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2019年06月05日

1989・6・4 天安門事件 新聞報道によせて

ここ数日、30年前に起きた中国民主化運動、天安門事件の報道記事がマスメディアに取り上げられています。中国国内では、「6月4日」と云う文字列までネット検索できない状態のようで、国家権力による検閲・統制の怖さを改めて感じています。

chaina01.jpg私が中国旅行を卒業したのは、1993年6月の西安・敦煌旅行がきっかけでした。
当時私は45才、中国は改革・開放路線に切り替え始めた頃で、日本では、東洋4000年の歴史、シルクロードをはじめとする中国への旅行ブームでした。

6月2日、旅の初日は定番の北京観光でした。
この中国旅行は4度目で、天安門広場にも何度も来ていますが、この時、前回の時よりも警備の兵士の姿が多いのとバリケードの多さに少し違和感を覚えました。
添乗員から、現地ガイドに対して、4年前の民主化運動、天安門事件に関する質問をしないで下さい。と事前注意されていました。今、思い返しますと、2日後に4年前に起きた天安門事件があったので警戒が厳重だったようです。

当時1993年はケ小平の改革開放路線へと進みだしていましたが、まだ天安門広場の道路は、私たちが中国にいだくイメージの自転車による通勤の大群の列は残っていました。
ツァーは天安門広場で30分ほどの自由解散になり、撮影をしていると、中国の地方から出てきた若い観光客と思える女性がカタコトの英語と手ぶりで、フィルムをカメラに装着するのを手伝って下さいといっているのが解り、彼女がさっきこの広場で買ったと云うフィルムケースを開けると、なかに入っていたのは石ころ一つでした。
私は、一瞬、低開発国によくある外国人光観客の好意をひっかける詐欺かな、と思ったのですが、彼女はびっくりし、泣き出したのを見て、ひっかかったのは、地方から出てきたお上りさんなのだと理解しました。
簡単な英語が解るようで、何処から来たのと云うと、蘭州で、小学校の先生をしていて英語は自分で勉強しているそうで、昨日、北京に来て先ほど広場の売店でフィルムケースを買ったと云い、まだ半べそをかいていました。

当時は当然ですが、フィルムカメラ全盛時代です。
海外旅行に行くに、1日36枚撮りフィルム二本の計算で日数分用意する時代でした。
彼女のカメラに自分の予備フィルムを装着してあげると、彼女は自分の住所・氏名を書いたメモを渡し、お礼状を書くと云いますので、私のメールアドレスを渡すと、首を傾げ、パソコンは使えない、持っていないと云うので、住所を書いて渡しました。
1993年、まだWindows95は発売されていない時代でした。
北京のゲームセンターでは、子供たちがインベーダーゲームに熱中していた時代です。
後日、彼女から達筆の漢字でお礼状が届きました。
私にとって、天安門広場はそんな思い出の地です。

chaina02.jpg天安門広場から敦煌に飛びました。
この時の目的地は、「敦煌」とその周辺のシルクロード遺跡です。
まだ、この時代、中国を旅する外国人旅行者が使える貨幣は、兌換券の時代でした。
敦煌のお土産物屋での買い物の支払いは、当然「兌換券」なのですが、お釣りは一般中国元です。外国人旅行者はこの少額の中国元がつかえる所は極端に少なく、一般の市場での少額の飲み物、食べ物だけで苦労したことを覚えています。

敦煌のホテル滞在中、ホテルの女の子は、カミサンの着ているもの、持っているもの興味津々です。遠慮なく触れてきて、決まって「これは幾らするの?」と聞いてきます。
当時のドル換算レートで云うと、びっくりするだけでした。
聞くと、カミサンの着ているセーター一着は、彼女らの数か月分のお給料にもなるようでした。

chaina03.jpg旅の最後の日は、昔の漢の都長安です。
三蔵法師の物語にも登場する、大伽藍塔が町の大通りから眺められるのですが・・・
夜になると、その大通りに、大きな赤い灯、青い灯のネオンが煌々と灯りだします。
ネオンサインは、西安名物の餃子店であったり、飲み屋、レストランであったりします。
ケ小平の改革開放が、この漢の古都、西安にも及び始めているのです。

1993年、この年を境に、私たち夫婦は中国旅行を卒業しました。
日本人の中国詣で、憧れの悠久の大地、4000年の歴史の国へのツァーはこの頃から、極端に少なくなっていくのです。
そして、2019年、あの当時、カミサンの着ていたセーター、持っていたバッグの値段にびっくりしていた、中国の少女たちが、気軽に日本に遊びに来る時代になりました。
私たちは、六年前、パスポートの期限切れをきっかけに、更新せず、20代から続いた海外旅行を卒業しました。
posted by 西沢 at 08:39| Comment(1) | TrackBack(0) | シニアライフ