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2018年06月11日

ボランティアは無償であるべきか?行政主導のブラックワークか

朝日新聞の土曜版特集の読者アンケートが掲載されていました。

「ボランティア元年」と呼ばれた阪神大震災から23年余り。東京オリンピックとラクビー―ワールドカップでは、延べ12万人のボランティア募集が打ち出され、関心が高まっています。
一方、交通費などが出ないことから「ブラック」との批判もあります。
どこまで「無償」であるべきでしょう。


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私の場合、勝手に定年リタイヤに入った15年前55才の時に、地元の市民活動をサポートするNPOの会員になり自分のスキル・経験をいかして、市内で活動する市民団体のwebプログラム支援を行う部署で、無償のボランティアをしてきました。
私のなかではボランティアとは、「自ら申し出た・無償の行為、但し自分の時間を縛られない範囲」と定義していました。
経済的には働かずに済む環境であり、退職後の生き甲斐の一部と位置づけてやって参りました。

しかし、ある時期を境にこの気持ちが揺らいできました。
それは、官設・民営の先駆けであった鎌倉NPOセンターが、指定管理制度をとりいれて、これまで基本、市の予算のなかで行き届かない所を私たちの中間支援NPO団体がボランティアとして賄ってきたものを、指定管理と云う名の元、決められた市の予算で、法人としてのNPO団体が、本来、行政が担うべきものを制度の元請け負うと云う形になったのです。

このように指定管理制度は図書館・公民館・体育館・公園など次々ととりいれられていきました。行政の考え方は、民間の経験・人材でより良い市民サービスを、効率よく、安価で行える、と云うものですが、年間300日市内2か所の市民活動センターを開館し、500を超える市民活動団体の支援をする費用(指定管理を受けるNPO団体に支払われる予算)は、市の職員一人の年収分にも及ばない金額です。
ボランティアと云う美辞麗句に名を借りた、経費節減です。

この指定管理制度の元では、受付や団体の支援・相談の部署スタッフは、契約労働者と見なされ、社会保険・雇用保険・交通費そして神奈川県の最低賃金を支払わないと労働基準法に払拭します。しかし、市から指定管理料では、2か所の市民活動センターの受付業務スタッフの最低賃金を払うのが精いっぱいで、これまでやって来ていた、市民活動団体へ支援する人材は交通費も払えない、完全無償ボランティアとならざるを得なくなりました。

同じ市民活動センターの業務に従事する仲間のなかで、指定管理の「市民活動センター」の業務をする人間は有償、この指定管理制度を受注している「中間支援NPO」のスタツフは無償という現象が現在発生しています。特に、専門知識・資格が必要な「相談」・「会計」・「IT・web」の部署で混乱が続いています。

私の所属しています「広報」部門では、指定管理制度は、市民活動センターの広報紙とホームページは以前は一つでしたが、指定管理以後はこれを、「市民活動センター」と「中間支援NPO」の2つに分けるように市から求められ、2つにしました。
しかし、指定管理予算ではこのような専門知識を持つスタッフは雇えず、せいぜいワード・エクセルレベルの一般有償専従スタッフがやらなくてはならず、最終的には「中間支援NPO」の私のような専門知識を持つものが、無償ボランティアとしてやらざるを得ない状況です。

少なくとも、自宅と作業する場所指定管理の「市民活動センター」までの交通費はいただきと思います。必要に迫られて、鎌倉のセンターに行くのに、自宅から電車に乗ります。その時たったの165円ですが、その都度自分の財布の中からの出金が発生します。
私は、比較的経済的に恵まれているほうですが、これでは、新しくボランティアに参加する、まだ年金を満額もらえない60代前半の世代では長続きしません。

東京オリンピックではもどのようなボランティア規約を造つているのか知りませんが、短期やその場限りのボランティアなら成立しますが、本来行政の費用で賄うべき市民サービスを、市民の善意を当てにしたボランティア制度は、この朝日新聞のアンケートの結果で解るように、今後成り立って行かないのは明白でしょう。

posted by 西沢 at 07:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ボランティア