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【熊本地震現状】熊本地震での被災障がい者支援をおこなっている東俊裕さんからのレポート 紹介 [2016年09月12日(Mon)]
熊本地震・被災地障がい者センター熊本 現状レポート



熊本地震での被災障がい者支援をおこなっている
東俊裕さんからのレポート 紹介


-------------------------------------------------------------

皆様へ
災害支援後の継続的活動へのご支援を



被災地障害者センターくまもと 事務局長
一般社団法人 障害者がともに暮らせる地域創生館 代表理事
東 俊裕


1、2016年8月時点での状況

ご存じのように2016 年4 月14 日、16 日の熊本地震により、甚大な被害が発生しました。
現在、熊本市内は外形的には一応平穏な日常に戻ったかのような状況にはなりましたが、
被災障害者の状態は未だに支援が必要な状態が続いています。
熊本市と異なり、益城町の中でも旧市街や西原村や南阿蘇村の一部は、全滅と言ってい
いほど、ひどい状態です。
このような状況において、地元の支援事業所は、被災直後においては、自らの利用者へ
の支援で目一杯の状況にあり、これまで福祉サービスにつながっていない在宅の被災障害
者への支援ができるような状態ではありませんでした。
被災地障害者センターくまもとは、そういう状況を見越して、誰ともつながっていない
ような被災障害者への直接支援を行うために被災後すぐに立ち上げたものです。
しかし、当初、どうしたら、誰ともつながっていない在宅の障害者に支援を届けられる
のか、迷いました。それでSOSのチラシを配布するということになりました。SOSと
いう大きな文字に、このセンターに電話すれば、できる限りの支援を提供しますという内
容を添えたチラシを、考えられるところには全部と言って良いほど配布しました。
5月から実働を始めたわけですが、当初4〜5000枚のチラシを避難所、社協、役所
の窓口、ボランティアセンターなどに配布しました。そうしたところ、配布直後からSO
Sの電話がなり出し始め、5月の1ヶ月だけで約100名の被災障害者へ何度も支援に赴
くことになりました。福祉経験のあるボランティアも100名ほど来ていただき、延べ3
00回ほどの支援を提供することになりました。この間何をしてきたのかについては、最
新版のSOSのチラシの裏に書いております。
しかし、チラシをまいた避難所などには、障害者はほとんどいなかったので、チラシの
効果も限定的でした。その証拠に6月には、SOSがかなり少なくなりました。
ところで、熊本市は、地元の福祉関係者に委嘱して、4万2千人ほどの手帳所持者のう
ち、9000人の障害者の安否確認をしましたが、そのうち半数しか会えず、会えた中で
もフォローが必要と判断された人数は200名程度と聞いて聞いております。
ところが、そもそも、調査対象として設定されたこの9000人というのは、65歳未
満で、身体1級、2級、知的A1、A2、精神1級、2級の手帳を持ちながら、何ら福祉
サービスにつながっていない人だということが後でわかりました。
熊本市内で福祉サービスを受けているのは7000人くらいだそうですが、それ以上に
福祉サービスを受けていない重度障害者が9000人もいたことに驚きました。さらに、
それだけでなく、軽度の障害者は全く安否確認もされず、放置されたままでした。
それで、点字が必要な人を含め、4万2千人全員にこのセンターのチラシを熊本市のお
知らせという形で郵送するよう熊本市に迫り、何度かの交渉の結果、熊本市は、7月から
1ヶ月ほどかけて全員に郵送すること約束してくれました。
その結果、7月の最初の週あたりから、再度SOSが増えだし、このごろ、多いときに
は1日70本ほどの電話がかかるようになってきました。電話を受けて相談に乗り、どの
支援者をどのSOS先に差し向けるかをコーディネートする人も、実際にSOS先に赴く
福祉ボランティアも足りずパンク寸前の状況でした。お盆を過ぎた現在は少し落ち着いて
いる状況ですが、SOSの電話は途切れ内状況です。
現在までおおよそ400件のSOSがあり、一つのSOSに対して、2回から3回ほど
3人ほどのチームで支援に入っておりますので、およそ、延べで3000人ほどの福祉経
験者の派遣を行っている状態です。


2、個別支援の内容
下記のように、震災直後には、水や食料の緊急支援物資や夜間介助などのニーズに応え
たり、入浴や洗濯の支援などが多くありましたが、次第に住宅探し(民間見做し仮設住宅
や公営住宅への優先入居)のお手伝い、罹災証明や様々な行政への申請手続き手伝いや同
行支援も増えだし、現在、新しい入居先が決まったり、自宅で生活を立て直すというよう
な時期となって、引っ越しや後片付けのニーズが多くあります。
障害種別も様々ですが、特に精神障害のある方については、傾聴を基本に本人とともに、
生活再建に向けた継続支援が必要となります。
また、新しい入居先であるはずの仮設住宅が車いすの障害者には使えないと行った大き
な課題もあり、熊本県と交渉してバリアフリー化された仮設住宅の提供ができるように働
きかけているところです。

・夜間の食事介助、入浴介助
・昼間の障害児の見守り支援
・病院への移動支援や付き添い
・時間をかけた傾聴などの精神的支援
・簡易ベッドの設置
・化学物質過敏症で水道水が飲めない方へのわき水の運搬
・壊れたプレハブやブロック塀の撤去や産廃場までの運搬
・家財道具の処分(産廃場までの運搬)
・水回り、台所、風呂の配管割れの応急処置
・室内片付け
・洗濯支援
・入浴支援
・避難所から避難所への移動支援
・新しい住宅への引っ越し支援
・避難所から自宅への荷物の運搬
・住居探しと斡旋
・住居に関するお役立ち情報の提供
・就労相談
・生活費に関する相談
・修理費用や生活費の相談
・日常生活用具に関する情報提供と業者の手配
・福祉サービス受給に関する相談
・仮設住宅のバリアフリー化に関する相談


3、現状における課題
このような状況の中で、現状における課題としては、「被災地障害者センターくまもと」
として行っている災害支援をより効率的に継続するという課題と災害支援後の新たな地域
生活支援をどう作り上げていくかという2点です。
現在の支援の拠点となっている当センターの事務所は、くまもと労働センターが使用し
ていた建物を又借りして急きょ立ち上げたものです。熊本市東区長嶺西に位置し、益城町
の東側に位置する西原村、南阿蘇村、益城町の南側に位置する御船町、甲佐町、宇城市、
美里町、山都町に至るにはかなり遠く、周囲の道路は通勤時以外にも渋滞状況にあります。
また、事務スペースとしては、事務スタッフが詰めれば、支援ボランティアが報告書な
どをまとめるスペースもなく、SOS電話も時間帯によっては、喧噪状態の中で、受けざ
るを得ない状態で、毎日の10 人から20 人くらいの支援者のミーティングをするにはとて
も狭く、胡坐を組んで床に座って会議せざるを得ない状態です。
さらに、個別支援を提供するには、移動手段として自前の車両が必要です。現在10台
ほどの車両を確保しておりますが、駐車場にしても周辺の空いているところを借りており
ますが、これでも足りない状態ですし、全国から来ていただいている支援者のみなさまの
宿泊環境も決して良いものではありません。
最も問題なのは、現在のセンターは支援者の拠点には何とかなりえていますが、地域の
障害者が集まり、交流したり、障害者自身がこの支援に参画できるスペースがほとんどな
く、車いす利用できるトイレやお風呂もなく、ポータブル式のトイレはありますが、とて
も使いづらい状態です。


4、現状から見える課題と新しい拠点の整備
これまでの様々な支援の背景として見えてくるのは、在宅障害者の孤立した状況と日頃
の福祉サービスの貧しさです。特に、熊本市だけでも、本来重度障害者として福祉サービ
スを必要としている障害者が9000人も存在しておりますが、現状では全く福祉に繋が
っていません。これは、益城町やその他の周辺市町村も同様の状況であると考えています。
ですので、災害支援後の新たな地域生活支援をどう作り上げていくかが大きな課題となり
ます。
そこで、拠点を震災の中心地に移し、災害支援に特化した「被災地障害者センターくま
もと」の活動をより効率的なものにするとともに、新たな地域生活支援のための受け皿と
して、「一般社団法人障害者がともに暮らせる地域創生館」を立ち上げて、拠点の整備に
取り組んでいる最中です。
移転予定地(熊本県上益城郡益城町大字寺迫77 番地 宅地 約1400 平方メートル)は、
今回の熊本地震の被災地域のほぼ中心に位置し、益城町役場から半径20 キロメートルの範囲内に、障害者人口が圧倒的に多い熊本市のみならず、西原村、南阿蘇村、嘉島町、御船町、甲佐町のほぼ全域、宇城市、美里町、山都町の一部がカバーされる場所に位置しています。この土地は、地主さんの理解を得て借り受けたもので、支援の輪を広げるよう、自由に使ってもらえればありがたいとの申し出を受けています。この場所は、益城町文化会館の真裏に位置し、益城町の役場や多数の人が避難している総合体育館もすぐ近くにあるところです。


5 新拠点の整備状況
新拠点となる宅地には、農家がありましたが、地震により全壊しました。ですので、
現在その全壊した母屋や納屋の解体撤去工事を行っている状況ですが、そろそろ終了す
る予定です。これが終了した後に地盤の調査や地震による地盤加療工事などをした上で、
45 坪程度のプレハブを建設することになります。
完成は、早くて10 月の終わりを予定しているところです。これが完成すると、現在行
っている個別支援を継続する上で、より支援を提供しやすい環境の整備と活動拠点とな
ります。また、熊本市内だけでなく、まだまだ障害者の状況が明らかになっているとは
いえない益城町や西原村、その他の周辺町村にまで活動の範囲を広げられます。
支援の環境整備の面で言えば、移転先の敷地は1400平方メートルであり、現在使
用している専用の支援車両7台の他、支援者の個人車両、訪問で来所さられる人の車両
などの駐車場問題も解消しますし、支援者のミーティングや報告作成その他の事務作業
用の一定の空間が確保でき、雑魚寝の状態や熱帯夜の問題も、クーラーの設置や宿泊用
の余裕のある空間も確保ができます。
さらに、昼間の見守りや緊急避難的な入浴や洗濯支援のSOSに対しても、ミーティ
ングが行えるような一定の広い空間やバリアフリーの浴室やトイレ、洗濯機の設置によ
りこれに応えることができるだけでなく、障害当事者がこの活動に参加できる空間が確
保できるだけでなく、益城町などの民生委員や福祉関係者、行政との打ち合わせや会合に
も使えると思っています。


6、当事者運動と災害支援後の新たな地域生活支援の拠点として
被災時の緊急支援とはいっても1年や2年を要する話です。しかしいずれにしても
期間限定的なものです。したがって、その時期が来れば、被災地障害者センターも解
散することになります。
しかし、障害のない人の場合であっても、災害時の支援を受ければ後はなんとか自
力で生活できる基盤を作ることができるかと言えば、困難な人も多いと思います。
ましてや、障害者の場合、日頃必要な福祉サービスなどがなければ、生活が困難な
人が多くいます。
ところが、前述しましたように、障害者からあがってくる数多くのSOSが示すも
のは、本来提供されてしかるべき福祉サービスの貧しさでした。週一回でも福祉サー
ビスを受けているのはまだ良い方で、今回、熊本市役所とのやりとりの中で明らかに
なったのは、本来なんらかの福祉サービス必要としている重度障害者の中で、実に9
000人もの人が福祉サービスに繋がっていない現状でした(ちなみに、福祉サービ
スを現に受給している障害者は7000人ほどです)。政令指定都市である熊本市で
さえこうした状況ですので、益城町や西原村、その他の被災市町村においてはなおさ
らひどい状況と思われます。
福祉サービスは、結局のところ、マンパワーですので、一時的なボランティア体制
から、恒常的に福祉サービスを提供できる事業を展開するには、まずは事業の受け皿
となる恒常的に存立する法人を作り、その法人自ら事業を行うことや既存のやる気の
ある事業所に委託する形で、マンパワーを用意し福祉サービスを継続的に提供できる
ようにすることが必要です。
その中でも、在宅支援と就労支援が重要だと思っていますが、地元の障害者が運動
の中心になる必要があると思います。そこで、まずは、そういった当事者運動の拠点
として利用して貰いたいと考えています。
そこで、非営利の一般社団法人として、以下の事業を目的とする「障害者がともに暮
らせる地域創生館」を立ち上げたところです。

1 被災障害者に対する支援事業
2 被災障害者に対する支援団体との連携協力事業
3 被災障害者に対する支援のための拠点整備事業
4 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サ
ービス事業、地域生活支援事業、一般相談支援事業、特定相談支援事業
5 児童福祉法に基づく障害児通所支援事業、障害児相談支援事業
6 障害者の人権に係わる啓発及び支援事業
7 4項及び前項の事業の委託事業
8 1項から前項の事業に資するための寄付の受入事業
9 被災時を含む障害者の生活及びともに暮らせる社会のあり方に関する調査研究事業
10 その他、この法人の目的を達するために必要な事業


7、義援金のお願い
新拠点の整備にかかる費用については、複数の財団からご支援を頂くことになりまし
たので、建物の建築までの費用(全壊の建物の解体撤去、地盤改良工事、建物本体の建
築)は、一般社団法人「障害者がともに暮らせる地域創生館」として準備できている状
況です。
しかしながら、用意できたのは、建物本体部分だけですので、今後の活動にかかる諸
費用が今のところ捻出できておりません。
つきましては、これまで、被災地障害者センターくまもとへ募金活動などの義捐金を
頂いておりましたが、今後は、一般社団法人「障害者がともに暮らせる地域創生館」に
対して、義捐金を賜りたくお願い申し上げる次第です。法人の口座は下記の通りですので、ご支援をいただける場合には、この口座でお願いします。




【銀行名】ゆうちょ銀行
【名義】 シャ)ショウガイシャガトモニクラセルチイキソウセイカン
(一般社団法人障害者がともに暮らせる地域創生館)
【記号】 17140
【番号】 30707681

他の金融機関から振り込む場合は、
【店名】 七一八(読みは ナナイチハチ)
【店番】 718
【預金種目】 普通預金
【口座番号】 3070768

-------------------------------------------------------------

被災地障害者センターくまもと・JDF熊本支援センター

★住所・連絡先
〒861−8037
熊本市東区長嶺西2−6−11
電話:096−234−7728(受付時間9:00〜18:00)
FAX:096−234−7729(24時間受付)
メール:hisaitikumamoto★gmail.com(★を@に変えてください)

★被災地障害者センターくまもとについて、活動内容やボランティア募集など詳細を知りたい方は、下記ホームページをご覧下さい。
http://hisaitikumamoto.jimdo.com/


以上




■先日、NHKの番組「ハートネットTV」で東さんの震災支援の活動の様子が放送されました

東さん.png


シリーズ 熊本地震(9)また、取り残されるのか―障害者支援・東俊裕さん―
2016年9月1日(木曜) 再放送2016年9月8日(木曜)

放送内容
「障害があり、家の片付けや修理ができない」「仮設住宅に入りたいが、段差だらけでとても暮らせない。」
熊本地震から4ヶ月たった今も、被災地では復興から取り残された障害者が困難な生活を強いられています。
県内の障害者団体で作る「被災地障害者センターくまもと」では、これまでに200人以上の障害者を支援してきました。自らも身体に障害のある事務局長の東俊裕さん(63)は、2年前まで内閣府の室長として障害者制度の改革に取り組んできた、障害者支援のトップリーダーの一人です。
今回の地震で自らも被災し、厳しい現実を目の当たりにした東さん。いま感じているのは、災害の中で障害者が取り残される状況は、5年前の東日本大震災の時と何ら変わっていない、という憤りです。その背景には、災害時に限らず、“普段から障害者が地域から孤立してしまっている”という現実があるといいます。東さんは、障害者が地域とつながっていくための新たな取り組みも始めようとしています。
番組では東さんへのインタビューを通じて、災害時の障害者支援に何が欠けているかを明らかにするとともに、災害前からの孤立を防ぐために必要なことを考えます。

以上
Posted by CIL たすけっと at 15:18 | 3・11東日本大地震 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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