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「海の日」と3連休について考える [2017年07月24日(Mon)]
7月17日と20日の「海洋政策は今」ブログで、国民の祝日「海の日」は、本来は7月20日であるが、ハッピーマンデー制度によって2003年から7月の第3日曜日に変更されていることを取り上げた。

そして、祝日にはその日を国民がこぞって祝うそれなりの由来と意義があり、毎年祝う日が変わるようでは祝日の意義が薄れ、単なる休日に近くなってしまう、として、「海の日」を本来の7月20日に固定化すべきという世論が巻き起こっているのは海の恩恵を真剣に考えて感謝している人たちにとっては当然の動きである、持論を述べた。

すると、美しい富山湾クラブの活動などで日頃親しくお付き合いしている高桑さんから、先日、次のようなメールをいただいた。

‛海の日が7月20日であるのは意義付けからしてきちんと認識していくべきかと思いますが、タモリカップ富山大会は3連休のおかげで土曜日に新潟、石川、福井、愛知から回航してきていただき、日曜日にパレード&レースを楽しみ、月曜日に回航&レースをしながら帰って頂いています。
タモリカップでなくても海の日をゆっくりと楽しむためには、3連休はありがたいと思います。そんな考えの者もいるという事をご承知のうえ、取り組んで頂けたら幸いです。’

3連休を増やして人々にどんどん旅行をしてもらおうというねらいで(祝日の意義とは関係なく)ハッピーマンデー制度ができたと思っていたので、このメールを見てちょっと虚を突かれたような感じがした。

タモリカップ富山大会は、申し分のない「海の日」にふさわしいイベントである。高桑さんが海を愛し、海のことを真剣に考えてタモリカップ富山大会に取り組んでいることは私もよく承知している。高桑さんから率直な感想を聞いて、すこし心が動いた。

2日ほど考えた末にたどり着いたのは、要は、人々が海のことに心をとめないで「海の日」を単なる休日として過ごすのではなく、国民の皆さんが海に感謝し、海と私たちの関わりを真摯に考える日として「海の日」を過ごすことが重要であり、これが本件を考えるキーポイントだという点である。

こう考えると、「海の日」の有意義な過ごし方としてタモリカップ富山大会がもっと多くの人に知られてもいいのではないかと思った。

しかし、では「海の日」は今のまま7月の第3月曜日でいいのかと問われると、永年に渡って7月20日を海の日として祝ってきており、さらにこの日には、「海の記念日」からの本来の意義に加えて、国連海洋法条約がわが国について発効した日(1996年)、海洋基本法が施行された日(2007年)など、近年も様々な海の関する意義が積み重なってきている。正直のところ毎年「海の日」の日付が替わるのには抵抗がある。

国民の祝日「海の日」を7月20日としたうえで、タモリカップのような「海の日」イベントも3日間(以上)かけて開催できるようないい仕組みが考えられないだろうか。目下、そのことが私の頭の中でうごめいている。

例えば、有給休暇の確実な消化が叫ばれている今日、次のような考え方もあると思ってはいる。

「海の日」を本来の7月20日に戻しても、その日が、月曜日か金曜日となる場合はもちろん、日曜日となる場合も祝日法第3条第2項により、ハッピーマンデー制度がなくても3連休となる。さらに、海の日が火曜日〜木曜日の場合は、週末との間に有給休暇を取れば4連休以上となる。現在の国民のライフスタイル、生活意識の変化を考えれば、有給休暇の活用によりこの問題に対応できるではないか。’(小生のブログ2014年10月25日等より)

しかし、この問題についてはこれまでもいろいろ議論してきたことなので、この際、もっと多くの皆さんの自由・率直なお考えを聞いてみたいという思いが強くなってきた。どうぞ皆さんのお考えも聞かせてください。
Posted by 寺島紘士 at 23:13
海洋基本法制定から10年 [2017年07月23日(Sun)]
海洋基本法が2007年4月に成立し、「海の日」の7月20日に施行されてから10年が経過した。

海洋の諸問題に総合的・計画的に取り組む我が国の海洋ガバナンスの取組はこの10年間にどれくらい進展しただろうか。海洋基本法制定時に掲げた目標はどれくらい達成されただろうか。

この問いに対する海洋基本法の制定、実施に取り組んできた関係者の評価は、残念ながら、必ずしも高いとは言えない。

目下、来年春の第3期の海洋基本計画策定を目指してそれに盛り込むべき海洋政策についての検討が進められ、またそれに関する議論が盛んに行われているのは皆さんご承知のとおりである。

これに関して、このたび、武見敬三参議院議員(海洋基本法戦略研究会代表世話人代行)に「海洋基本法制定から10年の総括」を執筆していただき、7月20日(本来の「海の日」)発行の「Ocean Newsletter No. 407」に掲載したので、お知らせしたい。

超党派による海洋基本法の制定を推進し、基本法制定後も海洋基本計画の策定・推進に熱心に取組んできた武見さんが、超党派による海洋基本法の制定に至る経緯、そして、総理をトップとする本部(+有識者からなる参与会議)のリーダーシップと各省庁が持ち上げる政策を組み合わせて総合的に実施する海洋基本法の「ガバナンス」の考え方を述べた上で、第3期海洋基本計画では、「何を政治的求心力にするか」、「第3期海洋基本計画の課題」は何か、を論じている。

これまでのこと、これからのことをポイントをついて簡潔にまとめ、最後に第3期海洋基本計画の重要な課題を挙げていて、大変参考になる。

わが国の海洋政策に関心のある方には是非下記のホームページでお目通しをお奨めしたい。
https://www.spf.org/opri-j/projects/information/newsletter/latest/index.html

なお、「祝 海洋基本法制定10周年」と銘打ったこの7月20日の「Ocean Newsletter No.407」には、このほか、このたび笹川平和財団海洋政策研究所長に就任した角南篤氏の「SDGs達成のための科学技術イノベーションへの期待」、(株)NTTデータ特別参与の古庄幸一氏の「海洋立国としての海洋状況把握(MDA)について」、内閣府・SIP「海のジパング計画」プログラム・ディレクターの浦辺徹郎氏の「真の日本の重心はどこか?」の3つの注目すべきオピニオンが掲載されている。

「海の日」にふさわしいこちらのオピニオンもどうぞご一読ください。
Posted by 寺島紘士 at 23:08
「海の日」論文表彰式に出席 [2017年07月22日(Sat)]
7月20日(木)に、第9回(2017)「海の日」論文の表彰式が開催され、出席した。

日本海洋政策学会は、日本海事新聞社および教育新聞社と三者共同で、毎年7月20日の本来の「海の日」(この日は、国連海洋法条約がわが国について発効した日、海洋基本法の施行日でもある。)に向け、大学生・大学院生(高等専門学校4,5年生を含む)を対象に海洋政策に関する論文を募集し、優秀論文を表彰している。(本ブログ2011年7月24日等参照)

平河町の海運倶楽部で開催された表彰式には、日本海洋政策学会から副会長の私と「海の日」論文を主管している学術委員会の坂元茂樹委員長(同志社大学教授)及び事務局の城所敏郎氏が出席した。

本年は、「新たな海洋立国に向けて −海洋基本法に定める12施策の実現のための提言−」をテーマに募集し、7編の応募があった。

応募論文の審査は、日本海洋政策学会が審査委員会を設けて審査を担当し、坂元委員長の下で、予備審査及び本審査の2段階で所属、氏名を伏せた厳正な選考が行われた。

その結果、次の3編が優秀賞に選ばれた。

東京海洋大学大学院 神田英宣 「有人国境離島の排他的経済水域における海洋保護区選定」

東海大学大学院 町田卓也 「無人機の利用による海洋調査の拡充と離島の保全」

北九州市立大学大学院 濱口一雄 「海洋インフラ輸出のために海外進出が予想される非自航作業船の、海洋環境の保全および海洋の安全の確保のための国家の管轄権行使に関する提言」

表彰式の冒頭に坂元さんから概略つぎのような「講評」があった。

「…。本企画は、多様な分野から海洋政策に関する自由なアイデア、意見、提言を得ることを目指しているが、応募の7編はまさしくその狙い通りに、多岐にわたる課題を扱っており、若い人における海洋政策に関する関心の高さと広がりを示す内容となっている。

(中略)昨年4月に「有人国境離島法」が制定されたことも手伝ってか、離島に関する2つの論文が選出されたのは時代の反映であろう。選に漏れたいずれの論文も日本の海洋政策にとって重要な課題を扱っており、極めて質が高いとの印象を持った。海洋立国を目指す日本は、海洋政策に関する多くの課題を抱えている、来年も、多くの人が応募することを期待したい。」

講評に続いて、日本海事新聞社の畠 雅仁社長から神田さんに、私から町田さんに、教育新聞社の齊藤 英行社長から濱口さんに表彰状と賞金の授与が行われた。

表彰式の終了後、受賞した3人の方々としばし懇談の機会を持ったが、皆さんそれぞれ、取り上げたテーマに知識と経験を踏まえた熱い思いをもっているのを感じた。海洋政策に対する学問的関心が社会に広がっているのを実感して嬉しく思った。
Posted by 寺島紘士 at 23:21
7月中旬の海洋政策関係会議等 [2017年07月21日(Fri)]
笹川平和財団参与となり、3階の部屋への引っ越しも済み、7月中旬は、海洋基本法戦略研究会の開催準備、沿岸域総合管理のモデルサイト備前市への出張、笹川平和財団常務理事・海洋政策研究所長退任及び参与就任の挨拶、「海の日」行事“海と日本プロジェクト”の「総合開会式」・「海洋基本法施行十周年記念シンポジウム」・「記念祝賀会」出席などで忙しく過ごした。

7月中旬の私が直接関係した海洋政策関係の会議、意見交換等は次の通り。
 
7月11日(火)
○(一財)地球共生ゆいまーるの橋本晃和理事長来訪
○(一社)海洋産業研究会・MTS日本支部共催の特別セミナー「海洋・宇宙連携の推進による産業振興に向けて」参加(本ブログ7月12日参照)
○武見敬三海洋基本法戦略研究会代表代行(衆議院議員)訪問、海洋基本法戦略研究会の活動について打合せ

7月12日(水)‐13日(木)
○沿岸域総合管理のモデルサイト備前市を後任の角南篤氏とともに訪問。4月に就任した田原隆雄備前市長を表敬訪問、「備前市里海・里山ブランド推進協議会with ICM」の第2回推進協議会及び第2回専門委員会に出席、日生中学校・岡山学芸館高等学校の生徒たちの日生の先輩漁師さん等からその活動や体験などを聞きとる「聞き書き」学習を視察(本ブログ7月14日、15日参照)

7月14日(金)
○総合海洋政策推進事務局の甲斐正彰局長訪問

7月17日(月)海の日
○東京港晴海客船ターミナルで開催された「海の日」行事“海と日本プロジェクト”の「総合開会式」と「海洋基本法施行十周年記念シンポジウム」に出席(本ブログ7月17日、18日参照)

7月19日(水)
○日本財団の前田晃専務理事訪問
○日本財団の海野光行常務理事訪問
○国土交通省の羽尾一郎顧問(前海事局長)訪問

7月20日(木)本来の海の日
○日本海洋政策学会の「海の日」懸賞論文表彰式に出席
○「海の日」行事“海と日本プロジェクト”「記念祝賀会」(レセプション)に出席(本ブログ7月20日参照)
Posted by 寺島紘士 at 21:30
7月20日、今日は本来の「海の日」 [2017年07月20日(Thu)]
明治9年に、明治天皇が、東北・北海道巡幸の際に青森から灯台巡回船「明治丸」に乗船して函館経由で7月20日に横浜港に安着された。天皇が乗船されたのが軍艦ではなくて灯台巡回船であったことの意義については、本ブログ2015年7月28日等を参照されたい。

この日を記念して昭和16年に「海の記念日」が制定され、さらに平成8年に国民の祝日「海の日」として定められたのである。世界でも「海の日」を国民の祝日として定めているのはわが国だけだという。

その「海の日」が、ハッピー・マンデー制度によって2003年から7月の第3日曜日に変更されてしまったが、私たちの心の中にある「海の日」は7月20日である。

さて、今年は、本来の「海の日」である7月20日に「海の日」行事“海と日本プロジェクト”の「記念祝賀会」が開催されたので、慶んで出席した。

「記念祝賀会」では、冒頭に石井啓一国土交通大臣、松本純海洋政策担当大臣、笹川陽平日本財団会長が挨拶した。

笹川さんは、挨拶の冒頭に、訪日外国人の最近の増加に触れつつ海の日を本来の7月20日に戻す時期が来ていること強調した上で、海の日を国民全体で祝うとともに、とくに次世代を担う青少年の海に対する理解を深めるための体験イベントを全都道府県にわたる各地で9月初めまで開催していくことを力強く述べた。

記念祝賀会には、国会議員をはじめわが国の海洋立国を担う官産学民の海の関係者が多数参加して盛況だった。「海の日」行事全体の「記念祝賀会」が、本来の「海の日」に開催されたことの意義は大きい、と思った。

思えば、いまから52年前の1965年7月20日に開催された第25回「海の記念日」が私の「海の日」との初めての出会いだった。その後今日までの海洋及び「海の日」とのかかわりを思い起こすと感無量である。

1965年4月に運輸省入省して海とのかかわり合いが本格的にスタートした。その年初めて「海の記念日」を青空のもと竹芝桟橋の東海汽船の船上で祝ったときの光景が今も脳裏に残っている。やはり、海に対する理解を深めるためにはこのような若いころの直接的な体験が効果があると思う。

次世代を担う子供たちに海の恵みを引き継ぐために全国展開している「海の日」行事“海と日本プロジェクト”の活動に心から声援を送りたい。
Posted by 寺島紘士 at 23:50
次の海洋基本法戦略研究会は8月に開催 [2017年07月19日(Wed)]
超党派の国会議員と海洋各界の有識者で構成し、政府の海洋関係部局もオブザーバー参加して海洋ガバナンスの確立に向けて海洋政策を議論・推進する海洋基本法戦略研究会(代表世話人:石破茂衆議院議員)については、本ブログでもその活動を逐次取り上げてお知らせしてきた。

最近では、4月27日に第3期海洋基本計画の策定を議題として第16回海洋基本法戦略研究会が開催され、同日の本ブログでその概要をお知らせした。その時の研究会では、次回は7月中旬ごろに開催の予定とされていたが、このたび、諸般の事情を勘案して次回の第17回海洋基本法戦略研究会は、8月8日に開催することとなったのであらためてお知らせしたい。

議題(案)は、@第2期海洋基本計画の評価と総括、A第3期海洋基本計画の検討状況について、B第3期海洋基本計画に向けた提言について、等である。

4月以降、総合海洋政策本部参与会議、また総合海洋政策推進事務局・各省庁でも、次期海洋基本計画のあり方、内容について検討が鋭意進められている。

また、海洋に関心を寄せる経済界、学会、NGO、シンクタンクなどでもそれぞれの立場に立って次期計画に盛り込むべき施策の検討が行われている。

昨日(7月18日)は、(一社)日本経済団体連合会が「新たな海洋基本計画の策定に向けた提言 〜Society5.0時代の海洋政策〜」を発表した。

その内容は、下記目次を見てもわかるようになかなか本格的なものである。

T はじめに
U 安全・安心の確保
1.安全保障面での取り組みの強化 (領海の警備強化・排他的経済水域の管理 、離島の保全) 、2.防災・減災の強化 、3.国際協力の推進
V 経済安全保障の確保
1.海事産業の国際競争力強化 (海事生産性革命の推進、競争条件のイコールフッティング )、2.国内の海洋資源の開発 (海洋エネルギーの開発、国内の海洋鉱物資源の開発 )、
3.海外の海洋資源の開発、4.北極
W 政策を推進する基盤の整備
1.推進体制の強化 (政府の推進体制、官民一体での海洋資源開発)、2.人材育成、3.海洋データベースの構築と活用
X おわりに 〜Society 5.0時代の海洋政策

詳細は下記でご覧ください。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/054.html

このほかにも第3期海洋基本計画に向けて海洋政策提言を準備している組織・団体がいくつかあるので、次回の研究会では、このような産学民からの提言も取り上げて、第3期海洋基本計画に盛り込むべき基本的方針や具体的施策について議論をしていく予定である。
Posted by 寺島紘士 at 23:16
「海洋基本法施行10周年記念シンポジウム」に出席 [2017年07月18日(Tue)]
7月17日(月)、国民の祝日「海の日」を祝う行事“海と日本プロジェクト”の一環として、総合開会式が行われ(本ブログ7月17日参照)、それに続いて「海洋基本法施行10周年記念シンポジウム」が開催された。

「海洋基本法施行10周年記念シンポジウム」の開催趣旨は次のとおりで、今年の海の日にピッタリである。

「海洋基本法の制定は、わが国の海洋政策の歴史上大きな転換点となりました。基本法に基づき、政府に総合海洋政策本部が設置され、海洋基本計画が策定されるなど、新たに海洋立国の実現に向けて、総合的な海洋政策の推進が図られてきました。制定から10年が経過する中で、政府は、次期海洋基本計画の検討に着手しています。本シンポジウムは、海洋基本法制定後10年間の総括とともに、次期計画検討への有益な示唆を得ることを目的に、重要なテーマである、海洋の安全保障及び海洋人材の育成について議論を深めることを目指します。」

シンポジウムは、武見敬三参議院議員(海洋基本法戦略研究会代表世話人代行)の「海洋基本法10年を振り返る〜歴史的意味と課題〜」というタイトルの基調講演で始まった。
170717海の日シンポジウムIMG_0544 (2).jpg

武見さんは、自由民主党が、海洋政策研究財団の「21世紀の海洋政策への提言」(2005年11月)受けて検討を始めたときの海洋政策小委員会の委員長であり、さらに自民・民主・公明の3党の国会議員と海洋各分野の有識者で構成する「海洋基本法研究会」が、海洋政策大綱及び海洋基本法案を検討してとりまとめた時(2006年4月〜12月)の代表世話人である。

その後も、海洋基本法の実施を通じて我が国の海洋政策の推進に取り組んできた武見さんの基調講演は、これまでの取組みを振り返り、今私たちが何をしなければならないかを明確に示す傾聴すべき講演だった。

即ち、その講演は、海洋国家日本の系譜の概観から始まり、海洋基本法制定へと進んでいくメインストリームとして、@国連海洋法条約の発効・我が国の批准、A2000年前後からの東シナ海における中国の海洋調査船等の問題の顕在化、B日本財団・海洋政策研究財団からの総合的な海洋政策策定や海洋基本法制定などの提言の3つを取り上げて述べた。

その上で、海洋基本法施行10年を振り返って、第1期及び第2期海洋基本計画の評価を行い、総合海洋政策本部のリーダーシップの下でトップダウンとボトムアップの政策を組み合わせて海洋基本法のガバナンスを確立することの重要性を強調した。

そして、第3期海洋基本計画(2018年〜)への展望として、各省庁が確実に実行していく実行可能な計画とする必要性と、分野横断型の政策概念として広義の安全保障を打ち出し各省庁の連携を強化することの重要性などを強調した。

基調講演に続いて、次期計画検討における重要テーマである、「海洋の安全保障」と「海洋人材の育成」をテーマに2つのトークセッションが行われた。

セッション@「海洋の安全保障」は、兼原敦子 上智大学法学部教授がリード役となって、古庄幸一 元海上幕僚長、佐藤雄二 前海上保安庁長官の3人で対談した。

兼原さんと古庄さんは、総合海洋政策本部参与会議参与、また、兼原さんは、参与会議の「海洋の安全保障小委員会」委員長、佐藤さんは、同小委員会の有識者委員であり、皆さんが安全保障に関する識見豊かな方々である。

兼原さんの明晰な情勢分析・課題整理と、古庄さん、佐藤さんのそれぞれの知見と持ち味を生かした見解表明を聴いていて、昨今の安全保障環境の変化とそれにどのように対応していうべきかについてのイメージがはっきりしてきた、ような気がした。

今後の「海洋の安全保障小委員会」における検討と提言の取りまとめが楽しみである。

セッションA「海洋人材の育成」は、大和裕幸 海上・港湾・航空技術研究所理事長がリード役となって尾上陽一 日本海洋掘削(株)常務執行役員、窪川かおる 東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター特任教授の3人で対談した。

大和さんは、総合海洋政策本部参与会議参与で同会議「海洋の人材育成に関するPT」主査、窪川さんは、同PTの有識者委員である。

海洋開発分野をはじめ海洋の将来を担う人材の育成のあり方や、海洋教育の促進、国民の海洋に対する理解の増進を図る方策についての3人の意見表明と対談を聞いていて、この問題の広がりと奥の深さ、そして総合的・計画的な取組の必要性を改めて感じた。

いずれのセッションでもフロアーとのやり取りが行われ、対談に厚みと広がりが加わって中々良かった。

最後に日本郵船(株)相談役の宮原耕治 総合海洋政策本部参与会議座長が閉会挨拶を述べてシンポジウムは終了した。

このように「海の日」にふさわしい内容の海洋基本法施行10周年記念シンポジウムに出席することができて、満ち足りた気持ちで晴海埠頭を後にして家路に着いた。
Posted by 寺島紘士 at 17:56
今日は海の日 [2017年07月17日(Mon)]
今日、7月17日は、国民の祝日「海の日」である。

海の日は、本来は7月20日であるが、ハッピー・マンデー制度によって2003年から7月の第3日曜日に変更されてしまった。(本ブログ2014年10月8日等参照)

したがって、今年は7月17日が「海の日」である。

しかし、祝日にはその日を国民がこぞって祝うそれなりの由来と意義があり、一昨年は7月20日、昨年は7月18日というように毎年祝う日が変わるようでは祝日の意義が薄れ、単なる休日に近くなってしまう。

国民の祝日「海の日」を本来の7月20日に固定化すべきという世論が巻き起こっているのは海の恩恵を真剣に考えて感謝している人たちにとっては当然の動きである。(本ブログ2017年1月8日、5月16日等参照)

それはさておき、本年も、「海の日」を迎えるに当たり、総合海洋政策推進事務局、国土交通省、日本財団が、海と日本人の絆を想い、次世代を担う子供たちに海の恵みを引き継ぐための機会として、官民協働した取組みにより、「海の日」行事“海と日本プロジェクト”を実施している。

17日の「海の日」当日は、グランド・オープニングとして政府が主催する「総合開会式」と海洋基本法十周年をテーマとしたシンポジウムが東京港晴海客船ターミナルで開催され、私も出席した。

総合開会式は、冒頭に松本純海洋政策担当大臣が挨拶をし、続いて安倍晋三内閣総理大臣のメッセージが読み上げられた。それから石井啓一国土交通大臣が挨拶をし、その後、笹川陽平日本財団会長が挨拶をした。安倍総理のメセージ、松本、石井両大臣の挨拶はそれぞれ傾聴に値する内容だった。

笹川会長の挨拶は、昨年の海の日の挨拶と同様、大臣の挨拶とちがって出席している子どもたちに向かって海の大切さについてゆっくりと語りかけ、会場の子どもたち、さらに、大人たちの心をも捉える説得力のあるものだった。

そして、挨拶の最後に、「海の日」を本来の7月20日に戻す時が来ている、と述べるのを聞いて共感した。

総合開会式に続いて、「海の日」行事 “海と日本プロジェクト”「海洋基本法施行10周年記念シンポジウム」が開催された。第3期海洋基本計画の検討に参考となるいい内容のシンポジウムだったので、これについては、次回あらためて取り上げることとしたい。
Posted by 寺島紘士 at 23:39
AOVによる海洋観測強化を期待 [2017年07月16日(Sun)]
先日届いた海上保安新聞「海の日特集号」を拡げると、「AOVで海洋観測強化」という1面トップの見出しと洋上に投入するAOV「きびなご」を点検する海上保安庁職員たちの写真が目に飛び込んできた。

AOVとは、自律型海洋観測装置Autonomous Ocean Vehicleのことで、燃料が要らず、長期にわたって自分で海上を遊泳しながら黙々と海象・気象のデータを取り続けるユニークなサーフボード型の観測装置で、昨年から海上保安庁が導入し、主に西日本の海域を管轄する管区に配備され、海の上で着実に働いている、という。

AOVは、波の上下運動を動力源として移動し、観測機器や通信に使用する電力は太陽光発電から供給するクリーンでエコな観測装置で、これまで船でしかできなかった観測を、無人で、生物や環境への影響なくかつ荒天時も含めて長期にわたって行うことができる。

AOVについては、詳しくは下記の海上保安庁広報等を参照されたい。
http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/h28/k20160803/k160803-1.pdf

船舶の運航や漁業、マリンレジャーなどにおいて海上での安全を確保するには、海況、とりわけ流れ、風、波浪の様子を把握することが重要だ。また潮汐などのデータは領海や排他的経済水域の画定のためにも重要な役割を果たす。

しかし、陸上と違い、広大な海洋でこれらの観測データを取得するのは容易ではなく、現状ではこれらの観測データは常に不足している。

そこで、自然エネルギーを使って自力で長期間航行して海象・気象データを24時間リアルタイムで送ってくるこのAOVの観測網を整備強化することができれば、我が国周辺海域の海洋観測網は大幅に強化される。その効果は極めて大きい、と思う。

海の日には、AOVの海洋観測網のさらなる整備とそれが提供するリアルタイムデータの今後ますますの有効活用を祈りたい。
Posted by 寺島紘士 at 23:02
備前市を訪問(2) [2017年07月15日(Sat)]
備前における第2日目の7月13日(木)は、朝から夕方までスケジュールが詰まっていた。

先ず、日生町漁業協同組合の2階で行われた日生中学校、岡山学芸館高等学校の生徒たちが日生の先輩漁師さん等からその活動や体験などを聞きとる「聞き書き」の学習を視察した。

これまで日生中学校の藤田孝志先生から日生の先輩漁師さんから話を聞く「聞き書き」学習についての話を聞き、またその成果として「人と海に学ぶ海洋学習」レポートなどを見てはいたが、実際に「聞き書き」の現場に身を置くのは初めてである。

会場に着くと、この企画のキーパースンである日生中の藤田先生や日生町漁協の淵本重廣組合長、天倉辰己専務などの皆さんがすでに顔をそろえていた。

170713日生聞き書きIMG_0534 (2).jpg

やがて「聞き書き」が始まり、8つある聞き書きが行われているテーブルの周りを、「聞き書き」活動を主導する共存の森ネットワークの森山沙也子さん、日生中学校の小田洋子校長、岡山学芸館高校の加藤武史副校長、それに海洋政策研究所の私たちなどが、思い思いに見て歩いて、それぞれの話者と生徒たちのやり取りなどに耳を傾けた。

このように話者と生徒たちとのやり取り、話の進行の中で変化していく生徒たちの表情などを現場で直接見るのは初めてだったので大変興味深かった。生徒たちの学習に「聞き書き」が有効な方法であるということがあらためて実感できたように思う。

しかし、残念ながら次の予定があって「聞き書き」学習の参観は途中で中座した。

そして、沿岸域総合管理で最初に備前市日生を訪れた2010年当時協働した旧知の備前市の濱山一泰氏に送ってもらって東片上にある備前市役所まで行き、この4月に市長に就任した田原隆雄備前市長を表敬訪問した。
170713田原備前市長写真 1 (2).jpg

田原さんは、陸域と海域を沿岸域として一体的にとらえて、計画的に取り組む沿岸域の総合的管理、即ち、海を活かしたまちづくりの意義についてしっかりとした理解をお持ちのようで、それを備前市という舞台でどのように推進するかについてかなり具体的に意見交換をすることが出来た。

私からは、海を活かしたまちづくりには、これを着実に実行していく備前市としての全体的仕組みをいかに構築していくかが重要なポイントなので、この点についての市長のリーダーシップが重要であることを強調してお話しした。

旧日生町の町長経験もある田原市長からも、市長がリーダーシップをとって海を活かしたまちづくりに取り組んでいきたいというお言葉をいただいたので、今後の取り組みの進展に期待したい。

田原市長の表敬訪問を終えてから、坂本基道備前市まちづくり部次長兼里海・里山課長の案内で再び日生に戻り、午後から「備前市里海・里山ブランド推進協議会with ICM」第2回専門委員会、続いて同第2回推進協議会に出席した。

専門委員会、推進協議会では、平成平成28年度事業の報告・収支決算。平成29年度の事業計画・収支予算が審議・決定され、さらに専門委員会の下に4つのテーマ別専門部会を設置して取り組みを具体的の推進していくことなどが審議・決定された。

なお、専門委員会の席上、私からこのたび笹川平和財団常務理事・海洋政策研究所長を退任し、角南篤氏が私の後を引き継ぐこととなったことを報告し、笹川平和財団としては今後とも新しい体制の下で備前市の海を活かしたまちづくりに協力していくのでよろしくと挨拶をした。

全ての日程をこなして、予定より少し早く午後5時半過ぎに日生を発って帰京の途に就いたが、それでも帰宅したのは、午後10時半を過ぎていた。

この時間距離をどう扱うか、またこれに対して有効な改善策を考えだせるかが、今後の備前及び日生の海を活かしたまちづくりのひとつのポイントになると思う。
Posted by 寺島紘士 at 23:58
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寺島紘士ブログ
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