Googleアラートで、競艇に関するニュースを読んでいたところ、「地方自治体や国土交通省は、収益性改善のため、競艇事業の地方公営企業化を進めることを決定した」という情報が目に飛び込んできました。
地方公営企業とはどのようなものか、そして競艇事業をこのような仕組みにすることによってどのように変わるのか、感想をまとめてみます。
まず、地方公営企業とはどのようなものでしょう。
総務省のホームページ「政策・政策評価、地方行財政」→「地方行財政、地方公営企業等、各事業の概要・決算統計」→
「地方公営企業制度の企画立案」→
「地方公営企業の経営の総点検について」・
別紙2 地方公営企業関係制度比較表(pdf) を参考に抜粋してまとめてみます。
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★ 地方公営企業特徴 地方公共団体が経営する企業であり、住民生活に必要な公共的サービスを提供し、料金収入により、原則として独立採算で運営されるもの。
定義 @地方公共団体が、A直接地域住民の福祉の増進を目的として、B経営する企業 (経営の基本原則:公企法3条・経済性の発揮・公共の福祉の増進)
設立目的 住民の福祉の増進、企業方式による効率的な行政サービスの提供
根拠法 地方公営企業法、地方公営企業等の労働関係に関する法律
法人格 地方公共団体の一部(独立の法人格はなし)
設立要件 条例の制定(公企法4条)(設置及び経営の基本に関する事項)
施設所有者 地方公共団体
設立団体の長の関与 ・管理者の任命、罷免、懲戒処分(公企法7条の2@、F、G)
・予算の調製、議案の提出等(公企法8条)
・住民の福祉を確保するとき等の指示(公企法16条)
議会の関与 ・設置等に係る条例の制定(公企法4条)
・予算の議決(公企法24条)
・決算の認定(公企法30条C)
・料金(使用料に該当するもの)に係る条例の制定(自治法228条)
財務・経営の原則 独立採算原則(公企法17条の2A)に基づき、地方公共団体が負担すべき経費以外は
原則として料金による収入により運営評価制度・年度計画 毎年度ごとに予算書他必要書類を作成し、
議会の議決を経る。
地方公共団体の長の関与 ・管理者は長の補助機関としての権限を行使する。
・管理者は広範な権限を有するが、一部の事項について、地方公共団体の長の指示を受ける。
職員の身分 (労働関係) 公務員
@地方公営企業労働関係法で規定(公企法36条)
・団結権 ○
・団体交渉権 ○
・争議権 ×
A職階制の実施(公企法37条)
任用 ・管理者は、地方公営企業の経営に識見を有する者のうちから、
地方公共団体の長が任命(公企法7条の21号)。
・
企業職員(管理者の権限に属する事務の執行を補助する職員)
は、管理者が任免。
ただし、当該地方公共団体の規則で定める主要な職員を任免する場合においては、あらかじめ、地方公共団体の長の同意を得なければならない(公企法15条)。
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この競艇事業が、地方公営企業になるということは、一言でいうと独立採算で運営される組織になるということのようです。
どのようなことになるのか、私なりに考えてみます。
最初に人の面からはどのように変わるのでしょうか。
競艇事業は現在、地方自治体の首長、議会、事業部が一体となって運営されています。競艇場の経営責任者である市長など首長は、4年に1回の選挙で改選されます。また、現場の責任者である競艇事業部長(局長)は、2年から4年の人事異動で交代します。
そして、競艇の運営を担当する職員は、広くあまねく平等にサービスを提供していた職場から、利益を上げることを目的とした職場へと、人事発令によってガラリと立場が変わるのです。
一例を挙げますと、競艇ファンが遊ぶときの競艇場内の場所は、一般席、特別観覧席など席料によってグレードが異なります。つまり、顧客の支払いによってサービスを変えて、顧客満足の最大化を図っています。地方自治体の公共の仕事と競艇は視点が異なるといえるでしょう。
ところが、そのようにして経験を積み数年間の経験を積んだ職員は、人事異動によって他部署へ変わります。新しく配属された職員は、一から新たに学習を始める仕組みになっているのです。
その競艇事業が地方公営企業になると、地方公営企業の責任者は「独立採算」による経営を行い、現場で働く職員については、地方公営企業が独自に採用し教育することができるようになるのです。
競艇に関して中長期にわたる一貫した施策が可能になるでしょうし、「競艇事業をしたい!」と情熱を持った職員を独自に採用することも可能になるでしょう。
つまり公営企業化すると、競艇事業が、民間企業の構造に近づくといえそうです。
二番目としては、地方公営企業になると、アウトソーシング(外部委託)ができるようになることも、大きなメリットです。
先ほどと同様に、総務省のホームページ・
別紙2 地方公営企業関係制度比較表(pdf) から抜粋します。
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★ アウトソーシング(外部委託)特徴及び留意点 事務・事業の一部について民事事業者が既に事業展開している分野等において民間事業者等のノウハウを幅広く活用し、業務の効率化を図るもの。幅広い業務を一括して外部委託を図ろうとする際には、指定管理者制度等の活用も考えられる。
定義 地方公共団体が行政責任を果たすうえで必要な監督権などを留保したうえで、その事務事業を民間企業、NPO等住民団体、個人等に委託するもの。
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とあります。
つまり、公営企業化することによって、民間企業に幅広い事業を一括して委託することができるようになるのです。競艇を、エンターテイメント的な観点から民間企業が経営することも可能になります。
「レースの開催がないときも稼ぎどき」なんて発想もあるのかもしれません。競艇場の水面を使ったボートと水と光のイリュージョン!なんて、楽しそうです。
記事をデイリースポーツOnlineから引用します。
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2006年8月19日 デイリースポーツOnline
競艇事業を公営企業化 競艇を主催する地方自治体や国土交通省は十九日までに、収益性改善のため競艇事業を自治体の行政部門から切り離し、地方公営企業化を進める方針を決めた。業務の民間委託も促進する。事業を所管する国交省などが来年の通常国会で関係法などを改正し、実施体制を整える。
競艇事業は、滋賀県と全国の百十二市町が組合をつくるなどして開催しているが、約三分の一が売り上げの減少を理由とした赤字を公金で穴埋めしているのが現状。共同で企業団を設立した静岡県の浜松市と新居町以外は自治体職員による運営を続けており、改革が急務になっていた。
地方公営企業は独立採算制をとるため、経営状況に合わせて、人員削減や業務委託など効率的な運営が必要になる。また現在は法で禁止されている舟券発売、払い戻し業務の委託解禁も検討する。
一方、赤字に陥った自治体の支援策として、公益事業を行う日本財団への交付金(売上金の3・3%)を一定期間猶予する措置を導入する。さらに交付金の法定率引き下げも併せて検討し、年内に結論を出す。
このほか、平均年収が約千九百万円と他の公営競技に比べ高額な選手の報酬見直しなども行う。
競艇 現在は全国24カ所の競艇場で開催。売り上げは75%が払戻金に、5・6%が関係団体への交付金に充てられ、残額から経費を差し引いた分が自治体の収益になる。1952年の初開催以来、3兆7千億円を自治体財政に繰り入れた。ピーク時の91年度には2兆2千億円の売り上げがあったが、2004年度は9800億円と半分以下に減り、繰り入れは百億円だった。
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私は、今年の6月に経営企画グループから情報グループに異動。モーターボート競走事業活性化関連のニュースから遠ざかっていましたが、着々と競艇事業の活性化に向けて検討が進んでいることを知り、勇気付けられました。
競艇業界の一員として、できることにベストを尽くしたいと思います。
■てら