋の問題は、相互に密接な関係を有しており、国連NGO協議資格は、国際的な場で海洋政策に関するシンク&ドゥ・タンク活動を行うのには重要な資格である。

2015年4月に、海洋政策研究財団と笹川平和財団が合併して、海洋政策研究財団は、笹川平和財団海洋政策研究所となったので、海洋政策研究所は、ECOSOCに対してNGO協議資格のReclassification (再分類)の申請手続きを進めていた。(本ブログ2016年5月29日参照)

即ち、海洋政策研究財団は、海洋に関する分野の会議に参加し、議題提案まではできないが、会議で発言し、ス テートメントを配布できる「特別(Special)」資格を有しており、他方、旧笹川平和財団は、会議には出席できるが発言はできない「ロースター(Roster)」資格を持っていたので、合併後、双方を包含する新笹川平和財団としてのNGO協議資格を申請していたのである。

これに対して、国連経済社会理事会(ECOSOC)が、合併した笹川平和財団に特別協議資格を与えることを7月24日に決定したという国連経済社会部からの通知(8月1日付)が届いたのである。

これにより、海洋政策研究所が、これからは「笹川平和財団」としての特別協議資格を用いて、海洋関係の国際会議に参加できることとなった(それまでは旧名「シップ・アンド・オーシャン財団」で参加)。さらにそれだけでなく、笹川平和財団が特別協議資格を取得したので、これからは財団の他の部門も国連関係の様々な会議に特別協議資格で参加することが出来るようになった。これは、笹川平和財団全体にとってグッド・ニュースだと思う。

この際、皆さんにECOSOCのNGO協議資格について簡単に紹介すると、

国連憲章は、「国連経済社会理事会(ECOSOC)は、その権限内にある事項に関係のある非政府組織(NGO)と協議するために、適当な取極を行うことができる。」(第71条)と定めており、これに基づき、ECOSOCは、1946年から様々な組織・団体にNGO協議資格を認めてきている。

そのNGO協議資格には次の3種類ある。@ECOSOCの広範な分野で活動しているNGOに認める、会議で議題提案までできる「総合(General)」資格、A特定の分野で活動しているNGOに対する、議題提案はできないが、会議で発言し、ス テートメントを配布できる「特別(Special)」資格、B会議に出席できるが発言できない「ロースター(Roster)」資格である。

笹川平和財団の各部門がそれぞれの分野で国連NGO特別協議資格を活かして活動するようになれば、笹川平和財団の国連関係の会議における発言力が高まり、やがては、笹川平和財団が、国連NGO協議資格のうちの「総合(General)」資格を取得して国際的な場で活動する日が来るかもしれない、と考えるのは私の少し先走った期待だろうか。

いずれにせよ、夏の暑さを吹き飛ばす朗報ではある。

2015年の財団合併以降、本件についての財団側の窓口となって国連経済社会部と折衝してきて、今日の朗報取得に貢献した前川美湖主任研究員の尽力に感謝したい。
Posted by 寺島紘士 at 23:24
水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化 [2018年08月04日(Sat)]
5月に閣議決定された第3期海洋基本計画は、370項目にも及ぶ政府が総合的、計画的に講ずべき海洋施策を定めている。

その中でも注目されている施策のひとつに「水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化」がある。(海洋基本計画第2部 2. 海洋の産業利用の促進(4))

これに関して、最近大きな前進があったようである。

水産庁のホームページを見ると、6月1日に、総理を本部長とする政府の「農林水産業・地域の活力創造本部」が、「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改訂して、水産政策改革の具体的な内容をその中に位置づけた、とある。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/kaikaku/suisankaikaku.html

そこで、「農林水産業・地域の活力創造プラン」6月1日改訂版を覗いてみると、「水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化」の項が設けられていて、魚貝類生産量、国産水産物輸出額等の<目標>が掲げられるとともに、<展開する施策>として、@水産業の持続的発展のための資源管理、各地の浜における生産体制強化・構造改革の推進、Aマーケットインの発想による生産から加工・流通、販売・輸出の各段階の取組の強化による消費・輸出拡大、B浜と食卓の結びつきの強化、C水産政策改革のさらなる推進、が定められている。

特に、「C水産政策改革のさらなる推進」については、「水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させ、漁業者の所得向上と年齢バランスのとれた漁業就労構造を両立することを目指して「水産業の改革について」(別紙8)に即して改革を推進」するとして、改革の具体的内容を示した別紙を添付している点が注目される。

水産資源の適切な管理と水産業の健全な発展は、わが国だけでなく今や世界共通の課題である。「国連持続可能な開発サミット2015」が定めた持続可能な開発目標(SDG)14でも、「海洋及び沿岸の生態系の回復」、「過剰漁業・IUU漁業及び破壊的漁業慣行を終了、科学的管理計画の実施」を取り上げて、世界各国が協働して取り組んでいる。

海洋国・水産国である我が国が、自国で水産政策改革を推進するとともに、世界の取組みにおいてもリーダーシップ発揮していくことを期待したい。

最後に、この問題に関連して、最近、(一社)日本経済調査協議会の第2次水産業改革委員会が、「新たな漁業・水産業に関する制度・システムの具体像を示せ〜漁業・水産業の成長と活力を取り戻すために〜」と言う中間提言を発表したことも紹介しておきたい。
http://www.nikkeicho.or.jp/info/6307/参照

漁業・水産業に関する有識者・専門家等からなる第2次水産業改革委員会(委員長:高木勇樹、主査:小松正之)が様々な観点から議論して取りまとめた中間提言は、「海洋と水産資源は、国民の共有財産であることを明示せよ」「科学的根拠に基づく水産資源の持続的利活用を徹底し、直ちに悪化資源の回復を図るとともに、広く国民に開かれた海洋と水産資源の保存管理を行え」から始まって、7つの提言を行っている。傾聴に値する提言と思われるので、この問題に関心のある方に一読をお奨めしたい。
Posted by 寺島紘士 at 23:56
「2018 日中海洋対話会議」に出席 [2018年08月01日(Wed)]
7月30日(月)及び31日(火))の両日、東京で「2018 日中海洋対話会議〜東アジアにおける日中協力に対する展望〜」(笹川平和財団海洋政策研究所・中国南海研究院主催、日本財団協力)が開催された。

東アジアの海洋問題への協調的取り組みを目指すこのトラック2レベルの会議は、2016年6月の「日中対話:東アジアの海洋問題への協調的取組みを目指して」(於東京。本ブログ2016年6月22日参照)、2017年11月の「2017日中海洋対話会議」(於海口、本ブログ2017年11月11日参照)に次いで3回目である。

折から2018年は、日中平和友好条約の締結40周年なので、今回の会議は、外務省の日中友好条約締結40周年事業の認定を受け、中国のCと日本のJをハート形に組み合わせた「CJハート」マークを掲げて行われた。

前回の「2017日中海洋対話会議」は1日だけだったが、前回終了時の申し合わせにより今回は2日間にわたって行われた。

会議は、冒頭に主催者・来賓の挨拶があって始まった。
開会セッションに続いて、次の4つのセッションが行われた。

S1 日中両国における海洋政策の動向
日本側は、第3期海洋基本計画等の内容を紹介し、中国側は海洋分野の政策と国家機構改革後の海洋行政体制の変化について紹介し、そのあと総合的なガバナンスの確立等について意見交換。

S2 日中両国におけるブルーエコノミーの発展
両国におけるブルーエコノミーの発展状況とその特徴、国の政策、地方での取り組みを紹介し、ブルーエコノミーの定義等について意見交換。

S3 日中両国における漁業養殖の技術開発
日本における赤潮や魚病問題などの漁場環境問題への対応、中国における新たな海洋牧場の整備を紹介し、持続可能な漁業・養殖の実現等について意見交換。

S4 日中両国におけるSAR(捜索・救助)への協力
両国における海難事故発生時の対応システムについて紹介し、東アジアの海での海難事故が発生した場合の救助活動及び情報共有のあり方について意見交換。

各セッションともそれぞれの分野の日中両国の専門家が報告し、それらについて参加者が質問・コメントして討議するというやり方で行われたが、その内容豊かな報告、参加者間の率直な意見交換から、今後この日中対話でそれらの問題にどのように取り組んでいったらいいのかについてのアイデアが浮びあがってくるようないいディスカッションが行われた。 

2日目には、参加者が2つのテーマ(「東アジアの海洋ガバナンス」と「ブルーエコノミーの発展」)に分かれて、テーマごとにファシリテーターを立てて議論するワークショップが行われ、問題点の整理、今後の取り組み方についての議論が行われ、最後にそれをもとに全体で総合討議が行われた。

今回の対話において共通の認識、今後の行動計画として示された展望は次の通り。

@東アジアの海洋ガバナンスの確立に向けて、認識を共有し議論を深め、日中のシンクタンクとして必要な行動を提言していくこと、A特に、SARの分野の情報共有メカニズム、協定締結などは喫緊の課題であること、B日中両国の自然的・社会的背景の違い・類似点に留意して東アジアのブルーエコノミーのモデルを確立し、共通の物差しでの評価を探ることが重要であること、C特に、漁業を含む幅広い海洋産業を対象とし、環境保全、地球環境に対する検討を進めていくことが肝要であること、D日中相互のベストプラクティスを共有し、人材育成についても積極的に実施していくことが重要であること。

最後に、笹川平和財団海洋政策研究所と中国南海研究院は、この対話を継続し、政府間の話し合いにもその成果を提供していくことを合意し、会議は終了した。

3回目となる今回の日中海洋対話では、参加者がこれまで醸成してきた互いの信頼関係に基づき率直かつ前向きに意見交換したので、協力の具体化に向けて対話がさらに一歩前進したように感じられて、この対話会議にスタートから係わった一人として嬉しく思った。

「日中海洋対話会議」の今後益々の発展を期待するとともに、海洋政策研究所の角南篤所長、南海研究院の呉士存院長をはじめ今回の日中海洋対話会議に熱心に取り組んだ皆さんの真摯な努力に感謝したい。
Posted by 寺島紘士 at 18:55
西之島が噴火再開 [2018年07月29日(Sun)]
昨年8月中旬から噴火活動が静まっていた西之島が、7月12日午後、中央火口付近から噴煙を上げ、噴火活動を再開しているのを観測したというニュースが入ってきた。最近、海洋基本法戦略研究会や総合海洋政策本部参与会議の開催など海洋政策に関して重要な動きがあったが、これに呼応するように海からの重要なニュースである。

東京から約1,000キロメートル南の太平洋上にある西之島については、2013年11月に海底噴火してから、その噴火活動の状況とその結果としての西之島の拡大を本ブログでもたびたび取り上げてきた。(2013年11月25日〜2016年5月16日、2017年5月〜7月25日、2018年3月13日等多数掲載しているのでどうぞ参照ください。)

最初の噴火活動は、2015年11月にいったん収束したが、昨年4月に1年5か月ぶりに再噴火して活動を再開し、噴出した溶岩等により新たな陸地が形成され、島がさらに拡大した。

しかしそれも昨年8月中旬には収まり状況は静穏化していたのだが、7月12日午後、海上保安庁の航空機による観測で、中央火口付近から噴煙が上がり、噴石の飛散や溶岩流出などの噴火活動が再開していることが確認された。これに基づき、海上保安庁は、7月13日に同島の噴火に関する航行警報を出し、付近を航行する船舶に注意を呼びかけている。

7月20日、海上保安庁は、7月14日及び18日の観測結果を次のように発表している。

○火災丘東側斜面に形成された新火口の噴火地点が赤熱し、小規模な爆発的噴火が発生している。灰白色の噴煙が高さ200m程度まで放出されている。新火口から青紫色の火山ガスが連続的に放出されている。
○新火口から島南岸へ溶岩流が7月13日(長さ200mの溶岩流確認)と比べ400m程度伸びており、海まで約200mの地点まで達している。

これらについては海上保安庁海洋情報部からの記者発表参照
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/press/press.html

東京工業大学の野上健治教授は、「主として小規模な爆発的噴火を伴う溶岩の流出がしばらくの間継続するものと考えられる。」とコメントしており、またしばらく、西之島の噴火の推移を見守る日々が続きそうである。
Posted by 寺島紘士 at 23:07
総合海洋政策推進事務局長、羽尾一郎氏から重田雅史氏へ [2018年07月28日(Sat)]
体調不良が徐々に収まり、そろそろ仕事に本格復帰と思っていた矢先、ショッキングなニュースが飛び込んできた。政府の総合的な海洋政策の推進役である内閣府総合海洋政策推進事務局長が月末の7月31日に交代するという。

未だ発令にはなっていないが、7月24日に政府が発表した中央省庁の主な幹部人事の中にこのことが含まれていて明らかになった。

羽尾一郎さんが甲斐正彰さんのあとを受けて総合海洋政策推進事務局長になったのは昨年の8月初めである。(本ブログ2017年8月8日参照)まだ在任1年足らずなので、正直この時期に異動とは思っていなかったので驚いた。

今、総合海洋政策推進事務局は、5月に閣議決定されたばかりの第3期海洋基本計画を抱えて、メンバー・体制が新しくなった総合海洋政策本部参与会議、そして関係各府省等とも連携・協働を深めて、その着実な実施に取り組む重要な時期である。

加えて、重要法案の「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域利用促進法案」が先国会で審議未了・廃案となってしまったので、秋の臨時国会への再提出にむけてこれに熱心に取り組んできた羽尾さんがその陣頭指揮でますます忙しくなると予想していたところである。

羽尾さんが、昨年8月事務局長就任以来、政府の海洋政策担当責任者として第3期海洋基本計画策定や洋上風力発電のための海域利用促進法案の作成・国会提出に積極的に取り組んできたことは衆目の認めるところであり、これらについての羽尾さんの手腕に周囲の期待が高まっていただけに、このたびの異動のニュースは残念ではある。

羽尾さん本当にありがとうございました。事務局長の任を離れても総合的な海洋政策の推進に引き続きご指導、ご協力いただきたく、どうぞよろしくお願いします。

羽尾さんの後任は、国土交通省物流審議官の重田雅史氏と報じられている。もう20数年前になるが、重田さんとはかつて旧運輸省で同じ局で一緒に仕事をしたことがある。なかなか優秀な方である。
重田さん、佳境に入ってきた政府の海洋政策推進の舵取りどうぞよろしくお願いします。

Posted by 寺島紘士 at 23:55
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