競艇は合法なギャンブル [2005年10月28日(Fri)]
理事長尾形の講演の内容を2回に分けてご紹介します。
北國新聞 政経懇話会10月例会 2005年10月26日(水) 「公営競技は社会悪か」 日本財団理事長 尾形 武寿 講演 <配布資料抜粋> 1.公営競技の種類 (1)中央競馬 国営・畜産振興 (2)地方競馬 地方自治体主催・畜産振興 (3)競輪 地方自治体主催・自転車他機械の改良 (4)オートレース 地方自治体主催・小型自動車他機械の改良 (5)競艇 地方自治体主催・船舶新興、海難防止事業の新興 2.日本の公営競技市場 (1)中央競馬 2兆9,314億円 (2)地方競馬 3,862億円 (3)競輪 9,151億円 (4)オートレース 1,130億円 (5)競艇 9,838億円 ────────────── 合計 5兆3,295億円 注:ちなみにパチンコは約30兆円です! 3.賭博と刑法 刑法 (賭博) 第185条 賭博をした者、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の 娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りではない。 (常習賭博及び賭博場開帳等図利) 第186条 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。 2 賭博場を開帳し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年 以下の懲役に処する。 4.英国の例 「1960年第二次王室委員会報告の審議の結果、国家は社会の問題とならない限り、一般市民の楽しみを阻害してはならない。(中略)禁止したためにかえって犯罪を生むものである。」英、パトラー内相 この考え方がギャンブルを合法化しました。 5.公営競技が「悪者」扱いされる所以 (1)ギャンブルは暴行、脅迫、強窃盗、その他の副次的犯罪を誘発し国民経済の機能に重大な障害を与える恐れがあります。【E大学】 → 犯罪の増加 (2)公営賭博場が出来ると、(中略)ギャンブル目当ての暴力団などが跋扈し風紀が乱れ青少年の教育環境も悪化すること、など、大きく住民の生活環境の悪化が必須であった。【弁護士 YN(新潟)】 → 暴力団の関与 (3)立川競輪場(東京都)近くの住民・事業所への調査結果を見ると、街の風紀・治安が悪化する可能性が高いといえます。建設予定地近くには、昔から住んでいる住民の他に、最近建設されたマンションの住民も多く、風紀上・治安上の観点からも立地条件としては不適です。【N反対の会】 → 風紀の乱れ (4)答弁で藤井町長は「これまで二回の請願採択は非常に重い」とした上で「勤労意欲を阻害する面がある環境を町が自らつくり出すことは問題」(中略)と反対理由を説明した。【熊本日日新聞】 → 勤労意欲の低下 (5)娯楽施設といいますが、娯楽を超えて家庭崩壊の原因となっています。(中略)家庭をかえりみない人を作ります。【日本共産党W支部】 → 家庭崩壊 6.ギャンブル依存症について <嗜癖(しへき)> 「ある習慣への耽溺」を意味し、止めたくてもやめられない一定のパターンを伴った行動を指す。依存症(Dependence)は特に重症例を指すが、嗜癖は軽症例から重症例までを含む言葉である。 (例) 薬物(アルコール、薬物シンナー、覚せい剤、コカイン、咳止めシロップ、マリファナ、鎮痛剤、睡眠薬、ブタンガス)、たばこ、摂食障害(過食、拒食)、パチンコ、マージャン、ギャンブル、暴力(家庭内暴力、老人虐待、DV、こども虐待)、恋愛、セックス、借金、仕事、ショッピング、習慣性逸脱行動(痴漢、のぞき見、盗癖)、株 → われわれの日常生活全てに当てはまる行為。ギャンブルだけが特別ではありません。 7.公営競技と刑法 桜木町駅前会員制競輪場外車券発売施設の設置計画に関する質問主意書(抜粋)(2004年12月2日佐藤兼一郎) <質問> 賭博や賭博場開帳などが刑法で厳しく禁止されている理由を明らかにされたい。 <回答> 刑法(明治四十年法律第四十五号)上、賭博行為や賭博場開帳等図利行為等を処罰することとされているのは、賭博行為が、勤労その他正当な原因によらず、単なる偶然の事情により財物を獲得しようと他人と相争うものであり、国民の射幸心を助長し、勤労の美風を害するばかりでなく、さらには副次的な犯罪を誘発し、又は国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれすらあるためである。 他方、公営競技については、法令に従い地方公共団体等が実施することにより事業の公正な実施が確保され、また、公益の増進を目的とする事業の振興、地方財政の健全化などに資するものであることから、関係する法律の規定によりその実施が認められているところであり、このような考え方は、現在においても妥当するものであると考えている。 公営ギャンブルは合法的であり、妥当なものなのです。 8.競艇の目的 モーターボート競走法 (この法律の趣旨) 第1条 この法律は、モーターボートその他の船舶、船舶用機関及び船舶用品の改良及び輸出の振興並びにこれらの製造に関する事業及び海難防止に関する事業の振興に寄与し、あわせて海事思想の普及及び観光に関する事業並びに体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に資するとともに、地方財政の改善を図るために行うモーターボート競走に関し規定するものとする。 競艇は、まさに正当なギャンブルです。 9.ギャンブルの視点 (1)公正性 ・ギャンブルの基本。八百長は何よりも忌み嫌うべきこと。 ・「李下に冠を正さず」「疑わしきは罰する」 (2)公益性 ・収益は社会のために使われてこそ。 ・世界は一家、人類皆兄弟姉妹 (3)透明性 ・ギャンブルは、社会が公正に評価すべきもの。 ・徹底した情報公開 私たちは、この精神にのっとって仕事に励んでいます。 10.日本の実情 (1)減点法による「年功序列型」出世システムの定着 (2)江戸の儒教+官僚支配により人民が自分で決めないようにしてきた。 (3)戦後の進歩主義者の成果=「評論家社会」の実現 ↓ ・日本人=「決断できない」民族になった ↓ ・何にでもチャレンジし、決断できる若者を育てることが必要 【かわいい子にはギャンブルをさせよ!】 ・自己責任の性根が身に付く。 ・良いことも悪いことも適度にやってくることが理解できる。 ・決断することの重要さを知ることができる。 いかがでしたでしょうか。 次回は、小規模舟券売店について、ご紹介します。 ■てら |