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第3期海洋基本計画について海洋フォーラム開催 [2018年05月23日(Wed)]
昨日(5月22日)、先に本ブログでもご案内した「第3期海洋基本計画について」の第151回「海洋フォーラム」を開催した。第3期海洋基本計画の閣議決定から1週間後という絶好のタイミングでの海洋フォーラムの開催となったせいか、300座席ある笹川平和財団ビルの国際会議場が参加者でいっぱいにちかい状況となった。皆さんの第3期海洋基本計画に対する関心大きさを実感して嬉しかった。

念のため記せば、今回の海洋フォーラムの講演テーマは、「第3期海洋基本計画について」で、講師は、内閣府総合海洋政策推進事務局の羽尾一郎局長である。羽尾さんは、第3期海洋基本計画の策定作業の陣頭指揮を執ってきた方で、新しく閣議決定された海洋基本計画について語るのにこれ以上に適任の方はいない。

羽尾さんは、85頁に及ぶ第3期海洋基本計画について1時間という限られた時間を有効に使って、歯切れよく、かつポイントをついてわかり易く説明してくれたので、第3期海洋基本計画の策定の議論にある程度参加した人、ほとんど参加していない一般の人の双方にそれなりに第3期海洋基本計画の内容が分かっていただけたと思われるいい講演だった。

今回は時間の余裕がないので、講演のメインパートである第3期海洋基本計画の構成及び主なポイントについては、回を改めて紹介することとさせていただくが、その中で感じたことをひとつ述べると、次のとおり。

今度の海洋基本計画についての新聞等の報道では、「海洋政策 安保重視に」「海洋政策 資源から安保」「海洋基本計画 安保前面に」と言う見出しが躍り、それだけに偏った計画内容のような印象を一般の人々に与えかねない。

しかし、この計画を一読していただけば分かるように、第3期海洋基本計画は、海洋基本法の基本理念や基本的施策を踏まえて策定されており、安全保障だけに焦点を当てているものではないことを明らかにしておきたい。

確かに、第3期海洋基本計画は、「総合的な海洋の安全保障」を「海洋に関する施策についての基本方針」の冒頭に掲げているが、中核である海洋の安全保障に関する施策と、海洋の安全保障に資する側面も有する施策を海洋安全保障の強化に貢献する基層(基盤となる施策及び補強となる施策)として併せて「総合的な海洋の安全保障」として定め、政府が一体となって取組みを推進するとしている。

即ち、安全保障とそれ以外の他の施策分野との密接な関係を明確にして総合的な海洋政策の取組みの重要性を強調しているのであって、(狭義の)安全保障だけを強調しているのではない。「総合的な海洋の安全保障」は、海洋基本法の目的「新たな海洋立国を実現すること」を目指すため「新たな海洋立国への挑戦」を本計画の政策の方向性として位置づけていることを踏まえて、海洋に関する施策についての基本方針のトップに据えられたと理解するのがいいのではないかと思う。

加えて、「海洋に関する施策についての基本方針」では、最近の海洋における情勢変化を踏まえ、「総合的な海洋の安全保障」のほか、海洋の主要施策として、(1)海洋の産業利用の促進、(2)海洋環境の維持・保全、(3)科学的知見の充実、(4)北極政策の推進、(5)国際連携・国際協力、(6)海洋人材の育成と国民の理解の増進を掲げ、これらについても基本方針を記載している。

第3期海洋基本計画が、安全保障だけでなく、このように第1期及び第2期の海洋基本計画と同様、あるいはそれ以上に、我が国の海洋政策について幅広く、そしてメリハリをつけて深く捉え、それを踏まえて各分野にわたる海洋に関する施策を数多く具体的に定めていること、かつ、それらをいかに着実に実行していくかについて工夫して定めていることが、今日の羽尾さんの講演を聞いてよく理解できたので、ここに記しておきたい。
Posted by 寺島紘士 at 00:59
第8回太平洋・島サミット(PALM8)首脳宣言 [2018年05月20日(Sun)]
5月18,19日の両日、福島県いわき市で開催された第8回太平洋・島サミット(PALM8)が,首脳宣言を採択して19日に閉幕した。

サミットの参加者は、日本と太平洋諸島フォーラムの加盟国・地域であるオーストラリア、クック諸島、ミクロネシア連邦、フィジー共和国、仏領ポリネシア、キリバス共和国、マーシャル諸島共和国、ナウル共和国、ニューカレドニア、ニュージーランド、ニウエ、パラオ共和国、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル及びバヌアツの首脳および代表(以下「首脳」)であった。

この太平洋・島サミットが、日本と「太平洋諸島フォーラム(PIF)」の加盟国・地域との間の重要なパートナーシップ会議であること、そこには太平洋島嶼国だけでなく南太平洋の有力国オーストラリア及びニュージーランドが加盟していることにも、あらためて注意を喚起しておきたい。なお、仏領ポリネシアおよびニューカレドニアが、今回から完全なPIFメンバーとして初めて参加した。

採択された第8回太平洋・島サミット(PALM8)首脳宣言は、新聞報道では、北朝鮮対策、「自由で開かれたインド太平洋戦略」などだけが大きく取り上げられているきらいがあるが、首脳宣言全文を、外務省のホームページで見ると、次の8項目、全部で52パラグラフに及ぶ質量ともに豊かな本格的な宣言である。

第8回太平洋・島サミット(PALM8)首脳宣言
◇概観(パラ1〜3)
◇PALMプロセス及び永続的なパートナーシップに向けた戦略的ビジョン(パラ4〜9)
◇法の支配に基づく海洋秩序及び海洋資源の持続可能性(パラ10〜19)
◇強靭かつ持続可能な発展のための基盤の強化(20〜32)
◇人的交流・往来の活性化(パラ33〜41)
◇国際場裡における協力(パラ42〜48)
◇PALM8会期中における協力活動(パラ49、50) 
◇今後の見通し(51,52)

その内容についていちいちここで取り上げるときりがないので、関心のある方には、是非本文を外務省のホームページで覗いてみることをお奨めしたい。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/ocn/page4_004026.html

いくつか特に取り上げたいところを拾うと次のとおり。

太平洋・島サミットは、1997年に初めて開催され、以後3年ごとに開催されてきて今回が8回目であるが、今回の首脳宣言では、

○首脳は、日本と太平洋諸島フォーラム加盟国との間の歴史的な絆と相互信頼に裏打ちされた強固なパートナーシップに対する力強いコミットメントを新たにし、パートナーシップが強化され続けてきた基盤を20年以上に渡り提供してきたこのPALMプロセスの重要性を評価した。(首脳宣言パラ4)。

○首脳は、太平洋において、法の支配に基づく自由で、開かれた、持続可能な海洋秩序の重要性を強調し、それが地域の平和、安定、強靭性及び繁栄に貢献することを認識した。その観点から太平洋諸島フォーラム加盟国の首脳は、太平洋における協力及び発展に対し日本が法の支配・航行の自由、連結性の強化を通じた経済的繁栄、海上安全及び防災の分野における協力等の3本柱からなる「自由で開かれたインド太平洋戦略」等により行う積極的かつ建設的な貢献を歓迎した。(パラ10)

○首脳は、持続可能な経済発展を促進し、食糧安全保障を確保するために、海洋およびその資源の持続可能な開発、管理及び保全に対する統合されたアプローチが決定的に重要であることを改めて表明した。(パラ14)

○漁業資源の科学的根拠に基づく管理、太平洋の漁業資源の持続可能な利用の互恵的な漁業取極め等を通じた協力関係の重要性、IUU漁業根絶のための監視制御・船舶監視についての協力深化など、漁業関係が大きく取り上げられている。(パラ15〜17)

○首脳は、国家管轄権外区域の海洋生物多様性の保全と利用に関する国際的な法的拘束力を有する文書の国連海洋法条約の下での作成の重要性を強調した。(パラ18)

○首脳宣言は、「強靭かつ持続可能な発展のための基盤強化」の項に13パラグラフ(パラ20〜32)と宣言中で最多のパラグラフを割いて、今世界中で取り組んでいる海洋の保全と持続可能な開発利用についての取組みを詳しく宣言している。

その冒頭のパラグラフは、次のとおり。

首脳は、持続可能な開発のための2030アジェンダ、「S.A.M.O.A Pathway」、気候変動枠組条約の下で採択されたパリ協定、仙台防災枠組、…などの世界的な実施に向けた協力の継続に対するコミットメントを再確認した。(パラ20)

太平洋島嶼国は、2015年のパリ協定を締結した気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC-COP21)、昨年の国連海洋会議など重要な国際的な場で、審議をリードするような目覚ましい活躍をしているので、この項のパラグラフが充実しているのは、そのことも反映しているのではないかと思った。

最後に、新聞紙上等でも大きく取り上げられた北朝鮮に関する事項は、パラ47でかなりの行数を割いて取り上げられている。関心のある方は、そちらをご覧いただきたい。
Posted by 寺島紘士 at 18:43
5月中旬の海洋政策関係会議等 [2018年05月19日(Sat)]
5月中旬は、早くも夏のような暑い日が続いた。その中で、待望の第3期海洋基本計画の閣議決定が行われた。海洋基本法の目的「新たな海洋立国の実現」を受けて「新たな海洋立国への挑戦」を本計画の政策の方向性として位置付けた第3期海洋基本計画がいよいよスタートした。これからは、この計画を着実に実施していくために各省庁間はもちろんのこと、政官学民の様々な関係者が連携・協働して施策の実施に取り組んでいくことが求められている。皆さん、ともに協力して「新たな海洋立国」を目指していきましょう。

5月中旬の私が直接関係した海洋政策関係の会議、意見交換等は次の通り。

5月14日(月)
○来日したWMU Sasakawa Fellowship, class of 2018(世界海事大学笹川奨学生2018年クラス)歓迎レセプションに参加。2018年クラスは、日本を含む24か国、30人の奨学生からなる。

5月15日(火)
〇第17回総合海洋政策本部会合、閣議開催。「第3期海洋基本計画」閣議決定。
(本ブログ5月15日参照)

5月17日(水)
〇「第212回ニューズレター編集会議」(笹川平和財団海洋政策研究所)出席
○駐日フランス大使主催「科学探査船タラ号東京寄港レセプション」(急用により残念ながら欠席)
Posted by 寺島紘士 at 15:15
第8回太平洋・島サミット開幕 [2018年05月18日(Fri)]
日本を含めて17カ国の首脳等が参加する第8回太平洋・島サミット(PALM8)が今日(18日)開幕した。

日本、キリバス、クック諸島、サモア、ソロモン諸島、ツバル、トンガ、ナウル、ニュージーランド、ニウエ、バヌアツ、パプアニューギニア、パラオ、フィジー、マーシャル、ミクロネシア、オーストラリアの17カ国が参加して、5月18,19日の両日、福島県いわき市で開催される。

太平洋・島サミットは、同じ太平洋に点在する島嶼国との交流を深め、関係を強化するために1997年に初めて開催され、以後3年ごとに日本で開催されており、今回が8回目である。

第一回開催の1997年から今回まで20年の歳月が流れているが、その間に1960〜1990年代に独立した太平洋の島嶼諸国が、徐々力をつけて発展してきており、2015年のパリ協定を締結した気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC-COP21)や昨年の国連海洋会議など重要な国際的な場でも、その活躍は目覚ましい。

今、SDGs(持続可能な開発目標)、特に海洋環境の保全と持続可能な利用を目指すSDG14の達成に向けて、各国・国際社会、そして様々な関係者が一致協力して取り組んでいる。また、わが国は、今週、第3期海洋基本計画を閣議決定して海洋の問題にあらためて積極的に取り組み始めたところである。そのようなタイミングで、太平洋・島サミットが日本のリーダーシップの下に開催され、太平洋島嶼国の首脳が顔をそろえて海洋の問題を直接議論するする意義は大きい。

そのように考えると、この第8回太平洋・島サミットの開催は、もっと広く一般の人々にも知ってもらって、多くの人々がサミットの様子を関心を持って眺めてもらってもいいように思う…が、メディアの取り扱いはまだあまり大きくないし、一般の関心もそこまではいっていない、と思う。

第8回太平洋・島サミット開催は、外務省のホームページに掲載されており、これからも会議の進行に従って関係の情報が逐次掲載されていくのではないかと思うので、関心のある方々は、どうぞそちらもご覧いただきたい。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ps_summit/index.html
Posted by 寺島紘士 at 21:42
「第3期海洋基本計画」について海洋フォーラム開催 [2018年05月17日(Thu)]
「第3期海洋基本計画」について第151回「海洋フォーラム」を開催することは、すでに海洋政策研究所ホームページでご案内しているが、一昨日の本ブログでもお知らせしたように、第3期海洋基本計画が5月15日に閣議決定され、絶好のタイミングでの海洋フォーラムの開催となった。そこで、重ねて第151回「海洋フォーラム」の開催を本ブログでもお知らせしたい。

日時:2018年5月22日(火)17:00〜18:30
場所:港区虎ノ門1-15-16 笹川平和財団ビル11階 国際会議場
テーマ:第3期海洋基本計画について
講師:羽尾一郎氏(内閣府総合海洋政策推進事務局長)
https://www.spf.org/opri-j/news/article_24688.html 参照

羽尾さんは、第3期海洋基本計画策定に向けた検討が佳境に入ってきた昨年8月に、前任の甲斐正彰氏の後を継いで内閣府総合海洋政策推進局長に就任し、それ以来、第3期海洋基本計画の策定作業の陣頭指揮を執ってきた方である。新しく閣議決定された海洋基本計画について語るのにこれ以上に適任な方はいない。

わが国の今後の海洋政策の具体的内容をその策定に心血を注いで取り組んだ責任者から聞く絶好の機会なので、わが国の「新たな海洋立国への挑戦」に関心のある方々に参加をお奨めしたい。

お申し込みは方法、上に示したホームページをご覧いただきたい。 
Posted by 寺島紘士 at 11:07
世界海事大学(WMU)が「世界海洋研究所」設立 [2018年05月16日(Wed)]
5月8日(火)、スウェーデンのマルメにあるWorld Maritime University(WMU、世界海事大学)でWMU-Sasakawa Global Ocean Institute (WMU-笹川 世界海洋研究所) の開所式が開催された。

世界海事大学WMUは、各国が国連の専門機関であるIMO(国際海事機関)において協議して締結した海上安全や海洋環境の保全に関する国際条約を確実に施行できるようにするため、海事に関する教育研究機関としてIMOが1983年に設立した大学である。

そのWMUが、最近の国際海運の発展とグローバル化、海洋の総合的管理と持続可能な開発利用の取組みの進展という21世紀の新しい環境に対応するためにアップ・グレードした新WMUの構築に取り組んでいる。その一つが「WMUの視野(scope)を海事から海洋に拡大」であり、今回のGlobal Ocean Institute(世界海洋研究所)設立は、これを具現化する意欲的な取り組みである。

WMU-Sasakawa Global Ocean Instituteは、その名前が示すとおり、この設立を提案し、支援する日本財団が研究所の設立パートナーとなっており、開所式には、日本財団の笹川会長が出席して挨拶している。(2018年5月8日(火)の「笹川陽平ブログ」参照)
http://blog.canpan.info/sasakawa/category_1/1 

WMUのホームページhttps://www.wmu.se/ をみると、笹川会長が、WMUのクレオパトラ・ダンビア−ヘンリ学長、国際海事機関(IMO)のキタック・リム事務局長・WMU総長、スウェーデンのイザベラ・ロビン副首相とともに、新研究所開設のテープ・カッティング、さらにケーキ・カッティングをしている写真が載っていて、皆さん楽しそうである。
https://www.wmu.se/

私は、日本財団にいた2002年からWMUの理事会(Board of Governors)メンバーとなり、その後、WMUの運営強化のため設けられた執行役員会(最初Executive Council、後にExecutive Board)のメンバーも兼務して2016年まで務めた。その後半には、新WMUの構築に向けて、WMUが教育研究機関として目指す方向、組織のあり方、活動内容、財政的持続可能性の確保策などの検討に参画し、その中で、海洋の諸問題を総合的・学際的な視点で研究し人材の育成に取り組む重要性についても発言してきた。(本ブログ2016年4月9日等参照)だから、このGlobal Ocean Instituteがついに設立されたことを聞いてとてもうれしい。

今回のWMU-Sasakawa Global Ocean Institute設立は、日本財団の海洋のガバナンス推進に対する強い思いとそのための研究所設立に向けた支援があってこそ実現できたものであり、笹川会長の強い信念とリーダーシップにあらためて敬意を表したい。

Global Ocean Instituteは、政治家、科学コミュニティ、規制機関、産業界、アカデミア、市民社会の代表などが集まって、現在と未来の世代の持続可能な発展のために海洋空間とその資源をいかに最善に管理し利用するかを議論しまとめるプラットフォームを目指している。

クレオパトラ学長は、歓迎のあいさつで、私たちが、こぞって、国連持続可能な開発目標、特に教育に間する「目標4」と海洋の保全と持続可能な利用を目指す「目標14」に対して特別のコミットをし、これに具体的に答えていくことが、創立35周年を祝うWMUの務めである、Global Ocean Instituteは、海洋の研究と世界の海洋政策に関する人材育成を進めるセンター・オブ・エクセレンスとして栄えていく、と述べている。

WMU本部の隣にGlobal Ocean Institute の建物が新設され、所長には、WMU日本財団チェア(海洋法・海洋ガバナンス)のローナン・ロング教授が就任した。R. ロング教授とはアイルランド国立大学教授の頃から面識があるが、Global Ocean Instituteをリードする所長にふさわしい方であり、その見識と手腕に期待したい。。

今回、世界海事大学にWMU-Sasakawa Global Ocean Instituteがついに実現したことを心から喜びたい。
Posted by 寺島紘士 at 18:26
第3期海洋基本計画、今朝、閣議決定 [2018年05月15日(Tue)]
本日(15日(火))朝、総合海洋政策本部会合及び閣議が開催されて、国会混乱等の政治情勢の中で閣議決定の時期が心配されていた第3期海洋基本計画がついに閣議決定された。

総合海洋政策本部会合では、安倍総理は、「…海洋を取り巻く環境変化を踏まえ、本日決定する第3期海洋基本計画では、新たな海洋立国への挑戦を掲げ、海洋状況把握(MDA)の能力強化などによる総合的な海洋の安全保障の実現、さらには海洋の産業利用、北極政策などに、一段とギアアップして取り組んでまいります。
 四方を海に囲まれた我が国にとって、こうした海洋政策は死活的に重要であります。…」と述べている。

さらに詳しくは、総合海洋政策本部のホームページで今朝の第17回会合の項をご覧いただきたい。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/kaisai.html

海洋基本計画の閣議決定については、本ブログ5月12日で紹介した内閣府の海洋政策ホームページ http://www8.cao.go.jp/ocean/ をご覧いただきたい。
「「海洋基本計画」を閣議決定しました」という文章をクリックすると、閣議決定された「海洋基本計画」とその概要及び参考資料、さらにそれに加えて、「海洋基本計画(案)」に関する意見募集及びその結果が掲載されている。

「海洋基本計画(案)」の意見募集については、寄せられた約200件の意見について、それらの概要とそれに対してどのように対応したか(計画を修正する、実施段階で参考にする、既に計画の中で対応している等)を表にまとめて発表しており、かなりきちんと対応されているようである。

基本計画全体をチェックして意見募集の際に提示された海洋基本計画(案)と本日閣議決定された海洋基本計画とを細かく比較する時間的余裕はまだないが、とりあえず、第3期の海洋基本計画が閣議決定され、関連資料が発表されたことを皆さんと共有することとしたい。

同時に、第3期海洋基本計画の策定に心血を注いで取り組んできた総合海洋政策本部参与会議及び総合海洋政策推進事務局の皆さんの熱意と努力にあらためて感謝したい。そして、その着実な実施に向けて引き続きよろしくお願いします。
Posted by 寺島紘士 at 18:51
『海洋の環』がさらに拡がる⁈ [2018年05月13日(Sun)]
一昨日届いた「海上保安新聞」5月10日号に眼を通すと、編集長コラムの「海流」欄がエリザベス・マン・ボルゲーゼ教授著『海洋の環』の日本語版出版を取り上げているのを見つけた。

「海洋の母」と称されたボルゲーゼ女史の、国連海洋法条約やリオ地球サミットの行動計画策定への貢献、海洋を「人類の共同財産」ととらえる考え方、共同財産の海を守るためには様々なレベルの国際的連携・協力が必要と強調していることなどを簡潔に紹介し、最後に、地球レベルの海洋の環境悪化が問題となっている今、女史の考え方から学ぶことが多いだろうと結んでいる。

21世紀に入って、海洋環境の保全と持続可能な開発利用はますます重要な政策課題になってきているなかで、海上保安庁は、海上において治安の確保・領海警備・海難救助・海上環境・災害対策・海洋調査・海上交通の安全・国際関係に取り組んでおり、その役割はますます重要になってきている。

海上保安新聞は、海上保安庁やそれに関連する分野でそのような業務に日夜従事して働いている人々を読者としている新聞である。

したがって、そのような海に深く関わっている方々に『海洋の環』の出版が紹介されたことの意義は大きい。

コラムで取り上げた編集長の識見に敬意を表するとともに、日常海洋を見て働いている方々が一人でも多く『海洋の環』を手に取ってみることを期待したい。

なお、エリザベス・マン・ボルゲーゼ教授の海洋のガバナンスの指南書『The Oceanic Circle』の日本語版『海洋の環』の出版(2月)については、本ブログ2018年1月17日、31日等、新聞等におけるその紹介については4月12日参照。

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『海洋の環−人類の共同財産「海洋」のガバナンス−』
エリザベス・マン・ボルゲーゼ 著
(公財)笹川平和財団 海洋政策研究所 訳
成山堂書店
Posted by 寺島紘士 at 23:54
新しい海洋政策ホームページを見てみよう [2018年05月12日(Sat)]
これまで海洋政策に関する政府の動きは総合海洋政策本部のホームページを開いてみていたが、本年度に入って新しいホームページの仕組みが導入されたことを皆さんご存知だろうか。

と言う私も、実は第3期海洋基本計画のパブリックコメントが始まった時に内閣府に新しく海洋政策のホームページができたことには気付いていたが、あまりに深くは考えていなかった。

先日、あらためて海洋政策に関する動きを知ろうと思い、先ず、総合海洋政策本部のホームページを開いて見た。

すると、そこには、「総合海洋政策本部、総合海洋政策本部参与会議以外の海洋政策に関する情報は、内閣府の海洋政策のページをご覧ください。」と朱書きされ、クリックすると内閣府の海洋政策ホームページが見られるようになっていた。
http://www8.cao.go.jp/ocean/index.html

早速、そちらを見てみると、「2018年4月3日に海洋政策ホームページを開設しました。」とあり、海洋基本法等の法制度やそれらに基づくわが国の海洋政策の仕組みや取組みを知るのに使いやすく、なかなかよくできている。

さらに、総合海洋政策推進事務局がその事務を自ら所管する「有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法」に関しては、「国境離島WEBページ」http://www8.cao.go.jp/ocean/kokkyouritou/kokkyouritou.html があって、

それを覗いてみると、いきなり有人国境離島について取り上げるのではなく、その前に、周囲100m以上の島が6,852、高潮時にも水面上にあるより小さな島を加えると数万あるというわが国の離島やわが国の領海・排他的水域について取り上げていて、その内容がなかなか面白い。

「離島の概要」では、日本の島嶼の構成(都道府県所在地の島5、無人離島6,430、有人離島417、内水面にある有人離島1)、島の面積とランキング・位置、世界における日本の領海および排他的経済水域ランキング(面積6位、体積4位)、日本の領海および排他的経済水域並びにその水深図を示している。

これらは、私にとってなじみのあるデータだが、なかなかよくまとまっている。200海里水域の体積ランキングは、現海上技術安全研究所主任研究員の松沢孝俊氏が海洋政策研究財団研究員だった時に算出して発表したもので、懐かしい。

「離島の役割」では、
わが国の領海および排他的経済水域等の保全/海上交通の安全の確保/海洋資源の開発及び利用/海洋環境の保全/領海警備及び安全保障/その他の役割、を項目として立ててその内容を説明している。

その上で、「有人国境離島」、「普及啓発」、…と進んでいく。

思わず引き込まれて読んでいくうちに離島及びわが国の海洋政策に対する理解が進む。なかなかよくできた海洋政策のホームページなので、未だ見ていない皆さんには覗いてみることをお奨めしたい。
Posted by 寺島紘士 at 23:52
ノルウェー外務大臣が海洋政策とSDGsについて特別講演 [2018年05月12日(Sat)]
5月10日(木)、来日中のノルウェーのイーネ・エーリクセン・スールアイデ外務大臣が海洋政策について特別講演をすると聞いて参加した。

講演タイトルの「私たちの海、私たち未来―ノルウェーの海洋政策とSDGs」は、まさに海洋の保全と持続可能な開発利用に取り組んでいる国際社会の問題意識そのものであり、それについてノルウェーの外務大臣が政府間での話し合いだけでなく、一般向けに特別講演するという。

最近は、SDGs(持続可能な開発目標)や気候変動枠組条約の「パリ協定」などの取組みでは、SIDS(小島嶼開発途上国)とともにスウェーデン、ノルウェーなどのスカンディナビア諸国の積極的な取り組みが目立つ。ノルウェーの外務大臣の立場にある方がこの問題についてどのような講演をするのか大いに関心を持って会場の政策研究大学院大学の想海樓ホールに出かけた。

なお、今回の特別講演は、「GRIPS特別講演」ということで、政策研究大学院大学(GRIPS)とノルウェー大使館、日本財団、笹川平和財団海洋政策研究所が共催した。

スールアイデ大臣は、講演の冒頭に概ね次のように述べて、話の流れを作った。

「海は世界を流れており、一か所で起きた汚染は地球の反対側にまで深刻な影響を与えかねない。海洋ほど世界の相互依存を示す例は考え付かない。海洋に関する緊密な国際協力が、気候変動の影響を軽減し、増大する世界人口を養い、持続可能なブルーエコノミーを発展させることができる。日本とノルウェーはともに海洋国家であり、海洋に関する世界の行動計画(the Global agenda on oceans)を前進させる責任を共有している。」

そしておよそ25分間、わかり易い語り口でポイントをついて、ノルウェーの海洋に関する取組について、および海洋の保全と持続可能な利用に関する世界共有のガイドラインであるSDGs、特にSDG 14を達成するための取組を直ちに始める必要性について、熱を込めて語った。

その中に出てきた、ノルウェーの具体的な取組みをいくつか挙げると次のとおり。

○ノルウェー政府は、2017年に@我々の海洋産業の持続可能な成長確保戦略、Aノルウェーの対外発展戦略White paper、の2つの海洋に関する重要文書を提出した。White paperは初めて作成され、a.海洋資源の持続可能な利用の促進、b.クリーンで健康的な海洋の確保、c.開発協力におけるブルーエコノミーの役割の強化、の3分野に特別配慮している。

○昨年12月の第3回国連環境総会(UN Environment Assembly)は、ノルウェーの提案を受けて、プラスチックの海洋への流入を止める決議を採択した。ノルウェー政府は、最近1500万ドルの予算で、開発途上国において海洋の廃棄物・プラスチックと戦うプログラムを開始した。

○Solberg首相は、持続可能な海洋経済の建設に関する国際ハイレベルパネルの設立を首唱した。パネルは、多くの海洋国のリーダーで構成され、国連および他の国際イニシアチブと密接に協力する。海洋産業と市民社会の代表は助言とインプットを提供し、専門家グループは科学的バックグラウンド情報資料を供給する。ハイレベルパネルの最終レポートは2020年に提出される。

○「Our Ocean」会議が来年10月にオスロで開催される。

講演に続いてフロアーとのQ & Aセッションがあり、参加者との間で活発なやりとりが行われた。

私も、海洋の保全と持続可能な利用に取り組むには、総合的なアプローチが必要であり、関係各省が連携協働して取り組む必要がある、日本でも海洋基本法の下でその取組は進んできてはいるがまだまだ十分ではない、それについてノルウェーではどうしているか、と質問してみた。

これに対しては、ノルウェーも同様の問題があったが、最近は、民間企業やNGOなどがSDGs達成の取組みに積極的に参加するようになって状況が変わってきている。民間企業、NGOなど様々な人々がこの問題を自らの問題として取組むようになることによって問題が解決する、と熱のこもった回答をいただいた。

全体で1時間の特別講演会だったが、なかなか聞き応えのあるいい講演で、その後のフロアーとのやり取りも率直かつ丁寧でいい感じだった。

一国の外務大臣が、このように豊かな識見と情熱をもってSDGs達成の問題などについて他国の一般人に対して講演し、率直に意見交換をするというのは素晴らしいことだと思った。
Posted by 寺島紘士 at 01:11
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