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2018年06月17日

散る桜、残る桜も散る桜  映画「終わった人」を見て

この映画のサブタイトルは「暇だ!」です。
六月の今頃は、私のリタイヤライフの一年で一番暇な時期です。
定年後の過ごし方、時間の使い方として一番のウェイトを占めている NPOセンターでの市民活動団体へのIT支援、webプログラム講座が三月に終わり、四月・五月は、ビデオ・写真 撮影の為の旅行をスケジュールの中心にして過ごし、8月は夏休み関連の高校生ボランティア支援や、センター フェスティバル・地域のお祭りなどの行事が目白押し、そして9月から新たな講座がスタートします。梅雨の季節の6月〜7月が毎年、一番暇な時期となってるのです。

で、週末は三週連続して映画です。
先々週の「家族はつらいよ3」先週の「万引き家族」に続いて今週は「終わった人」です。
全て邦画です。
最近の洋画で見てみたいもと思ったものはありません。
ほとんどが、ハリウッド製のCGを駆使した、荒唐無稽ムービーとアニメばかりで団塊世代のオジサンを映画館 に足を運ばせる、魅力もパワーも感じられません。
鎌倉市内には封切り映画館がないので、二駅先の辻堂湘南モールか、横浜になります。
電車代往復390円とシニア割引料金1,100で、リラックスできる椅子に座って、2時間、異次元の世界に浸れるので すから、考えたら安いもの、毎週月4回行って6,000円ですから、リタイヤシニアの時間の過ごし方としては高尚 な趣味の部類と、自画自賛しています。
さて、「終わった人」ですが、以前ブログで紹介しましたが、小説を読んだ読者の感想や、この映画のキャスティング 東京大学法学部を出て、メガバンクで働き、出世コースから子会社に出向させられ、そのまま定年63を迎えた主人公 を演じるのが「舘ひろし」その妻は「黒木瞳」で、あっても「シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない 普遍的テーマを描いた話題沸騰必至の問題作。」との解説を読んだだけで、浮世離れした、現実社会から遠く離れたおとぎ話 、なんだかんだあっても、ハッピーエンドで終わるラブコメディだろうと思い、見る予定はなかったのですが・・・ 見に行ったのは、この映画のサブキャッチコピー「暇だ!」だからです。

ストリーの展開は想像どおりでした。
会社の最後の日、部下や家族から
「定年退職おめでとう」
「ここまで家族の為に働いてくれてありがとう」
「これから第二の人生、ゆっくり休んでやりたい事をやって」
と云われても、趣味もなく、やりたいこともなし、美容師の妻が出勤した後は、遅い朝食を一人で食べ、今まで 見たこともない昼のTVワイドショーをみる、11時には早めの昼食を自分で作って食べ、昼寝をする、「暇だ!」 図書館へ行っても、スポーツクラブへ行っても、カルチャーセンターへ行っても、廻りはジジ・ババだらけ。
「俺はまだ終わっていない」 ハローワークから紹介された求職先では高学歴・高職歴が却って邪魔で仕事は断れる。
そして、生まれ故郷、盛岡の歌人「石川啄木」を勉強する為に大学院に入ろうとして勉強を始める過程で、 故郷の方言で童話を書きたいと云う30代の女性と出会い、一方的な恋の夢想にふける。やがて、スポーツクラブで知り合った若いIT会社社長に請われ、顧問として働き始め、暇ではなくなる。
その会社の社長の突然死から、歯車は思いもしない展開が始まる。
ここまで見ていても、これまでのファミリー・ラブコメディの展開で最後はハッピーエンドで終わるだろうと 思っていましたが、違っていました。

話の続きは、劇場で見て下さい。
映画の最初の頃に出てくる良寛の辞世と伝えられている「散る桜、残る桜も散る桜」 がこの映画全体の底流にあるのです。

余談、 流石に東大法学部卒・大手メガバンク勤務者の定年後のストリーでは、年金や経済的な話題 はいっさい登場しません。 主人公は最後には生まれ故郷の岩手で震災被害者を支援するNPOで働くことになるのですが、イージー過ぎます。
実際にNPOに携わっている私たちは解っています。
NPOには独自の収益を得る手段・事業をもっているのは、当てずっぽうですが一割もないでしょう。資金・事業費のほとんどは、行政の補助金や寄付に頼っているのが現状で、高い志、社会意識を持つ若者は生涯をこの 仕事に就き、家族を養っていくことは出来ません。
この主人公のような、恵まれた年金受給者がボランティア的時給、最低賃金でサポートしていくしかない ことを、この映画は伝えるべき、と映画を見た私は思いました。
タグ:終わった人
posted by 西沢 at 09:14| Comment(0) | TrackBack(0) | シニアライフ