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今日は76回目の誕生日 [2017年09月23日(Sat)]
今日9月23日は秋分の日、かつ私の誕生日である。

夕方、近所に住む娘と孫たちがケーキをもってやって来て、これに息子夫婦も加わって、私の76回目の誕生日を私と家内を囲んで祝ってくれた。
170923BirthdayIMG_0673 (2).jpg

誕生日ケーキIMG_4823-1 (2).jpg

正直なところ、週明けの海洋安全保障の国際シンポジウムでする基調報告の準備の方に気を取られていて、今日が誕生日というところにはあまり気持ちがいっていなかった。

それだけに、夕方何かと忙しい娘と孫たちがお祝いのケーキ持参でやって来たときにはちょっと驚いたが、家族に囲まれて気楽な会話を楽しみながら美味しいケーキを口にしていると、ほのぼのとした幸せな気分になった。

今年は、4月に家内が肺がんの手術を受け、6月には私が笹川平和財団常務理事・海洋政策研究所長を退任するなど、身辺でいろいろなことが起こっただけに、家族に囲まれて祝う今年の誕生日は格別である。

さて、7月から財団の参与となって、研究所の日常業務から一歩離れて海洋政策を眺めるようになってみるとこれまでとはまた違った角度から見えてくるものもある。

少し時間的にも余裕が出てきたので、それらも活かしてこの海洋政策ブログを小まめに書くように心がけてみた。すると、嬉しいことにブログのヒット数がどんどん増えてきて、今では1日に1,000から2,000のページビューがある。そうなるとブログ執筆に張り合いが出てきてほぼ毎日書いて掲載するという好循環を迎えている。

これも皆さんが海洋の諸問題に関心を持っていただいているからであり、この機会にあらためて御礼申し上げたい。

これからも海洋の総合的管理と持続可能な開発のためにブログの発信を続けるのでどうぞよろしくお願いします。
Posted by 寺島紘士 at 23:52
オーシャン・ニュ―ズレターと海洋立国推進功労者表彰 [2017年09月22日(Fri)]
9月21日(木)、第206回オーシャン・ニューズレター編集会議が開催されて出席した。

今回の編集会議は、坂元茂樹、窪川かおる両編集代表者を中心にして、それに私と吉田副所長が加わり、研究所の担当者とともに議論して月2回・毎回3編の海洋に関するオピニオンを掲載するOcean Newsletterの向こう数か月の編集を進めて行った。

それらの編集作業で、一番時間を取るのが提出原稿の査読・補整であるが、それに加えて執筆テーマ及び執筆候補者の選定、これから半月ごとに発行していくニューズレターの編集(完成原稿の掲載割振り)等々について議論していると2,3時間はアッという間に過ぎていく。

編集代表者に就任して半年が過ぎようとしている坂元さんと窪川さんが、ニューズレターの編集作業にもうすっかり慣れて、ニューズレター編集業務のベテラン丸山直子さん(海洋情報発信課長)のポイントを突いた議事進行に乗って議論をリードしていた。

執筆候補者の選定のところでは、9月20日発行のOcean Newsletter No.411号のインフォメーション欄にも名前が掲載されている今年の第10回海洋立国推進功労者表彰の受賞者への執筆依頼がいろいろ議論された。

今年表彰された方々は、「海洋立国日本の推進に関する特別な功績」分野では、日本郵船歴史博物館・日本郵船氷川丸、岩手県立種市高等学校、遠藤新(富山高等専門学校)、新潟県立海洋高等学校、
「海洋に関する顕著な功績」分野では、蒲生俊敬(東京大学大気海洋研究所)、赤須賀漁業協同組合青壮年部研究会、太田進((国研)海上・港湾・航空技術研究所 海洋技術安全研究所 )、土屋誠(琉球大学)である。(敬称略)

基本的に海洋立国推進功労者表彰の受賞者には原稿執筆依頼をする方向で議論が進んだ。

笹川平和財団海洋政策研究所編「沿岸域総合管理入門」の監修などでお世話になった土屋誠琉球大学名誉教授も今回受賞しているのは嬉しいし、是非執筆していただきたいと思った。そこで聞いてみると土屋さんにはすでに原稿執筆依頼済みとのこと。どんなオピニオンが出て来るか楽しみである。

今回の編集会議は、議論が盛り上がり、終わって時計をみると会議は3時間半近くかかっていた。
Posted by 寺島紘士 at 23:23
9月中旬の海洋政策関係会議等 [2017年09月20日(Wed)]
9月も中旬になると、第3期海洋基本計画の策定作業が一つのヤマ場に来て政府、与党、民間等で会議、シンポジウム、研究会が開催されなど、いろいろなことが動き出してきて活気ある毎日で結構忙しかった。

9月中旬の私が直接関係した海洋政策関係の会議、意見交換等は次の通り。

9月11日(月)
〇 公海のガバナンスに関する研究会について所内打合せ

9月12日(火)
〇「海洋技術フォーラムシンポジウム〜第3期海洋基本計画への提言〜」参加(本ブログ9月12日、14日、18日参照)

9月13日(水)
〇角南篤さんと国土交通省及び海上保安庁訪問、笹川平和財団常務理事・海洋政策研究所長の交代挨拶
〇第3回「北極の未来に関する研究会」出席(本ブログ9月13日参照)

9月14日(木)
○志摩市政策推進部の三橋哲雄部長、同部里海推進室の浦中秀人室長来訪、沿岸域総合管理による海を活かしたまちづくりの進め方について情報・意見交換
○成山堂書店編集グループの板垣洋介氏等来訪、エリザベス・マン・ボルゲーゼ著「The Oceanic Circle(海の環)」日本語版出版準備について打合せ。

9月15日(金)
○2017年度「第1回海洋生物多様性保全と利用に関する調査研究委員会」出席(本ブログ9月15日参照)
○海洋政策研究所第1期生の中部大学国際関係学部の加々美康彦准教授来訪、海洋環境、島嶼等海洋政策研究のテーマについて情報・意見交換(本ブログ9月20日参照)
○自由民主党「宇宙・海洋開発特別委員会 海洋総合戦略小委員会」に出席(本ブログ9月16日参照)
○総合海洋政策本部参与会議 海洋環境の維持・保全PT(第5回) (本ブログ9月16日参照)
○早稲田大学ジャーナリズム研究所の笹島康仁招聘研究員来訪

9月20日」(水)
○(一社)日本経済調査協議会の勉強会で海洋・海洋資源の保全と持続可能な利用に関する最近の国際的な取組について話題提供
○総合海洋政策推進事務局訪問、羽尾一郎事務局長等と情報・意見交換
Posted by 寺島紘士 at 21:11
島の制度と海洋保護区 [2017年09月20日(Wed)]
先週金曜日(15日)、中部大学国際関係学部の加々美康彦准教授が出来たばかりの博士学位論文「国連海洋法条約第121条と海洋保護区−もう一つの「島の制度」の探求−」を携えて訪ねてきてくれた。加々美さんは、シップ・アンド・オーシャン財団海洋政策研究所(当時)の研究員第1期生である。

加々美さんは、当時日本ではあまり注目されていかった海洋保護区に関心を示すなど、明確な海洋政策上の研究テーマをもって研究に取り組んでいて、よく海洋政策の諸課題について情報共有や意見交換をした。それから10数年が経過、加々美さんは、今や学術研究の面でも、海洋に関する様々な政府の委員会の有識者委員としても大活躍している。

加々美さんの博士学位論文は、これから熟読玩味するが、要旨の冒頭を見ると、加々美さんは次のように記している。

「本研究は、海洋における国家の行動規範たる国連海洋法条約において「島の制度」と題される第121条の解釈並びに関連国家実行の分析を通じて、本条の限界を明らかにするとともに、条約採択以後の国家実行に顕在化する海洋保護区(Marine Protected Area: MPA)の設定を通じた島嶼周辺海域の管理政策が、その限界を克服し得るもう一つの「島の制度」の姿を映し出すものであるということを論証することを目的とする。」

加々美さんが、10数年前の問題意識を持ち続けて研究を継続・発展させてきたことに感心した。

さらに「本研究は、国際法学の手法による分析を中心とするが、海洋政策学研究たることも目指しており、海洋政策の観点からの分析並びに政策提言をも行うところに特徴を有している。」という文言に接して、嬉しさがこみ上げてきた。

加々美さんが、論文の謝辞の中で、4年間にわたる財団研究員時代の私との交流についても感謝してくれているのを見て恐縮した。加々美さんが優れた学者に成長して活躍しているのは私にとっても喜びである。
Posted by 寺島紘士 at 00:28
海洋技術フォーラムシンポジウムに参加(3) [2017年09月18日(Mon)]
「海洋技術フォーラムシンポジウム〜第3期海洋基本計画への提言〜」については、9月12日及び14日の本ブログで取り上げたが、その最後に行われたパネルディスカッションについても取り上げておきたい。

高木健さんの講演に続いて、海洋技術フォーラムの大和裕幸代表がモデレーターとなってパネルディスカッションが行われた。

テーマは、「海洋安全保障−海洋権益−新しい海洋産業の創出と振興〜世界のエネルギー・資源等市場に参入するための道〜」である。これはまさに、海洋国家を担う海洋産業とその技術基盤の構築を目指す海洋技術フォーラムが設立以来目指してきたものである。

パネリストは、小倉將信(衆議院議員・総務大臣政務官)、尾上陽一(日本海洋掘削(株)常務執行役員、日本マントル・クエスト(株)代表取締役社長)、加藤泰浩(東京大学教授)、寺崎正勝(九電みらいエナジー(株)取締役企画本部長)、井上四郎(海上技術安全研究所特別顧問)の5氏である。

自民党海洋総合戦略小委員会委員、排他的経済水域に関する法整備推進WG事務局長の小倉さんのEEZ等の権益確保に資する海洋構造物規制・MSR規制等に関する立法政策に関するポイントを突いた発表からはじまって、尾上さんの内外の海洋資源開発の現況、国の海洋開発政策・計画への要望と民間のできることに関する発表、加藤さんのこれまで一貫して取り組んできた「レアアース泥」開発に関する発表、寺崎さんの海洋再生可能エネルギーの取り組みと発電事業者からの第3期海洋基本計画への期待の発表、井上さんの戦略的な海洋産業支援策についての発表が続いた。

東京大学名誉教授で現在(国研)海上・港湾・航空技術研究所理事長を務めているモデレーターの大和さんも、グローバルネットワークによる「産業と人材」の育成について内外の状況を踏まえて提案を発表した。

登壇者がそれぞれ自分の得意分野から海洋立国、海洋産業の創出と発展について情熱をもって語っていてなかなか迫力があり、聞きごたえのある発表だった。

終了時刻との関係で、その後のパレリストの間のディスカッションやフロアーとのやり取りにはあまり時間がとれなかったが、こちらについてももっと聞きたいと思うようないいパネルディスカッションだった。

今回のシンポジウムが、第3期海洋基本計画の内容充実、特に海洋基本法制定時からの懸案である海洋産業の創出と振興の施策の具体的前進に貢献することを願っている。
Posted by 寺島紘士 at 23:33
「台風18号 宿毛に再上陸」に思う [2017年09月17日(Sun)]
17日(日)夕方、テレビを点けたら「台風18号 宿毛に再上陸」という見出しが眼に飛び込んできた。

台風18号が午前11時半ごろ鹿児島県に上陸という報道に接して、その後の進路が気にはなっていたが、もっと北寄りに進むのではないかと思っていたので高知県の宿毛に再上陸という報道に接して驚いた。

宿毛湾は、本ブログでも時々紹介している沿岸域総合管理による海を活かしたまちづくりのモデルサイトである。
(本ブログ2016年10月13日、7月30日、7月27日、…、2012年12月6日等参照)

台風18号は、非常に勢力の強い台風なので、ときどき訪問して沿岸域総合管理の推進について協議をしてきた宿毛市及び大月町の皆さんが今回の台風襲来のもたらす大雨と暴風などにどんな対応を強いられているのか心配である。

特に、市役所や町役場の皆さんは、このような事態になれば休日でも出勤して非常事態に対応しなければならないので本当にご苦労様である。台風被害が少しでも少ないことをお祈りします。

さて、台風18号の今後の進路をみると、なんとその進路上には沿岸域総合管理のモデルサイト事業で頻繁に訪問してきた岡山県備前市(日生)、福井県小浜市があり、こちらも心配である。

また、振り返って見ると、台風18号は、13日頃には沖縄県の先島地方の付近にいた。直撃はしていないと思うが、これも沿岸域総合管理のモデルサイトである竹富町に接近していたのでそちらのことも気がかりである。

このように見てくると、なんと、台風18号は、私たち海洋政策研究所の沿岸域総合管理のモデルサイトを巡りながら日本列島を北上しているかのごとくである。

迷惑なことだが、このような自然災害に日頃から地域の皆さんが連携協働して備えておくのも沿岸域総合管理の目標のひとつなので、今回の台風18号にそれぞれがどう対応したか、そこから得られた教訓を今後にどのように活かしていくかを、沿岸域総合管理のモデルサイトのネットワークの中で今後互いに発表し合い、ディスカッションをするのも一つのアイデアではないか、と思った。
Posted by 寺島紘士 at 22:39
活気が出てきた第3期海洋基本計画の検討 [2017年09月16日(Sat)]
9月中旬に入って、第3期海洋基本計画の策定に向けた検討が一つのヤマ場を迎えており、あちこちで議論が行われたので、その一部を紹介したい。

9月12日(火)には、海洋技術フォーラム(代表:大和裕幸 海上・港湾・航空技術研究所理事長)主催のシンポジウムが「〜第3期海洋基本計画への提言〜」と銘打って東京大学安田講堂で開催された。参加者約600名という数字が第3期海洋基本計画への関係者の関心の高さを示している。(本ブログ9月12日、14日参照)

9月13日(水)に開催された第3回「北極の未来に関する研究会」においても、主要な議題として「第3期海洋基本計画の策定に向けて考慮すべき施策の要素」が取り上げられ、わが国が重点的に取り組むべき北極に関する課題と施策が検討された。(本ブログ9月13日参照)

そして9月15日(金)には、総合海洋政策本部参与会議 海洋環境の維持・保全PT(第5回)が開催され、次期海洋基本計画に書き込むべき事項についての検討が行われた。

さらに同日、自由民主党の宇宙・海洋開発特別委員会 海洋総合戦略小委員会(委員長:武見敬三参議院議員)が開催されて、第3期海洋基本計画を念頭において、各府省庁の平成30年度海洋関係予算概算要求や日本海大和堆周辺海域における外国漁船への対応状況などが審議された。

このように、10月の参与会議の第3期海洋基本計画の骨格となる施策の方向性に関する意見書提出を目前にして、わが国の海洋立国に関する議論が活気を帯びてきているのは歓迎すべきことである。

その議論の中から第3期海洋基本計画を構成する、骨太で明確な目標と具体的なロードマップを持った施策群が出現してくることを期待している。
Posted by 寺島紘士 at 23:11
「海洋生物多様性保全と利用に関する調査研究委員会」に出席 [2017年09月15日(Fri)]
9月15日(金)、海洋政策研究所の2017年度「第1回海洋生物多様性保全と利用に関する調査研究委員会」が開催された。私は、これまでは海洋政策研究所長兼委員としてこの委員会に出席していたが、6月末に所長を退任したので、今回はアドバイザーとして出席した。

冒頭に角南篤海洋政策研究所長が挨拶し、出席の委員・アドバイザー・オブザーバーから簡単な自己紹介があり、続いて白山義久氏が委員会の委員長に引き続き選任されて審議が始まった。

先ず、2017年度事業の進捗について、6月に開催された国連海洋会議、7月に開催されたBBNJ準備委員会第4回会合等について報告があり、それらについて審議した。

持続可能な開発目標(SDG)14(海洋および海洋資源の保全と持続可能な利用)の実施を推進するために6月に開催された国連海洋会議については、古川恵太海洋研究調査部長と前川美湖主任研究員が、その全体概要、会議成果として全体会議で採択された「行動の呼びかけ(Call for Action)」、政府・非政府の参加者から提出された自主的コミットメント(Voluntary Commitment)、SDG 14のターゲットについて参加者間で意見交換したパートナーシップ・ダイアローグなどについて説明した。

それらは、国連海洋会議の意義と成果をポイントを突いてまとめた中々いい発表だった。

国際社会のSDG14や国連海洋会議に対する関心はかなり高まっているが、残念ながらわが国の国内でのこれに関する情報の共有や取り組みの推進は必ずしも十分とは言えない状況なので、これらの発表資料をもっと活用して社会に発信していくことの必要性を感じた。

7月に開催されたBBNJ準備委員会第4回会合については、前川主任研究員がその概要を報告し、さらに第4回会合に出席して議論に参画した外務省の長沼条約交渉官が準備委員会における議論のまとめのポイントについて説明した。

続いて、研究所の2017年度事業実施計画(案)、特に国際会議「私たちの海洋(Our Oceans)」や気候変動枠組条約COP23など今後開催される海洋関係の主な会議への対応やBBNJ国内ワークショップの開催案などについて審議した。

さらに松田裕之横浜国立大学教授、加々美康彦中部大学准教授などからも話題提供があり、それらから発展していろいろ有意義な意見交換が行われた。

席上、国家管轄権外区域の生物多様性の保全と利用(BBNJ)に関する取組みと沿岸国のEEZにおけるそれらの取組との関連性や整合性をどう考えるべきかなどの問題も提起され、情報・意見交換が行われた。
Posted by 寺島紘士 at 23:29
海洋技術フォーラムシンポジウムに参加(2) [2017年09月14日(Thu)]
今回は、9月12日のブログ「海洋技術フォーラムシンポジウムに参加(1)」の続きである。

9月12日(火)、「海洋技術フォーラムシンポジウム〜第3期海洋基本計画への提言〜」が東京大学安田講堂で開催された。

シンポジウムは、武見敬三参議院議員の基調講演の後、次の4つの講演及び特別講演があった。

講演@「海洋安全保障−海洋権益−海洋立国」
角南篤(政策研究大学院大学副学長兼笹川平和財団海洋政策研究所長)

講演A「海洋人材育成と海への国民的理解について」
海野光行(日本財団常務理事)

特別講演「知られざる海の世界と歴史と技術−五島列島沖とフィリピン海の船影」
浦環(九州工業大学特別教授)

講演B「第三期海洋基本計画への提言」
高木健(東京大学教授)

どの講演もそれぞれの問題意識と専門的知見に基づいた傾聴すべき内容の濃い講演だった。

その中で、高木さんがその講演の冒頭に紹介した、2012年4月の第3回海洋基本法戦略研究会における湯原哲夫さんの発表PPT「次期海洋基本計画へ向けた提言」に特に心を動かされた。(第3回海洋基本法戦略研究会については本ブログ2012年4月29日参照)

湯原さんが、東京大学教授として、海洋技術フォーラム代表として、そして総合海洋政策本部参与会議の参与として海洋基本法の推進、海洋産業立国に熱心に取組んできたことは衆目の認めるところである。

私も海洋問題の取組みを通じて湯原さんと親しくお付き合いしてきた。残念ながら湯原さんは、2015年11月に多くの人に惜しまれながら亡くなられた。

その湯原さんが、第2期海洋基本計画策定に取り組んでいた海洋基本法戦略研究会で海洋技術フォーラム代表として発表を行ったときには私もその場で聞いてはいた。しかし、それから5年経った今あらためてその発表pptを読み直してみると、そこには現在でも十分傾聴に値する意見が述べられているのに驚き、かつ感心した。海洋政策・海洋産業の振興についていつも情熱をもって語っていた湯原さんの口調までが蘇えってくる。

特に、湯原さんが、その時から5年後、即ち2017年にはこうなっている、こうなっていなければならないとして描いた「5年後の新しい姿」が強く心に響いたので、それをここで紹介したい。

<5年後の新しい姿>
@ 海洋政策の具体的な施策が実行され、海洋国家の意思が国民に周知される。特にEEZにおける海洋産業が資源・エネルギー・環境問題の危機克服にとって不可欠である事が理解される。更に、EEZにおけるわが国の海洋権益を守る国家の意思が国民に支持されて、安全保障に関わる国民の意識が高まる。

A 官民あげてEEZでの資源探査を徹底的に実施した結果、EEZの資源エネルギーの産業ポテンシャルマップが作成され、国民の財産である推定資源量が明示される。ロードマップと技術戦略マップにより、2020年と30年の資源の自給率目標が明示される。

B 実海域でのパイロットプロジェクトの実施によって、探査・掘削・生産に関わる機器開発と実証がなされて、産業技術基盤が構築され、海洋産業の国際競争力のベースとなる。

C 公設民営体制での海洋産業の開拓がスタートする。
D 海洋開発と利用を担う人材の育成と研究開発設備の重点強化が図られた結果、海洋を目指す若者が増大する。

さて、今2017年の時点にたって、上の5つのポイントを現実と比べてみるとどうだろうか。これらはあまり実現されずに、依然としてこれから5年後の実現を目指して努力すべき目標として残ったままではないだろうか。

「5年後の新しい姿」を読んで、湯原さんの海洋産業立国に関する知見と情熱を改めて思い起こすとともに、あの世からの湯原さんの叱咤激励を聞いたような気がした。(続く)
Posted by 寺島紘士 at 23:11
第3回「北極の未来に関する研究会」に出席 [2017年09月13日(Wed)]
9月13日(水)、2017年度第3回「北極の未来に関する研究会」が開催された。
(北極の未来に関する研究会については、本ブログ2017年5月30日、2016年9月20日等参照)

先ず、今回が初めての出席となる内閣府総合海洋政策推進事務局の羽尾一郎事務局長と外務省の井出敬二北極担当大使が紹介され、それぞれ短い挨拶があった。

続いて議事に入り、先ず、第3期海洋基本計画の見直し作業に対する提言について審議した。

これまで第3期海洋基本計画の策定に向けてそこで考慮すべき施策の要素を議論してきたが、今回はそれに基づいて取りまとめたわが国が重点的に取り組むべき北極に関する課題と施策について事務局が説明し、それを基に審議を行った。

かなりまとまったドラフトが提示されたので、これについてメンバーからの意見の有無を最終的に確認した上で提言とすることとなった。

次に、恒例になっているメンバーからの北極に関する情報の共有が行われ、まず、「平成30年度北極に関する予算概算要求について」内閣府総合海洋政策本部及び関係各省庁から説明があった。

続いて、8月に北極担当大使となった井出大使が、第7回北極評議会メンバー・オブザーバー会合への参加報告を行った。

そのほか、神戸大学大学院極域協力センターの柴田明穂センター長、北海道大学北極域研究センターの大西富士夫准教授など研究会有識者メンバーから最近開催した、又は今後開催予定の北極に関するシンポジウム、セミナー等について報告・情報提供があった。

最後に、政策研究大学院大学副学長として研究会をリードしてきた角南さんが、このたび海洋政策研究所長に就任したので、海洋政策研究所としての北極問題についての取組の今後の方針や会議開催予定を披露して研究会を締めくくった。

私は今回の会議に財団参与として出席したが、この研究会が、有識者メンバー、産業界・研究機関、関係省庁等の皆さんの情報共有と建設的な意見の交換・共有・形成の場としていい形に成熟してきているのを感じて嬉しかった。
Posted by 寺島紘士 at 23:52
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