全国で高齢ドライバーによる交通死亡事故が相次いで報じられています。
ネットなどでは「高齢者の運転免許没収」といった極論まで出ており、団塊世代の私たちにも無縁の問題ではなく自分にも起こりうる問題だと捉えています。
関東が一日中豪雨見舞われた日、特に外出する用事もなかったので、半日、昼間からカミサンの見る「ワイドショー」に付き合っていました。
各局で共通して取り上げられていたのが、高齢者による交通事故の話でした。
ある番組では、池袋の87才超高齢者元官僚による母子二人がなくなる事故について
・なんで、事故を起こした人間が、拘留されないのか?
・なんで、メディアでは、元院長などと、昔の肩書で呼ぶのか?
・メディアに現れた姿、帽子・サングラス・マスクを見て、本当に謝罪する気持ちがあるのか?
・事故直後、助けもせずに車の中で息子に電話しいてる、非常識はなんだ、と
・事故を起こす前から、足にけがをしていて、医者から運転を控えるよう
ある番組では、3年前の80才高齢者による、埼玉の女子高校生の死亡事故について
・事故を起こした老人は、懲役1年6月なるも収監されずに、死亡。
・父親は取材で、一度も相手側からの謝罪の言葉もない。
・民事訴訟を起こそうとしたら、本人が亡くなっていた。
・この怒りの矛先がないのが無念
私たち夫婦には子供がいませんが、お子さんを無くしたご両親のお気持ちは察するにあまりあります。このような高齢者による悲惨な事故で、高齢者の運転免許証になんらかの制限をかける話が起きるのは理解できます。
私とカミサンは、60才時、運転免許更新をせずに失効しました。
「免許返納」と云う言葉が、お上にたいして、へりくだっているように感じるので、何もせずに放っておいただけです。
もともと、首都圏に住むようになってから、所謂「自家用車」というものを持ったことがありません。首都圏に住むようになって、上野池之端、世田谷東松原のアパート住まい、電車の駅から徒歩5分圏内、自分のマンションに住むようになってからも、現役時代横浜も、退職後の鎌倉もJR駅から徒歩10分以内ですし、もし仮に自分の車を持つと、マンション内の駐車場は外よりも高く、数万します。
車は定年後の家計を圧迫する「金食い虫」と信じて疑いませんでした。
私はもともと、車の運転があまり好きではないのです。
これまで海外を含め、事故を3回起こしています。
何れも相手がいるのですが、人身事故ではなく接触・衝突事故です。
元々、運転免許は海外でとったので、日本のような小さな接触、傷は事故のうちに入らないと云う感覚で生きてきました。
日本に戻ってきて、新たに日本の免許を取り直しましたが、仕事柄、自分で車を運転機会少なく、必要性はかじませんでした。
最後にハンドルを握ったのは、20年も前ですから、私はオートマ車は運転出来ません。
数年前、カミサンの友人ご夫婦が人身事故を起こしました。
細い道から本線に出た途端、右側から来た50ccバイクが衝突したのです。
車の運転手のご主人70代半ば、衝突したバイクを運転していたのも70代の男性でした。
事故は、本線に出る車が一時停止を怠ったのが原因で、バイクの高齢者男性は打ち所が悪かったのか、死亡しました。
互いに高齢者同士の事故、ご主人と同乗していたカミサンの友人は、逮捕・拘留はされませんでしたが、数日、警察署で任意の取り調べがあったそうです。
もちろん、刑事裁判は行われ、執行猶予の有罪となりました。
問題は、民事裁判でした。
亡くなった70代の高齢者がちいさなラーメン屋さんをやっていたので、その補償が保険会社の間で問題になったようです。
遺族からは、相当厳しい言葉で非難・中傷されたようです。
問題はその後です。
70代半ばのご主人が、この事故・裁判・民事補償問題で鬱状態になり、その後認知症を発症してしまったのです。
カミサンの友人女性は、活発な女性で外に出て発散できるのですが、ご主人は完全引き籠りり、家庭崩壊一歩手前の状態に陥っています。
高齢者事故を無くすにはどうしたら良いのか?
首都圏の公共交通事情の良い場所に暮らす私たちは、簡単に車を手放せば、経済的にも楽になる、必要な時はタクシーでも子ども、近所のお世話になればいい、と云いますが、確かに私たち夫婦は、地方の観光地にツァーではなく、個人自由旅行の形態で旅すると、公共交通機関、バス、列車の少なさに、愕然とします。
地方では、自分の足を奪われるのは、自由を奪われるのと同じ・・・と云う論理、考え方はよく解ります。
交通事情の悪い地方都市、どんな田舎、過疎地でも、行政が最低午前一便、午後一便のデマンド小型バスの運行を義務付けた法令が必要だと思います。
そのコストは、全住民が負担しても、一向に構わないのですから。
しかし、新聞に「免許返納 高齢者農家には死活問題」という投稿がありました。
どんなに、無料のバスを頻繁に走らせたとしても、日常の作業、生活に車が必須の地方都市の農業従事者は困る。とありました。
家から車で5分の煙草の自動販売機に行く高齢者と、生活・生産の為に軽トラックを走らせる人と一緒にしての、制限をかけることは無理があります。
ひとつの案として、運転する地域・範囲・車種の制限を設けた運転免許証もこれからは考え時代なのでしょう。