この駅は、横須賀線しか止まらないので、日中の時間帯によっては、一時間に6本しかなく、次の電車まで最大16分も待つ事があります。
地方ローカル線を旅していると、次の列車の待ち時間16分なんて奇跡的な列車運行なのでしょうが、関東首都圏、湘南のターミナル駅、大船が最寄駅として、普段使っている私たちにとって、次の電車迄16分待つなんて・・・なんて不便、信じられないと云う環境なのです。
16分、座る椅子の少ないホームで待つのは嫌なので、こんな時は駅隣接のショッピングプラザ内の本屋さんに入り、本の立ち読みをして、時間をつぶしています。
しかし、今週、時間つぶしに何時もの本屋「住吉書房」に行こうとすると、なんと閉店していました。「住吉書房」お前もか!
実は、私の近所にある巨大ショッピングモール「コーナン鎌倉」に入っていた大型本屋さん「文教堂」も昨年閉店しました。
退職男性の暇つぶしスポットのひとつ、大型書店が次々に消えていくのです。
多くの人が実感していると思います、日本にある書店の数は、この20年ほどで半数以下に減ったのです。かつては駅前や商店街に必ずといってよいほど存在していた「本屋さん」が、人々の生活空間から消えつつあるのです。
なぜ、これほど書店がなくなっているのか、調べてみました。
この問題に関して詳しく説明しているサイトがありました
https://toyokeizai.net/articles/-/253083
簡単に要約すると、
書店が大幅に減少している背景には、単に本が売れなくなっているという要因だけではなく、日本独特の出版産業の構造があると云うのです。
欧米先進国と日本の書店の最大の違いは、日本の書店は雑誌を多く販売してきたという点です。
一般的に日本以外の国の書店は「書籍店(BookStore)」であり、雑誌はニューススタンドやドラッグストアなどで販売されています。
書店店頭に毎日新しい雑誌が次々に並ぶという風景は、日本にしかないのです。
書籍の販売で得る利益で経営を支えている欧米の書店と違い、日本の書店、特に中小規模の書店は、雑誌の販売で利益を上げてきていましたが、雑誌などは、インターネットや端末機器の発達で急激に下回り、最盛期の1/3まで売り上げが減少してきているのです。
書店、とりわけ駅周辺や商店街にあった雑誌販売を中心とした従来型の「街の書店」が急速に姿を消しているのです。
ショッピングセンターに入る粗利率の低い大型書店は、床面積・坪単価・売上高を他業種と比較しをみると、けっして良いテナントではなくなって来ているのです。
では、日本の書店はどんどんと消え去るのみとなるのか?
アメリカの書店は色々な工夫で頑張っていると伝えています。
店ごとに独自の分野に特化した品ぞろえや、カフェを併設したり、集客、売り上げを伸ばす努力をしています。
これが成り立つのは、本そのもの値段が日本よりも高く、そして本屋さんの粗利率も日本の20〜25%ではなく40〜50%と高いのが要因です。
専門家は日本の書店を立て直す為には「配本制度の抜本的な見直し」が必要と云っています。
出版社⇒取次店⇒書店の間で成り立つ、返品ありルールを、他の物販と同じように、直接仕入れ、買い切りルールにすることによりより読みたい、売りたい本の見極め、仕入れ力があがり、店頭の売り上げ増加、粗利率の上昇につながると述べています。
今、大手書店の「蔦屋」が果敢にチャレンジしています。
行政が図書館に指定管理制度を取り入れて、一般企業に運営を任せようとして、市民と蔦屋の間で、ある種の軋轢が生じてしいます。
市民、人々が読みたいベストセラーのみが配本され、少数の人々のみ興味のある分野の書籍が疎外されると云う公共図書館にありがちな問題をこれからどう解決していくのでしょうか。
このままでは、本はインターネットでしか買えない状況に陥るかもしれません。
定年退職年金シニアは益々行く場所がなくなり、自宅書斎のパソコンで、本を読む一日となるのでしょう。