第三部は田村さんの講義を踏まえてのグループディスカッションで、3つのグループに分かれてもらいました。
テーマを「ステークホルダーとしての学生に何ができるか」として1時間ディスカッションをしてもらう中で実際に企画を立ててもらう、というもので、1グループ3〜4人の参加者に加え、オブザーバーとして企業の方にディスカッションに参加してもらいました。
そして1時間のグループディスカッションの後、各グループそれぞれの企画について発表してもらい、他のグループの人の方と質疑応答を行いました。
Aグループ ≪バーバパパ≫
(オブザーバー:積水ハウス株式会社 楠正吉氏)
プロジェクト名:評価の多様性
ねらい:理想社会を創るため
内容:学生が社会における自分のスタンスをもって企業に意見を言い続ける。
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オブザーバーとして積水ハウスの楠さんがグループに入っていることから、グループ名を決めたというこのグループ。「バーバパパはどんな形にもなれる」つまり「多様性を含んでいる」という意味をグループ名「バーバパパ」に込めたそうです。
このプロジェクトは「評価の中に基準を持つ」ために学生が社会における自分のスタンスを持って企業に意見を言い続けることを掲げ、レポート作成有無やレポートの良し悪しで定まらないことを学生がもっと突っ込んでいけたらいいといいます。具体的には、ダイアログへ学生枠を設けることや、就活時に学生側から提示していくことでその思いを就職後に活かす場をもらえることを挙げていました。
Bグループ ≪チーム重おかさん≫
(オブザーバー:株式会社クレアン 浦上英朗氏)
プロジェクト名:重おかさんも気づいた
ねらい:学生に気づきのきっかけをあたえる
内容:学生が学生に対し広告する。
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これから社会人へとなっていく学生が、社会人となる前にCSRを勉強しておくことが大切というこのグループ。勉強する機会は教育団体やインターンシップなどに現在既にあることから、必要なのは「気づき」だといっていました。
後になって「必要だった」と思うのではなくて、「今、必要だ!」と思えるように学生が学生に広告することを内容としています。具体的には広告を学生の目に触れる所に置き、全国から公募でポスターとか作って学校や電車、mixi等にその気づきの場を作るというものです。
Cグループ ≪COちゃん≫
(オブザーバー:株式会社ハートウェイ 上町一之氏)
プロジェクト名:CSR検定(仮)
ねらい:CSRというコンセプトを知ってもらう。
→就活時の企業選択の際のメリット・デメリットを判断できる能力をつける。
→企業側にも採用選考の基準になりうる。
内容:CSR検定の実施(以下の団体と連携) ※繋ぐのが学生
・企業→OB・OGのCSRに関する生の声
・大学
・行政(首相舎)
・NPO
DSソフト、サークル、CSR合コン
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国家レベルの認知がある検定の実施を、という企画を立てたグループ「COちゃん」。学生がこの検定を受けることで就職活動時にプラスになるようにし、一方で企業側としても採用基準のひとつとなることを狙っています。
企業のOB・OGの方に実際に勤めてみてCSRをどう感じたか伝えてもらうことなど、学生のフットワークの軽さ・繋げる力により、企業・大学・行政・NPOと学生を繋げることを視野に入れ、任天堂DS向けにCSR検定のソフトをつくることやサークル・CSR合コンを通じて、最初は学生に「楽しい」「面白い」という感覚からCSRへのアプローチをしてもらうことも考えているそう。
「広げる」ことを主に置いて、CSRというコンセプトを知ってもらい、その人数を増やすことをまず考えたようです。
以上のように、3グループから練った企画を発表をしてもらいました。
まず「ステークホルダーとしての“学生”」というコンセプトを考える所から始めることになったので、みなさん1時間という短い時間でコンセプトを考え→企画し→模造紙に書くところまで進むのになかなか苦戦したようです。
それでも、各グループでグループごとに角度の違った発想・企画はどれもよくここまで考えたな、よく思いつたなと関心するもので、それぞれの持ち味を活かした面白いものでした。
【オブザーバー・講師によるコメント】
セミナーの最後に、オブザーバー楠さん・浦上さん・上町さんと講師の田村さんに、全体を通してのコメントをいただきました。
<積水ハウス株式会社 楠正吉氏>
「感想としては、ある面で学生は自由に考えているんだなと感じた一方で、もっと自由に考えてほしいと思いました。
CSRレポートでは見えにくい問題・綺麗になりすぎている部分をぜひ学生さんの視点で気づいてほしい。世界のトップメーカーやコンビニが本当に環境にいいのか。木を植えている一方で急速に伐採されている木。南北問題。世界最大規模の日本人の大人の自殺。子どもの自殺。
企業はCSRなんて綺麗ごとを言っているけれど、みなさんが企業の土俵に乗ることはないし、レポートにとらわれる必要はない。ここに書いてないことは何だろうと考えることが、学生の特権です。もっと刺激的に企業に突っ込んでいってください。」
<株式会社クレアン 浦上英朗氏>
「学生の立場・色んな意見あって気づく点が多々ありました。ただ、やはりレポートを作っている立場としては、報告書の悪い面や要望をもっと突っ込んでほしかった。
学生は勉強が本分ですが、インプットだけじゃなくて今回のようにアウトプットもしてほしい。報告書ならアンケート返す、消費者なら買い物、友達への投げかけもアウトプットです。自分だけじゃなく周りにアウトプットしていってほしい。そして、企業も学生向けにレポートを作りたくなるように、こっちから企業へ提案していく時に『学生がこれだけ考えているんですよ』といえるくらい、学生からもっとフィードバックしてほしいです。」
<株式会社ハートウェイ 上町一之氏>
「学生の立場として、もっと今の内に世の中を良く見てもらいたいです。例えば途上国のことにしても社会人になると、普段ニュースでそれを追いかけるのが精一杯になるので、学生の内に今自分が住んでいる地域からしっかり見ていけばいいなと思います。
CSRというのは確立されたものじゃなく、今も変わり続けているものです。CSRをというよりは、本質的に社会がどうなっているか考えてほしい。企業とか行政とか関係なく、何に対しても社会に対して色んなことを素直に気構えずに行動していったらいいと思います。ある程度言っていく内に、企業側にもそれぞれの立場があってのその行動だから、こちらから文句ばっかり言ってもしょうがないとみなさん気づくでしょう。まずは気楽に色んな所に行ってみればお互い関わることで会話が生まれ、互いがどう考えているか分かる。ですので、学生の内にもっともっと積極的に関わっていけばいいと思います。」
<ダイバーシティ研究所 田村太郎氏>
「ステークホルダーとしての学生の利点は『業種に縛られず自由にいられること』と、『色んな業種の報告書を読んで比較できること』じゃないでしょうか。何冊も読んでいる学生、読める学生の声が報告書を作っている側も聞きたいだろうから、もうちょっとそういう声を提案にできたらもっと面白かったかな、と思います。
例えば、『大学生が高校生向けに、高校生が中学生向けにCSRセミナーをひらく』。人に教えようとすると一番身につくもので、CSRをどう表現すれば分かりやすいか考える機会にもなります。また、『学生SRレポートを作る』。年間CO2排出量を計算してみたり、友達のダイバーシティ度を考えたり、購入している商品、学生生活のダイアログを開くなどして、こじゃれた報告書を作ってみるのも面白いでしょうね。そうやってもっと知る機会を増やしていくことも必要で、もっと遊び心を入れた機会があるといいと思います。
企業の方やCSRを考えている人は学生の本音と触れ合いたいと思っている一方で、どこで知れるか分からずにいます。ぜひその思いに答えてほしいなと思います。
社会に出ても、そこで育てた関心の芽を育ててほしい。色々シフトしていく過程で考えてほしい。どういう道に進んでもどこかでCSRは関わってくるから、学生の内にもっと触れ合っていってほしいですね。」
以上のようなコメントをいただいて、今回のセミナーは幕を閉じました。
今回は学生と企業の方と膝と膝を突き合わせて話し合う中で双方気づきがあり刺激し合えたようです。
セミナーが終わった後も、参加者からセミナーについての良かった点・反省・改善を含め感想を沢山聞かせていただきました。
参加者の方からもオブザーバーの方々から出た「気づき」という意見同様、主催側としても気づくことが多々あり、刺激をいただけたセミナーとなりました。
田村さんがコメントの際におっしゃっていたような、みなさんのこれから育てていく『関心の芽』が、この機会を通じて少し「にょき!」っと伸びたらいいなと思います。
参加者のみなさま、オブザーバーのみなさま、ダイバーシティ研究所を始めご協力してくださったみなさま、今回のセミナーでは本当にありがとうございました。