総務省は3月5日、「ラジオと地域情報メディアの今後に関する研究会(第1回会合) 議事要旨」を発表しました。
本会議は、総務省において2月8日(月)に行われました。
議事概要 )
研究会を立ち上げようと思った直接の理由 )
1.地デジの跡地利用。特にAMやFM ラジオの事業者が移ろうとしているマルチメディア放送のV-LOW の部分について、平行移動という話があるがそれでよいのか。それでラジオの人気が回復するのだろうかと言う点について疑問をもっている。
2.これから6ヶ月間、ラジオがかつての人気を取り戻すためにはどうあるべきか、皆様に忌憚ない意見交換していきたい
3.放送事業者に限らずV-LOW の利用を考えている方に大いに刺激を与えていただきたい。結果として、失われつつあるラジオの人気をもう一度回復してもらいたい。
座長挨拶 )
私はテレビの番組研究が専門で、ラジオは必ずしも専門ではないが、地域社会とメディアという関係でいえば、1970 年代に地方局のローカル報道が拡充した際、全国の地域メディアを取材・調査し、日常的な出来事がニュースとなるという価値基準の転換を経験したことがある。
また、私の所属する放送学科にはラジオ志望の学生が多い。今年の卒業論文にも「ラジオとインターネットの連動によるリスナーの獲得」というテーマのものがあった。22 歳の若者が今の中高生がラジオを聴かなくなったことにショックを受けたことがこのテーマ設定のきっかけだった。
このように若者のラジオ観を身近に感じているので、どこかでお話しできればと思う。この研究会には、ラジオや地域情報、コミュニティメディア、インターネットなどのクリエーター、プロデューサー、研究者にお集まり頂いている。皆さんが実践的、実感的にラジオや地域情報に携わっているので,今後の地域情報メディアの在り方について、望ましい絵が描いていければと思う。
意見交換)
1.石井構成員
東京だけの発想で物を考えるのはもうやめよう。ラジオは広告費などの面で大変な状況にあるのは事実だが、むしろチャンスなのではないかという視点で議論がしたい。肉声の温かさ、これはラジオにしかないものだと思う。また、ラジオが大きなメディアではないからできることがある。
2.伊藤構成員
コミュニティ放送は、お金はない、人はいない。でも、マイナスからのスタートでは知恵が出る。地域との連携も生まれる。地域の思いは大切にしなければならない。なぜ、発信するツールが多いこの時代に放送局にこだわるのかと言えば、それは信頼性が高いから。良い形で地域情報メディアの在り方をお話しできたらと思う。
3.入江構成員
自身がラジオ局に入社する際、「音声には限りない可能性がある。どんな時代になっても音楽を伝える、声を伝える、肉声を伝える必要性というのは絶対にあるし、テレビにはできないことがあるに違いない。」と考えていた。昔は音楽を聴く際にはラジオに耳を傾けていたものだが、今はインターネット配信で流れてくる。ラジオのデジタル化による可能性について、この機会に考え直したい。
4.太田構成員
ラジオは非常に大きな可能性を持っていると思う。もしかしたら広告主はその大きな可能性に気づいていないのかもしれない。インターネットの世界とは違う視聴者の方々の熱量というものをヒントにしながら、新しい地域情報メディアの在り方について皆様と一緒に研究していけたらと思う。
5.金山構成員
今回の研究会で、ラジオが築いてきた文化、それは日本のメディアの文化、日本の社会が築いてきた文化でもあると思うが、その文化を再評価できるような議論がしたい。ラジオは人と人をつなぐ、非常に重要な媒体であると感じている。
6.芝構成員
阪神淡路大震災当時の各ラジオ局や新聞社等の調査によると、被災者にとってあるいは避難所において、一番はじめに情報を得たメディアはラジオであった。今でもそれは当てはまると思うが、新しいメディアとの組み合わせの可能性も議論していきたい。
7.田中構成員
今までは広告料を支払って広告をする「Paidmedia」が中心だったが、インターネットにより、企業がメディア化できるようになってきた。また一般生活者がどんどん情報を発信することによってそれがメディア化してきた。ラジオというメディアが例えばインターネットなどとつながることによってどうバリューが出るのかを自分なりの視点で話していけると良いと思っている。
8.西田構成員
テレビや雑誌と異なり、ラジオは「早送り」で聴けないメディア。聴き手が、その時間分、送り手の話に耳を傾けなくてはならない分、他のメディアにはない利点があると思う。
9.舟橋構成員
地域情報メディアを考えるとき、技術、社会、文化のどこにも偏ることなく、日本の技術、社会、文化を活かしてシナジーさせることがこれからの可能性を生むと考えている。また、メディアとして、地域と広域の連携も重要と考えている。今後もメディアが担っていく文化は何か、既存のステークホルダーと新しいステークホルダーの皆がラジオに参加することで元気になる形を考えていきたい。
10.三浦構成員
学生のときに深夜のラジオで自分の悩みに直接的に答えてくれるパーソナリティの方に支えられた。自分はリスナーに近い立場から、ラジオの暖かさ、文化を伝えていきたい。
内藤副大臣の意見交換換後の発言
1.放送時間の分だけ聴いていなくてはならないことは、今の時代ではハンデかもしれないが、人の話を聴くことで得られる理解度は非常に高いものがある。ネットや本で知識を得るよりも、理解が深い部分もあるのではないか。
2.ラジオのコンテンツにはCDなどにして売れているものもある。そういった活かし方も考えられるのではないか。
3.ラジオにはメタ情報を与えられないメリットがある。情報をインデックス化できない最後のメディアである。
4.コミュニティ放送では、有名タレントは出せないが、市議会選挙の開票速報がキラーコンテンツである。自分の投票した人がどのくらい票を得たのかは地域にとってはとても大事なことである。
5.火災の情報などの地域に聴かせなければならない情報を聴かせられるメディアとしてラジオは有用である。
6.人気のラジオ番組であっても、従来の広告の付け方ではスポンサーからお金がつかなくなってきている。
7.新しいメディアを作る際に、新しいジャンルの人々が集められるのは当然だとは考えるが、数十年に渡ってラジオ業界が培ってきたノウハウの蓄積は大切にしたいと考える。
8.これからもラジオは音声情報だけで良いか。それとも映像などのコンテンツも一緒に送ることができた方が良いか。新たな時代のラジオを考えていきたい。
9.BSデジタルラジオや見えるラジオの総括を行うことが必要。ラジオは音声だけでイマジネーションできるメディアとする考え方もある。
10.決まった時間に決まった番組を聴くという不自由なメディアというところを売りにしていくのも面白い。
11.災害時にラジオの省電力性は強みになると思う。ワンセグでは数時間しか電池が持たない。エコメディア、エコ端末という観点で、省電力な電子インクを使用した電子ブックリーダーにラジオを組み込むことなども考えられる。
( 総務省のHPから編集 )